人に寄り添う認知症ケア。近年注目されているユマニチュードとは?

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認知症 物忘れをする 幻覚・妄想 意欲の低下 脳・神経

認知症ケア ユマニチュードとは

ユマニチュードは、もともとはフランスで生まれた介護の方法です。認知症で介護が困難な状況でも、穏やかにケアを受け入れてもらえるようになることから日本でも近年注目されています。ユマニチュードでは、4つの柱「見る・話す・触れる・立つ」に重点を置いて介護を行います。この4つの行動は、ケアをするうえで当たり前に行うことのように思えるかもしれません。

しかし、実際のケアではこれらの行動を、ケアを受ける人のためではなく、ケアをする人が“作業”として行っていることが多くあります。4つの柱(行動)を通して“あなたのことを大切に思っています”というメッセージを相手が理解できる方法で伝えることによって、認知症の症状の改善につながり、介護もしやすくなります。

ユマニチュードのポイント

見る

ユマニチュードのポイント・見る

【ポイント】
“正面から近く水平に” “視野に入って話しかける”
認知症の人が認識している視野は、私たちが想像しているよりも狭いものです。まずは相手の視野の中心に入るように、正面からゆっくり近づいていきます。そして、顔を近づけて視線を同じ高さにして、笑顔でしっかり相手の目を見つめます。

話す

ユマニチュードのポイント・話す

【ポイント】
“いつもの3倍話しかける”

介護をするとき、コミュニケーションが途絶えてしまうと「自分は存在していない」と感じさせてしまう可能性があります。「あなたのことを大切に思っています」ということを伝え続けるためには、言葉をあふれさせることが大切です。最初はいつもの3倍くらい話しかけるくらいの気持ちでやってみましょう。自分で言葉を紡ぎ続けるのが難しい時は、介護の動きを実況中継してみるのもおすすめの方法です。

触れる

ユマニチュードのポイント・触れる

【ポイント】
“広い面積でしっかりと触れる” “下から支えるようにして触れる”

介護をするとき、相手に触れる手からもメッセージが伝わっています。
なるべく下から支えるように、またできるだけ触れる面積を広くすることで、触れた部分にかかる力を和らげます。このように触れることで、「あなたのことを大切に思っている」というメッセージを伝えることができます。

立つ

ユマニチュードのポイント・立つ

認知症の介護が大変になってしまう理由の一つが、寝たきりです。その寝たきりを防ぐために大切なのが、ユマニチュード4つ目の柱「立つ」です。

フランスの介護の現場では、「1日合計で20分立つことができれば寝たきりにならない」といわれています。一度に20分立つということではなく、“着替え”や“入浴”など日々の暮らしの中で数分ずつ積み上げていくことで合計20分にできれば良いのです。

※ご家庭によってそれぞれ適切な方法があるので無理はせず、主治医と相談して計画を立てましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2020年4月号に詳しく掲載されています。

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    見つける・防ぐ・寄り添う 認知症に挑む「ユマニチュード」