脳卒中(脳梗塞・脳出血)を経験した方へ 新型コロナウイルスについて医師が伝えたいこと

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糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある人や脳卒中を経験した人が新型コロナウイルスに感染すると、重症化するリスクが高いことがわかってきました。新型コロナウイルスから命を守るためにはどうすればよいのか。
脳卒中を経験されたみなさんへ専門医からのメッセージです。

脳卒中は重症化のリスクがある

脳卒中を経験した人が新型コロナウイルスに感染した場合、一般の人よりも重症化しやすい可能性があります。中国の病院で行った調査によると、新型コロナウイルスの感染で集中治療室に入った重症患者のうち、16.7%が脳卒中を経験した人だと報告されています。

脳卒中とは

脳卒中には、脳の血管が破れて出血する「脳出血」や、脳の血管に血のかたまり「血栓」が詰まることで脳の一部が壊死する「脳梗塞」などがあります。脳卒中の中で最も多いのは脳梗塞で、全体の7割を占めています。

脳卒中で最も多い脳梗塞が全体の7割を占めている

脳梗塞は再発率が高く、1年で10%、10年で50%の人が再発すると言われています。

新型コロナウイルスの感染によって脳卒中の再発リスクが高まる

新型コロナウイルスで血栓ができるリスク

脳梗塞を経験している人は、血管が硬くなったり狭くなったりする動脈硬化が進んでおり、再び血栓が詰まりやすくなっています。
実は、新型コロナウイルスに感染すると「血栓」ができやすくなるという可能性が指摘されています。ある報告では、調査した新型コロナウイルス感染者全体のうち42%、死亡者のうち81%の人の血液で、「血栓」ができると増える物質が多くなっていたことが確認されています。
つまり、脳卒中を経験した人が新型コロナウイルスに感染すると、脳卒中が再発するリスクが高まる可能性があるのです。

脳卒中を経験した方へ 新型コロナウイルスに関する注意点

脳卒中の治療は一刻を争います。もし、新型コロナウイルスに感染していたり、感染の疑いがある状態で脳卒中を発生した場合、治療の前に感染症の検査をしたり、医療スタッフの感染防止対策が必要になったりするため、1分1秒を争う治療が遅れてしまうおそれがあります。
手洗いやアルコール消毒といった衛生対策をしっかり行い、感染症の予防を徹底しましょう。

新型コロナウイルスの予防に効果的な正しい手洗い方法

新型コロナウイルスに感染の疑いがあり、脳卒中を再発した場合

脳梗塞の薬について

脳梗塞を防ぐ治療薬として、血管が詰まらないように血をサラサラにする「抗血栓薬」が使われています。
この「抗血栓薬」の中には、感染症に対する薬によって悪影響を受けるものもあります。併用することで抗血栓薬の効果が過剰になり、出血につながってしまったり、逆に薬の効果が減って血管が詰まりやすくなってしまう可能性があります。
脳梗塞の患者さんが、発熱や呼吸器症状などに対して薬を処方してもらう場合は、医師や薬剤師に、日頃服用している薬の内容をお薬手帳などで提示してください。

脳卒中の後遺症の悪化に注意

新型コロナウイルス感染の影響で、脳卒中の後遺症である麻痺(まひ)などの症状が悪化することがあります。脳卒中の後遺症がある方が、もし、ふだんよりも体が動かしづらいと感じたら、すぐにかかりつけ医の先生に電話で相談してください。

リハビリの継続を

ふだん通っているリハビリや介護サービスに行けなくなった場合も、自分でできる簡単な運動やリハビリを毎日継続しましょう。施設に通っている方は、事前に自宅でできるリハビリメニューを習っておくのもいいでしょう。

医師からのメッセージ

我々医師は、適切な治療が受けられるように救急医療体制の維持に力を尽くしています。感染に十分に注意しながら、この危機を一緒に乗り越えていきましょう。

そのほかの基礎疾患をもつ方へ医師からのメッセージ

心臓病の方へ 腎臓病・透析中の方へ 糖尿病の方へ リウマチの方へ 高齢者・フレイルの方へぜんそく・COPDの方へ 動脈硬化・高血圧の方へ 認知症・家族の方へ がんの治療中の方へ

この記事は以下の番組から作成しています

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