不正出血が起こる「子宮体がん」 原因や症状、治療について徹底解説

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子宮体がんとは

子宮のがんには、「子宮頸(けい)がん」と「子宮体がん」の2つがあります。どちらも名称に子宮が付いており、似ている感じがしますが、全くの別物です。

子宮頸がんと子宮体がんが発症する場所

子宮体がん(癌)は、妊娠中に赤ちゃんが育つ場所である子宮体部に発生するがんです。近年は、発症の若年化が問題となっています。年代別で多いのは、閉経前後の40~50歳代ですが、20歳代後半以降の女性にも増えています。背景には、結婚・妊娠年齢の上昇や妊娠回数の減少、月経不順、食の欧米化などがあるとみられています。

子宮対体がん 年齢別罹患数のグラフ

子宮体がんの原因は、女性ホルモンが深く関わっています。女性ホルモンには、子宮内膜の増殖を促す「エストロゲン」と、子宮内膜の増殖を抑える「プロゲステロン」があります。

子宮体がんの原因、エストロゲンとプロゲステロン
子宮体がんの原因、エストロゲンとプロゲステロン

この2つのホルモンバランスが何らかの原因で崩れ、エストロゲンの働きが過剰になり、子宮内膜が異常に増殖すると、がんが発生します。

エストロゲンの働きが過剰になり、子宮内膜が異常に増殖すると、がんが発生

子宮体がんの症状

子宮体がんのサインは、月経以外の性器からの「不正出血」です。また、「おりものに悪臭がある」「おりものが茶色っぽい」などの変化にも注意してください。

子宮体がんのサインをチェック

月経以外の時に出血がある

【月経以外の時に出血がある】

子宮体がんの多くで、不正出血が現れるため、がんを見つけるうえで絶対に見逃してはいけない症状です。特に閉経前後で、思い当たる理由がないのに少しずつ出血している場合や、8日間以上続く場合は、要注意です。
おりもののに悪臭がある、おりものの色が茶色っぽいなど、「おりものの異常」にも気をつけてください。

閉経後に不正出血がある

【閉経後に不正出血がある】

通常、1年間月経がない状態が続くと「閉経」と見なされますが、それ以降にも時々出血がある場合は注意しましょう。出血の量や回数が少ないからといって、がんではないとは言い切れません。

長期間、月経不順がある

【長期間、月経不順がある】

月経不順があると、エストロゲンにさらされる期間が長くなります。がんが発生するリスクが高くなります。

不正出血や月経不順は、ストレスや過度のダイエットなどでも起こりますが、子宮体がんをはじめ、子宮頸がんや子宮筋腫などの病気が隠れている可能性があります。

重要!サインをそのままにせずに、原因をきちんと調べておくことが大切。月経時の出血量にかかわらず、気になる症状があれば、婦人科を受診しましょう。

子宮体がんの治療

子宮体がんの治療

最も早期の子宮体がんに対しては、「ホルモン療法」を行うこともありますが、通常、治療の第一選択は「手術」です。子宮と卵管、卵巣を摘出します。子宮体がんは卵巣に転移しやすいため、がんが子宮内膜の中だけにとどまっていても、卵管や卵巣を摘出するのが基本です。がんが子宮内膜の外に広がっている場合は、子宮周辺のリンパ節も切除します。

ホルモン療法

子宮内膜の増殖を抑える働きのあるプロゲステロンのホルモン薬を4~6か月服用します。ただし、がんを一時的に排除できても、治療をやめるとすぐにがんが再発する危険性もあります。

手術

がんの進行に応じて切除範囲が決まります。

子宮と卵管、卵巣をすべて切除
【1】がんが子宮内膜の中にとどまっていても、基本的に子宮と卵管、卵巣をすべて切除します。


子宮周辺の組織や骨盤の内側にあるリンパ節も切除

【2】子宮内膜より深い場所や、子宮頸部に広がっている場合は、子宮周辺の組織や骨盤の内側にあるリンパ節も切除します。

おなかの血管の周りのリンパ節も切除

【3】リンパ節に転移している場合は、おなかの血管の周りのリンパ節も切除します。


手術後の治療

早期がんでも特殊なタイプや、リンパ節に転移がある場合には、手術後の再発率が高くなります。そこで、再発予防のために、「抗がん剤治療」や「放射線治療」を追加することがあります。手術が難しい場合でも、抗がん剤治療や放射線治療が行われます。
また、一部の子宮体がんでは、抗がん剤治療で効果がない場合でも、「免疫チェックポイント阻害薬」のペムブロリズマブ」が有効なことがあります。

リンパ浮腫

リンパ浮腫

手術でリンパ節やリンパ管を切除すると、リンパ液の流れが滞って、脚がむくむ「リンパ浮腫」が起こることがあります。リンパ浮腫に対しては、主に4つの治療法を組み合わせて、生活の質を保ちます。

弾性着衣

弾性ストッキング・弾性包帯

弾性ストッキングや弾性包帯で脚を圧迫し、むくみを抑えます。

リンパドレナージ

手でさするなどしてリンパ液の流れを促します。自分で行う方法と、専門施設で行う方法があります。

適度な運動

軽く体を動かして、リンパ液の流れを促します。

スキンケア

皮膚にできた傷から細菌が入って感染し、リンパ浮腫を招くことがあります。皮膚を清潔に保ち、保湿することが大切です。

リンパ浮腫のスキンケア

手術後のリンパ浮腫が早くに改善し、それ以降、浮腫が現れない場合も多いですが、数年以上たってから悪化することもあります。過剰な心配はいりませんが、むくみに気付いたら、担当医に相談しましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2020年9月号に詳しく掲載されています。

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