高齢者・フレイルの方へ 新型コロナウイルスの重症化リスクと注意点

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サルコペニア 筋肉 全身

糖尿病や心臓病、腎臓病などの基礎疾患がある人や高齢者が新型コロナウイルスに感染すると、重症化するリスクが高いことがわかってきました。新型コロナウイルスから命を守るためにはどうすればよいのか。
高齢者・フレイルのみなさんへ専門医からのメッセージです。

外出自粛による衰えリスク

新型コロナウイルスに感染すると、高齢者は重症化しやすいと言われています。特に高齢者の中でも、フレイルの方は免疫力の低下が考えられ、感染すると重症化するリスクが高い可能性があります。
フレイルとは、要介護に至る手前の状態のことで、筋肉などの身体機能や認知機能が低下している状態のことを指します。個人差はありますが、フレイルは70歳を過ぎた頃から顕著に現れるといわれています。

フレイルの最大の危険因子「サルコペニア」についてはこちら

フレイルには、大きく次の3つの要素があります。

フレイルの大きな3つの要素

  1. 身体的な衰え
    筋肉の質や量などが低下する。
  2. 認知・心理的な衰え
    認知機能が低下したり、うつ状態になったりする。
  3. 社会的な衰え
    人とのつながりが減って閉じこもったりする。

新型コロナウイルスの感染予防のために外出を控えるようになると、戸外での運動や買い物がしづらくなります。また、偏った食事になりやすく、栄養状態が不十分になることが考えられ、人との交流が途絶えがちになるため、会話をしなくなってしまいます。
外出を控えることで起きるこうした要素は、フレイルの状態の悪化に拍車をかけてしまいます。

筋肉の急激な減少に注意を

高齢者やフレイルの方が外出を控え、歩くことが少なくなると、筋肉の質や量がさらに低下してしまうことが心配されます。一般的に加齢に伴い、筋肉量は毎年減っていきます。特に高齢者の場合は、寝たきりの生活を2週間すると一度に7年分の筋肉を失ってしまうとも言われています。

筋肉が減少すると、体にはさまざまな変化が起こります。全身の血流が低下してしまいます。また、糖をためておく場所が少なくなるので、糖の調整を行う働きが低下し、血糖値が不安定になります。さらに、免疫の働きも悪くなってしまいます。
筋肉量を減らさないようにすることは、健康を保ち、フレイルの状態を悪化させないためにも大切です。

筋肉減少の影響

高齢者の方へ 新型コロナウイルスに関する注意点

新型コロナウイルスの感染予防のための生活をしながら高齢者やフレイルの方が心がけたいポイントは、「運動」「栄養」「人とのつながり」の3つです。
マスク着用と手洗い、アルコール消毒といった一般的な衛生対策をしっかり行った上で、次のことを実践しましょう。

運動

天気のよい日には、人との距離をしっかりとった上でウォーキングなどの運動をしましょう。外で運動することは筋肉を保つだけでなく、気分転換になりますし、血液の循環もよくしてくれます。
家の中でも、できる範囲で運動しましょう。スクワットや片足立ち、足踏みなど、自分の体の状態や体調に合わせて行ってください。

※運動をするときは、机や椅子に手を添えるなど、安全に気をつけて行うようにしましょう。

新型コロナウイルス感染予防、運動

踏み台を上り下りするだけの「スローステップ運動」のやり方

栄養バランスのとれた食事

食事は栄養バランスのよい、十分なエネルギーのあるものをとりましょう。
特に、筋肉の元になるたんぱく質が多く含まれる食材や、筋肉増強をサポートするビタミンDを積極的にとるようにしてください。たんぱく質は肉、魚、豆類、牛乳などに、ビタミンDはきのこ類、魚介類、卵に多く含まれています。

たんぱく質やビタミンDをとって感染予防

ビタミンDがたくさんとれるレシピ
たんぱく質が豊富なささみを使ったレシピ

人とのつながり

認知機能を維持するためには、人との交流が大切です。会話を増やすために電話やメールを活用し、友人同士や家族同士と定期的に連絡を取り合うようにしましょう。

新型コロナウイルスの感染予防、人とのつながり

医師からのメッセージ

今は大変な状況ではありますが、この感染症の問題が落ちついたときに、今までの身体の機能、認知機能、社会性や人とのつながりなどが維持できるように心がけましょう。そのためには、日々のちょっとした心がけの積み重ねが重要です。ご家族の方は、手洗いなどの予防や体を動かすこと、人とのつながりを積極的に持つことを促すようにしてください。
我々、医師も支えていきます。社会全体でサポートしていきましょう。

そのほかの基礎疾患をもつ方へ医師からのメッセージ

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この記事は以下の番組から作成しています

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