ツラ~い鼻水・鼻づまりが激減!日本人がまだ知らない花粉症対策とは?

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セルフケア・対処 花粉症

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今年も花粉症シーズンがやってきました。マスクにゴーグルに鼻うがいに薬に......ありとあらゆる対策グッズを使っても、まだツラ~い症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな皆さんに朗報です!ガッテン!が総力を挙げて世界中を取材し、「早い・安い・簡単」3拍子そろったとっておきの花粉症対策を見つけてきました。いつもの対策グッズにプラスするだけで、症状が劇的に改善する秘策をご紹介します!

スギだけじゃない!花粉症シーズンは長引く傾向に

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花粉症の原因として最も有名な「スギ」。地域にもよりますが、例年、スギ花粉が多く飛散するのは2月~4月です。さらに、最近は「ヒノキ」による花粉症も増えています。ヒノキ花粉は、スギより少し遅れて3月~5月に飛散します。ほかにも、イネやシラカンバ、ブタクサ、ヨモギなど、夏から秋にかけてもさまざまな植物の花粉が飛んでいます。そのため、現在は春だけでなく、ほぼ1年を通して花粉症シーズンともいえる状況です。

久本雅美さん
「私は25年前から花粉症にかかって、いまだに鼻水ダラダラ、目かゆい......本当に花粉症ってツラいんです」

的場浩司さん
「自分は何年か前に突然花粉症になりまして。ドラマで決めゼリフを言った瞬間に、水みたいな鼻がターッと出てきちゃうと、かっこ悪いですよ」

世界中の花粉症対策を徹底取材!"鼻バリア"って一体なに!?

世界には、日本でまだ知られていない花粉症対策があるのでは?と、番組スタッフはイタリアで開かれた世界アレルギー機構国際科学会議に潜入。世界36か国88人の専門家に話を聞きました。その中で、何人もの専門家が口にしたのが......

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ベラルーシの医師
「"鼻バリア"よ。花粉を防ぐ」

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スペインの医師
「花粉を防ぐ"鼻バリア"がイギリスにある。"鼻バリア"は症状を抑えるのによく効くらしい」

・・・"鼻バリア"という謎の言葉でした。しかも、その"鼻バリア"はイギリスにあるというのです。

″花粉症発祥の地"イギリスで"鼻バリア"が明らかに!

というわけで、番組スタッフはイギリスへ急行。実はイギリスは、200年前に初めて花粉がアレルギーを引き起こすことを発見した、いわば"花粉症発祥の地"なんです。羊を放牧するため、広大な牧草地が広がるイギリスでは、牧草から飛ぶ花粉が原因で、今では人口の1/4が花粉症と言われています。イタリアの国際会議で出会ったエディンバラ大学のダーモット・ライアン医師の自宅を訪ね、"鼻バリア"の正体を聞いてみると......

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なんと「ワセリン」だと言うのです。

エディンバラ大学 ダーモット・ライアン医師
「"鼻バリア"は誰でも使える方法です。ワセリンはどこでも買えますからね。それに、安全で副作用も少ない。(イギリスでは)どの家でも、ワセリンは洗面所の棚に置いてありますよ」

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実際、イギリスの街頭で花粉症の人に話を聞いてみると、多くの人が花粉症対策としてワセリンを使ったことがあると話してくれました。

新対策!ワセリンを使った"鼻バリア"のやり方

どうしたら効果的にワセリンがぬれるのか、国際医療福祉大学 耳鼻咽喉科岡野光博教授に教えていただきました。

1.綿棒(または清潔な指)で、ワセリンを鼻の入り口に塗る
ワセリンの量が多すぎると、かえって鼻が詰まってしまうおそれがあります。ワセリンの量は、綿棒の先が薄く覆われるくらいが目安です。
綿棒を鼻の奥まで入れ過ぎると、鼻血が出ることがありますので、注意してください。

2.指で軽く小鼻を押さえて、鼻の内側全体にワセリンを行き渡らせる

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余ったワセリンが鼻から出てきた場合は、ティッシュペーパーなどで拭き取ります。たったこれだけで"鼻バリア"の完成です!
ときどき鼻をかんで花粉が付いたワセリンを取り除き、1日3~4回を目安に塗り直すと効果的です。

注意!脂漏性湿疹や脂漏性皮膚炎の人は、油分で悪化する場合がありますので、避けてください。

立川志の輔さん
「(ワセリンを)つけた感じの違和感は?」

的場浩司さん
「僕はまったくないです」

久本雅美さん
「全然ないです。見た目も何かやってるって感じがないから、全然いいよね!」

的場浩司さん
「だってつけたの全然わかんないですもん」

こんなに簡単で違和感もないという"鼻バリア"。本当にこれだけで効果があるんでしょうか?

実験で"鼻バリア"の効果を徹底検証!

番組では、"鼻バリア"の効果を確かめるべく、ある実験を行いました。その実験に参加していただいたのは、花粉症のツラ~い症状に長年苦しめられているという10名のドライバーの方々。皆さん、運転中に眠くなると危険なため、花粉症の薬をのむことができません。マスクも眼鏡が曇ることがあるため、できるだけ使いたくないと言います。そんな「花粉症がツラいのに、職業柄なかなか対策をとることができない」という皆さんに、"鼻バリア"を試していただきました。
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やってきたのは、天井から花粉を散布することができる特殊な研究施設。皆さんには、ゴーグルと防護服を装着の上、まずは"鼻バリア"をしない状態で3時間過ごしてもらいました。散布される花粉の量は、天気予報で「花粉が極めて多い」と報じられる時期と同じくらい。

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3週間後、今度は皆さんの鼻にワセリンを塗った状態で、もう一度同じように研究施設で過ごしてもらいました。実験後、ひとりひとり医師の診察を受けてもらい、対策の前後を比較したところ、驚きの結果が明らかになったのです!

鼻水・鼻づまりが劇的改善!"鼻バリア"驚きの効果

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実験に参加した10人の方の鼻水の量を、"鼻バリア"「なし」と「あり」で比べたところ、「"鼻バリア"あり」では「なし」の1/10以下に激減しました。

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続いて、鼻づまりの度合いを表す鼻粘膜のはれを見てみると、何も対策をしなかった場合は、10人全員にはれが見られましたが、鼻にワセリンを塗って"鼻バリア"の対策を施すと、鼻粘膜のはれが見られた人は1人もいませんでした!
さらに、鼻の症状だけでなく、くしゃみや目の症状を抑える効果も期待できるということです。

"鼻バリア"をして、3時間も大量の花粉にさらされ続けた皆さんの反応は?

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実験に参加した男性
「楽でした。全然楽でした」
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実験に参加した男性
「鼻もスースーしてますし、全然大丈夫ですね」

花粉症を研究して45年。これまで数多くの花粉症の薬や対策グッズの効き目を検証し、今回の実験に立ち会ってくださった榎本雅夫医師も、この結果には驚きを隠せませんでした。

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元日本赤十字社和歌山医療センター 耳鼻咽喉科部長榎本雅夫医師
「私もここまで効くとは思ってませんでした。(鼻にワセリンを塗るというのは)非常におもしろい発想だと思います。意外に盲点かなと思いますね」

なぜ症状が改善?ワセリンが花粉症に効く2つの理由とは?

ワセリンは、バリアとして2つの作用が期待できます。

1.花粉が鼻粘膜に付くのを防ぐ

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私たちが花粉を吸い込み、花粉が鼻の粘膜に付くと、それを異物(アレルゲン)と見なした免疫細胞が、盛んに炎症物質を出して花粉を体の外に出そうします。その結果、鼻づまり(鼻粘膜のはれ)や鼻水などの症状が現れます。これが花粉症です。
しかし、鼻粘膜にワセリンを塗っておけば、アレルゲンとなる花粉が直接粘膜に付くのを防いでくれます。

2.花粉が割れて中身のアレルゲンが飛び出すのを防ぐ

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花粉はカプセルのような構造をしていて、殻の中に強いアレルゲン物質を内包しています。鼻の中に入ってきた花粉は、鼻粘膜の粘液(鼻水)に触れると、割れて中身のアレルゲンを放出します。実は、花粉はアルカリ性の液体に触れると割れやすいのですが、鼻水は弱アルカリ性なのです。
しかし、油分であるワセリンは水をはじくため、ワセリンを塗ったところには鼻水はありません。そのため、花粉が割れず、中身のアレルゲンが出てくるのを防いでくれると考えられます。

まとめ

鼻にワセリンを塗るだけで、症状を劇的に改善できる"鼻バリア"。マスクやゴーグル、薬など、いつもお使いの対策にプラスするのがオススメです。今シーズンはぜひお試しください!

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薬などによりアレルギー症状をおこしたことがある人は、使用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。また、製品の注意書きをよく読んでからお使いください。

この記事は、以下の番組から作成されています。

2019年4月3日(水)放送 ガッテン!
「今、ツラいあなたに!保存版新発想の花粉症対策SP」