若さ・美肌を保つのに欠かせない血液「赤血球」を増やす食材と調理法

更新日

食で健康づくり 貧血 全身

美肌の決め手は赤血球の色にある

肌が美しいと年齢にかかわらず若々しく見えるもの。その見た目の若さに大きく影響しているのが「血液」です。
血液はさまざまな成分で構成されていますが、中でも「赤血球」という細胞は、その名の通り赤い色をしており、この赤血球が、血色や肌の輝きに密接に関わっているのです。

赤血球は、体のすみずみに酸素を供給する重要な役割を担っています。赤血球の中にはヘモグロビンというたんぱく質があり、このヘモグロビンが酸素と結びつくことで酸素が運ばれます。
もし、ヘモグロビンに酸素があまり結びついていないと赤血球の色は暗くなり、たくさん結びつくと、鮮やかで明るい色になっていくのです。

酸素を加えて明るくなる血液
酸素を加えて明るくなる血液

酸素を加えた血液(右)は明るい色になる(実験協力:順天堂医院血液内科)

鮮やかな色の赤血球は、顔色を明るくし、つやのある肌にしてくれます。目の下のクマや肌のくすみは、赤血球が暗い色をしているためかもしれません。また、鮮やかな色の赤血球が全身に酸素を運ぶと、体の組織の働きが盛んになります。たとえば、皮膚では新しい細胞への入れ替わりが進むため、キメの細かい若々しい肌を保ちやすくなるのです。

赤血球の働きをよくすることは、若さと元気の秘訣につながります。赤血球は120日かけて入れ替わり、このサイクルは高齢者でも変わらないといわれています。

鉄分が不足すると顔色は悪くなる

鉄分は、酸素を運搬するヘモグロビンの材料になる大切な栄養素です。そのため、鉄分が不足すると、ヘモグロビンの量も少なくなり、赤血球の形や大きさもバラバラになってしまいます。赤血球の色も悪くなります。

酸素量と貧血の赤血球

上の図の右側は酸素を運んでいるときの赤血球です。ヘモグロビンが酸素とくっついている状態だと鮮やかな赤色です。それに対して、酸素とくっついていない左側の赤血球は暗い色です。

貧血の人の赤血球

さらに下の段は、貧血になった人の赤血球です。貧血になると赤血球の色自体が薄く、淡い色になっていきます。ヘモグロビンが減っているため、色素が減って淡い色になるのです。赤い色が鮮やかだと、血色もよく、肌つやもよく見えますが、赤血球の色が薄くなると青白い顔になってしまいます。
女性は男性と比べて鉄分不足になりやすく、自覚症状のあるなしを別にしても、全体で1/4ぐらいの女性は鉄分不足で、それによる貧血があるといわれています。

鉄分不足による貧血を調べるチェックリスト

【貧血チェックリスト】

  • 眠っても疲れがとれない
  • 階段を上ると息切れする
  • 爪がもろい
  • 顔色が悪いといわれる
  • 飲み物に入っている氷を食べてしまう
  • ハードなスポーツをしている
  • 肉はあまり食べない

このリストの7項目のうち2つ以上当てはまると、鉄分不足による貧血の疑いがあります。
項目のうち上の5つは貧血があったときに出る症状です。「飲み物に入っている氷を食べてしまう」というのは「異味症」という鉄分不足の貧血に出る特徴的な症状のひとつ。味覚や嗜好(しこう)がおかしくなって、ガリガリとしたものを食べたくなる症状です。
項目のうち下の2つは貧血になるリスクを示しています。女性の場合、出産や生理など鉄分が排出される機会が多いため、リスクが高いといえます。
貧血はめまいや息切れに悩まされるだけでなく、抜け毛が増えたり爪が割れやすくなったりするなど、美容にも大きな影響を与えます。

鉄分補給で貧血対策

貧血を予防し、また酸素をしっかりと体に運べる赤血球にするためには、不足しがちな鉄分を補うことが大切です。1日に推奨されている摂取量は、閉経前の女性で10.5mgです。しかし国の調査によると、実際に摂取している量は平均で7.4mgほどで、1日あたりおよそ3mg足りないといわれています。
鉄分を多く含む食材を知り、意識的に食事に取り入れるようにしましょう。鉄分を多く含む食材には、次のようなものがあります。

鉄分を多く含む食材

【鉄分を多く含む食材】
・レバー(豚・鶏が多い)、卵、あさり、赤身、かつお
・青のり、岩のり、ひじき、小松菜、ほうれんそう

食事のたびに鉄分がとれる裏ワザ

鉄分不足を補うには食材選びも大切ですが、調理の工夫でも効率的に鉄分をとることができます。
岩手大学名誉教授の及川桂子さんによると、調理で効率的に鉄を取り出す方法として「鉄鍋を用い、さらに酸性の調味料を使うこと」がおすすめだといいます。鉄鍋を使って出てくる鉄は体への吸収がとてもいいのだそうです。

調味料ごとの加熱時間による鉄溶出量

及川さんの論文の検証によると、酢を加えた水500mLを鉄鍋で5分沸かすと、およそ7mgの鉄分が溶けるという結果が得られています。おすすめは、お味噌汁に酢を足すテクニック。1杯で1日に不足する鉄分3mgをとることができるといいます。

鉄鍋を利用する際は、テフロンやホーロー加工など表面にコーティングがされていないものを使います。鉄鍋がない場合は、鉄の塊「鉄玉子」を具材と一緒に鍋に入れて調理する方法もあります。

赤血球のしなやかさを高めて酸素供給をアップ

元気な赤血球の条件としては、鮮やかな色だけではなく、しなやかであることも重要です。
本来、赤血球は毛細血管などの狭い場所では自らを折りたたんで通過しながら、酸素の受け渡しをしています。自分より小さな場所に入っていけるしなやかさを持っているというわけです。
しかし、赤血球が硬くなると毛細血管をスムーズに通れなくなり、酸素が運ばれにくくなります。毛細血管まで酸素が運搬できないと、全身の代謝が低下し、体が疲れやすくなってしまいます。もちろん美肌にも悪影響です。

赤血球が硬くなる大きな原因は、コレステロールです。血液中にコレステロールが増えると、赤血球を覆っている細胞膜にどんどん取り込まれていきます。コレステロールは硬い構造をしているため、赤血球の膜が硬くなり、しなやかさを失ってしまうというわけです。
コレステロールや中性脂肪の数値が高い人は、赤血球が硬くなりやすいといえます。

EPAをとって顔色とスタミナアップ

さばやいわしなどの青魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)という脂肪酸が含まれていますが、このEPAには赤血球の膜を柔らかくする効果があります。九州大学教授の丸山徹さんによると「EPAをふんだんにとっていると、4か月ぐらいするとしなやかな赤血球ができてきます。血のめぐりがよくなるので、スタミナがアップしますし、顔色がよくなったり、クマが目立たなくなったりという変化を感じることができるでしょう」といいます。
EPAをしっかりとるには1日1000mgの摂取が推奨されています。あじの開き2枚、さばの塩焼きなら1枚、さば缶1缶が目安です。

鉄分とEPA補給! 美肌レシピ

いわしとトマトのサンラータンメン

料理研究家の和田明日香さんに、1品で鉄分とEPAがたっぷり補給できるレシピを考えていただきました。鉄分とEPAを豊富に含むいわしを使います。鉄分の補給ができる「鉄玉子」と酢を少々加えれば、さらに多くの鉄分をとることができます。

いわしとトマトのサンラータン

材料(2人分)

  • いわし(3枚おろし)
    200g
  • (A)

    少々
    卵白
    1個分
    かたくり粉
    小さじ1
    しょうゆ
    小さじ1
    しょうが(すりおろし)
    小さじ1
  • 400mL
    鶏がらスープのもと
    小さじ2
    しいたけ(薄切り)
    2枚
    完熟トマト(くし切り)
    大1個
    水溶きかたくり粉
    小さじ4
    卵黄
    1個分
    ごま油
    小さじ1
    黒こしょう
    たっぷりと
    大さじ1~2
    ラー油
    お好みで

作り方

  1. いわしをすり身にし、包丁でよくたたく。(A)の調味料を加え、練り込む。
  2. 鍋に湯を沸かし(材料外)、スプーンでいわしを取り分け、サッと下ゆでして魚のくさみをとる。
  3. スープを作る。水に鉄玉子を入れて小さじ4の酢(材料外)を入れて煮立たせ、鶏がらスープのもとを加える。しいたけと下ゆでしたいわしを煮込む。
  4. くし切りしたトマトを加え、水溶きかたくり粉を加えてとろみをつける。さらに卵黄を入れてゆっくりかき混ぜる。
  5. ごま油、黒こしょう、酢で香りづけし、味を整える。お好みでラー油を加える。
※鉄分アップをさらに目指す場合は鉄玉子を入れます。400mLの水に対して酢小さじ4が目安です。

この記事は以下の番組から作成しています

2018年7月31日(火)放送

美と若さの新常識「増やせ!元気でかわいい赤血球」