多くの女性が体の悩みとして抱える冷え症。さまざまな対策グッズや対処法が世に出ていますが、「なかなか決め手がない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで、日本の冷え症治療の第一人者である北里大学東洋医学総合研究所客員教授の伊藤剛さんが編み出した、冷え症の「タイプ別対策法」をご紹介します。
冷え症 基本4タイプ
伊藤剛さんは、長年の冷え症研究の成果から、冷え症のタイプは主に4つに分かれるといいます。手先足先が冷える「四肢末端型」。腰から下が冷える「下半身型」。お腹が冷える「内臓型」。そして、全身が冷える「全身型」です。

★四肢末端型
食事の量が少ない、運動不足などの生活習慣により体内の熱量が不足しているため交感神経が過剰に働き、手先や足先が氷のように冷える。10~20代の女性に多い。
★下半身型
主に、腰から下の下半身が冷える。お尻やふくらはぎの筋肉のコリによる血行不良が原因。また下半身型の人の熱容量は普通の人と変わらないため、下半身は血流不足で冷える一方、上半身は血流が多すぎることで熱くなる、いわゆる「冷えのぼせ」という状態になることがある。
★内臓型
体の内部は冷えるが、体の表面は温かいタイプ。副交感神経の働きが強く、交感神経の働きが弱いため、寒くても体表面の血流は減らずに放熱が続くため、体温は下がってしまう。そのため手足は温かいが、おなかや二の腕などの冷えを感じ、腸が冷えるとおなかが張ってくる。
★全身型
体全体が冷えるタイプで、体温は常に低いのが特徴。体質、ストレスや生活習慣の悪化によって、極端な体力低下が原因となって起こる。ただし、甲状腺機能低下症などの病気などが潜んでいる可能性もあるので、医療機関で検査が必要。
自分の冷え症のタイプを知ろう
Q1〜Q5に対し、A~Dのいずれかを選び、それぞれの点数を計算してみましょう。
最も点数が多いものから、タイプを推定できます。Q1は重要な質問なので2点で計算します。

Q1.手足の冷えの状態は?
A 手足が常に氷のように冷える
B 足は冷えるが手は温かい
C 腹は冷えるが 手足は触れると温かい
D 人から手足が冷たいと言われる

Q2.汗のかき方は?
A あまりかかない
B 顔や頭など上半身にかきやすい
C 全身にかきやすく冷えやすい
D ほとんどかかない

Q3.食事の量は?
A 少なめ
B 普通
C どちらかというと多め
D どちらかというと少なめ

Q4.寒い所で最も冷えを感じる部位は?
A 手足の指
B 足やふくらはぎ
C 腹や二の腕
D 背中や全身

Q5.冷えと同時に感じる症状は?
A 頭痛や不眠
B 足が冷え顔がほてる
C 腹のガスがたまりやすい
D 体温が常に低く寒気がある

Aが多い・・・四股末端型の可能性あり
Bが多い・・・下半身型の可能性あり
Cが多い・・・内臓型の可能性あり
Dが多い・・・全身型の可能性あり
Aが多く体温が常に低い・・・全身型
※点数の多いものが2つある場合、2つのタイプを併せもつ「混合型」の可能性があります。
タイプ別冷え症対策
冷え症における冷え方は、基本的に4タイプに分けられます。これら4タイプは原因が異なるため、タイプ別の対策が必要です。ツボを刺激して血流を改善するとともに、生活習慣の見直しも大切です。
四肢末端型
足先のツボ「八風(はちふう)」のストレッチで、足先の血流改善を狙います。イスに座り、足の甲を持って、手の指を曲げる感じでストレッチします。


ツボの位置:左右の足の指の付け根
伸ばし方:手のひらで足の甲を持つようにして伸ばす。
順序:①3秒~5秒伸ばす。②手を離し、同じ時間休む。③5回ほど繰り返す。
※回数は、1日1~2セットほど。決して伸ばし過ぎないでください。
日常生活でできること
- 体幹を温める
- 食事をしっかりとる
- 毎日適度な運動をする
首元や肩、おなかなどの体幹をしっかり保温します。体幹で増えた熱を逃がすために末端の血管が拡張し、血流がよくなって冷えが改善されます。熱量を増やすには食事や運動の量を増やす必要があります。
下半身型
お尻の筋肉のツボ「臀中(でんちゅう)」のツボ押しで血行の改善と冷えの改善を狙います。ソフトボールを使い、ベッドとお尻の間にボールを入れて、体を斜め45度に傾けて押します。


ツボの位置:お尻の真ん中あたり
押し方:体を傾けて体重を使って押す。1回30秒ほどに留める。
※回数は、1日1~2回ほど。決して押しすぎないでください。
ふくらはぎの筋肉の凝りをほぐす
いすに座ります。左膝に右足のふくらはぎを当てて、右足を下から上に向かってゆっくりこすります。ふくらはぎの内側、真ん中、外側と位置をずらしながら、“痛気持(いたきも)ちいい”場所は10回程度こすります。反対側の足も同様に行います。

日常生活でできること
- 下半身(特にふくらはぎ)を使った運動やストレッチをする
- 長時間の座りっぱなしを避ける
座り仕事の人はこまめに立つようにします。また、ウォーキングやジョギングなど、ふくらはぎの血流をよくする運動を積極的に行いましょう。
内臓型
お腹のツボ「中条流子孕(ちゅうじょうりゅうこばら)みの灸点」を携帯カイロなどで温め、内臓に関係する自律神経バランスの改善を狙います。このツボは、古くから「妊活のツボ」として、お灸が行われてきました。ツボの真下には、直腸などの血流を調節する神経があり、効果が期待できるといいます。


ツボの位置:おへそを頂点とした正三角形の角
※1辺の長さは、唇の端から端までの長さです。
ツボの温め方:携帯カイロを直接貼るとやけどの恐れがあるので、
服の上から貼るか、カイロ専用のベルトを使ってください。
カイロで温める

八髎穴(はちりょうけつ)の辺りにカイロを当てて温める。やけど防止のため、懐炉は衣服の上から当て、寝るときはしない。
日常生活でできること
- 運動をして自律神経のバランスを整える
交感神経の働きが弱いため、体を動かし自律神経のバランスを整えると血流が調節されます。積極的に運動しましょう。
全身型
漢方薬を処方してもらう
全身型の対策は体の中から温めるのが基本です。食事や運動、生活習慣などを見直しても改善しない場合は、漢方薬が有効なので、漢方専門医に相談しましょう。
東洋医学 ホントのチカラ 関連記事
鍼灸によるうつ病の治療 心に効く「ツボ」の存在世界が注目!太極拳による転倒予防の効果と隠された秘密とは
世界で戦うアスリートに広がる鍼灸を使った体のケア、スポーツのツボ
外出自粛のお悩みを改善!① ”痛み”を和らげる東洋医学のセルフケア
外出自粛のお悩みを改善!② 女性にオススメ!東洋医学のセルフケア
この記事は以下の番組から作成しています。

東洋医学ホントのチカラ「"冬のお悩み"一挙解決SP」
2月5日(水)午後7:30~[総合]