健康に欠かせない必須脂肪酸「オメガ3」「オメガ6」を含む油の選び方

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食の起源(NHKスペシャル) 食で健康づくり

私たちの健康に欠かせない必須脂肪酸、オメガ3とオメガ6。オメガ3の量1に対して、オメガ6を2以下に抑えることが健康のために重要だということが最近分かってきました。でも、オメガ3豊富な魚を毎日摂るのは大変という方も多いのではないでしょうか?最近、そんな方にうってつけの食品が次々に発売されています。

急拡大! オメガ3市場

最近、スーパーマーケットの食用油コーナーの顔ぶれが大きく変わりつつあります。目の高さに近い特等席を占めているのは、アマニ油・エゴマ油・しそ油などのオメガ3豊富な食用油ばかり。中には、南米ペルー産のサチャインチオイルなども。10年前には、油といえばサラダ油やごま油、オリーブ油くらいでしたが、今のトレンドは大きく変化しています。

大手スーパーマーケットの食用油売り場
大手スーパーマーケットの食用油売り場
(アマニ油やエゴマ油の売り場面積が年々拡大しているという)

その変化は市場規模の拡大ぶりにも表れています。15年ほど前、オメガ3脂肪酸が豊富なアマニ油をいち早く製品化したメーカーによると、アマニ油などの「オメガ3市場」の拡大が始まったのは、2013年ごろ。このころのオメガ3の市場規模は約13億円。それが、2018年にはなんと103億円。2019年は、上半期時点で2018年と比べて142%アップとのことなので、市場規模の拡大は爆発的。ちなみに、前述のメーカーの調査によれば、消費者が最も期待するのは「健康維持」とのこと。詳しいメカニズムはさておき、オメガ3脂肪酸が健康に良いというイメージが、特に女性を中心に定着しつつあるようです。

市場をけん引するのはドレッシングなどの加工品

トレンドの裏側を取材すると、興味深いことが見えてきました。アマニ油やエゴマ油などのいわゆる生食用の油(食品に直接かけて食べるタイプの油)だけでなく、普段使いのものから"置き換える"ことを目的とした商品も売れ行きを伸ばしているのです。

例えば、マヨネーズ。通常の商品は大豆油などのオメガ6が多い油が用いられていますが、最近は、オメガ3が豊富なアマニ油やエゴマ油を配合したものが登場しています。価格は、通常のマヨネーズと比べて1.5倍ほど高価ですが、売れ行きは好調とのことです。他にも、ドレッシングなどにもアマニ油やエゴマ油を配合したものが人気を集めています。

オメガ3配合を売りにした商品が続々に発売されています
(オメガ3配合を売りにした商品が続々に発売されています)

さらに、最近は、大手コンビニチェーンの中に、オメガ3が豊富な油を店内調理に利用するところもでてきました。オメガ3には加熱すると酸化されて、性質が変わったり、独特のにおいが出て食品本来の風味を損なうという"欠点"がありましたが、酸化を抑える独自の工夫を加えた油を開発して店内調理に使っているそうです。

大手コンビニチェーンの中には、オメガ3の多い油を店内調理に利用するところもある
(大手コンビニチェーンの中には、オメガ3の多い油を店内調理に利用するところもある)

オメガ3が豊富な食品 実際に効果はある?

オメガ3を効率的にとるためには、DHAやEPAなどの代表的なオメガ3が豊富な魚介類が一番よいとされています。しかし、魚が苦手という方も多いのではないでしょうか。実は、魚が苦手なディレクターが1か月間、アマニ油やエゴマ油、そしてオメガ3を配合した食品を積極的に摂ることで、血液検査の値がどう変化するか実験してみました。

(ディレクターの血液検査の値の変化)

すると、大きな変化が見られました。理想的の値である、オメガ3が1に対してオメガ6が2以下には届きませんでしたが、それでも大幅に改善しています。麻布大学の守口徹教授によれば、1か月ほど続ければ、多くの人でこのような変化が見られる可能性が高いとのことでした。

今、オメガ3とオメガ6のバランスは、私たちの体の細胞全ての健康に関わる問題だと考えられています。どんな油をどうとるか、ちょっとした心がけで体は変わりますので、食事をとる際、オメガ3とオメガ6のことを思い出してみてください。

この記事は以下の番組から作成しています

  • NHKスペシャル 放送
    食の起源 第3集「脂」 発見!人類を救う“命のアブラ”