詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年11月 号に掲載されています。

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糖質は私たちの体のエネルギー源として欠かせない栄養素です。しかし、とり過ぎると「食後高血糖」や「肥満」につながってしまいます。
摂取した糖質はブドウ糖として血管に入り全身のエネルギー源になります。糖質をとり過ぎると、血液中のブドウ糖が過剰に増えます。余分なブドウ糖は肝臓に取り込まれますが、ブドウ糖が過剰になると追いつかず、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)は異常に高くなってしまいます。これを「食後高血糖」といいます。
食後高血糖は血管にさまざまなストレスを与え、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高めます。
砂糖などの甘い糖質は、ごはんやパンなどの糖質(でんぷん)に比べ、単純な形をしているために小腸からすぐに吸収され、食後高血糖を特に起こしやすいと考えられます。
糖質をとり過ぎると、肝臓は過剰に増えたブドウ糖を取り込みきれません。すると、ブドウ糖は中性脂肪に変化し、脂肪組織として体内に蓄積されます。これが肥満につながります。つまり「食べるときは糖質でも、とり過ぎれば脂肪」ということです。
食後高血糖や肥満を防ぐには食事のコツがあります。
糖質に偏らず、たんぱく質と脂質も不足なくとりましょう。たんぱく質と脂質はブドウ糖を含まないため血糖値をほぼ上げません。また、バランスのよい献立は健康な体を維持するためにも不可欠です。
食事の回数が少ないと空腹の時間が長くなり、血糖値は大きく下がってきます。そこで一気にたくさん食べると、その反動で血糖値は急上昇してしまいます。朝を抜いたり夜にドカ食いしたりするのは避けましょう。
食物繊維はブドウ糖が小腸から吸収されるスピードを遅くし、血糖値の上昇をゆるやかにします。しかも、食物繊維はエネルギー量がほとんどないため肥満にはつながりません。また、私たちの健康に欠かせない腸内細菌のえさになることも最近注目されています。
玄米や全粒粉のパンは、白米や精白された小麦のパンに比べ、血糖値の上昇が少しゆるやかになります。また、これらは たんぱく質やミネラルなどの栄養素も含んでいます。
では、糖質を通常より減らすとどうなるのでしょう。
糖質を減らせば、まず、食後の血糖値は上がりにくくなります。
また、体重が減ることも期待できます。糖質を減らせば体内のエネルギー減であるブドウ糖が減り、それに代わるエネルギー源として体内に蓄積されている脂肪が使われるからです。また、糖質を減らすと食事全体の量が減ったり食欲が低下したりしやすく、その結果肥満が解消することもあります。
一方、糖質を減らした場合に心配されることもあります。
上に述べたとおり食事の量や食欲が低下しやすいため、栄養不足が心配されます。高齢者などは筋肉が減るサルコペニアという状態になるおそれもあります。
ごはんやパンを長く主食にしてきた人が、糖質をいきなり減らそうとすると、毎日の献立を組み立てることが難しくなります。
糖尿病を薬で治療している人の場合、糖質が普段より少ないと、薬が効き過ぎて血糖値が下がり過ぎる低血糖が起こりやすくなります。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年11月 号に掲載されています。