近視が失明を招く!?「日光」を利用した意外な予防方法とは?

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きれいな目

【ここがポイント!】
☆「たかが近視」と侮るなかれ 失明の危険性が増加する
☆効果を上げる【近視予防】 最新の対策とは?
☆あなたの目は大丈夫?チェックリストで確認を!

たかが近視、のハズが...?失明の危険性が増加!?

近視による合併症の危険性

「近視になっても、メガネをかければ大丈夫...」と思っていませんか?実は、近視の人は失明につながる病気発症の危険性が高いことがわかってきました。

強度の近視の人は、近視でない人に比べて

▽緑内障   → 3.3倍
▽網膜剥離  →21.5倍
▽近視性黄斑症→40.6倍

になります。なお、強度の近視までいかなくても、危険性が増加することがわかっています。

参考文献: Flitcroft DI "The complex interactions of retinal, optical and environmental factors in myopia aetiology." Progress in Retinal and Eye Research 31 (2012) 622-660

眼球の形が変わる!近視の仕組みとは?

なぜ、近視によって様々な病気の危険性が高まってしまうのでしょうか。それは一般的に近視の人の眼球の形が変わっているからなんです。

近視仕組み(正視)
近視仕組み(近視)

通常、外から入ってきた光は網膜の上で焦点を結び、物をハッキリとみることができます。ところが、近視の人の眼球は前後に延びており、焦点の合う位置がズレるため、ぼやけて見えています。

眼球が延びた結果、目の奥に集中している網膜や視神経などが引き延ばされて薄くなっています。これが、様々な病気を発症する危険性を高めると考えられているのです。一度延びてしまった眼球を、元に戻すことはできません。

近視の強さは、「屈折度数」(単位:ジオプトリー(D))によって3つに分類されます。

-6.0D以上     → 強度
-3.0D ~ -6.0D → 中等度
-0.5D ~ -3.0D → 弱度

屈折度数を正確に測定するには眼科の受診が必要ですが、自分で簡易的に確かめる方法もあります。裸眼の状態で腕を伸ばして、指をだんだん目に近づけていき、ピントが合う距離を測ります。ピントが合うのが約16cm以下の場合、強度近視の可能性があります。

夢の近視予防策!カギは「日光」!?

失明につながる様々な病気の危険性を上げる、近視。発症を防ぎ予防する研究が進んでいます。そのカギは、「屋外活動」。屋外にいる時間が長い子どもは、近視を発症する割合が低いことがわかっています。理由として考えられているのが、日光です。週に11時間以上、明るさ1000lx(ルクス)以上の光を浴びることで近視の発症が抑えられることがわかっています。

明るさ

明るさ1000lxは、屋外でないと実現が難しい明るさです。一般的に、部屋の中では300lx程度、窓際でも空を見上げていない限り800lx程度です。一方、屋外では木陰でも数千lx、日なたでは数万lx以上です。専門家は、「直射日光の下でなくとも日陰で十分な効果が期待できる。長時間、屋外で快適に過ごせる場所を確保することが重要」と話しています。

台湾屋外での理科授業

近視対策で効果を上げているのが、台湾です。20歳以下の8割以上が近視で、政府は対策に力を入れてきました。注目されているのは、小学生の屋外活動の時間を増やす取り組み。台湾では法改正を行い、週に150分、屋外で体育の授業を行うことを義務化。理科など教室内で行ってきた他の授業も、植物の観察を取り入れるなど屋外で行うことを推奨し、1日2時間以上、屋外にいることを目標に掲げたのです。

日陰で遊ぶ子どもたち

授業だけでなく、休み時間中も屋外で長時間過ごせるスペースを用意している学校もあります。子どもたちは、日陰でボードゲームや読書を楽しんでいました。

この取り組みを始めた2011年には、視力0.8未満の小学生の割合は50.0%でしたが、2018年には、44.8%に低下。2001年から毎年増加し続けていた視力不良の生徒の数が大幅に減少したと、世界中の関係者に衝撃を与えました。

あなたの目は大丈夫?こんな症状に要注意!

すでに近視を発症してしまっている大人はどうすればよいのでしょうか。日本近視学会の大野 京子理事長に、近視が進行しほかの病気を発症しているかどうかを調べるチェックリストをまとめてもらいました。近視そのものを治すことは難しくとも、危険性が高まる他の病気を早期発見・治療することで、目を失明から守ることができるといいます。

近視チェックリスト

ひとつでも該当すれば要注意、とくに下の四つ、
▽柱や物が ゆがんで見える
▽段差がわからず転びそうになる
▽歩いていると人や物にぶつかる
▽暗い場所に入ると見えなくなる
にもし該当する方は早めに眼科医を受診し、検査を受けて欲しいと話していました。

この記事は以下の番組から作成しています
2019年11月7日(木)放送

クローズアップ現代+「近視の常識が変わる!」