失明のおそれ!?コンタクトレンズを正しく使って目の障害を予防する

更新日

ソフトレンズとハードレンズの違い

ソフトレンズとハードレンズの違い

ハードレンズは堅い材質でできています。
角膜より小さいので、目につけると黒目の部分の内側におさまるような形になります。一方、ソフトレンズは、柔らかい材質でできています。角膜よりも大きいため、目につけると黒目より外側まで覆う形になります。ソフトレンズには、使える期間によって、1日使い捨てタイプ、2週間頻回交換タイプ、1週間連続装用タイプなどいろいろな種類があります。

ソフトレンズはハードレンズより酸素不足になりやすい

ハードレンズは、まばたきする度に涙液が15~20%入れ替わります。
ソフトレンズは、ハードレンズに比べてやわらかいので、付け心地は良いですが、黒目をすっぽり覆っており、まばたきをした時の涙の交換率は1%ほどと少ないです。もともと角膜に障害を及ばさない程度の酸素は通るように設計されているので、正しく使えば問題はありませんが、誤った使い方をするとハードレンズに比べて酸素不足になりやすく、角膜が傷つき場合によっては重篤な合併症を起こすことがあります。

またソフトレンズの場合、目に異常が起きても気がつきにくく、知らぬうちに悪化してしまうこともあります。
もちろんハードレンズも、使い方を誤れば障害が起きないわけではありません。

コンタクトレンズによって生じる目の障害

多くの場合は、コンタクトレンズをつけた角膜の部分に障害がでます。角膜の一番外側の層、上皮細胞に起こる障害を角膜上皮障害と言います。その一つが点状表層角膜症です。

角膜上皮というのは治りやすい部分なので、適切な治療やレンズの装用などを行っていれば治りますが、角膜の上皮はバリアの機能をしているので、慢性化してくると、バリアが傷みそれがきっかけになって角膜の感染症などが起こります。

角膜潰瘍
写真:宇津見義一

角膜の上皮を越えて実質にまで炎症が広がった状態を角膜潰瘍といいます。コンタクトレンズの合併症の中でも重症なものです。激しい痛み、充血、視力低下などを生じます。炎症の原因は、緑膿菌やアカントアメーバなどです。治療が遅れたり症状が重かったりすると、視力低下が残り、場合によっては失明することもあります。

角膜内皮障害
写真:宇津見義一

コンタクトを長時間使用すると、角膜の内皮が減ってしまう症状が現れることがあります。これを角膜内皮障害といいます。角膜の内皮の正常な状態では、小さい六角形の細胞が一面びっしりと並んでいますが、内皮障害が起きてくると細胞が減ってしまい、その隙間を埋めるために大きい細胞が並ぶ状態です。初期には症状がまったくないので注意が必要です。放っておくと角膜がむくみ、浮腫になって視力が落ちてしまいます。

角膜以外の障害

巨大乳頭結膜炎
写真:宇津見義一

コンタクトレンズについた汚れと、まぶたの裏のこすれで、アレルギー性結膜炎が起こることがあります。ひどくなると、まぶたの裏がデコボコになってレンズが上にずれてしまう巨大乳頭結膜炎が起こります。

コンタクトレンズの正しくない使い方

(1)汚れや化粧品がついた手でレンズに触れる
化粧品、特にファンデーションなどの油がレンズにつきやすいので要注意です。

(2)レンズをつけたまま眠ってしまう
コンタクトレンズの中には、つけたまま眠っても大丈夫な連続装用タイプがありますが、多くはつけたまま眠ることができない終日装用タイプです。コンタクトレンズの長時間装用は角膜に十分な酸素が行き渡らないので目にとって大きな負担です。寝る時はコンタクトレンズを外すのが基本です。

(3)洗浄のとき こすり洗いをしない
コンタクトレンズを消毒するのは、病原微生物の死滅と発育防止のために行うものです。そのためには、こすり洗いが絶対に必要です。どんなに効果のある消毒液でも、こすり洗いをしないと十分に汚れをとることができません。手を抜かず、正しい方法で毎日、ケアすることが大切です。

(4)レンズケースが汚れている
保存する容器はしっかり洗って、きちんと乾かしてから使用してください。定期的に交換するのも大事です。これを怠ると細菌の繁殖に繋がります。

(5)レンズの保存に水道水を使う
保存液がないからといって、水道水を使わないでください。水道水は飲料としての検査はクリアしていますが、コンタクトレンズの保存用の検査はできていません。アカントアメーバがいることもありますので、水道水を保存に使ったために感染し、深刻な障害を起こす恐れがあります。

コンタクトレンズ使用に関する疑問

うっかりコンタクトレンズをしたまま眠ってしまったらどうすればいいか?
寝ている間は、涙が分泌しません。起きている時以上に目が乾燥しています。レンズが乾燥して無理に外そうとすると、割れたり破れたりして角膜などを傷つけてしまうことがあります。市販の人工涙液を点眼し、目の表面を潤わせてからレンズを浮かすようにして外します。
コンタクトレンズによる目の障害を予防するには?
インターネットなどで購入する人も増えていますが、コンタクトレンズは眼科の処方に基づいて購入してください。また定期検査が重要です。
検査をすることで、自分では気が付かない目の異常が発見でき、適切なレンズの使い方、点眼薬の使い方など眼科医から教えてもらうことができます。
定期検査は、どれぐらいの間隔で受ければいい?
3~6か月の間に受けることが望ましいです。
障害を防ぐためには、普段どんなことに気をつければいい?
自分で目のチェックをして、目の調子が悪い時は無理してコンタクトレンズを使わないことが大切。 また年齢とともに涙の分泌などが変わります。若い頃から同じように使っていても、高齢になると目の調子が悪くなることがありますので注意が必要です。
外出先には、眼鏡を持ち歩き、目の調子が悪くなったら替えることが大事です。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年10月号に詳しく掲載されています。

きょうの健康テキスト
テキスト発売中
購入をご希望の方は書店かNHK出版お客様注文センター
0570-000-321まで
くわしくはこちら

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    トコトン点検!目の健康「コンタクトレンズで目に障害!」

関連タグ

カテゴリー
# 目の病気
病名
症状
# 目がおかしい
部位
# 目