詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年10月号に詳しく掲載されています。

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ハードレンズは堅い材質でできています。
角膜より小さいので、目につけると黒目の部分の内側におさまるような形になります。一方、ソフトレンズは、柔らかい材質でできています。角膜よりも大きいため、目につけると黒目より外側まで覆う形になります。ソフトレンズには、使える期間によって、1日使い捨てタイプ、2週間頻回交換タイプ、1週間連続装用タイプなどいろいろな種類があります。
ハードレンズは、まばたきする度に涙液が15~20%入れ替わります。
ソフトレンズは、ハードレンズに比べてやわらかいので、付け心地は良いですが、黒目をすっぽり覆っており、まばたきをした時の涙の交換率は1%ほどと少ないです。もともと角膜に障害を及ばさない程度の酸素は通るように設計されているので、正しく使えば問題はありませんが、誤った使い方をするとハードレンズに比べて酸素不足になりやすく、角膜が傷つき場合によっては重篤な合併症を起こすことがあります。
またソフトレンズの場合、目に異常が起きても気がつきにくく、知らぬうちに悪化してしまうこともあります。
もちろんハードレンズも、使い方を誤れば障害が起きないわけではありません。
多くの場合は、コンタクトレンズをつけた角膜の部分に障害がでます。角膜の一番外側の層、上皮細胞に起こる障害を角膜上皮障害と言います。その一つが点状表層角膜症です。
角膜上皮というのは治りやすい部分なので、適切な治療やレンズの装用などを行っていれば治りますが、角膜の上皮はバリアの機能をしているので、慢性化してくると、バリアが傷みそれがきっかけになって角膜の感染症などが起こります。
角膜の上皮を越えて実質にまで炎症が広がった状態を角膜潰瘍といいます。コンタクトレンズの合併症の中でも重症なものです。激しい痛み、充血、視力低下などを生じます。炎症の原因は、緑膿菌やアカントアメーバなどです。治療が遅れたり症状が重かったりすると、視力低下が残り、場合によっては失明することもあります。
コンタクトを長時間使用すると、角膜の内皮が減ってしまう症状が現れることがあります。これを角膜内皮障害といいます。角膜の内皮の正常な状態では、小さい六角形の細胞が一面びっしりと並んでいますが、内皮障害が起きてくると細胞が減ってしまい、その隙間を埋めるために大きい細胞が並ぶ状態です。初期には症状がまったくないので注意が必要です。放っておくと角膜がむくみ、浮腫になって視力が落ちてしまいます。
コンタクトレンズについた汚れと、まぶたの裏のこすれで、アレルギー性結膜炎が起こることがあります。ひどくなると、まぶたの裏がデコボコになってレンズが上にずれてしまう巨大乳頭結膜炎が起こります。
(1)汚れや化粧品がついた手でレンズに触れる
化粧品、特にファンデーションなどの油がレンズにつきやすいので要注意です。
(2)レンズをつけたまま眠ってしまう
コンタクトレンズの中には、つけたまま眠っても大丈夫な連続装用タイプがありますが、多くはつけたまま眠ることができない終日装用タイプです。コンタクトレンズの長時間装用は角膜に十分な酸素が行き渡らないので目にとって大きな負担です。寝る時はコンタクトレンズを外すのが基本です。
(3)洗浄のとき こすり洗いをしない
コンタクトレンズを消毒するのは、病原微生物の死滅と発育防止のために行うものです。そのためには、こすり洗いが絶対に必要です。どんなに効果のある消毒液でも、こすり洗いをしないと十分に汚れをとることができません。手を抜かず、正しい方法で毎日、ケアすることが大切です。
(4)レンズケースが汚れている
保存する容器はしっかり洗って、きちんと乾かしてから使用してください。定期的に交換するのも大事です。これを怠ると細菌の繁殖に繋がります。
(5)レンズの保存に水道水を使う
保存液がないからといって、水道水を使わないでください。水道水は飲料としての検査はクリアしていますが、コンタクトレンズの保存用の検査はできていません。アカントアメーバがいることもありますので、水道水を保存に使ったために感染し、深刻な障害を起こす恐れがあります。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年10月号に詳しく掲載されています。