詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年8月 号に掲載されています。

-
テキストのご案内
※品切れの際はご容赦ください。 -
購入をご希望の方は書店かNHK出版お客様注文センター
0570-000-321 まで - くわしくはこちら
更新日
血糖値は1日中変動しています。健康な人では朝食前や睡眠中は低い状態です。食事をとると上がりますが、インスリンが分泌され、まもなく下がります。血糖値は70から140mg/dL程度で維持されています。
初期の糖尿病の人は食後の血糖値が健康な人に比べて大きく上がり、すぐには下がりません。進行した糖尿病の人は食後の血糖値がいっそう大きく上がってしまいます。しかも朝食前もかなり高くなっています。
糖尿病の治療では、血糖値の変動が健康な人に近づくことを目指します。しかし薬で治療していると、薬が十分効かず食後に高血糖になったり、逆に薬が効き過ぎて空腹時や睡眠中に低血糖になることがあります。低血糖とは血糖値が70mg/dL未満に下がった状態です。血糖コントロールを適切に行うには、まず、血糖値の変動を把握することが大切です。
血糖値の変動は、1日に何度か自分で血糖値を測定する「血糖自己測定」で、ある程度わかります。指先からわずかな血液を採り、それを簡単な医療機器で調べる方法です。血糖自己測定は、インスリンで治療している人などは毎日行っています。
最近では、血糖値を24時間自動的に記録する新しいタイプの医療機器が登場しています。「グルコースモニタシステム(CGM)」と呼ばれ、複数の製品があります。体に装着するセンサーとデータを読み取る装置がセットになっています。
上の画像は、製品の1つを使っている様子です。上腕の後ろ側にセンサーを貼り付けています。
読み取り用の装置をセンサーにかざすと、血糖値が表示されます。それまでの血糖値の変動もグラフなどで表示されます。これらのデータはパソコンでも管理できます。
ほか2つの製品では、センサーは腹部などに装着します。
グルコースモニタシステムを利用して24時間連続的に血糖値を調べると、血糖値の連続的な変動がよくわかります。今まで気づかなかった高血糖や低血糖が見つかることもあります。従来の血糖自己測定ではわからなかった睡眠中の低血糖も調べられます。
ただし、現在利用できるシステムは、どれも血糖値を直接測定しているわけではなく、皮下組織にある体液のブドウ糖濃度を測定しそれを血糖値に換算する方式です。そのため、従来の血糖自己測定を合わせて行うことが製品によっては必須です。必須とされていない製品でも血糖自己測定を行うことがすすめられます。
1型糖尿病では上記の製品は3つとも保険適用です。
2型糖尿病では保険適用になる製品が限られ、インスリン治療をしているなどの条件もあります。
インスリンの自己注射を1日1回以上行っている人でグルコースモニタシステムを使いたい場合は主治医に相談してください。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年8月 号に掲載されています。