
- 【ここがポイント!】
- ★一日20分の早歩きをすると、認知症をはじめ、さまざまな病気になりにくいことが明らかに
- ★5分ずつのこま切れでもOK!大切なのは一日に合計20分早歩きすること
- ★早歩きのコツ
その1.いつも通る道を時間短めに歩く(10分を8分半で歩くのが目安)
その2.一日8000歩を目指して歩くと、早歩きは自然と20分に!
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その1.いつも通る道を時間短めに歩く(10分を8分半で歩くのが目安)
その2.一日8000歩を目指して歩くと、早歩きは自然と20分に!
プレゼンターの川合俊一さんが向かったのは、群馬県中之条町。ここに認知症予防の秘けつがあるといいます。ヒントとして渡されたのは"2割増し"と書かれたバレーボール。いったいなんのことなのか?住民を観察し、その答えを探し当てるというミッションが与えられました。そして、川合さんがついに発見したのは、多くの住民が早歩きをしているという事実。そう、"2割増し"とは、歩く速度が2割増し、ということだったんです。
実は中之条町では、20年も前から住民の生活と健康の関係性を調査しています。その研究から、早歩きを一定時間している人ほど認知症など様々な病気にかかりにくいということがわかりました。20年にわたって続けてきた継続性とその成果から、この研究は世界で"奇跡の研究"と呼ばれています。
同じく「早歩きが脳にいい」ということが、アメリカでも明らかになりました。向かったのはピッツバーグ大学のカーク・エリクソン教授の研究室。ここで明らかになったのは、早歩きをすると脳の中で記憶をつかさどる「海馬」の体積が大きくなるということ。どのくらい大きくなるかというと、2%。「え、たったの2%...?」と思われるかもしれませんが、実はこれ、とってもすごいことなんです!
高齢者では通常、海馬の体積は一年で1~2%ずつ縮小していくものなので、逆に2%増加しただけでも驚きの結果。しかも、わずか半年で!これはまさに脳の若返り。「時計の針を戻したようなものだ」と先生も興奮気味に話していました。
早歩きが海馬の体積を増やす理由として考えられるのが、血流の増加です。普通の歩きと比べると、早歩きをしたときには運動量が増すだけでなく、脳の認知機能もより多く使われると考えられます。なぜなら、早歩きの方が周囲の人や物を避けるための注意をより多く払うからです。そのため、脳へ酸素や栄養を運ぶ血流が増加するのです。
血流が増すと脳内にBDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれる物質が分泌され、神経細胞の数や、つながりが増加することで海馬が大きくなると考えられます。
では、どのくらい早歩きをしたら良いのか?番組でおすすめしたのは、一日20分の早歩きを目指そうということ。中之条での研究から、20分以上の早歩きをしている人は認知症などの病気にかかりにくいことが明らかになりました。しかも、続けて20分歩かなくてもOK!何回かに分けて、一日の合計が20分になればいいんです。
スピードはいつも歩く速度の2割増し。目安としては息が弾むくらいの速度がおすすめです。自分がどれくらい早歩きをしたかを記録してくれる活動量計も販売されています。
早歩きは、運動の強さでいえば"中強度"に当たります。実は、2019年にWHOが発表した、認知症になるリスクや認知機能の低下を防ぐためのガイドラインでも、健康的な食事や禁煙に加えて"中強度の運動"が推奨されています。
「一日20分の早歩きをしよう!」といっても、毎日続けるのはなかなか難しいもの。どのように習慣化したらいいのか、その知恵も今回、中之条の住民から発見しました。
≪目安≫
5分→4分ちょっと?10分→8分半
15分→12分半?20分→16分半
今、歩数は万歩計・ウェアラブル端末・携帯のアプリでも簡単に調べることが出来ます。また、歩数を計測する機械を持っているだけで、「一日の歩数が2000歩増える」という研究結果もあります。ぜひ自分の一日の歩数を意識してみて下さい。
※早歩きをするときは無理はせず、転倒や交通事故などには十分注意して下さい。