思春期男子のお悩みを解決!「精巣捻(ねん)転症」と「包茎」

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10代の性子どもの病気・トラブル精巣捻転デリケート部分(陰部)

思春期男子の性の悩み

病気によっては放置していると性機能に関わることもあるので注意が必要です。将来、子どもを作りたいと思ったときに、後悔しないように今のうちから向き合っていくことが大切です。

例えば、次のようなケースがあります。

高校生の山田一郎くん(仮名)は、これまで体に異常はなく、元気に過ごしていました。

ところがある晩、股間がずきずきと痛むようになりました。しかし「恥ずかしい」という気持ちから、家族に相談するのをためらいました。「しばらくすれば痛みも落ち着くだろう」と我慢してしまったのです。

激しい痛みは翌日も続き、限界を感じた山田くん。初めて家族に相談しました。救急車で病院に直行。医師から告げられたのは、なんと緊急手術。実は山田くん、とあるところがねじれてしまう病気だったのです。

思春期男子のお悩み

精巣がねじれる!?思春期に多く見られる病気

実は山田くん、精巣がねじれてしまう「精巣捻(ねん)転症」だったのです。男子の陰のうの中にある精巣は、血管や精子が通る精管がつながっていて「精索(せいさく)」という束になって構成されています。この「精索」が急に"雑巾を絞ったように"ねじれてしまい、精巣に血液が流れなくなってしまうのです。

思春期男子のお悩み

子どもや若い男性に多く見られます。最も発生の頻度が高いのは1歳の頃と、思春期の頃です。思春期には、精巣の体積が急激に増えることが原因の1つと考えられています。

思春期男子のお悩み

精巣捻転症の特徴として、突然、精巣が激しい痛み、痛んだ側の陰のうが少し腫れてきます。お腹の痛みや吐き気をともなうことも少なくありません。そのほか、夜間から早朝の時間帯に発生しやすいと言われています。

また、精巣捻転症は超音波検査による画像診断で調べることもできます。しかし、類似の疾患もあるため、手術をしないと精巣捻転症かどうか、わからない場合もあります。

恥ずかしがらずにすぐに受診!

思春期男子のお悩み

中にはねじれが戻って治る場合もありますが、治療が遅れると、ねじれを戻しても血流が回復しなければ、精巣を摘出しなければなりません。 精巣は精子や男性ホルモンを作る働きがあるため、精巣を摘出すると機能が落ちて、更年期障害や性機能障害、不妊などが起きる可能性が高まります。
これは、将来の子作りに関わる大事なことです。

思春期男子のお悩み

精巣の痛みが「精巣捻転症」によるものだった場合は緊急手術を行い、一刻も早くねじれを戻す必要があります。ねじれの程度にもよりますが、一般的には発症から6~8時間以内にねじれを戻さないと精巣は回復しません。

恥ずかしがらずに、すぐに受診することが重要です!

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思春期男子の"あの悩み"「包茎」

23歳から25歳の男性5人に集まってもらい、性に関する悩みについて聞いたところ、こんなお悩みが飛び出しました。

思春期男子のお悩み

包茎ってなに?2つのタイプ

実は、包茎といってもいくつかのタイプがあります。それは何だかわかりますか?

思春期男子のお悩み

正解です。包茎には、性器の先を包む皮膚の口「包皮(ほうひ)」が狭いために、性器の先にある「亀頭」を出せない「真性包茎」と、包皮をめくって亀頭を出せるタイプの「仮性包茎」があります。

包茎

そして実は包茎にはもう1つタイプがあって、勃起したときに亀頭部は出すことはできても、一部の包皮に狭い場所があって亀頭部の首を締め付ける「嵌頓(かんとん)包茎」があります。

嵌頓(かんとん)包茎

日本人のほとんどは仮性包茎なのですが、問題があるのは「真性包茎」や「嵌頓包茎」の場合です。

包茎 手術は必要?

あまり知られていませんが、本当に手術が必要な包茎というのは、意外に少ないのです。例えば、新生児の時点ではほぼ全員が真性包茎ですが、成長に伴い陰茎が大きくなることで包皮が自然とめくれていき、思春期以降ではさらに少なくなると言われているので多くの人は心配ありません。

思春期男子のお悩み

ただし、成人しても真性包茎のままであったり、嵌頓包茎である場合は、痛みなどで「性行為がしにくくなる」といった問題が起こることがあります。その場合は手術を検討したほうが良いかもしれません。

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実は、手術をすることによって逆に「痛み」を感じるようになり、射精がしにくくなる「射精障害」に陥るリスクもあります。そのため、泌尿器科に相談して慎重に検討することが重要です。

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この記事は以下の番組から作成しています

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