摂食えん下障害の原因と症状 誤えんを防ぐポイントは「食事の工夫」「食べる姿勢」「口のリハビリ」

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食で健康づくり摂食嚥下障害(せっしょくえんげしょうがい)誤えん性肺炎のどがおかしいのど口・あご

摂食えん下障害とは

摂食えん下障害とは

食べたり飲んだりすることを摂食、口の中の食べ物や飲み物を安全にのどを通過させ、飲み込むことをえん下といいます。食べ物を飲み込むときには、喉頭蓋[こうとうがい]というふたが気道の入り口を塞ぎ、食べ物が気道に入らないようにすると同時に、のどの周囲では食べ物を食道に送るためのさまざまな動きが瞬時に起こっています。こうした一連の動きが、加齢や、脳卒中後の麻痺(まひ)など何らかの原因でスムーズに行えなくなると、食べ物や飲み物が誤って気道に入ってしまうことがあり、これを誤えんといいます。
飲み込みが悪く誤えんしやすい状態が続くと、誤えん性肺炎を起こしたり、食事や水分の摂取量が減って低栄養や脱水が起こることがあります。こうした摂食えん下障害の状態になると、好きな物を思うように食べられなくなり、食べる楽しみも失われてしまいます。「よくむせる」「たんがからんだようなしゃがれ声になる」「よくこぼす」などの症状が目立つときには注意が必要です。

誤えんを防ぐポイント

誤えんを防ぐポイント

誤えんを防ぎ、おいしく安全に食べるには、「食事の工夫」「食べるときの姿勢」「口のリハビリ」などが大切です。周りの人が気付いたときには、注意深く見守りながら、食事やリハビリをサポートしてください。
食事では、「とろみをつける」「まとまりやすい食べ物」「適度なかみ応えのある食べ物」がポイントとなります。食べるときの姿勢では、あごを軽く引くのが基本です。ベッドの場合は、背中の角度を60度程度にすると、食べ物が食道に行きやすくなります。口の中、唇、頬、舌などのストレッチや、のど仏の周囲の筋肉を鍛える訓練などの「口のリハビリ」も効果的です。好きな物を食べている姿を思い浮かべ、気軽にリラックスして行うとよいでしょう。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    おいしく食べる!摂食えん下障害対策