2017年9月9日(土)特集 フロントライン

見直される“昭和”の企業文化

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●若手とどう接する お悩み解決のヒントは?

野口
「この番組の制作チームにも今年(2017年)4月、NHKに入った新人がやって来ているんですが、私も一応、副部長という管理職ではありますけれども、上司として、どう接して良いか悩むことがあります。若手社員に対する職場の悩み、代表的なものをいくつかあげてみました。」

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八木
「最近の若手社員って…“何を考えているのかわからない”“対面のコミュニケーションが難しい”“一体感が持てない”“叱っていいのかわからない”といった悩みがあるということなんですが、原田さん、いかがですか?」

マーケティングアナリスト 原田曜平さん
「昭和の時代というのは、基本的にはインフレ経済でしたし、それから終身雇用が当たり前でした。ところが、今はワークライフバランスとか働き方改革と言われていますし、目下のところでいうと、就職状況がとてもいいので、若い人たちからすると、そんなにこらえなくても就職できちゃう状況。人手不足というか人口が少ないので、未曽有の人手不足になっていますよね。上司世代からすると、環境がちょっとアウェーな状況になってきているかなと思います。」

野口
「私もアウェーなのかもしれませんが、こうした悩みを少しでも減らそうと、各企業が使っているあの手この手を見ていただきます。まずは、“何を考えているのかわからない”“対面のコミュニケーションが難しい”の2つです。これらを解決するために、どんな取り組みをしているのでしょうか。」

●若手に好評? 昔ながらの企業文化

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野口
「VTRに出ていたSMBC日興証券の清水社長、私もよく知っているんですが、うれしそうに話しているなと見ていました。原田さん、どんなふうにご覧になりましたか?」

マーケティングアナリスト 原田曜平さん
「就職状況がバブル期並みに良くなって、今の若い人たちは本当に金の卵状態になっていますし、デフレの中で生きてきたというのと、小さいときから携帯やSNSで生きてきたということで、昭和世代とはあきらかに違う状況になってきているので、やはり若い人たちのニーズというのを各企業が取り入れていかないといけない。重要な経営戦略として若者の採用とか、あるいは人事制度で成長させていくことが1つの経営マターになってきていると思います。」

野口
「VTRを見ていると、決して若い人が“嫌だ”という感じでもない?」

マーケティングアナリスト 原田曜平さん
「人との交わりがだいぶなくなった時期に育ってきている人たちなので、意外と好きだったりするんです。ただ、重要なのが、“俺の酒を飲め”“言うことを聞け”という昭和式なのはだめなんですね。一見、昭和であって、実は昭和じゃない、というところが1つのキーになってくるんじゃないかなと思います。」

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野口
「それがアレンジなんだと思いますが、では、残りの2つ、“一体感が持てない”“叱っていいのかわからない”を見ていきましょう。これからご覧いただく企業は、この2つを解決するために『社歌』を使っているというんです。」

●社歌×若者 会社が活性化?

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野口
「社歌を使うということで、とてもユニークな取り組みなんですけど、八木さんはうれしそうに見ていましたが?」

八木
「30代前半なんですが、社歌という文化自体を知らなかったので、逆に新しい、受け入れやすいのかなというふうに思いました。」

野口
「自分の会社に社歌があるのかどうか、私たちも含めて、あまりよくわかっていない部分もありますが、原田さんはどういうふうに見ましたか?」

マーケティングアナリスト 原田曜平さん
「実は広告業界には社歌を作る仕事が昔からありまして、それが近年、依頼が急増しているんです。目的は2つあって、1つは、若手社員含め、みんなの一体感を強めること。もう1つは、“自分の会社がなんたるか”というのを、いろんな人からヒアリングしたりして、スローガンを作るのと近いですね、それで団結することと目標を一緒に持つという目的があるみたいなんです。」

●若手社員とどう接する?

野口
「まさに“言霊”みたいな話で、言葉をすっと入れるには歌がいいということなんですけど、あとは“叱れないから歌に託した”という話もありましたが、若い人はどうなんですかね?」

マーケティングアナリスト 原田曜平さん
「若い人たちはインスタグラムで“いいね”されて生きていますから、毎日褒められて生きている。イケメン・美女のような生活を送っているわけです。だから叱るのは、昔以上に本当に厳しくなっていると思います。ただ、かといって褒めたって、褒め慣れしていますから、中途半端じゃだめです。例えば、箱根駅伝の青山学院大学の原監督は、ものすごい褒めますからね。ただの褒めじゃもう効かなくなっています。だから、今でも将来不安はすごく大きいので、ちゃんと未来を一緒に考えてあげながら、ものすごく褒めてあげることが、とても大切になってきている気がします。」

野口
「叱るのは、あまり…?」

マーケティングアナリスト 原田曜平さん
「叱るのではなくて、“君、将来こうなりたいんだったら、こうしていったほうが君にとっていいんじゃないか?”という文脈で話してあげないと、私も日々、若者と接してて、ちょっと通じにくくなっていますね。」

野口
「原田さんがそう言うんだから、私なんか全然だめだな…。今夜の『特集フロントライン』は企業文化のアレンジをご覧いただきました。」

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