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平成30年度 第3回
視聴者のみなさまと語る会in釧路
(平成30年5月12日(土))

 

<会 合 の 概 要>

 「経営委員会による受信者意見聴取」の平成30年度第3回は、釧路放送局で実施し、「公共放送の役割」などNHKの経営全般に関すること、「NHKの全国放送や地域放送のあり方」など放送に関すること、の2つのテーマについて、公募による29名の視聴者から意見を聴取した。

 

<会 合 の 名 称>

視聴者のみなさまと語る会in釧路

 

<会 合 日 時>

平成30年5月12日(土) 午後1時30分〜午後3時30分

 

<出  席  者>

〔参 加 者〕

視聴者の皆さま29名

〔経営委員〕

堰 八 義 博  (委員)

 

長谷川 三千子  (委員)

〔執 行 部〕

児 野 昭 彦  (専務理事・技師長)

 

中 田 裕 之  (理事)

 

山 田  健   (釧路放送局長)

〔 司 会 〕

久保田  茂    アナウンサー(釧路放送局)

 

< 会    場 >

 釧路放送局 第1スタジオ

 

< 開 催 項 目 >

 以下のとおり進行した。

 

1 開会あいさつ

2 経営委員による説明

  協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について

3 意見の聴取

 (1) NHKの経営全般について

 (2) NHKの放送について

4 閉会あいさつ

 

 「視聴者のみなさまと語る会」終了後、「スポーツ 名場面の舞台裏 〜大相撲、オリンピックを中心に〜」と題して、刈屋 富士雄 解説委員による講演会を開催した。

 

<概要・反響・評価>

  • 公募の結果、ホームページ等を通じて49名から参加の申し込みがあり、全員に参加案内を発送した。

  • 語る会には、29名が参加し、「公共放送の役割」などNHKの経営全般に関すること、「NHKの全国放送や地域放送のあり方」など放送に関すること、の2つのテーマについて意見や提言を募った。

  • 参加者からは、「受信料の公平負担」「受信料支払者のNHKオンデマンド無料化」「地域放送の充実」などについて、多岐にわたる意見や提言が寄せられた。

  • 語る会終了後に行ったアンケートには、29名から回答があった。主なアンケートの結果は次のとおり。

    <参加者の満足度>
     「大変満足」10名、「満足」12名、「普通」2名、「不満」1名、「大変不満」0名(未記入4名)

    <経営委員会の仕事について>
     「今回のイベントに参加して、経営委員会の活動について理解が深まりましたか」との質問に対し、「経営委員会の活動について理解が深まった」との回答が20名からあった。


◆協会の基本方針・重要事項の説明

 (堰八委員)

 東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年。皆さんはどのような方法で情報を知り、ドラマやスポーツ中継をご覧になっているでしょうか。NHKが2020年に向かって、どのような未来を描き、皆さまにとってどんな存在でありたいと思っているのか、その思いを形にしたのが、4月からスタートした新しい3か年の経営計画です。
 この新しい経営計画のご説明の前に、NHKの経営委員会についてご説明します。経営委員は放送法に基づき、国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。さまざまな分野や地域から12人が選ばれています。
 経営委員会はNHKの経営の基本方針や予算、事業計画などを決めます。
 また、NHKの会長の任命も行い、執行部が決められた方針に沿ってNHKを運営できているかどうかをチェックするのも、経営委員の仕事です。また、経営委員の中から、監査委員が任命され、経営委員を含めた役員の職務の執行を監査しています。
 私たち委員は、NHKの経営にあたり、視聴者のご意見を踏まえた適切な判断や検討を行うことが求められています。そのため、放送法に基づき、本日のような機会をいただいて、皆さまから直接お話を伺う会合を各地で開いています。
 さて、NHKの新しい経営計画は、皆さまの受信料で運営するNHKの経営の基本方針です。これから2020年度まで、どのような放送や事業に取り組もうとしているのか。経営委員会で話し合いを重ねて、まとめました。
 ラジオ、テレビ、パソコン、インターネット、スマートフォンといった情報や娯楽を届けてくれるものは、より多彩になっています。NHKは、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に向け、「いつでも、どこでも」視聴者の皆さまのそばで役に立ち、情報の社会的基盤としての役割を果たす、「“公共メディア”への進化」を目指しています。この実現のために、私たちが3か年で取り組む5つの重点方針をまとめました。
 重点方針の1つ目は、「“公共メディア”への進化」です。放送を太い幹としつつ、インターネットや新しい技術も活用し、信頼できる情報を早く、深く、わかりやすくお伝えします。人々の命と暮らしを守るため、防災・減災、緊急報道、復興支援に力をいれます。多彩なコンテンツを制作し、ことし12月には高精細な4K・8Kスーパーハイビジョンの本放送もスタートします。国際放送は、名前を「NHKワールド JAPAN」と改め、日本の視点を生かしたニュースや番組を伝えます。
 重点方針の2つ目は、「多様な地域社会への貢献」です。地域の魅力を広く伝えるとともに、地域社会が抱えるさまざまな課題について、全国のネットワークも生かしながら取材し、積極的に発信していきます。
 3つ目は「未来へのチャレンジ」です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、臨場感あふれる最高水準の放送・サービスを目指します。また、多様な価値観を認め合う社会を目指した放送・サービスを充実していきます。
 4つ目は、「視聴者理解・公平負担を推進」です。視聴者の皆さまから、より必要とされるNHKを目指し、放送・サービスについて、理解を深めていただく活動を展開します。受信料の公平負担の徹底に向けて、支払率を毎年度1ポイントずつ向上させます。また、社会福祉施設や経済的に厳しい状況にある学生などを対象に、3か年で170億円規模の受信料の負担軽減策を実施します。
 5つ目は、「創造と効率、信頼を追求」です。働き方を抜本的に見直す改革を進め、関連団体を含むNHKグループ一体となって、効率的な組織運営を推進します。
 以上の新しい経営計画で取り組む重点方針のもとに、私たちは、変化の時代の中でも変わらずにNHKが担う公共の役割や価値を実現していきます。
 最後に、平成30年度の事業計画に対応する収支予算は、受信料などの収入で7,168億円、国内放送費などの支出で7,128億円を計上しています。事業収支差金は40億円となり、全額を4K・8K設備などの建設費に使用します。
 経営委員会としては、受信料の重みを自覚し、コスト削減に心がけ、計画の着実な実行に努めるよう求めています。放送法を順守しながら自主自律を貫き、公正で効率的なマネジメントにより、皆さまから信頼され、役に立つ“公共メディア”となるよう、経営委員会としても、執行部と共に努力していきます。きょう、お集まりの皆さまからいただく貴重なご意見は、ぜひ経営委員会の活動の参考にさせて頂きたいと思います。

 

 

《視聴者のみなさまからのご意見とNHK側からの回答》

 

第1のテーマ:NHKの経営全般について

(司会)
 はじめに、受信料の公平負担の徹底について、経営委員、執行部よりお答えします。

(長谷川委員)
 NHKは、受信料の公平負担を懸命に実現しようとしていますが、現状では、日本の全家庭にはお支払いいただいていません。真面目にお支払いいただいている方ほど、「不公平ではないか」、というご意見もありますし、皆さまの中にも同じご意見をお持ちの方がいらっしゃるのではないかと思います。そういう方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご意見をいただきたいと思います。

(中田理事)
 皆さまに公平に受信料を負担していただいているからこそ、NHKは特定の利益や意向に左右されることなく、公共放送の役割を果たせると考えています。受信料制度は、視聴者の皆さまに公平に負担していただくことが大原則であり、公平負担を徹底し、不公平感を解消することは、NHKの重要な責務だと考えております。そのため、受信料をお支払いいただいていないお宅を一軒一軒お尋ねし、テレビをお持ちであれば受信契約をお願いする活動を行っています。ひとり暮らしの方や、集合住宅のお住まいの方は、お会いできないことも多々ありますが、そういう方にも受信契約をしていただくために、公開競争入札などによって契約した信頼できる外部法人の拡大や、直接訪問せずに、契約や収納ができるような営業改革に取り組んでいます。
 さらに、未契約者への民事手続きや、未払い者に対する支払い督促を確実に実施するなど、公平負担に向けて最大限の取り組みを行っています。
 また、放送、イベント、ホームページなどを活用した、公共放送の役割や受信料制度の理解・促進を図るなど、受信料の公平負担、支払い率の向上に組織を挙げて取り組んでいきますので、ご理解をお願いいたします。

【会場参加者】
 受信料の支払いは、1年分を前納して支払う「12か月前払い」をすれば割安になりますが、3年分を前納してもっと割安になる制度をつくってほしいと思います。希望としては5年分前払いでもよいと思います。
 また、複雑な手続きをしなくても、給料の安い人からは、受信料を取らないような制度にしてほしいです。

【会場参加者】
 昨年度の中間決算をもとにお話しいたします。
 NHKには、1兆1,062億円の総資産があります。そのうち、蓄えと言えるのが5,114億円、内訳は、有価証券2,461億円、長期保有有価証券946億円、特定資産1,707億円で、合計5,114億円です。大ざっぱに言うと、定期預金や債券が5,114億円あります。債券は、政府系特殊法人や電力会社などが発行したものです。驚くべきことに、特殊法人のNHKがほかの特殊法人のスポンサーになっていて、郵政改革のときに話題になった財政投融資みたいなことをやっています。純資産は単体決算で7,442億円、連結決算で8,040億円です。キャッシュフローを見ると、1年で1,000億円以上あります。
 日本放送協会定款第53条には、放送業務による営利を目的としないとの規定があります。さらに、NHKは、不況対策として多額の利益剰余金、いわゆる、内部留保の必要はないはずです。これほどの余裕があるのであれば、前会長が主張したように、受信料を大幅に値下げすべきです。
 国民のための放送事業に必要だとして強制的に徴収できる受信料を、預金やほかの特殊法人、電力会社などのために使う理由を教えてください。

【会場参加者】
 受信料の支払率を、毎年1ポイントずつ上げる目標を掲げていますが、支払率も約80%ということで、100%とはいかないまでも、高い水準だと思います。ですので、より公共性は高いのではないかと思います。ただし、80%から毎年1ポイントずつ上げることについて、少し心配です。
 実際、1ポイントずつ上げるとなると、委託業者に負担をかけて、訪問する担当者の負担になり、結果的に過剰な対応をして不評を買ってしまうのではないか。また、法的措置をとったとしても、対象が全国なので、そこで不公平感があり、NHKの評価が下がって、結果的に支払率が下がって目標が達成できないのではないか、と懸念しています。そのため、具体的にどのような方法で毎年1ポイント上げるようにするのか、お聞かせください。

(長谷川委員)
 3年分、5年分を前納で支払うやり方は、私も一視聴者として、よいアイデアだと思います。ぜひ持ち帰り、実現可能かどうか執行部に検討してもらいたいと思います。
 また、本当に困っている人たちから、受信料の割引をしたり、免除したりすることも、私たちは必要だと考え、取り組んでいます。例えば、生活保護が必要な方には受信料免除を行っていますし、奨学金を受けている学生たちにも、免除を広げていく予定です。
 また、支払率を80%から毎年1ポイントずつ上げることは難しいのではないかというご指摘は、まさにそのとおりで、執行部の方々が汗水垂らしているところです。受信料を支払っていただく上で、本当に納得して支払っていただけるように、日々トレーニングを積み重ねていかなければいけない、と最近の経営委員会でも話題になりました。
 そして、案外多いのが、引っ越しをしたあとに、どこにいるかわからなくなってしまい、どこに支払いの請求を出したらよいかわからなくなってしまうケースです。そういう点も、営業部門が中心となって試行錯誤を行い、効率的に追求ができるように努力し、支払率を上げられるようにしています。
 いろいろな工夫を積み重ねて、まずは、視聴者の方に嫌な思いをさせることがないように、十分に気を遣っているところです。

(堰八委員)
 ご質問の趣旨として、NHKには多額の内部留保があるのであれば、本来の受信料の引き下げをもう少し行ってもよいのではないか、ということだと承りました。
 まず、NHKは新しい放送センターを建設する計画があり、その建設費として、数年間かけて1,707億円を積み立ててきました。その業者も決定し、第1期工事に取りかかることになりました。これは、2025年頃の運用開始を目指し、今お話しした金額を順次建設費に支払充当してまいります。
 また、NHKが所有している有価証券の中には、関連団体の株を保有しているものもあり、先日、NHKは平成29年度の決算速報を公表しましたが、29年度末の事業収支差金の残高は、1,000億円を超えることとなりました。
 一昨年、執行部から受信料の引き下げについて提案がありましたが、経営委員会としては、平成30年度から3か年の経営計画を策定する際に、将来にわたってNHKが必要とする新しい投資等を、より高い精度で盛り込み、3か年の収支見通しを検証した上で、受信料の引き下げをどうするべきかの結論を出すべきではないか、と言う結論に至りました。
 一方、ご承知のとおり、今、放送と通信の融合という問題があります。簡単に言うと、テレビやラジオだけではなく、番組をインターネットで同時に配信してほしいというニーズも高まっています。NHKとしては、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに、できることなら2019年度をめどに実現したいと考えていますが、これについては、放送法の改正を伴うものであり、政府や民放各社を含めて、常時同時配信はどうあるべきか、いろいろ話し合っています。また、これに関連して、新しい投資も当然出てくる可能性もあります。このようなことも勘案し、受信料制度はどうあるべきか、もう少し議論をする必要もあります。
 そのため、経営委員会としては、現時点でNHKの保有している内部留保を元に、受信料額を値下げすることに関して、その判断についてはより慎重に、時代背景の新しい問題も含めて、検討すべきではないかと考えています。
 経営委員会としても、受信料額を下げることに対しては、決してネガティブに考えているわけではありませんが、将来的なことも踏まえて、さまざまな角度から検討した上で考えていきたい、と思っています。

【会場参加者】
 インターネットの常時同時配信は、時代背景的にも、日本がこれから生き残っていく上で、必要な放送になると思いますが、そうなった場合に、インターネットにつながるすべての機器に対して、受信料を取るといううわさが出ています。それに対しては、徹底的に反対します。そういうことをすると、情報技術の先進国の中で、日本が立ち後れになってしまいますので、そうならない運用方法を、経営に携わる方々に見つけていただきたい、と強く願います。

(堰八委員)
 その問題については、総務省が主催している「放送を巡る諸課題に関する検討会」の中で、昨年9月に、NHKに意見を求められ、NHKの基本的な考え方を申し上げています。まず、インターネットによる同時配信については、放送のあくまで補完であること、そして受信契約世帯の構成員には、こういったサービスが仮に開始されても、追加負担なく利用できるようにすることを申し上げています。つまり、今、受信料をお支払いいただいている世帯の皆さんには、このサービスがはじまったとしても、NHKとして新たな受信料の負担をいただく考えはございません。

【会場参加者】
 受信料については、皆さんの関心が非常に高いことはわかっていますし、スタッフの方々はとても苦労されているので、私の個人的な意見では、もう十分尽くされているように感じています。
 一方で、公平の概念が少し曖昧で、もう少し整理されてはどうかと思います。
 例えば、視聴に応じた負担という考え方もあると思います。NHKをまったく見ていない、聴いていないという人がどれほどいるのかを、試験的に調査されると、役に立つのではないかと思います。
 ただし、今申し上げたいのは、現状は、受信料について、また経営についても、私たちからしてみると非常にうまくいっており、文句を付けるようなことは少ないのではないかと思います。

(長谷川委員)
 これは非常に難しい問題で、普通のサービスでしたら、例えば、劇場に映画を見に行くような場面でしたら、当然、見る方からはお金を取る、見ない方からは取らない、という考え方が公平になります。逆に言うと、支払わない方には見せない、と言うことにもなります。この公平の考え方が、NHKの場合には、そのまま当てはまらないのが、公共放送、公共メディアのその「公共」の部分なのです。
 NHKが非常に力を入れていることとして、先日の東日本大震災のような、本当に人の命に関わる情報を、どれだけ迅速に、正確に出せるか、ということです。その場合には、支払っている人には情報を提供する、支払っていない人には提供しない、ということでは困る、という考え方が、「公共」の大きな柱のひとつになっています。つまり、公共放送、公共メディアであるということは、支払っていないから見せない、という単純明快な考え方が適用できない難しさがある、ということをご理解いただきたいと思います。

(中田理事)
 昨年12月に受信料制度が論点となった最高裁判所の大法廷判決がありました。そこでは、日本の放送法は、受信料を財源とするNHKと、広告を財源とする民間放送の二元体制の元で、放送文化を豊かにするという立てつけになっており、受信料は見ていただいているから頂くのではなくて、見る受信機を設置しているから受信契約をしていただき、支払っていただくということになっております。
 もちろん、技術的には、いわゆるスクランブルをかけることも可能ですが、もし、支払っていない方には見せないとすると、まさにそういう放送の二元体制の中でのNHKの役割、災害時でのNHKの役割も果たせなくなります。また、見てもらうためだけの放送になってしまいますと、どうしても視聴率を重視することになり、見ている人は少数でも公共的に価値のある番組をつくらなくなる可能性も指摘されています。日本の放送法の制度として、NHKの位置づけは決められていますので、ご理解いただけたらと思います。

【会場参加者】
 働いている人が、夜に家に帰ってからNHKをつけると、いつもフィラー映像とか、同じ番組が繰り返し放送されています。こういう番組ばかりを見せられて、それでも受信料を支払わなければいけないのか。ゴールデンタイムの時間帯以外しか見ることができない人もいます。すごい不満です。
 視聴でいえば、番組表を毎日見ている人も少ないと思います。そういう人が見逃してしまった番組を見たいとき、民放では1週間以内であれば無料で再配信して、好きなときに見ることができるサービスをしていますが、NHKにはありません。NHKにはオンデマンドサービスがありますが、有料です。なぜ、受信料を支払っていて、その時間帯に見られない人がいるにもかかわらず、オンデマンドでまた視聴料を支払って見なければならないのか、とても不満です。
 そのため、私は受信料の支払率を80%から81%に上げるという議論もよいのですが、それよりも、それに見合った環境を整備してほしいです。NHKと常にアクセスさせるために、インターネットと同時配信するという話であれば、いつでも見られる、そして1週間以内であれば見られるとか、常に自分の見たい番組を見ることができる環境を整備してほしいです。

【会場参加者】
 受信料の重みや公共放送の使命という話をいくつかされていますが、視聴者への信頼、コンプライアンスの徹底、あと活力ある職場環境についても話をお聞かせください。それらが、NHKとして重要な部分を支えてくれているのではないかと思います。いろいろと不祥事も起きていますので、コンプライアンスや職員倫理の徹底など、具体的な取り組みをお聞かせください。

(長谷川委員)
 まず、見逃した番組を、お金を支払って見ないといけないことに納得できないという点については、われわれの問題意識にもあります。放送と通信の融合というところで、何度か試験的な提供を行いましたが、視聴者の皆さんが一番活用してくださったのが、見逃した番組を見ることができるところでした。われわれが望むインターネットの常時同時配信ができるようになると、今の問題は一気に解決していくだろうと、われわれも期待しているところです。
 それから、不祥事の問題は、経営委員会でもいつも問題が起きるたびに、全員でどうしてこういうことが起きるのか、と討議しています。ただ、不祥事が起こるたびに調査すると、いままで気がつかなかったシステム的な抜け穴が見つかります。そういうことが起きないようにシステム化をしているのですが、昨年度は、それが何度か出てしまいました。今年度、経営委員会としては、そういう抜け穴を塞ぐ作業を実らせて、不祥事が減ることに期待をしています。

(児野専務理事・技師長)
 今、放送した番組を常時インターネットでも再送信するためには法改正が必要であり、その法改正に向けて取り組んでいるところです。その際には、同じ番組を同じ時間にインターネットで流すだけでなく、少なくとも1週間くらいの見逃し番組も同時に配信することを含めて、検討しています。また、受信契約をしていただいている人に対しては、新たな経費負担なく提供できないか、検討を進めているところです。

(中田理事)
 NHKでは不祥事が起きると、その原因を徹底的に究明して、再発防止策を行うことを繰り返し行っています。ただ、おっしゃるように不祥事がゼロにはなっていません。さまざまな対策にも抜け穴があり、違う形でまた不祥事が起きていることがあります。
 それとは別に、根本的に不祥事を減らす、無くす方策はないか、執行部で真剣に検討しています。ひとつは、根本的に公共放送人としての倫理教育のあり方を見直そうとしています。例えば、研修のあり方を見直すことや、公共放送人としての心得を記載した冊子をつくり、新人のころから読み込ませることも、そのひとつです。
 それから、システムで不祥事を防ぐことも研究しています。ICT技術がすごく発達していますので、人間の目ではどうしても見落としてしまう不祥事を、機械的に、自動的に察知して、不祥事になる前に未然に防ぐ方法を研究しています。そういうことが実現できれば、繰り返し不祥事が起きることはなくなるのではないかと思い、全力で取り組んでいるところです。

【会場参加者】
 なぜ、沖縄県だけ受信料額が違うのでしょうか。また、沖縄と受信料額の差を縮める方策について、どのように考えているかお聞かせください。

【会場参加者】
 東京高裁でワンセグ機能付き携帯が、放送法が定める受信設備の設置に当たるという判断が出ました。そこで、現在、私はテレビを持っていますし、受信料も支払っていますが、将来、テレビを捨てたとした場合の仮定で質問いたします。
 1、私の車にはワンセグ受信できるカーナビがついています。これは受信設備の設置に当たりますか。2、放送法第15条には、あまねく日本全国において受信できるとありますが、車庫証明をとった駐車場所ではワンセグの受信ができません。NHKは受信できるように対応してくれますか。3、地上デジタル放送のデータ量は、およそ17Mbpsですが、ワンセグはおよそ300kbps、で50分の1以下です。しかしながら、受信料は同じです。私たちはNHKの伝送路をただで使用していることになります。おかしいと思いませんか。

(中田理事)
 沖縄は、本土復帰する前は受信料をいただいていなかった背景があり、テレビを無料で見ることが当たり前だったところです。本土に復帰して、沖縄にも放送法が適用されましたが、もともと無料であったところに本土と同額の受信料を設定することが難しかったため、安く設定した歴史的な経緯があります。それでも受信料を支払っていただくことが難しく、受信料支払率は、都道府県別で沖縄は全国で一番低くなっています。
 われわれとしては、まずは沖縄の支払率を上げることに全力を傾け、本土並みの支払率を確保した上で、次の段階で考えるべきだと思っています。

(児野専務理事・技師長)
 まず、テレビを捨ててもワンセグ受信機を持っていれば、受信契約の対象となります。また、帯域で受信料に差を設けるという考え方はありません。これは、NHKを見る、見ないに関わらず、受信契約をいただくことと似ていて、サービスの質によって受信料の額に差を付けるという考え方に、NHKは立っていません。まずは、契約の対象としては、受信機をお持ちかどうかということで、お持ちであれば、一律の負担金としていただいています。

 

 

第2のテーマ:放送について

(司会)
 事前アンケートの中で、地域放送についてのご意見、ご要望を多くいただきました。地域放送の取り組みについて、経営委員、執行部よりお答えします。

(堰八委員)
 私どもNHKは、全国の視聴者の皆さまからいただく受信料ですべての経営が成り立っていますので、地域の視点に立った業務運営は、非常に大事なことだと考えています。
 経営委員は、先ほど説明したように12名で構成されていますが、現委員は東京だけではなく、九州、関西、中部、東北、北海道に在住している方が任命されています。私もその一人です。これも、NHKの経営には、全国各地のいろいろな状況や背景を反映できるように、という意味でもあるのではないかと考えています。
 また、新しい3か年経営計画の重点方針にも、「多様な地域社会への貢献」と記載されているとおり、地域を重視する姿勢が重要であり、それぞれの地域に有益な番組をつくっていくことも、この考え方のひとつではないかと思っています。

(長谷川委員)
 3か年経営計画の重点項目の中でも、私自身は、地域重視という点は最も大事な点だと考えています。先ほども、民放との二元体制の話がありましたが、東京に本部があり、全国に放送局を抱えている組織はNHKだけです。これは、本部でつくった番組を全国に流すだけでなく、各地域の特色をいかしたすばらしい地域の番組を全国でも紹介し、それを見て全国から、海外から観光客が訪れたり、商売の取り引きが始まるようになるなど、公共の道具としてNHKには活躍してほしいと考えています。

(山田局長)
 北海道の地域放送を若干説明させていただきますと、北海道内には、釧路放送局を初め、7つの放送局があります。この7つの放送局が協力し合って、主に北海道全域向けにニュース、番組を放送しています。例えば、テレビの地域放送で、朝の7時45分からは「おはよう北海道」という番組、午前11時半からは「ひるまえナマら!北海道」、夕方6時10分からは「ほっとニュース北海道」というニュース情報番組を放送しております。また、金曜の夜7時半からは「北海道クローズアップ」や「北海道中ひざくりげ」、土曜日の午前10時過ぎからは「北海道LOVEテレビ」という名称で、北海道関連の過去のアーカイブス番組を含めて、放送しています。
 釧路局でも、釧路・根室の情報・話題をそうした番組に向けて発信しています。特に、釧路・根室管内においては、自然、北方領土、そして地震・津波、といった3つの大きなテーマについて、重点的に、取材・制作を進めています。

【会場参加者】
 私はラジオをよく聴いており、夕方4時くらいに放送している地域のラジオ番組をとても楽しく聴いています。そういったラジオを聴いていると、東京のアナウンサーだと、少しアクセントが違うときがあります。地元の人間としては、やはり地元のアクセントで話してほしいと思います。
 また、カタカナ用語があまりにも多く、たまに意味が伝わらないことがあります。あとから辞書で調べてみて、ようやく意味がわかることもありますので、もう少しわかりやすい表現で、できれば日本語で話してほしいと思っています。

【会場参加者】
 私は音別町に住んでいますが、NHKのFM放送の電波が届きません。私は緊急時に自動で電源が入る専用のラジオを持っていますが、それが使えません。
 釧路は地震多発地帯で、この前の釧路沖地震では、国道の橋が落ちて通行止めになり、多数のけが人も出ました。
 FM放送を聴くことができていたら、緊急地震速報で事前に身構えることができたかもしれません。ぜひ、FM放送の電波を届けてください。

(児野専務理事・技師長)
 音別町は、私たちの調査では十分受信可能なエリアになっていますが、何か個別の事情があるかもしれませんので、調査に伺わせていただき、対策をしたいと考えています。
 NHKでは、地震の時にはラジオ第一放送でも必ず地震の速報は出していますので、そちらもご利用ください。

(司会)
 アクセントの問題、またカタカナ用語が多すぎるという話がありました。全国にはアナウンサーがおよそ500人くらいいまして、それぞれが失敗例も含めて情報を共有することにしています。張り切りすぎて失敗したり、勉強不足で至らない点もあるかと思いますが、努力はしていますので、ご理解いただければと思います。

(長谷川委員)
 NHKは地域を重視していますので、アナウンサーにも正しい方言で発音することをぜひお願いしたいと、経営委員会でも申し上げています。
 実は私もカタカナ用語は大の苦手です。「NHKこそ正しい日本語を!」、の思いは強くあります。経営委員会でも常に言っていきたいと思います。同時に、「正しい方言を!」、ということも忘れてはなりませんね。

(司会)
 とにかくわかりやすく、易しくというところを、私たちも目指しているところですので、よろしくお願いします。

【会場参加者】
 ローカル放送のことですが、釧路の話題をもっと放送してほしいと思います。釧路には、先ほど局長が示した3つの柱だけでなく、産業面でも、釧路地区の農業・漁業の生産高や漁獲の種類であるとか、あるいは、最近ではとれる魚の種類が変わってきている問題などの話題もありますので、地方独特の話題を集めていただき、全国に発信してほしいと思います。
 また、ローカル放送の時間を増やしてほしいと思います。

【会場参加者】
 私は、朝5時半に起床して、NHKの朝のニュースコーナーを時計代わりに行動していましたが、最近、日によって同じ時間帯に別のコーナーをやるようになってしまったので、今では民放の朝のニュース番組を見ています。そういう点を配慮してもらえれば、またNHKを見ようと思います。

(中田理事)
 朝の5時半というと、NHKでは「おはよう日本」をやっていると思いますが、基本的には、気象情報や、まちかど情報室というコーナーを、なるべく一定の時間に放送するようにしています。おっしゃるように、朝は忙しいお時間ですし、時計代わりと考えていらっしゃる方も多いので、そういう視聴者の方の利便性を意識して、やるようにしています。
 大きなニュースなどの影響で、多少時間はずれることもあり、場合によってはそのコーナーをやめてしまうこともあるかと思いますが、基本の方針は変えていませんので、ぜひいま一度NHKをご覧になっていただければと思います。

(山田局長)
 夕方6時台の番組、「ほっとニュース北海道」は、約50分の放送のうち、大半は札幌局をキーステーションに、全道各地の情報や話題をお伝えしていくということで、釧路放送局からの放送は、気象を中心に4分間で、かつてに比べると大分減ったというご印象は持たれると思います。
 ただ、今の方針としましては、釧路・根室地方の情報も、先ほどおっしゃった漁業とか酪農の問題も含めて、全道に広くお伝えしていこうという方針を強めております。地域から地域への情報も大事なことはもちろんですので、そこもきちんと報道していきたいと考えております。

(中田理事)
 地域から地域へということも大事ですが、地域から北海道内へ、そして地域から全国へ、さらに地域から海外へということができるのは、NHKだけですので、そこにも、NHKは全力を挙げて取り組んでいます。地域の話題を必ずしも地元の放送局だけに担わせることではなく、東京から取材に来て、それで全国に放送するとか、世界に放送する、ということもやっております。
 そういう点では、北海道をテーマにした番組は、ほかの地域に比べるとかなり多く、全国発信、海外発信をしています。ですから、ローカル放送として見ると、放送時間は全国放送に比べれば少ないですが、北海道の情報を、NHKはたくさん放送していると思います。引き続き、北海道は非常に魅力的な地域ですので、いろいろな面で発信をしていくということを、地元の放送局とともに、本部でも一緒に考えていきたいと思います。

【会場参加者】
 今のお話では、北海道は全国的に見てローカル番組を多く発信しているということですが、釧路に住んでいる私としては、釧根地域の番組を釧路放送局から発信してほしいです。札幌や函館、旭川ははっきり言って、よその県のように感じています。

【会場参加者】
 私は小樽に在住しておりまして、以前、番組モニターをさせていただいたことがありますが、NHKの番組は民放と比較しても密度が濃く、全道をきれいに網羅しているのではないか、と思います。
 NHKのローカル番組を見ていますと、大体、自然番組しかやりません。深夜に放送されているリピートの番組とあまり変わりません。北海道以外の人が見たら、すごい人気のあることだとは思いますが、北海道の人が大自然を見せられても、あまりおもしろくなく、やはり全国放送に比べると、「北海道クローズアップ」は密度が低くておもしろくありません。
 一方で、「北海道クローズアップ」で、北朝鮮の船が漂着した特集は、内容も濃く、何度も録画して見ました。また、JR北海道の路線を見直す討論会は、全国放送ではやらないような内容でしたが、「ほっとニュース北海道」で定期的に扱っており、北海道ローカルしか取り上げないような話題は、もう少し時間を増やしてほしいと思います。
 結論としては、北海道のローカル番組は大しておもしろくないと思っていますが、部分的には全国を超える番組があると思っています。

【会場参加者】
 釧路地域には、アイヌの民族の方がたくさんいらっしゃいます。アイヌの歴史・文化・言語を、道内にお知らせし、また保存していくことは、釧路放送局の重要な使命だと思います。

(堰八委員)
 NHKは全国に54の放送局があり、道内には7つの放送局があります。北海道は広いということもありますが、7つの放送局を抱えている都道府県はほかにありません。
 私は以前、四国の「視聴者のみなさまと語る会」に参加しましたが、そのときのご意見として、よその県の情報より、もっと地元の情報がほしいということでした。
 一方で、いただいた意見を否定するわけではありませんが、北海道は道東、道北、道南とありますが、同じ道民だという仲間意識という面も、北海道民の気質にあると思います。ですから、札幌から見ても、帯広や釧路にも関心があるし、函館にも関心があるのではないかと思います。そのため、道内全体のことをローカル放送の中で知りたいという道民の方もいらっしゃると思うので、そこはバランスを取りながら番組をつくっていくことが大事だと考えています。

(山田局長)
 私ども地域放送局の役割は、大きく2つあると思っています。1つは、その地域の魅力を全国、あるいは海外に広くネットワークを生かして発信していくことです。もう一つは、地域から地域に向けて、特に災害時はお住まいの地域情報がとても大切なので、そこは地域から地域に発信することが、非常に大事だと思います。われわれは、北海道は1つという視点を持っていますが、釧根や十勝など、それぞれ地域性があるというのも、重々承知しております。先ほど申しましたように、なるべくそこは両立させて、どちらか一方だけを放送するということではなく、なるべく両立できるように、引き続き地域から地域向けの情報も行っていきたいと思います。
 ことし、釧路局は開局80周年になりますが、1月と3月にラジオの特集番組の公開収録もしました。定期的には難しいかもしれませんが、できるだけ地域の皆さん向けに、釧根向けの放送も引き続き進めていきたいと思っております。
 また、北海道の方にとって自然はもういいよ、という意見、あるいは「北海道クローズアップ」は「クロ現+」に比べると、ちょっともの足りない、というご意見をおっしゃっていただいた上で、北朝鮮の密漁船の問題や、JR北海道の見直しの特集番組について、ご意見いただきありがとうございます。いろいろな関心が視聴者ごとに違うと思いますが、ご意見をいただいた方は、恐らくタイムリーな地域の話題を求めていると思います。「北海道クローズアップ」はタイムリーな話題が大事だと思いますので、引き続き、タイムリーな話題を提供したいと思います。
 あと、アイヌの件は、ことし、ちょうど北海道命名150年なので、7つの放送局を挙げてアイヌの文化、あるいは課題等を、できるだけ放送していきたいと考えていますので、北海道150年を機にもう1回、再びアイヌ文化の継承について、取り組んでいきたいと思います。

(中田理事)
 アイヌについては、2020年、白老に国立の民俗博物館ができますが、NHKにとっても、2020年に向けた大きなターゲットになりますので、歴史・文化・言葉など、アイヌの素材を発掘し、番組化する取り組みを引き続き行っていきます。

【会場参加者】
 NHKに私どもが一番期待するのは、親しまれるNHK、愛されるNHKといいますか、それが結局、サービス内容であり、対価である受信料という関係になると思います。ここがうまくいくことによって、受信者の不満などはかなり軽減されるのではないか、と考えます。
 先ほど経営委員からも地域重視という話がありましたが、具体的に前年度と比較して、どのようなところが地域重視になったのか、教えてください。
 また、局長からも釧路の話題を発信しているという話もありましたが、発信されたことは大変うれしく思いますが、視聴者の反応はどのように把握しているのでしょうか。発信者であるNHKと受信者である視聴者との間がうまくかみ合っているのかどうか、具体的に教えてください。

【会場参加者】
 私は、「報道のNHK」というイメージを持っていますが、土曜、日曜、祝日の報道番組が少なくなってしまったことが、残念です。平日の報道番組とは違う形でもよいので、増やしてほしいと思います。

【会場参加者】
 最近、落語の番組が減ってきていることが残念です。70代や80代のお年寄りは、よい落語を聴きたいと思っていますので、ぜひお願いします。

(中田理事)
 まず、地域重視というのは、まさに地域の皆さまのニーズに合う放送を出すことに尽きると思います。もちろん、皆さまのニーズは千差万別で、中には札幌の情報やよその県には興味がないという方もいれば、同じ道内やほかの地域のことに関心がある方もいらっしゃいますので、そのバランスをどのようにとるかが、大事なことだと考えています。
 NHKでは、そういう皆さまのニーズを定期的に調査しており、北海道の放送をブロック全体で取り組むようになったのも、ほかの地域に比べると同じ道内や札幌の情報に関心がある、というデータがあったからです。
 ただ、視聴者の皆さまの関心は、時代によって変わっていきますので、そういう調査を定期的に実施し、皆さまのニーズを的確につかんで、どこの地域に情報を発信するか、さらにどういう分野に関心があるかということも含めて調査し、それに合わせた放送を出すようにしています。
 また、NHKふれあいセンターには、視聴者からご意見やご感想がたくさん寄せられています。放送番組モニターの方に、特定の番組や、ご自由に番組をご覧になって、ご意見やご感想をいただき、番組の質の向上に役立てるようにもしています。引き続き、皆さまの声をお聞きし、視聴者のニーズに応えていきたいと思います。
 また、土曜、日曜の報道番組が少なくなったというご指摘ですが、確かに、週末は経済や政治に関する動きが平日に比べると少ないので、こうした分野のニュースは少なくなります。週末は、1週間の出来事をまとめて伝える番組や、国際情勢をまとめてお伝えする番組を放送しています。週末だからといって、情報が少なくならないように、心がけています。
 落語のご質問がありましたが、ラジオ第一で毎週土曜日に「真打ち共演」を放送しています。昨年度は月3回でしたが、それを4回に増やして、毎週皆さまにお楽しみ頂けるようにしています。

【会場参加者】
 NHKの看板番組と言えば、「ニュース7」と「ニュースウオッチ9」だと思いますが、以前と比べるとレベルが低下しているように思います。民間の調査でも、最も信頼できるニュースはNHKという結果もあるので、レベルアップを期待しています。

【会場参加者】
 取材対象の方には、いろいろな方がいらっしゃると思います。取材では中立性が必要だと思いますが、取材の方法や仕方、取材に対する心構えなど、NHKではどのようにトレーニングをしているのか、教えてください。

【会場参加者】
 昔は、民放とNHKの報道番組は明らかに違っていましたが、最近は少し民放化してきているのではないか、という気がします。
 NHKのニュースというのは、キャスターが非常に格調高く、信頼性のあるものだと思いましたが、最近のニュース番組は、キャスターの私的なコメントが入りすぎているような気がします。そういったところで、民放に近づいているのではないかと思います。

(中田理事)
 ニュース番組の民放化というご指摘をいただき、また、昔は格調高かったというお話もいただきました。実は、NHKも試行錯誤をしておりまして、もう少し身近であるべきというご意見もありますし、少し敷居が高いという印象をお持ちの方もいらっしゃいまして、NHKとしてもかつての、いわゆる「お堅いイメージ」でやり続けることがよいのかどうか、いろいろと議論しています。昔ながらのニュースがよい、というご意見もたくさんいただいていますし、一方で、特に若い人を中心に視聴者が離れていく傾向も見られますので、NHKらしいニュース番組はどういったものなのか、皆さんのご意見をいただき、それを現場に返し、また試行錯誤を続けていきたいと思っています。

(山田局長)
 職員はまず、入局してまず、1か月ほど研修を行います。また、1年目から3年目までは、毎年定期的に集めて研修を行っていますが、大事なのは、日々の仕事上での教育だと思っています。
 具体的には、報道の現場では、デスクという上司が若い職員の指導係になります。若い職員の場合、ちょっと的外れなことを取材したり、人権を侵す恐れがあるので、そこは十分に気をつけながら行っています。
 しかし、もし、何か的外れな、あるいは不快な思いをしましたら、取材される方にもアドバイスをしていただくと、より若いだけに伸びていくのではないかと思いますので、よろしくお願いします。

(司会)
 大変貴重なお声をいただきまして、本当にありがとうございました。最後に、経営委員から、全体を通してひとこと申し上げます。

(堰八委員)
 きょうは、限られた時間でしたが、さまざまな角度からご意見をいただきまして、ありがとうございます。
 「視聴者のみなさまと語る会」を開催したあと、最初に開かれる経営委員会で、登壇した委員から、どのような意見があったのかなどの速報結果を、経営委員間で共有します。また後日、報告書として、皆さまのご意見をまとめたものを、経営委員会で報告し、ホームページに公開します。
 きょう、お集まりの皆さんからは、NHK釧路放送局、北海道のすべての放送局、そしてNHK全体を本当に愛してくださって、さまざまな角度から前向きな、そして貴重なご意見をいただき、大変すばらしい会ではなかったかと思います。本当に、ありがとうございました。今後の経営に生かしていきたいと思います。

(長谷川委員)
 私も全く同じことを感じました。まず、次回の経営委員会で、釧路の語る会について報告をしますが、すごくよいアイデアをたくさんいただき、非常に充実した会だったことを伝えたいと思っております。きょうは本当にありがとうございました。

 

 

<視聴者のみなさまと語る会in釧路>参加者当日アンケート

※全表の単位はすべて人数

質問1:性別

男 性 女 性 未回答
17 11 1

質問2:年齢

20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 未回答
1 1 5 5 8 7 1 1

質問3:今回のイベントを何でお知りになりましたか(複数回答)

放送(テレビ) 放送(ラジオ) ホームページ 新聞 メール Twitter その他 未回答
10 0 0 2 8 0 10 1

質問4:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 未回答
10 12 2 1 0 4

質問5:一番印象に残ったコーナーはどこでしたか(複数回答)

経営重要事項 経営など全般 放送について 講演会 特になし 未回答
0 6 14 9 1 3

質問6:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 知っていた 知らなかった その他
2 10 17 0

質問7:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

理解が深まった 特に変わらない わからない その他 未回答
20 5 2 1 1

 

 

<アンケートに寄せられた主なご意見>

 

経営全般について

  • 受信料額の見直しの検討をお願いする。
  • 全視聴世帯からアンケートをとり、番組や経営に反映してほしい。
  • 先日、住所変更の件でNHKを名乗る方が訪問され、失礼な対応をされて、とても残念だった。
  • 収入の少ない人にも支払いやすい受信料額にしてほしい。また、3年前払い、5年前払いなど、お得な料金設定もお願いしたい。
  • 民放にはスポンサーの利益、NHKには国民の利益があると思う。相互にチェックして、より正確な情報を放送していただきたい。
  • NHKが行う世論調査では、Webなどで詳細な調査結果を公表してほしい。
  • NHKオンデマンドの無料化に期待している。

 

放送について

  • 信頼を取り戻す番組づくりに努めてほしい。
  • 政治に左右されない、公正な放送を期待する。
  • 緊急地震速報を確実に受信できるようにしてほしい。
  • 地震のことを思うと、支局に複数人の要員を配置し、支局近くに設置するロボカメにはスキップバック機能を設けてほしい。
  • 道東にも報道ヘリの拠点をつくってほしい。
  • 世界にニュースを配信するのもよいが、もっと各市町村議会や各地の問題を取り上げてほしい。
  • アイヌ文化は尊敬できるすばらしいものという価値観を、NHKが先頭に立って広めてほしい。
  • 評判のよかった番組を、夜中でも早朝でもよいので再放送をしてほしい。
  • 訂正放送は、周知には長い時間が必要なので、繰り返し放送するようにしてほしい。
  • ラジコでNHKが聴けるようになったのはうれしいが、一部カットされているのが残念。
  • ローカル放送の充実に関する意見があったが、むしろローカルのことを全国や世界に発信してほしい。

 

運営、その他について

  • はじめて参加したが、NHKを知るきっかけになった。
  • 報道のあり方など、放送について意見を言う時間がもっとほしかった。
  • 経営委員会のホームページでは、全文を検索できる機能を設けてほしい。