平成27年度 第1回 視聴者のみなさまと語る会〜NHK経営委員とともに〜in北九州 (平成27年4月18日(土)) |
<会 合 の 概 要>
「経営委員会による受信者意見聴取」の平成27年度第1回は、北九州放送局で実施し「経営全般」「放送」の2つのテーマについて、公募による32名の視聴者から意見を聴取した。
<会 合 の 名 称>
視聴者のみなさまと語る会〜NHK経営委員とともに〜in北九州
<会 合 日 時>
平成27年4月18日(土) 午後2時〜午後4時
<出 席 者>
〔視聴者〕 |
公募による視聴者32名 |
〔経営委員〕 |
上 田 良 一 (委員) |
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美 馬 のゆり (委員) |
〔執 行 部〕 |
塚 田 祐 之 (専務理事) |
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浜 田 泰 人 (理事・技師長) |
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村 益 建 太 (北九州放送局長) |
〔司 会〕 |
浦 田 典 明 専任部長 |
< 会 場 >
NHK北九州放送局 4階 オープンスタジオ
< 開 催 項 目 >
以下のとおり進行した。
1 開会あいさつ
2 経営委員による説明
協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について
3 意見の聴取
(1) NHKの経営全般について
(2) NHKの放送について
4 閉会あいさつ
「視聴者のみなさまと語る会」終了後、「素顔の放送現場」と題して、ラジオセンターの野村正育シニア・アナウンサーによる講演会を開催した。
<概要・反響・評価>
- 公募の結果、はがき、ホームページなどを通じて80名から参加の申し込みがあり、抽選により48名に参加案内を発送した。
- 語る会には、32名が参加し、「経営全般」と「放送」の2つのテーマについて意見や提言を募った。
- 参加者からは、「受信料」「番組出演者のことばづかい」「アナウンサーやキャスターのあり方」「地域放送の拡充」など、多岐にわたる意見や提言が寄せられた。
- 語る会終了後に行ったアンケートには、31名から回答があった。主なアンケートの結果は次のとおり
<参加者の満足度>
「大変満足」6名、「満足」11名、「普通」8名、「不満」3名、
(未記入3名)
<経営委員会の仕事について>
「今回のイベントに参加して、経営委員会の活動について理解が深まりましたか」との質問に対し、「経営委員会の活動について理解が深まった」との回答が19名からあった。
◆協会の基本方針・重要事項の説明
(美馬委員)
NHK経営委員の美馬でございます。NHKの経営委員には平成25年6月に任命されました。
初めに私ども経営委員会の役割についてご説明をさせていただきます。
経営委員会の役割は、放送法に明文化されており、NHKの経営の基本方針などの議決や、会長以下NHK執行部の役員の業務の監督など、NHKの経営に対して重い責任を負っています。
こうした役割を持つ経営委員会の委員は、衆参両議院の同意を得て、内閣総理大臣より任命されます。
委員の選任に当たっては、教育、文化、科学、産業、その他の各分野、及び全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならないと放送法で定められています。
委員の任期は3年です。再任されることもあります。定員は12名となっています。
また、経営委員の中から監査委員が任命されることになっており、経営委員を含めた役員の職務の執行を監査する役目を担っています。現在、その監査委員は、こちらにいらっしゃいます上田委員と室伏委員、森下委員の3名が務めています。
そして私ども経営委員が、ただいま申しましたような重責を果たすため、視聴者の皆さまのご意見を直接伺うことも、放送法で定められています。
本日はその機会として、皆さまからNHKに対するご忌憚のないご意見をお聞かせいただく前に、経営委員が協会の基本方針や重要事項を説明することという定めもございますので、いま少しお時間をいただき、平成27年度から29年度3か年のNHK経営計画と、27年度収支予算と事業計画について紹介させていただきます。
NHKでは、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年度を見据え、NHKが今後、進むべき大きな方向を「NHKビジョン 信頼をより確かに、未来へつなぐ創造の力」としてまとめました。
世界から注目が集まる2020年に最高水準の放送・サービスを視聴者の皆さまにお届けし、より身近で信頼できるメディアとなることを目指しています。そして、2015年度から2017年度の3か年を、このビジョンの実現に向けた第1ステップと位置づけ、経営計画として5つの重点方針を挙げました。
重点方針の1つ目は、「判断のよりどころとなる正確な報道、豊かで多彩なコンテンツを充実」です。これは命と暮らしを守る報道、日本や世界の課題に向き合う骨太な報道、見応えある魅力的なコンテンツの開発など、公共放送NHKの根幹となる放送・サービスを、視聴者の皆さまの幅広い期待やニーズに応えて、充実・強化していくというものです。
重点方針の2つ目は、「日本を世界に、積極的に発信」です。次期経営計画では、国際発信の強化について特に重点を置いて取り組みます。情報の国際化が進む中、日本の政治、経済、社会、文化などについての正確な情報を世界に向けて、日本を正しく理解してもらうことは、公共放送のとても大切な役割だと思っています。
英語のテレビ国際放送「NHKワールドTV」は、北米とアジアを重点地域と位置づけ、「見たくなる国際放送」を目指して、ニュースや番組を充実・強化していきます。また日本には、魅力あふれる地域―この北九州地域もそうですね―がたくさんあります。豊かな自然や文化、暮らしなどを積極的に世界に発信して、多くの人に日本の奥深い魅力を知っていただきたいと思っています。
重点方針の3つ目は、「新たな可能性を開く放送・サービスを創造」です。テレビだけでなく、パソコンやスマートフォンなど携帯端末でもNHKの情報や番組などに接していただくため、インターネットを活用したサービスを強化していきます。また8Kスーパーハイビジョンについては、2016年の試験放送、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた開発活用など、先導的な役割を果たしていきます。
重点方針4つ目は、「受信料の公平負担の徹底に向け、最大限努力」です。平成29年度末に支払率80%、衛星契約割合50%の達成を目指し、全局体制で受信料制度の理解促進活動に取り組むとともに、営業改革を一層推進し、過去最高の支払率の達成に努めてまいります。
最後、重点方針5つ目は、「創造と効率を追求する、最適な組織に改革」です。経営資源に限りがある中で、重点方針の1から3に挙げた放送・サービスの強化・充実を図っていくためには、創造と効率をともに追求する組織を目指す改革を進める必要があります。
コンテンツ制作力の強化に経営資源を重点配置していくため、関連団体を含めたNHKグループ全体の業務体制改革を推進してまいります。また、男性女性を問わず、多様な働き方ができる職場改革に努めてまいります。
冊子の最後には3か年の収支計画をお示ししています。受信料を初めとする収入の増加を確保し、重点方針で取り組む放送・サービスの強化、そして放送センターの建て替えや2020年の東京オリンピック・パラリンピックなど、将来の備えに充てていきます。さらに業務全般にわたる見直しにより、経常経費を削減し、重点事項に充てていきます。
以上が3か年経営計画の全体像です。
今後は、この経営計画の着実な実行が何より重要だと考えています。経営委員会は、今後も執行部と協力して、よりよい経営の実現に向けて努力を重ねてまいります。
3か年経営計画の初年度となります、今年度の収支予算と事業計画、取り組みにつきましても簡単にお話しさせていただきます。
平成27年度は、NHK経営計画2015年から2017年度の初年度として、先ほど御紹介した経営計画に挙げた5つの重点方針に沿った事業運営を着実に遂行していきます。事業収入は受信料の増収などにより、前年度に対して201億円の増収となる6,831億円を見込んでいます。事業支出は国内放送・国際放送の充実、インターネットの活用やスーパーハイビジョンなど新サービスの推進などにより、前年度に対し229億円増の6,769億円としています。
以上により、事業収支差金は62億円を確保し、全額を東京渋谷の放送センターの建て替えなどに備えて、建設積立資産に繰り入れていきます。
ただいま御説明いたしました3か年経営計画、27年度の収支予算、事業計画を着実に実行するためにも、視聴者の皆さまからいただくご意見やご要望は、大変貴重なものになると考えています。
本日、北九州放送局にお集まりの皆さまから頂戴するご意見・ご要望は、私ども経営委員全員はもちろんのこと、執行部とも共有して、今後のNHKの経営に反映させてまいりたいと考えています。本日は、よろしくお願いいたします。
《視聴者のみなさまからのご意見とNHK側からの回答》
第1のテーマ:NHKの経営全般について
【会場参加者】
経営計画において前向きな姿勢を示すというのは大いに結構であり、読んでいても気持ちがいいが、強化、充実、改革ということばばかり踊っているような気がする。世の中いろいろ苦しいところもあり、抑制や統合、経費の節減や抑制に関する語句がもっとあってもいいのではないか。
また、最近のNHKは、いろいろな形で経費をかけ過ぎているように見受けられる。
【会場参加者】
まだまだ受信料の不払いが多いようだ。そういった方のところには、有料衛星放送でおこなっているように、スクランブルをかけて、NHKが映らないようにするという仕掛けはできるのか。
【会場参加者】
先ほどコストをかけ過ぎなのではないか、というご意見があったが、私もそういう感じが少ししている。教育テレビの番組にタレントが出演し、アナウンサーではない俳優の方がナレーションをしているのは、余計なコストではないかと思う。
(上田委員)
経費節減に関するご質問がありましたが、経営委員会として執行の管理監督をしていく上で、経営計画の着実な実行と同時に、コストを削減し、不断の経営努力を実行していくというのが国民、視聴者の皆さまからの信頼を得るという上でも大変大事だと思っています。
公共放送として基本的に必要なコストを受信料で賄うという総括原価方式という仕組みの中で受信料を頂戴しており、実際に受信料の収入で利益を出すという経営の形態でありませんので、まずは経費を抑えながら、その分を視聴者の皆さまにご負担いただくという仕組みになっているわけです。
ただし、NHKが抱えている一つの将来的な不確定要因として、放送センターの建て替えの問題があります。すでに完成してから50年近くたっている放送センターを建て替えるには、多額の費用がかかります。
まだ、建て替えの具体的な場所やスケジュールや規模などは決まっていませんので、早急に詰め、決まった段階で経費をどのように手当てをしていくのか、しっかりした計画を出してください、というお願いを会長以下執行部にしています。
その計画が出てきたところで、計画が国民、視聴者の皆さまの目から見ても妥当な水準の金額なのかどうなのか、この辺りを再度チェックし、ゆとりがあるようであれば受信料の還元なども含めて検討するという、段取りになっています。
経費節減に関しては、今後も視聴者の皆さまを代表する形で経営委員として管理監督してまいりますので、しっかり見ていきたいと思っています。
また、スクランブルについては、語る会において毎回お話をいただきます。スクランブルをかけて受信料を支払わないようにする、ということは一見合理的に聞こえますが、公共放送としてNHKに期待されているのは、全国津々浦々どこでも、分け隔てなく視聴できる環境を整えること、というのが公共放送の理念となっており、スクランブルをかけるというのは、公共放送の理念に矛盾し、問題があるということで今の段階でスクランブルというのを検討するというのは非常に難しい状況にあります。
社会生活の基盤となる情報を公平かつ安価に提供することに努めることが公共放送としての責務だと考えています。視聴者の皆さまに幅広く受信料をご負担いただき、公共放送の財源として、役務の対価、見たから払うというのではなく、社会的なインフラ、安全、安心、防災や減災などがNHKの大きな役割になっていることをご理解いただきたいと思います。
(美馬委員)
スクランブルについては、技術的には可能です。払っていない方がいらっしゃることは不公平ではないか、というお気持ちはよくわかります。
そもそも、公共とはどのようなことかということです。例えば公園を維持していくというのを考えると、公園を利用しない方でも整備などには公的なお金が使われており、それを維持していくことで社会が豊かになっていく、ということがあります。何かあったときに情報をいろいろな方に知っていただく、という公共放送としての考え方が基本にはあると思います。
では、何もしないのか、ということではなく、NHKとして皆さまに受信料をご負担いただく、理解していただく努力はこれからも続けてまいります。
スクランブルをかけて、見えなくするということではなく、皆さまと一緒に私たち自身の手で維持していきたい、と私は考えます。
もう一つ、教育テレビの有名な方が出演しているコストということですが、私自身、以前にNHKの科学番組にコメンテーターとして出ていましたが、有名な方々は、ふだんのギャラとは、破格のお値段でご協力いただいています。それがNHKブランドだと思います。それはNHKの教育番組で私たち自身も育ってきた、ということ、次の子供たちによりよいコンテンツを提供していきたい。という思いから自分の専門を生かしつつ、子供たちに教育の番組を提供していくということでご協力いただいているものと思います。
【会場参加者】
私はNHKが好きで受信料を払うことに何の問題もないが、本当にNHKを見ないという人も実際いる。見ないのに何で払うのかという、当然そこに疑問が生じてくると思うが、先ほどの話を聞いていて1点おかしいな、と思う点があった。それは、公園と同じ考え方でいいのか。
公園は確かに公共性がある。でも、見ない人にNHKが放送されているからといって何の利益があるのかと考えたとき、公園というのは、公共性があるので税という形で強制的に徴収されているようにNHKも税金と同じように強制的に徴収するということだったらわかる。しかし、別に徴収されている。だから、そこには結局利用者としてのメリットがあり、その人が納得して支払いをするという形になっている。スクランブルをかけてほしいという方は、見ないという方。それに対して、本当に払えということが言えるのか。
(上田委員)
今、幾つか受信料の公平負担についてのご意見が出ました。これは、非常に大切な課題です。
放送法では、受信機をお持ちの方はNHKとの間で受信契約を結ぶことが義務づけられています。これは見る、見ないと関係なく義務づけられているのです。
ただし、これはイギリスの公共放送BBCと違い、罰則はありません。日本の場合は払わなかったからといって刑事上の責任を問われるということはありませんが、イギリスでは多くの方々が訴訟になり、刑事上の責任を追及されているという状況にあります。
したがって、契約を結ぶところまでは法律で義務づけられ、契約を履行するための罰則がないということで、いわゆる民事上の契約の履行ということで民事上の訴訟を通じてご理解を求めるということを行っています。
ただし、公共放送として訴訟を通じて国民や視聴者の皆さまに訴えかけるのがいいのか、ということがありますので、やはり原点に戻り、われわれとしても 公共放送の存在意義、公共放送が何たるかということをご理解いただけるように説明してまいります。
私どもの中で一番大きなテーマの一つである安全・安心についてですが、例えば台風の場合、沖縄から北海道を通過するまで途中切れることなく放送できるのは、公共放送のインフラがあるからこそできるということです。このような公共放送の役割を、ぜひご理解いただきたいと同時に、NHKに対しても、しっかりご理解いただけるようなNHKであってほしいということを申し上げています。
したがって、役務の対価という法的構成になっておらず、社会的なインフラを国民みんなで負担していくという法体系の中で存在している組織ですので、いろいろなご意見を賜り、国民の皆さま、視聴者のためのNHKになれるようにしっかりやってもらいたいと思います。そして、われわれはそれを監視監督していきたい、と考えています。
(美馬委員)
今後もこのような議論はもっと広く続いていくことと思います。今、テレビだけではなくて、インターネットを通じて見る方もいらっしゃいます。学生には、テレビを持っていない人が多くいます。
ネットを通じて見るという方についてどのようにしていくかなど、今後、受信料制度そのものが大きく変わっていくのではないか、と考えられます。そのときには、法改正ということもかかわってきますので、海外の事情などもよく知っている有識者のご意見など広く皆さまのご意見を聞き、ある程度の時間をかけて、これから議論が起こってくるものと考えています。
(上田委員)
現在の放送法では受信機を持っている方に契約していただくという仕組みになっているわけですが、必ずしもテレビを見るデバイスが通常のテレビではなく、インターネットなど変わってきています。
こういう環境の変化に対してどのように対応していくか、というのが非常に大きな課題です。NHKの経営計画における今後の課題の1つに通信と放送の融合があります。電波は有限でコントロールできるわけですが、通信の世界になると、コントロールの仕方なども含めていろいろな問題があるわけです。
受信料の見直しいうのは、放送法を改正しなければならないわけですが、その大前提となるのは、公共放送の存在を、意義を国民の皆さまに認めていただき、本当の意味での国民の信頼やサポートがなければ、公共放送の存在意義そのものが問われるような状況になってしまうと思います。したがって、放送法の改正というものを視野に入れれば、なおさら公共放送の存在意義を視聴者の皆さま、国民の皆さまにしっかりご理解いただくことが最大の課題でないかと思っています。
【会場参加者】
事業計画を見ると毎年100億円ずつ受信料収入が増えている。一方、事業支出も100億円ずつぐらい増えているが、どういう関係で増えるのか。
(塚田専務理事)
受信料については公平負担をお願いする中で、受信料の支払率が、26年度度末に全国平均で76%まで向上させることができました。10年前は70%を割るような状況でしたが、毎年支払率の向上に努力してまいりました。3年後には80%に高めたいという目標を掲げ、さらなる受信料の公平負担の徹底を図ってまいります。同時に、衛星放送の契約も増やしていきたいと考えています。
一方、支出については放送センターの建て替えなどで、今後多額のお金が必要だということが見えています。できるだけ経費を圧縮しながら、積み立てていきたいと考えています。
そのために、今まで地域スタッフにお願いしていた受信料の契約・収納活動を法人への委託を拡大するなどで受信料を集める経費を圧縮していく、また、番組のつくり方も含め、より効率的に取り組んでいます。
必要な経費はかけていくが、これから先、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さまざまな投資が必要になってきます。放送と通信の融合で、これからネットとの新しいサービス対応にも経費がかかってきます。さらに、今のテレビを2Kと呼んでいますが、これから先、4K、8Kというより高画質な放送を検討しています。国の方針としても東京オリンピック・パラリンピックのとき8Kの放送を実用化し、普及させるということになっています。
このような新たな投資が必要になってきますので、抑制できるものは抑制しながら、新たな投資に向けていくことでこの3か年を考えています。
【会場参加者】
新しい放送センターを建設するために予備費をためる、としているが、できれば事業支出を抑えて、放送センター建て替えの費用を増やせばいいのではないかと思う。
(塚田専務理事)
必要な投資に向けて経費を圧縮できるものはできるだけ圧縮しながら、事業を進めてまいりますので、ご理解いただければと思います。
【会場参加者】
昨今、あまりにもNHKの問題が多過ぎる。しっかりせえ、と私は言いたい。籾井会長は、経営委員12人のメンバーが選出したが、責任を持って管理監督していると思えない。今回こうした機会を与えてくださった北九州局に感謝申し上げ、意見を述べさせていただきたい。
まずは、昨今の全国放送の女性アナウンサーの質が低下している。その代表的なものが「ニュースウオッチ9」女性アナウンサーで、自分のファッションショーをしている。特に若いアナウンサーの質が低下しており、今後、検討する余地があるのではないかと思う。
国会中継について。国会中継を放送しているが、視聴率は限りなくゼロに近いと思う。
籾井会長になって問題が多過ぎる。もっともっと経営委員の方12名に管理監督、責任を持って運営をしてほしいと思う。
今回、ここに出席の方は、多分受信料を払っている人ばかりだろうと思う。支払っていない方もどういう声を持っているか、ということで参加させるべきではないかと思う。
(上田委員)
会長に対するご意見は、本当に一経営委員としても深く重く受け止めています。公共放送のトップであります会長の言動は、視聴者、国民の皆さまに大きな反響を呼ぶものであり、籾井会長にはそのことを一層重く自覚していただきたいと思っています。
私どもは、同じ約1年10か月前に経営委員になり、任命の責任も負っているわけですが、経営委員会として会長に対して注意2回、申し入れを2回行っています。繰り返しになりますが、立場上の言動がいかに重いかということを重く受け止めていただき、そういう対応を切にお願いしているわけです。
経営計画については、経営委員会と執行部が議論し、それなりによい経営計画ができたと理解しています。特に2020年には東京オリンピック・パラリンピックが控えおり、日本全体を挙げて成功しなくてはいけません。そのためには、放送の役割は非常に大きく、放送と通信の融合など技術的にも手を打っていかなくてはいけません。8Kのような技術的にも極めて高いNHKが開発した技術で映像を提供しようと考えているわけですから、本来あるべきところをしっかりと取り上げられるように、今後も努力していきたいと思います。
ご発言を深く受け止めて、今後の対応に生かしていきたいと思います。
(塚田専務理事)
女性アナウンサーの件でご意見をいただきました。視聴者のみなさまからは、服装のことはもちろん、話し方などいろいろなご意見を伺います。
NHKのアナウンサーは、伝え手のプロとして育てていくことが基本で、研修しながら経験を積み、伝えていくという原点を大事にして育てていきたいと思います。
ご意見として承りました。われわれとしては伝え手のプロとして女性アナウンサーの活躍を期待し、育てていきたいと思います。
国会中継の視聴率がゼロに近いとおっしゃいましたが、公共放送としてさまざまな政治的な課題について、国会でどのような議論が交わされているのかをお伝えする役割があり、それは大事なことだと思っています。
視聴率は、世の中の関心が高くなりますと、かなり高くなるときもあります。視聴率ということよりも、国政の課題について各党がどういう審議を繰り広げているのかを伝え、有権者の選択に資するため、一定の原則を設けながら、総合テレビとラジオ第1で放送しています。
【会場参加者】
Eテレなどにかえても見ると思う。
(塚田専務理事)
Eテレは、もともと教育テレビということで教育放送が中心です。国会中継は、その時々の国民の関心が高いテーマに関するものと考えていますので、総合テレビとラジオ第1で、放送させていただいているということでご理解いただければと思います。
(司会)
こちらにご参加いただいている皆さまについて受信料をいただいている方のみか、というご質問がありました。受信料を支払っている、いないにかかわらず、多くの方にご応募いただきました。抽選にはなりましたが、受信料のお支払い状況には関係なく、ご案内を送らせていただいています。
第2のテーマ:放送について
(司会)
事前のアンケートでは、番組についてもたくさんのご質問、ご意見をいただきました。番組などについてもご意見を賜りたいと思います。
【会場参加者】
NHKのモニターをさせていただいた。モニターとして、評価する項目がいろいろあり、それをチェックしながら見ていると、NHKは本当にいい番組を制作していると思う。
モニターとして、1か月に最低でも12番組を報告するが、経営委員の方はどういうかかわり方をしているのか。NHKの番組を実際に制作している方たちがモニターからの報告をどのように消化しているのかわからない。
ローカル放送については、もう少し頑張ってほしい。特に午前中は、民放に負けている。通勤時の交通機関の状況など身近なもの、北九州なら北九州の身近なものを見たいし、聞きたいと思う。
【会場参加者】
NHK、民放でも同じだが、アナウンサー、キャスター、アンカー、パーソナリティーといろいろな呼び方があるが、どのように使い分けているのか。
また、特に深夜放送でアンコール放送が多い。私は2回も聞きたいと思わないのにアンコール放送ということがある。本当にアンコールを求める声があったのか伺いたい。
【会場参加者】
いつも「ニュースブリッジ北九州」をよく見ているが、選挙など大事なニュースが入ると、福岡のニュースに切り替わる。せっかく北九州で番組を制作しているのに、福岡の番組になってしまうと、番組が2つある必要があるのかと思う。北九州放送局として、あえてニュース番組を放送する意義について教えていただきたい。
同じ福岡県であり、福岡放送局で制作している番組を見たい、と思うときもある。同じ県内なので両方とも見られるようになれば、と思っている。
(美馬委員)
番組モニターにご協力いただき本当にありがとうございます。何番組も見ていただいてコメントをいただくのは、とても貴重な機会でありますけれども、モニターの方にとっては、とても大変な作業だと思います。
視聴者の皆さまからいただくご意見、ご要望については経営委員会には報告されています。私たちは、放送番組の内容や編成について、直接意見はできないのですが、経営という観点から私たちの責任の範囲で意見などを言わせていただいています。番組の質の向上に役立てるために、いただいた番組モニターの皆さまのご意見、ご感想については、番組の制作に生かされていると認識しています。公共放送として、視聴者の皆さまとの結びつきをいろいろな形で強化し、ご意見をいただきながら番組制作に反映させていく、あるいは適切に事業を運営していくことは、とても大事な役割だと考えています。引き続き、皆さまにも番組モニターにご参加いただければと思います。
(塚田専務理事)
番組モニターのご意見をどのように活用しているのか、ということですが、毎週1週間単位でまとめ、週報のような形でわれわれも共有しています。番組の担当者には、より詳しいものが届く仕組みになっており、できるだけ早く次の番組の制作に生かしていくということで取り組んでいます。いただいた声を生かしながら、番組ができていることをご理解いただきたいと思います。
アナウンサー、キャスターなどの呼び方についてご質問がありました。NHKでは採用のときにアナウンサーはアナウンサーとして採用します。キャスターというのは、番組全体を進行するような役割を果たすときに使います。混在してわかりにくいかもしれませんが、アナウンサーでも番組によってはキャスターという紹介の仕方もありますし、記者のキャスターもいます。番組の中での役割として、キャスターという呼び方を使うということでご理解をいただくとありがたいと思います。
それから、アンコール放送を求める声が本当にあるのか、ということですが、1年間に視聴者の皆さまからNHKに電話やファクス、メールなどで寄せられる声は、394万件に及びます。このような声の中で「あの番組を聞き逃した」「ぜひもう一回聞きたい」という声は、かなりあります。そのような声に応えることも、大事なことだと思っています。
放送した時に聞かなかったら後で聞けない、ということではなく、こうした皆さまの声を生かして放送サービスを充実させたいと考えています。
(浜田理事・技師長)
番組の技術担当者も、視聴者の皆さまからいただいたご意見について、全て目を通すようにしています。例えば技術的に解決できる、例えば画面がよくわからなかった、色使いが少し明る過ぎて理解ができない、という声に応えられるように改善していくという取り組みもしています。
皆さまからいろいろなご意見いただきますが、一つ一つ受け止めながら、よりよい番組にしていきたいという思いは、制作現場の皆で一致していますので、これからもぜひご意見をお願い申し上げます。
(村益局長)
ローカル放送について、午前中が特に民放に負けている、というご指摘がありましたが、悔しいですけれども受け止めたいと思います。
午前中は朝7時45分から8時まで、北九州も含めた福岡からのニュースがあります。北九州の場合、毎週金曜日午前11時45分から15分間生活情報をお伝えしているだけです。あとは夕方、この4月から18時20分を18時10分にスタート時刻を10分早めてニュース番組を放送しています。また、年7回、金曜日の午後7時半から、30分間「北九州×クロス」という番組を制作・放送しています。昨晩は「桜の思い出2015」というタイトルで、視聴者からいただいたお便りをドラマやアニメ、ドキュメントにしてお伝えしてみました。
夕方から夜の時間帯については、かなり力を入れていると思います。午前中の強化というご指摘について、これからも検討していきたいと思います。
大事なニュースになると福岡のニュースになるというご意見についてですが、この前の県知事選挙や統一地方選の場合、同じ福岡県の大事なニュースとして、われわれはそれに時間を割いてお伝えしているわけです。もちろん大事なニュースは、北九州の出来事も福岡の放送局に送って、福岡局のニュースでもお伝えしています。
福岡局制作の番組についても、再放送枠などを使い、北九州でも放送するよう配慮しているつもりです。例えば、土曜日の午前中などの再放送枠を見ていただくと、福岡の番組もご覧いただけるようになっていると思います。
福岡県に2つの放送局があるわけですが、昔は長崎には長崎局と佐世保局、広島には広島局と福山局など、1つの県に複数の放送局数があったわけですが、今は北海道を除くと、県庁所在地以外に放送エリアもある放送局は、北九州局だけなのです。なぜ残ったのかといいますと、地元の非常に強い要望があるからです。しかも、政令指定都市であり、九州で最初に100万人都市になり、大きな工業地帯もあります。また、海難事故がよく起こる関門海峡が一番近いのは北九州です。関門エリアも含めた緊急報道体制としても、北九州に放送局が必要であるという判断から残っているということです。
いろいろなご指摘もあると思いますが、これからも身近な放送局として皆さまから頼りとされるような放送に、力を入れてやってまいりたいと思います。ご期待ください。
【会場参加者】
今、受信料を支払っていない人は、いつからの分を支払うようになるのか。何年も前にさかのぼると大変であり、「支払う」といったときからであれば、支払いやすいかもしれない。
また、出演者のことばづかいや動作に気を配り、国民全員がマナーアップにつながるように取り組み、NHKだけは今までのように品位を保って放送を続けてほしい。
いつの間にか番組からNHKらしさが消え、信頼や安心を感じなくなった。文法にないようなことばづかいしているときがある。
例えば、料理の番組で「何々を教えていただく」というけど、教えていただくのは私であり、「くださる」ということばが使われなくなっている。
ことばは変わるのが当たり前と思うが、敬語と謙譲語がわからなくなっている。だから、アナウンサーの方には、しっかり謙譲語と敬語を使っていただきたい。
テレビを見ていると、大学生ぐらいの方が「私のお父さん、お母さん」と言っていた。「父、母」ということばが言えなくなっている。自分の奥さんのことを「うちの奥さん」というけれど、昔は「うちの家内」と言っていた。学校で教えきらないならば、NHKのアナウンサーがことばを使って教えてあげてほしい。また、「もらう」ということばと「食べる」ということばがなくなっている。何でも「いただく」になっている。「いただく」というのは目上の人に言うことばではないか。ことばづかいについては、NHKでしか直せないと思う。
【会場参加者】
「食べる」ということばを言わず、「食う」と言う。「怖い」ということ「こええ」という。難しいことばではなく、もっと上品なことばを使っていただきたいと思う。
また、マナーアップについて。出演者が使わない手をあてずに食べることを、平気で放送している。教育について放送しているのであれば、マナーについて目を光らせていただく必要があるのではないかと思う。
【会場参加者】
受信料が上がっているが、なぜなのか。
それから、番組の出演者の出演料について。以前、私がNHKの番組に出してもらった際に、Tシャツや万年筆などをもらった。地方発のドラマもあるが、出演者に対して幾らかの費用を出しているのか、交通費なり出演料を出しているのか。
その次は、難しいことばが多過ぎるということ。聞きながら、どうしても理解できないことば、横文字がある。日本にいるのだから、日本語で説明していただきたいと思う。日本で話しているのだから、できるだけわかりやすいことばで話してほしい。
それともう一つ。タモリという人が出て、東京を回っていたが、今度は長崎で「ブラタモリ」をやるという。なぜこの方がずっと出ていなくてはいけないのか。
(塚田専務理事)
受信料はいつから支払うか、というご質問がありました。NHKの放送が受信できる受信機を設置されたときからお支払いただくというのが原則になっています。それが公平負担であり、多くの方はそういう形で契約していただき、お支払いをいただいていますので、われわれとしては過去の分についてもお支払いいただくということでお願いしています。
ただし、放送受信料の消滅時効5年を援用したいという申し出があった場合、最高裁判所の判決が出ていますので、そのようなことを踏まえ、対応させていただいています。
さまざまなことばの問題、マナーアップについてご意見をいただきました。このあたりは、引き続きNHKの放送の中でどういう形が一番視聴者の方々にきちんと伝えられるのか、ということを考えながら、いただいたご意見も踏まえて、考えていきたいと思います。
受信料の料金が上がっている、というお話がありましたが、そういうことはありません。昨年、受信料額が変更になりましたのは、消費税の部分が5%から8%に変わったので、その分のご負担が増えているということです。その前には受信料の値下げをさせていただきました。口座クレジット払いの方ですと 1か月120円値下げをさせていただきました。受信料については値下げをさせていただきましたが、消費税分はNHKでいただくわけではなく、国に納めるものとしてご負担いただいています。
先ほど申し上げましたように、76%の受信料の支払率を3年後に80%を目標に高めていくため、多くの方に公平負担をお願いするという活動を進めていますので、ご理解をお願いしたいと思います。
出演料のお話がありました。受信料で支えられていますので、皆さまと一緒に放送をつくっていきたいということで、例えば出演された方に放送記念品をお渡しするなど、感謝の気持ちだけで申しわけない部分もありますが、ご協力をいただいています。
ただし、俳優さんや脚本家、大学の先生など専門的な知識をお持ちの方々には、生活もありますから、NHKの中で基準を決めて、出演料をお支払いしています。ほかの民放などと比べると、かなり低い金額でご協力いただいているというのが現状です。
難しいことばをできるだけ使わないように、というお話がありました。それはおっしゃるとおりで、わかりやすいことばで伝えるということが原則です。よく「カタカナが多過ぎる」というご意見をいただきますが、ことばは時と共に変わりもしますので、放送文化研究所で定期的に調査を行い、放送のあるべきことばを考えながら放送させていただいています。また、ご意見がありましたら、ぜひお聞かせいただければと思います。
かつて「ブラタモリ」という番組を放送しましたが、再び、新たにスタートしてほしいという声がかなり寄せられました。タモリさんは、今までは民放の昼の定時番組に出演されていたので東京周辺のみの展開となっていましたが、今度は少し時間ができるということで全国各地にお邪魔して制作させていただいています。視聴者の皆さまの希望する声に応えるために再スタートしたということで、ぜひ、ご覧いただければありがたいと思います。
【会場参加者】
私は、95歳の終戦体験者です。ことし戦後70年でいろいろな放送をされると思うが、一般庶民がどのような生活をしたということが全く出てこない。
当時の場面で、女性が化粧をして、つけ襟をしているのを見たら、「うそ」って言う。普通の庶民もどんなに苦労したか、毎日の苦労が放送に全然出てこない。一般庶民がとても苦労した、ということを取り上げてほしい。
【会場参加者】
公共放送の役割の中で非常に大事なのは、正しい標準語を使うということ。最近、アナウンサーの中でも標準語を使え切れない、おかしなイントネーションが時々ある。
カタカナ語はできるだけ日本語に置きかえるという努力をもっともっとしてほしいと思う。不祥事があったときに「コンプライアンス」と必ず言うが、民放などでは不祥事のときに「コンプライアンス」云々というのは余り聞かない。民間の企業でも何かあったときに「社内のコンプライアンスに努めます」なんていう言い方を経営者が言っていることを聞いた覚えがない。これは大変失礼な言い方だが、煙に巻いているのではないかと思う。
最近、非常に気になるのは、「高級」とか「老舗」ということばをわざわざ言う必要があるのかということ。これは高級や老舗ではないところと差別化しているような感じがする。
また、ニュース番組でアナウンサーが、やたらと解説をしている。ニュースと番組にタイトルをつけるのならば、事実を伝えればいいのであり、わざわざ解説をしたり、感想を述べる必要はないと思う。
「何々してもらいたいものだ」という結びのことばがよく使われるが、個人の意見なのか、台本に従って彼が話しているのかわかりにくいところがあることが気になる。
また、ニュースの中で「NHKの調査によると」ということばがよく使われているが、調査というのは非常に重いことばであり、アンケートでいいのではないか。わざわざ調査という言い方をするのは、NHKが非常に権威主義的になったような気がする。
(塚田専務理事)
ことし戦後70年ということで貴重なご意見をいただき本当にありがとうございます。われわれも当時の政治、経済、社会などいろいろな枠組みを伝えると同時に、人々がどのような思いで、あの時代を過ごしてきたのかということは大事なテーマだと思っています。
今晩から「戦後70年 ニッポンの肖像」という「NHKスペシャル」がスタートします。このような番組の中でもこれから先、一人一人の国民の生活なども含めて描いていければと思っています。
また、高齢になられている戦争を体験された方の証言をきちんと取材させていただき、後世に伝えていくということが公共放送としても極めて大事なことだと思っています。これまでも戦争証言「市民たちの戦争」で一人一人が体験したことを紹介し、インターネットでも伝えて若い人にも見てもらうという取り組みも進めています。戦後70年という機会にさらに力を尽くしていきたいと思っています。
日本語の話をいただきました。実は「コンプライアンス」ということばはNHKの中でも相当議論するのですが、これに合致する日本語というのが、実はなかなか難しいのです。今、「コンプライアンス」ということばについて調査しますと、少しずつ理解されている方が増えており、使わせていただいています。「コンプライアンス」について、その時々の問題になっているテーマに合わせて、例えば「ニュース深読み」などさまざまな形でわかりやすく具体的伝える努力もしています。「どうわかりやすいことばで伝えるか」ということについては、いろいろな調査も踏まえながら、さらに努力していきたいと思います。
それから、「調査とアンケート」についてのお話がありました。調査と使いますのは、例えば世論調査や選挙報道の出口調査など、具体的な調査方法を明示しながら使わせていただいています。一方で、企業にNHKがアンケート調査したものはアンケートという形で紹介するなどと区別しています。これから先も、そのような誤解が生じないような形で伝えていきたいと思いますので、ぜひご理解をいただければと思います。
(村益局長)
「ニュースブリッジ」のことばづかいのご指摘がありました。「高級すし店」ということばづかいは、「100円ずし」との差別化で使ったのではないかと思います。それから「老舗料亭」の「老舗」については、必要ないかもしれません。今後の参考にさせていただきます。
(上田委員)
確かにコンプライアンスは、法令遵守というのが日本語の訳だと思いますが、コンプライアンスというのは、それなりにひとりでに動き出している部分があって、ガバナンスの企業統治、コンプライアンスの法令遵守など日本語とどちらのほうが通じるのか、ということです。
ご指摘のように、私も前にいた組織の関係で、どうしてもカタカナで話してしまうことがあります。ご指摘は非常に大事で、聞いている人から見れば不快感しか持たれないということになりかねない、というところがあります。非常に貴重なご指摘として真摯に受け止めたいと思っています。
(塚田専務理事)
「ニュースウオッチ9」は、「ニュース7」とは少し違う形で、キャスターが「われわれは、こういう視点で取材をもとにしてお伝えしています」「こういった視点で考えてみたらどうでしょうか」というような、ある意味では皆さまに考えていただくきっかけ作りを助けるような形で、コメントさせていただく場合があります。それがほかのニュースとは少し違うという部分があります。
このコメントはキャスターだけで決めるのではなく、その番組の編集責任者も含めて、議論しながら決めています。また、違う日に違う視点が必要であれば、新しい視点も含めて多角的に伝えるということに努めています。
【会場参加者】
「方言バラエティー」という番組があった。方言ってこんなのがあるんだよ、こんなにすばらしいんだよ、というような番組だったが、とてもよかったと思う。標準語だけではなく、ことばそのものについて考える番組をたくさん制作してほしい。
【会場参加者】
北九州放送局に期待したいということで、きのうの「北九州×クロス」はすごくよかったと思う。新しい取り組みもあり、あのような番組をもっともっと制作してほしい。
放送90年ドラマ「紅白が生まれた日」のような感動的なドラマも北九州放送局でぜひ制作していただきたい。北九州放送局に期待している。
(司会)
ありがとうございます。
本日は本当に長い間、いろいろなご意見をありがとうございました。最後に、経営委員より感想をいただきます。
(上田委員)
本日は本当に貴重なご意見を賜り、ありがとうございました。
きょう、お伺いしたいろいろなご意見を真摯に受け止め、今後の経営委員会での活動に生かしていきたいと思います。引き続き公共放送としてのNHKのサポートをよろしくお願いいたします。きょうは、ありがとうございました。
(美馬委員)
本日、皆さまからいただいた貴重なご意見などを持ち帰り、きょう出席しなかった経営委員とともに共有して、今後の活動に生かしていきたいと思います。
そして、公共放送の「公共」という役割については、今後も私自身も含めて、どのようなものであるべきかということを考えてまいりたいと思います。
もう一つ、最後に話しできなかったこととして、地域放送局というものが公共というものを支えているということです。NHKはこの北九州局のような放送局を全国に持っています。いろいろな地域ならではの番組、視点、ドラマ、戦争体験のお話もございましたが、歴史や生活に根づいたいろいろな見方、考え方、それをどのように乗り越えてきたのか、どのような課題を抱えているのか、ということを地域だけにとどめることなく、多くの方に知っていただきたい、そして、皆で考えていきたいと私自身は思っています。
また、今後、国際放送においても日本の文化、歴史を紹介するだけでなく、地域で起こっていること、あるいは地域の放送局が制作した番組なども世界の方に多く知っていただき、日本をより深く理解していただくということの一助になればと思っています。
私、経営委員としては至らないところがまだまだありますけれども、貴重なご意見をいただいたことを本当に感謝しています。どうもありがとうございました。
(司会)
本日は本当に長い時間、こちらの狭い会場でたくさんのご意見をいただき、ありがとうございました。時間の都合上、皆さまからご意見を伺えなかったこともあったと思いますが、ぜひこの後、アンケートに書いていただければと思います。どうもありがとうございました。
<視聴者のみなさまと語る会in北九州>参加者当日アンケート
※全表の単位はすべて人数
質問1:性別
男 性 | 女 性 |
13 | 18 |
質問2:年齢
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代 | 90代 | 未回答 |
1 | 0 | 6 | 5 | 7 | 7 | 3 | 1 | 1 |
質問3:今回のイベントを何でお知りになりましたか(複数回答)
放送(テレビ) | 放送(ラジオ) | ホームページ | 新聞 | 知人 | その他 |
19 | 1 | 12 | 2 | 1 | 0 |
質問4:今回のイベントに参加していかがでしたか
大変満足 | 満足 | ふつう | 不満 | 大変不満 | 未回答 |
6 | 11 | 8 | 3 | 0 | 3 |
質問5:一番印象に残ったコーナーはどこでしたか(複数回答)
経営重要事項 | 経営など全般 | 放送について | トークショー | 特になし | 未回答 |
5 | 5 | 5 | 10 | 4 | 5 |
質問6:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか
よく知っていた | 知っていた | 知らなかった | その他 | 特になし |
4 | 8 | 18 | 1 | 0 |
質問7:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか
理解が深まった | 特に変わらない | わからない | その他 |
19 | 7 | 5 | 0 |
<アンケートに寄せられた主なご意見>
経営全般について
-
公共放送について理解できて良かった。
-
支払率を上げて増収を確保するとのこと、努力しているのだと思った。
-
現在のNHK会長は辞めて欲しい。
-
経営委員会がどれ位の頻度で開かれているのか、また経営委員の報酬ついても知りたいと思った。
-
4Kの技術はすばらしく驚くべきものだった。現在では、8Kの研究が進み、医療でも応用されてきている。今後も、NHKには積極的に研究・開発に関与していただき、2020年のオリンピック・パラリンピックにも役立てていただきたいと思う。
放送について
-
横文字の表現は、わかりにくい。やさしい日本語でお願いしたい。
-
棒読みではないニュース番組を求める。国民に評価、選択する力があれば、仮に個人的意見であってもニュースキャスターとして発言してもよい。
-
「ニュースウオッチ9」のキャスターのことばづかいやアナウンサーの服装は問題ない。自分が見たいと思う番組を楽しめばいい。
-
「ニュースウオッチ9」に対する意見が多かったのには驚いた。
-
汚いことばづかいや下品な動作等が何年経っても改善されない現状に気づいているのか。もし気付いていなかったのであれば大変なこと。マナーアップに努める事は当然の義務だと思う。
-
番組の中では、正しい日本語を使ってほしい。
-
番組出演者にタレントを起用するのは控えてほしい。
- 時々、地域からの生中継があってもいいのではないか。
- NHKの番組はいいところが沢山あると思う。結局NHKが一番大好き。
-
一番見ているのはNHK。いい番組を期待している。
-
中継の際、どこのテレビ局かわからない時があるので、腕章などを着用すればいいのでは。
- 国会中継と高校野球中継が重なった際、FMで高校野球を放送してもらい、助かった。
-
耳が不自由な方に向けて、字幕放送を充実させてほしい。
- 公共放送としての認識を理解させる事。それに沿った番組やアナウンサーを希望する。
-
戦争に関する放送は多くなったと思うが、一般庶民の生活がもっとよくわかるような番組を放送してほしい。戦争の苦しみを知らない年齢層ばかりになってしまうのが不安。
-
庶民の視点に立った戦後70年特集をお願いしたい。
-
ニュース番組に、外部のタレントを起用する必要はないのではないか。
- 民放では出来ない、NHKならではの番組を制作、放送してもらいたい。
-
こういう言い方はない、と思うナレーションを聞いた。よく調べて、台本を書いてもらいたい。放送作家の質はどうなっているのか。
運営、その他について
-
活発な意見のやりとりに正直驚いた。いかに幅広い視聴者を持っているかを改めて感じた。
- 講演会目当てに応募したが、それを含めて貴重な経験をすることができ大変感謝している。
-
質問に対してわかりやすく、偏っていると思われる意見にも親切に対応いただき、親しみやすく和やかな会だった。
- 質問される人に自分勝手な考えや意見が多かった。
-
NHKに対する不満や要望が多く、少しばかり不快感を持った。
-
皆さんの率直な意見はよかった。これからのNHKに期待している。
-
いろいろな視聴者の方がいて興味深かった。
-
想定外の質問と、想定内の回答の対比が面白かった。質問者と回答者の温度差が大きく、有意義な会になっているのか、と疑問を感じる。
-
マニュアル通りの答えではなく、もっとカジュアルに答えていただきたかった。
-
ひたすら弁解に終っていた。
-
“みなさまと語る会”と銘打った割に、視聴者側の人数が多過ぎる。質問は一人一回を制約されてしまっては議論の余地がなく、残念。
-
会の時間をもっと長くしてほしい。
- 向かいあって座るようにして、もっと話しやすくするよう配慮すべき。
-
このような会を、またお願いしたい。
- 自分が気付かなかった点なども聞くことができ、色々参考になった。