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2021年度 第5回
視聴者のみなさまと語る会(北海道)開催報告書
(2021年12月4日(土)開催)

 

<会 合 の 概 要>

 2021年度第5回の「視聴者のみなさまと語る会」は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、北海道にお住まいの方を対象に、パソコン等を使ってご自宅等からオンラインで参加いただく形で開催した。「今のNHKに足りないもの・望むこと」、「地域放送局に求めるもの」をテーマに意見の聞き取りを行った。

 

<会 合 の 名 称>

視聴者のみなさまと語る会(北海道)

 

<会 合 日 時>

2021年12月4日(土)午後1時30分〜3時5分

 

<出  席  者>

〔参 加 者〕

視聴者の皆さま 28組29人

〔経営委員会〕

堰八 義博   委員(北海道銀行特別顧問)

 

長谷川 三千子 委員(埼玉大学名誉教授)

 

不破 泰    委員(信州大学理事・副学長)

〔執 行 部〕

板野 裕爾   専務理事

 

伊藤 浩    理事

 

梅岡 宏    札幌拠点放送局長

〔 司 会 〕

橋 美鈴   アナウンサー

 

<開 催 項 目>

 以下のとおり進行した。

 

1 開会あいさつ

2 経営委員による説明

  協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について

3 意見の聞き取り

  「今のNHKに足りないもの・望むこと」、「地域放送局に求めるもの」について

4 閉会あいさつ

 

 ミーティング終了後、「災害報道 信頼される言葉 〜胆振東部地震の経験から〜」をテーマに、糸井羊司アナウンサーによる講演会を開催した。

 

<実施内容・評価>

  • 公募の結果、ホームページを通じて28組29人から参加の申し込みがあった。

  • 当日は28組29人が参加し、「今のNHKに足りないもの・望むこと」、「地域放送局に求めるもの」をテーマに、NHKの放送・サービス全般について意見や提言を募った。

  • 参加者からは、「NHK経営計画」、「受信料制度」、「放送・インターネット活用」、「地域放送・サービスのあり方」などについて、多岐にわたる意見や提言が寄せられた。

  • 終了後に行ったアンケートには、参加者23人から回答があった。主なアンケートの結果は次のとおり。

    [参加者の満足度]
     「大変満足」9人、「満足」9人、「ふつう」5人、「不満」0人、「大変不満」0人

    [NHKの放送・サービスについて]
     「今回のイベントに参加して、NHKの放送・サービスについて理解や関心が深まりましたか」との質問に対し、「大変深まった」9人、「深まった」13人、「変わらない」1人、「あまり深まらなかった」0人、「ほとんど深まらなかった」0人との回答があった。

    [経営委員会の仕事について]
     「今回のイベントに参加して、経営委員会の活動について理解が深まりましたか」との質問に対し、「大変深まった」5人、「深まった」15人、「変わらない」2人、「あまり深まらなかった」1人、「ほとんど深まらなかった」0人との回答があった。

 

<詳細報告>

(司会)
 経営委員からNHKや経営委員会の役割などについて簡単にご説明します。

 

 

◆協会の基本方針・重要事項の説明

(不破委員)
 はじめに、NHKの経営委員会についてご説明します。
 NHKの経営委員は、さまざまな分野や地域から選ばれた12人で構成され、国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。
 経営委員会では、中期経営計画や予算・事業計画など、経営の重要な事項について議決します。また、決められた方針に沿って執行部の会長や副会長、理事らがNHKの運営をしているかを監督しています。
 私たち経営委員は、NHKの経営にあたって、視聴者のご意見をふまえ、適切な判断や検討を行うことが求められています。そこで今回のような「視聴者のみなさまと語る会」を毎年、数回開催しています。
 NHKが受信料で運営されているということは、ご存じの方が多いと思います。NHKは、税金で成り立つ国営放送ではありません。受信料で成り立っている公共放送です。特定の利益や意向に左右されない、公正で質の高い番組をつくり、視聴率にとらわれずに社会に必要な教育・福祉番組などをお届けできるのは、受信料によって財政面での自主性が保障されているからです。
 公共性の高いコンテンツや情報を「いつでも、どこでも」受け取れる環境を整え、視聴の機会を増やそうと、インターネットを活用した取り組みにも力を入れています。
 そのひとつ、去年の春からスタートした「NHKプラス」のご紹介です。「NHKプラス」には、総合テレビとEテレの番組を、インターネットで放送と同時に配信する「常時同時配信」と、それらの番組を一週間程度いつでも見ることができる「見逃し番組配信」のサービスがあります。NHKと受信契約をしている方であれば、追加料金なしでお楽しみいただけます。
 「NHK経営計画」についてご説明します。
 今年度から3か年の具体的な経営目標や重点方針を掲げています。この経営計画は、経営委員会で視聴者の皆さまから広くご意見を募集して、議論し、議決しました。
 NHKは、公共メディアとして、皆さまの信頼に応え、合理的なコストでの運営に努めます。経営資源を多様で質の高いコンテンツに集中させます。正確、公平公正で豊かな放送・サービスを、いつでもどこでも最適な媒体を通じてお届けし続ける、「新しいNHKらしさの追求」を進めます。
 そのために、「安全・安心を支える」、「新時代へのチャレンジ」、「あまねく伝える」、「社会への貢献」などの、5つの重点項目に取り組みます。
 経費を700億円規模で削減する一方、150億円程度を5つの取り組みに重点投資することで、550億円規模の支出削減を行い、スリムで強靱な「新しいNHK」を目指します。
 衛星波のBS1・BSプレミアム・BS4Kを見直し、2023年度中に、BS1・BSプレミアムのうち1波を削減します。削減にあたっては、番組の一部を他の放送波に移すなど、編成上の工夫に努めます。
 また、ラジオ第1、ラジオ第2、FMの3波については、2025年度にAM、FMの2波へ整理・削減する方向で検討を進めます。放送波の整理・削減は、視聴者の皆さまのニーズをふまえ、利便性を損なわないことに留意しながら進めます。
 コストを圧縮し、値下げの原資とすることで、受信料の値下げを行う方針です。新型コロナウイルス感染症の影響や、放送法の改正による契約・収納活動への効果、訪問によらない新たな営業施策への移行の状況などを見極めながら、検討を進めます。説明は以上です。

(司会)
 きょうは大きく2つのテーマについて、皆さまから意見を伺っていきたいと思います。
 1つ目のテーマが、「今のNHKに足りないもの・望むこと」です。先ほど、NHKの経営計画について説明がありましたが、それ以外にも受信料制度、放送番組についてなど、いろいろご意見がおありかと思います。
 2つ目のテーマが、「地域放送局に求めるもの」についてです。後半で皆さまからご意見を伺う予定です。
 では、1つ目のテーマ、「今のNHKに足りないもの・望むこと」について、ご意見を伺っていきたいと思います。

【参加者】
 私は、ことし7月に会社を閉じて家にいる時間が多くなり、テレビを見る時間がすごく増えましたが、自分の興味に合う番組はほとんどありません。NHKに限らず、民放も含めてです。Eテレを中心に見ていますが、比較すると民放はお笑いばかりで、私の求めているものとは違うのです。今のNHKの番組、特にEテレでの番組をもっと充実していただければと思います。
 NHKでは、時間をかけてつくられた番組が多いと思います。特にドキュメンタリーが好きで、アナウンサーが海外に行き、現地での体験や景色を見せるというあたりは、今はどこにも行けないので非常に癒やされます。ドキュメンタリーなどは民放ではなかなかできないので、NHKでやっていただければと思います。

【参加者】
 せっかく多くの受信料を使い、現地調査して放送しているのだから、現実社会でもっと有効に活用できないかということをお伺いしたいと思います。ジェンダー問題などで女性が活躍している北欧の国々などを紹介する番組は非常に参考になりますが、そのようなすばらしい放送をしているNHKでは、どのぐらい女性の理事や局長がいるのかと調べてみたら、非常に少ないのです。なぜこんなに少ないのか、何人かで考えてみましたが、NHKには局長や理事になるような優秀な女性がいないのではないか。もしくは、女性が家庭にいるべきであるという考えで、社会で働くことをよしとしないという人が上層部にいて、女性が局長や理事になれないのではないかという意見が出ました。女性の局長などが少ない理由は何かをお伺いしたいと思います。
 もう1点、NHKの職員は、内外の報道規制の圧力に屈することなく、憲法で保障された国民の知る権利を堅持し、正確な情報を提供してほしいということです。かんぽ生命の不正販売の件で、森下経営委員長が番組のつくり方に問題があるなどと主張し、当時の上田会長を糾弾したそうです。ちなみに、この対応について、立教大学の砂川教授は放送法第32条第2項に抵触する、国会答弁は虚偽答弁にあたると主張しているそうです。
 2点目として、元NHK記者の相澤冬樹さんが「安倍官邸VS.NHK」という本を書いたのですが、これを読んで非常にびっくりしたのは、NHKでは非常に同調圧力が強く、なかなか本当のことを主張できない組織の体質ではないかということです。職員の皆さんには奮起を期待して、われわれが本当の意味での公正な放送を聞けることに注力していただければ、非常にありがたいと思います。加えて、現場の人たちが、経営委員長の発言によってくじけないで、引き続き頑張って国民に正確な情報を伝えてほしいと思います。

(伊藤理事)
 女性の理事や局長が少ないのでないかというご質問をいただきました。男女雇用機会均等法ができる以前は、女性職員の採用が大変少なく、その後、徐々に増えてきているという状況です。もちろん能力本位で昇進するようになっていますが、現在、理事の中で女性は1人です。
 一方で重要な立場を務めている女性も増えてきており、例えば全国の放送の責任者にあたる編成局長は現在、女性が務めています。そのような形で女性の局長が増えつつあるというのが現状です。
 また最近の採用比率では男女ほぼ同数となっており、女性管理職を増やしていく数値目標も設けています。もっと若い世代になれば、さらに女性が増えていく形になっていくだろうと考えています。
 NHKでは全国転勤もありますが、子育てや介護などの面も含めて、女性がしっかりと仕事を続けられる環境の整備も進めているところです。これからのNHKにおける女性の活躍にぜひご期待いただければと思います。
 2つ目のご質問ですが、放送現場において自主自律は報道機関の命ですので、現場がしっかりと取材して情報発信していくことは、NHKとして一番大事にしているところです。
 視聴者の皆さまからしっかりと信頼していただけるように、現場も頑張っていますので、ぜひ一つ一つの番組をご覧いただき、その中身についてのご指摘もいただきながら、NHKとして一歩でも前に進んでいくことに取り組んでいきたいと考えています。

(堰八委員)
 後半のご質問、ご指摘に対してコメントさせていただきます。
 上田前会長への注意に関連して、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会から、この件について2度にわたる答申を受けています。ことし7月に、開示すべきとされました対象文書をすでに開示させていただいています。
 経営委員会では、ことし2月に審議委員会から2度目の答申が出されてから、経営委員12人で慎重に幅広く、これに対する対応について検討してまいりました。その結果、本来は非公表を前提とした議論であり、それを開示することは極めて異例の対応ですが、経営委員会が役員の職務の執行の監督という極めて重要な権限行使として会長を注意したという特異な事案であり、開示すべきとされた審議委員会の2度目の答申を尊重しまして、対象文書を開示することにしました。当時の内容につきましては、すでに追記する形で議事録として公表させていただいていますので、内容につきましてはそちらをご覧いただければと思います。

【参加者】
 パラリンピックがあった前後では、例えば後藤佑季さんがリポーターで出られるなど、NHKでも障害者に関する番組や啓蒙などをすごく強くやっていたと思います。今でも「バリバラ」をEテレでは放送していますが、総合テレビではパラリンピックが終わるとパタッとなくなってしまいました。私はパラリンピックが多様性の出発点だと思います。パラリンピックぐらいの熱意で、いろいろな方が見て、一緒に考えられる番組をつくっていただければと思います。

【参加者】
 関東地方で台風や地震が発生したとき、全国ニュースの半分以上がその話になりますが、われわれが住んでいる北海道や沖縄に台風が来ても、すぐにニュースが終わってしまうという状況が続いています。2014年の室蘭放送局で開催された「視聴者のみなさまと語る会」のときも言ったのですが、その後も大して変わりがないのです。北海道に住んでいる者にとっては、関東に常に行くわけではないですし、ほかのニュースを知りたいと思って見ていても、ずっと放送されており、民放に切り替えることが多いです。できればもう少し均等にしていただけないかと思います。

(梅岡札幌拠点放送局長)
 北海道で災害があったときには、北海道の各地域にいかに役に立つ情報をお届けするのかということについて、さまざまな取り組みを始めています。後ほど説明させていただきます。

(不破委員)
 私は信州に住んでいますが、2年前の台風19号で千曲川が越水したときに、NHK長野放送局では非常に危ないところにも、安全を確保しながら取材に行き、独自の取材網で越水の情報をいち早く伝えたりしていました。また地元ケーブルテレビと連携して取材するなど、地元重視という姿勢はかなり改善されつつあると思います。

【参加者】
 NHKの良質な番組にとても満足していますので、本数を減らさないでほしいと思います。民放も見ていますが、視聴率や予算枠に追われているようで、ドラマやバラエティなど視聴者にこびを売り過ぎだと思いますし、つくり込みが浅いように思います。
 NHKが丁寧につくり込んでいる陰には、番組にならず捨てる部分もたくさんあると思います。経営的な観点もあると思いますが、やはり捨てる部分も容認しないとよい番組はつくられないのではないかと思います。
 また、番組のテーマ曲についても、昔では「新日本紀行」の冨田勲さんや「映像の世紀」、最近では「ドキュメント72時間」、「プロフェッショナル 仕事の流儀」など、どこから探してくるのかなと思います。これからも良質な番組を出していってほしいと思います。

(長谷川委員)
 貴重なご意見をありがとうございます。今、次年度の放送番組編集の基本計画をつくっていますので、これらのご意見は執行部にお伝えしたいと思います。

(板野専務理事)
 パラリンピックや障害のある方に関する番組をもっと取り上げてもらいたいというご意見がありました。東京オリンピック・パラリンピックは大変大きなイベントで、NHKも相当の時間をかけて中継しました。特にパラリンピックでは、初めてすべての競技を中継しました。
 パラリンピックやパラスポーツの持っている訴求力、感動を与える力には大変力強いものがあります。ただパラスポーツは、パラリンピックが終わりますとスポーツ報道の中では決して多くの時間を占めているわけでもありません。先ほどご意見があったように、今回のパラリンピックの中継では大きな感動を与えたということを受けて、NHKとしても、障害のある方に関する番組やパラスポーツに関する番組にもっと力を入れてまいりたいと思います。

【参加者】
 今回は視聴者からの意見を吸い上げるという形ですが、これだけ人数がいる中では、1人1回もしくは2回発言できればよいのかなというところです。限られた時間の中で、たくさんの意見を吸い上げたいという気持ちもわかりますが、人数制限をしないと大変だと感じます。
 NHKでは、さまざまなジャンルが放送されており、すごく楽しいです。教育やクラシックの音楽番組、ドキュメンタリー、「ダーウィンが来た!」など、そういった裏でのスタッフさん、カメラマンさんの努力はすさまじいものだろうと、いつも番組を拝見させていただきながら感じています。
 テレビを見ない子どもたちが増える中で、このようなすばらしい番組を流しているNHKという存在を伝えるには、親御さんがまず見ていただき、一緒に子どもたちが見るようにつなげていかないと、これからは厳しいのかと思います。例えば、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」みたいに、少し昔の時代を伝えたり、「あまちゃん」のように、人の心に訴える癒やしや心に響くものを伝えたりする機会があればよいのではないかと思います。
 また、富良野出身の「グレートトラバース」の田中陽希さんなど、北海道出身で活躍されている方をこれからも取り入れていただきたいと思います。

【参加者】
 インターネットのサイトについてです。少し不便に感じることがあります。例えば、特集などはバナーからしか進めず、フローチャート的に系統立てた探し方ができないので不便に感じています。若い世代にとっては、大区分、中区分、小区分という感じで進んでいくほうがわかりやすいと思います。フェイクニュースなどが横行するネットの世界が今の主流となっている中では、NHKの信頼性は確立されていると思いますし、信頼性と手軽さ、わかりやすさの両立は大切だと感じています。
 先ほどの経営委員の説明をお聞きして、一般企業の社外取締役と経営委員は近い存在で、かつ専門性に重きを置いていて、NHKをよりよくする存在だと理解しました。放送と通信は違うものかもしれないのですが、通信に脅かされている部分もあると思います。サイトづくりなど、その分野に強い方で構成していったほうがよいのではないかと感じました。

(不破委員)
 私は通信を専門としています。今、おっしゃったのはホームページのユニバーサルデザイン化の話だと思います。確かにバナーからしか見られないという、いわゆるブラウザ依存でご不便を感じていらっしゃる方が多いと思います。ユニバーサルデザインの面からもセキュリティの面からもしっかりと進めてまいりたいと思います。貴重なご意見をありがとうございます。

【参加者】
 テレビはもっぱらNHKを見ていますが、最近、特に「NHKニュース7」では、ほとんどAIと変わらないような感情も思いやりも同情もなく、ただ朗読しているような若いアナウンサーが多くなっており、非常に残念に思います。昔の「NHKニュース7」では森田美由紀アナウンサーが頑張っていましたが、今はAIと全く変わらないような状況で、これでは人間を通した報道の意味がないので、もっとアナウンサーの個性を出したニュース報道をお願いしたいと思います。

(司会)
 具体的に貴重なご意見をありがとうございます。
 番組などについてたくさんのご意見をいただいていますが、「NHKに求めること」という1つ目のテーマのほかの項目についても、ご意見がある方はいらっしゃいますか。

【参加者】
 朝から晩までNHKのテレビ、ラジオの両方をつけっぱなしで視聴しています。本当にどれだけのご苦労とご努力を重ねていらっしゃるのかなというぐらい、厚みと深みのある番組が多く、生活が潤って癒やされています。
 同時に、民放にはない切り口や取材の充実した幅広さは格別だという印象を受けています。障害者の方の報道もそうですけれども、今まで知らなかった世界や気付かなかったことをたくさん考えられるのはNHKのおかげです。そういう意味で、とても魅力を感じておりますし、私にとっては暮らしに寄り添って心強いものです。
 ただ、非常に小さなことですが要望があります。昔は月曜日から金曜日の平日には帯番組がありましたが、今はあまりないようです。例えば「きょうの料理」は昔、月曜日から土曜日にあり、四、五十年前からテキスト片手に必ずテレビで見ていました。今はスマホですぐ料理を調べられるという時代ですが、私は夜の9時に「きょうの料理」を見るということを祖母や母と一緒にずっと続けており、このような時代であっても、そういう生活番組の決まった時間に決まった帯の番組を見られるという楽しさや、そのような潤いというのがどこかにあったらいいなと思います。それが一つの希望です。
 また、連続テレビ小説の「カムカムエヴリバディ」に連動した「ラジオで!カムカムエヴリバディ」を聴いています。英語なんてしばらくやっていませんでしたが、ラジオで英語に触れ合う時間ができました。
 個人的にはとてもラジオが好きですが、ラジオ第1とラジオ第2、FMが一緒になるらしいですが、その中でも充実した番組を続けていただきたいと思います。
 あと1つ、NHKのアナウンサーはとてもすばらしいと思います。リポート一つにしてもとてもすばらしいと思います。AIのように感じたことはありません。お一人おひとりの声やリポートを聞くたびに、とてもすばらしいといつも思っています。民放のタレントさんみたいなはしゃいだ感じではない、とてもよい意味での真面目さと穏やかさがあって、とてもよいといつも感じています。

(司会)
 どのようにご覧いただいているかが、とても伝わってきました。ありがとうございます。きょうは一問一答という形式にはせずに、できるだけ皆さまのお声を聞きたいと思って進めさせていただいています。ご意見はしっかり共有していますので、ご了承ください。
 チャットには、「まるで異質のラジオ第1、ラジオ第2をどう統合するのでしょうか。もうできていますか」という質問がありました。伊藤理事からお答えします。

(伊藤理事)
 ラジオについては、ラジオ第1と第2、FMを統合して2波にしていく方向性を検討しているところです。一番大事なのは、皆さまから支持をいただいている番組を、いかに大切にしながら移行ができるかということです。例えば、ラジオ第2では再放送が多いですが、皆さまに聴いていただいている番組を、例えばFMに動かすことができないか、ということを検討しています。
 そのためには、視聴者の皆さまのご意見をしっかり受け止めることが大事であり、全国的なアンケート調査等も行っています。NHKのラジオを聴いていただいている方々を対象に、どの番組を移行したらよいか、なくさないでほしいかなどをお伺いしているところです。これを拙速に進めますと皆さまにとって大変不便になりますので、丁寧に進めてまいりたいと考えています。

(司会)
 1つ目のテーマ、「今のNHKに足りないもの・望むこと」について進めてまいりました。チャットや後ほどアンケートでもご意見を募集していますので、どうぞご利用ください。
 ここで2つ目のテーマに移ります。「地域放送局に求めるもの」です。
 きょうは、北海道にお住まいの皆さまにご参加いただいていますが、ご意見を伺う前に、札幌拠点放送局の梅岡局長から、北海道で行っている地域放送やサービスについて、皆さまにご紹介したいと思います。

(梅岡札幌拠点放送局長)
 札幌拠点放送局とNHK北海道の取り組みについてご説明します。
 北海道の7つの放送局の拠点である札幌拠点放送局は、ことし6月に新会館に移転しました。コロナ禍でこれまで一般のお客さまへの会館サービスを控えていましたが、11月21日から本格オープンしました。280インチの8Kモニターがある公開スタジオなどがあり、さまざまなイベントを行っていきたいと思います。近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただければと思います。
 北海道ブロックで制作、放送している主な番組を紹介させていただきます。「おはよう北海道」ではリポートや中継で道内の最新情報や気象情報などをビビットにお伝えしています。日曜日の朝には、「さわやか自然百景」、「Wild Hokkaido!」など、北海道の大自然の魅力の発信に努めています。
 平日の夕方午後6時10分からの「ほっとニュース北海道」は、番組のモットーとして、「超ローカル宣言」をうたっており、道内7局のネットワークを生かして集めた各地のニュースや話題をはじめ、日々の暮らしを支える身近な情報をお届けしています。
 毎週金曜日の夜7時半からの看板番組である「北海道道」では、北海道になじみの深い鈴井貴之さんをキャスターにしています。さらに今年度は年4回の大型シリーズ特番として、道内の179の市町村を結ぶ「北海道スタジアム」を生放送でお届けしています。
 NHK北海道では、3か年計画を立てて、北海道の皆さまにより一層身近で必要とされるメディアとなるために、地域サービスの強化を目指しています。夕方の「ほっとニュース北海道」の中で、各放送局やローカル放送は5分ですが、道央、道北・オホーツク、道東、道南の4つのエリアに分けて、15分の放送に拡大して、より多くの自治体、地域情報の発信を目指しています。
 この目指すところは、災害時にはしっかりとそのエリアごとに情報発信をすることです。各エリアで気象予報士を確保し、災害時も含めてしっかりと皆さまに役に立つ情報を発信することも目指します。
 今年度は、さまざまなトライアル放送をしてきましたが、来週以降も道東、道北・オホーツクの各エリアでトライアル放送を行います。それぞれの地域できめ細かいニュースをお届けしますので、ぜひご覧いただければと思います。
 以上、NHK北海道の取り組みについてご紹介させていただきました。

(司会)
 それでは、2つ目のテーマ、「地域放送局に求めるもの」について、皆さまからお話を伺っていきたいと思います。今の説明も参考にしていただいたうえで、ご意見がある方は手を挙げていただけますでしょうか。

【参加者】
 「NHK for School」を仕事で使わせていただき、大変ありがたく思っています。「NHK for School」のコンテンツも、教育の流れにあわせて新しいものにつくり直されており、現場の声も吸い上げていただいて、子どもたちがよりわかりやすく工夫してくださっていることにも大変感謝していますし、日ごろから支えていただいていることにも感謝しています。橋美鈴さんにも、以前、研修会でお世話になったことがありますし、梅岡局長にもいつも大変お世話になっています。
 2点お話ししたいことがあります。1点は、私たちは、番組を先生方に広めて使ってくださいという立場ではないですが、NHK側から主体的に学校に働きかけることが少ないのではないかと感じています。
 4月のはじめには、「NHK for School」の冊子を送ってくださっています。以前はクラスに1冊でしたが、予算の関係もあって今は学年1冊になっています。ただ、その冊子を送るだけではなくて、「NHK for School」について、NHK自身が直接学校へ赴いて先生方に広めていただくことで、先生方もより知って利用するのではないかと感じます。「NHK for School」のことを知らない先生方はたくさんいます。ぜひ、その取り組みをお願いしたいと思います。
 もう1点は、番組づくりですので、地方局だけでは無理かもしれないですが、「NHK for School」は全国版の内容ですが、例えば3・4年生の社会は地方に特化した学習になります。札幌では、「わたしたちの札幌」という副読本で勉強します。地方ごとに特化した教育番組があってもよいのではないかと思います。局ごとの制作は難しいかもしれませんが、ぜひ検討して進めていただければと思います。

【参加者】
 先日放送された「北海道スタジアム」に参加しました。羊蹄山の話題を取り上げて、魅力を発信する機会をいただき本当にありがとうございました。
 北海道の魅力の1つは、他県にはない市町村数、個性の多さだと思います。「北海道スタジアム」ではいろいろな町を紹介していただいたのですが、限られた時間の中でも、自分の町のことをもっと知ってもらいたいし、ほかの町のことももっと知りたいと思って見ていました。
 「ほっとニュース北海道」は「超ローカル宣言」をうたっており、これからさらに深い話題などを紹介していただけるのかなと楽しみにしています。私たちからも情報提供を気軽にできるようなつながりを持たせていただけたらうれしく思いますので、どうぞよろしくお願いします。

【参加者】
 道東地区で小学校の教員をしています。「NHK for School」は大変便利で、特に理科の学習で活用しています。今の時代は小学生も1人1台のタブレット活用ということで、子どもたち自身もネットで検索してこのコンテンツを活用しています。道東なので自然、動物、海・環境などについても学習する機会がありますので、そちらの資料などもつくっていただけたら学習に生かせると思います。

【参加者】
 「地域放送局に望むこと」として、先ほどの方と少し似た内容になってしまうのですが、NHKの全道に広がるネットワークを活用して、地域に住んでいる者も積極的に番組づくりに参加させていただきたいと思います。

(梅岡札幌拠点放送局長)
 貴重なご意見をありがとうございました。「NHK for School」が広く活用されていることをすごくうれしく思います。
 これまでNHK北海道では札幌一極集中として、北海道のブロック放送に集約してきましたが、北海道それぞれの地域ごとの特性がありますので、4つの地域ごとの放送をしっかりと再構築して、地域の方々にいろいろ発信をして、地域の方々との結びつきを強めていきたいと考えています。その中では、私たちNHKが持つコンテンツをご紹介する活動もどんどん強化していきたいと思います。そのような意味で、北海道の各地域とのつながりをもっと濃くしていきたいという思いがあります。
 また、北海道には179市町村あり、その魅力を発信していきます。「北海道スタジアム」では、1つの自治体あたり1分にしても、179自治体では3時間かかるわけですが、さまざまな発信の場をつくっていきたいと考えています。今、ローカルパートナーと言って、それぞれの地域で協力していただく方々と一緒に6時台のニュースなどの番組をつくることを始めています。そのように地域の方々と関係性を構築していく取り組みを進化させていきたいと思いますので、どんどんお声をかけいただければと思います。

【参加者】
 教育関係に勤めています。以前、地震があったとき、ネットワークが全く通じず、携帯電話も使えず、インターネットも配信できない状況に陥ったことがありました。
 昨年度のコロナ禍では、子どもたちの学びを止めないために、「NHK for School」も活用しましたが、家庭によってネットワーク環境はさまざまです。臨時休校の際に札幌だけ、函館だけなど地域のニーズに合った形で、「NHK for School」を配信できる体制を整えてほしいという要望です。親がいないとネットが使えないという家庭が結構多いので、テレビのdボタンを押すと学習内容が出てきて学べる体制があるだけでも非常に助かるというのが現場で見ていて感じたところです。

(板野専務理事)
 「NHK for School」については、私が放送総局長を務めているころから拡充を進めており、皆さまにこれだけ利用していただいていることを聞き、とてもうれしく思っています。
 先ほどのご意見はデータ放送を教育コンテンツにも使えないかということでしたが、これまでそのようなことを考えたことがなく、データ放送はニュースの補完や気象情報、株式市場などを載せることで運用してきましたが、今のご意見を大変興味深く受け取りました。
 ネット環境が整っていない家庭に対して、NHKの持っているデジタルコンテンツを届けるやり方を考えてみるのは必要なことです。データ放送でそれが実現できるかどうか、データ量の兼ね合いもありますが、ネット環境の整っていないところに「NHK for School」のようなデジタルコンテンツをいかに届けていくのか、きょうのご意見をきっかけに考えていきたいと思います。

【参加者】
 私も高齢者の一人ですが、防災に関わっています。子どもたちやお年寄りが、WiーFiやアプリを使うことはなかなか難しいし、教えるのも大変です。このような人たちに向けてデータ放送を充実していただけるとありがたいと思います。
 私も高齢だからわかるのですが、新しいものを使うのは大変ですが、データ放送だと、ふだん見ているテレビのdボタンを押せば、自分たちのやりたいことがすぐ出てきて、これを見ればよい、あれをやればよいとなり情報も集められます。防災面も考えていただければありがたいと思います。

【参加者】
 この会に参加するにあたって、「NHKプラス」を初めて利用しました。これまで「NHKオンデマンド」は利用していたのですが、「NHKプラス」と「NHKオンデマンド」とのつながりをもう少し強くしていただけないかと思います。
 具体的には、「NHKプラス」の見逃し番組配信で非常におもしろいと思った番組を「NHKオンデマンド」でも見るには、「NHKオンデマンド」を立ち上げて調べる必要があると思うのですが、「NHKプラス」から「NHKオンデマンド」にスムーズに移動できるようになればと思います。

【参加者】
 「地域放送局に求めるもの」の第一は、災害時の機能維持、取材、発信だと思います。
 もう一つは、地方発の番組です。「北海道道」はよくつくられていると思います。全国各地の「列島ニュース」も、コロナ禍で番組をなかなかつくることができないから、地方局の番組を持ってきたと思いますが、これが意外とよいと思いますので、この枠は維持していただけたらと思います。
 また、地方局制作のドラマが年1本は欲しいと思います。昔、子どものころに見た番組ですが、TBS系列の北海道放送制作の「あぁ!新世界」にフランキー堺さんが出ていたり、「聖夜」には小倉一郎さんや仁科明子さんが出ていたりしたのですが、四、五十年たっても記憶がよみがえります。ただ現実問題ではなかなかコスト高で難しいのではと思います。

【参加者】
 地域の課題を掘り下げて分析し、NHK各局の経営目標の一つとして地域と課題を共有し、NHKが過去放送したもので活用できるものや他の放送局で同種の問題を解決した事案を紹介し、地域と一緒に解決していくように対応してほしいと考えています。
 北海道では人口減少や交通網の減少など非常に多くの問題を抱えていますが、札幌拠点放送局や室蘭放送局など地域によって若干の違いはあるかもしれません。各地域と情報を密に交換して分析を掘り下げ、その解決の一助を経営課題にしていただけると、NHKがもっと地元と親身になれるのではないか考えています。
 最近、東京新聞の記者が書いた本にも出ていたのですが、新聞というのは、記者クラブの関係で市町村とのつながりが深くて真実を報道できないこともあることを聞きました。NHKは地方にはそこまで束縛されないと思いますので、新聞が報道できないようなことも、市民にとって課題であり必要だと思ったら積極的に放送していただければと考えています。

【参加者】
 「北海道道」など、先ほど札幌拠点放送局長がご紹介していただいた番組は非常に楽しみに見ています。「#ローカルフレンズ出会い旅」などもとてもおもしろくて見ています。帯広放送局に転勤してきたラジオ大好きアナウンサーがやっている番組も聴いていますし、「#ナナメの場」というラジオとテレビが連動した番組も見ています。そういう意味では、NHK北海道として北海道に密着してくれていると思います。

【参加者】
 地方局から早く転勤でいなくなる方が多いと思います。せっかく地方発信などで仲よくなったりして、これからより深く地方に寄り添った番組がつくられるというときにぱっといなくなることが多い印象です。局員の希望などもあると思いますが、例えば函館でずっと取材したい、番組をつくっていきたいという方も正当に評価して、ずっと函館にいることができる仕組みをつくっていただければというのが1つです。
 最近のNHKは本当に地方に寄り添ってくださっていると思いますが、それでも札幌以外の放送局は地方のさらに地方です。函館放送局では以前「どどんと道南ラジオ」を週1回放送していましたが、その枠もなくなったみたいなので再開してもらいたいと思います。
 特に函館の場合、放送会館が新しくなると聞いています。それをきっかけに、函館の人たちとより密着できて、放送局自体が地域の人の居場所や気軽に寄れる場所という感じになると、局員の方もいつもいる顔なじみとなり、本当に地域に密着し、地域により支持される番組がつくっていけると思います。

(伊藤理事)
 貴重なご意見、ありがとうございます。NHKでは地域の情報発信をどう強くしていくのかを課題として考えており、しっかりとした人員や予算の配置をしていくことがテーマです。
 その一つとして、北海道を愛し、北海道で取材をして情報発信していきたいという思いを持った地域の方々はたくさんいらっしゃると思います。その中でも優秀な方々をNHK職員として採用して、北海道で長い間取材していただくことを広げていけないかということを考えています。
 また、全国型で採用された職員の中にも、例えば初任地が北海道でずっと北海道で仕事をしたいという職員については、そのようなことができる環境も整えていきたいと思っています。
 地元愛が非常に大事だと思います。地域の情報をしっかりと発信していく、地域のことを考えながら毎日仕事をしている職員を一人でも増やすことが大事だと考え、そのような方向で進めているところです。

【参加者】
 地域の情報を発信するインフラのことですが、サブチャンネルには使用基準はあるのでしょうか。例えば、災害があったときに、片方で全国の情報を流して、もう片方で地方の情報を流すという使い方ができないものでしょうか。

(板野専務理事)
 サブチャンネルを地域放送向けに使えないかという今のご意見は大変すばらしいと思います。ただサブチャンネルは1つの帯域を2つにわけており、番組の画質が落ちてしまうという問題があります。例えば、大リーグの中継などでの活用は相当進んでいますが、画質が落ちるとの苦情をいただいています。
 そのような意味では、地域放送向けに大幅に活用することは技術的には難しい問題もあるのではないかとは思います。その一方で大規模な災害のときには番組の画質が少々落ちても人命がかかっていますので、大胆にそのようなやり方を考えるべきだというご意見は十分検討するに値すると思います。いただいたご意見は今後の放送のあり方にも反映させていきたいと考えています。

(司会)
 チャットにもいろいろ書き込みをいただきましてありがとうございます。チャットの内容も必ず登壇者全員で共有させていただきます。
 きょうは、皆さまからさまざまなご意見を聞かせていただき、ありがとうございました。全体を通して、NHK側の登壇者から、ひと言申し上げます。

(堰八委員)
 皆さま、きょうはどうもありがとうございました。
 私が住んでいる北海道の視聴者の皆さまから、非常に貴重なご意見やお褒めのことばもたくさんいただいてうれしかったです。一方、地域の放送局のあり方や番組について、大変参考になるご意見をいただきました。北海道を代表する経営委員として、きょうの皆さまの意見をしっかりと執行部に伝え、今後のNHKの経営に生かしていきたいと思います。

(長谷川委員)
 今回、コンテンツはよいが、これが皆さまに知られていない、どうしたらよいだろうという問題について皆さまから、このようなこともできる、このようなこともしなくてはいけないという貴重なご意見をいただきました。よいアイデアがたくさんありました。本当にお礼申し上げます。

(不破委員)
 いただいたご意見の中でも、通信や新しい技術の利用に関する災害時における対応、ジェンダーの問題やユニバーサルデザインの話、サブチャンネルを活用して地方のデータをしっかりと届けたいという話のすべてをしっかり受け止めています。どの経営委員も理事もしっかりとこれを受け止めて、お応えしていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

(梅岡札幌拠点放送局長)
 本日は貴重なご意見をありがとうございました。NHKの番組もよく見ていただいており、厳しいご意見も含め、いろいろなご意見をいただき本当に感謝しています。
 皆さまにこれまで以上に身近だと思っていただき、災害時も含めて必要なメディアだと思っていただけるよう、さまざまなことをやってきました。皆さまに届いているところもありますし、まだまだこれからの宿題もいっぱいあることを再確認しました。
 災害時にしっかりと放送を継続していくことはもちろんですが、地域ごとの課題にもしっかり向き合って、地域の方々と一緒に解決していくところまで踏み込んでいきたいと思います。
 今、北海道では改革を進めています。さまざまなトライアル放送を含めて、新しい形をいろいろお見せしていきます。またご意見をいただき、それを参考にして、皆さまに本当に必要とされ、役に立つ、NHK北海道になっていきたいと思います。皆さまのご意見を参考にさせていただきながら、一歩一歩前進していきたいと思います。きょうはどうもありがとうございました。

 

 

<開催中にチャットで寄せられた主なご意見>

 

  • 異質のラジオ第1と第2をどう統合するのか。素案はできているのか。

  • dボタン「データ放送」の配信について、災害時、コロナ禍における緊急事態宣言下での臨時休校で活用している。地域ごとに集約してデータを送っていると思うが、Eテレのデータ放送の配信を「NHK for School」と同様の内容に近づけることは可能か。

  • 函館放送局が新しくなると聞いた。これまでのようなギャラリー機能も大切だが、地域の人たちの居場所のような雰囲気、用事がない時でもふらっと行きたくなるような場になればと希望する。

  • 障害者スポーツ報道を無理に増やす必要はないと思う。マスメディアのテレビはある程度、少数者の重みを減らすのはやむを得ないと思う。パラリンピックは福祉目的のイベントだったのでがまんして見た。Eテレやネット報道で障害者スポーツを少数者向けに報道すればよいと思う。

  • 北海道出身やゆかりのある方を北海道に転勤させたほうが北海道の事がわかるので、スムーズに取材や番組制作できるのではないか。

  • 先日の「あさイチ」に出られた函館放送局のアナウンサーのリポートがとても温かく好感が持てた。地元で応援したくなる全国放送への出演の機会をふやしてほしい。

  • 各局長、スタッフがそれぞれの地域活性化に手助けをしていただきたい。NHKのアナウンサーは、ちゃんと頑張っていると思う。橋さんをはじめ、今のスタイルでよいと思う。みんなに寄り添うことは大事だが、視聴者にこびを売る必要はない。

 

 

<参加者事後アンケート>

※単位は人数

質問1:性別

男性 女性 その他 無回答
16 7 0 0

質問2:年齢

〜20代 30代 40代 50代 60代 70代〜
0 2 6 9 3 3

質問3:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 無回答
9 9 5 0 0 0

質問4:NHKの放送・サービスについて理解や関心が深まりましたか

大変深まった 深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
9 13 1 0 0 0

質問5:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 少し知っていた あまり知らなかった ほとんど知らなかった 無回答
3 7 7 6 0

質問6:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

大変深まった 深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
5 15 2 1 0 0

 

 

<参加者アンケートで寄せられた主なご意見>

 

経営、放送・サービス全般について

  • 企画、アナウンサー等も特性を生かした地域採用と、地域にあった報道・放送に向かっている。以前のペーパー原稿読みではなく、視聴者への語りかけによる放送になって、親しみ感もある。
  • 自治体の広報担当等と日ごろから気軽に情報交換していただけるとありがたい。地区ごとに担当者を決めてくれると密に連携できると思う。
  • 「新しいNHKらしさの追求」というテーマに沿った番組が夏から放送されているが玉石混交だ。総じてサブカルチャー寄りのように思える。東京オリンピック・パラリンピックの放送時間の長さは常軌を逸していた。「やればよい」というものではない。来年の北京オリンピックも従来比増量の放送時間ということで、「そこまでしなくても」と思わずにいられない。伝えるべき番組はほかにたくさん控えている。
  • パラリンピックなど障害者に目を向けることは、障害者に対して以上に、健常者の意識醸成に役立つと思う。「障害者を取り上げているから障害者向けの放送」だけでなく、健常者も障害者も一緒に見ることができる番組づくりを期待する。パラリンピックの開会式・閉会式のような手話付き放送が日常的に総合テレビ(もちろんBSも)で普通に見られるようになればよいと希望する。
  • 関東周辺に災害が近づいている時の全国ニュースの報道の仕方を地方に災害が近づいている時もするか、関東ローカルの時に詳しくするようにし、全国のニュースを災害ニュースばかりでないニュースをするかのどちらかにしてほしい。教育テレビのように総合テレビも再放送をバッサリやめたらどうか。災害情報と通常放送のどちらかをサブチャンネルで放送するのを本当に考えていただきたい。スポーツの時にしかサブチャンネルを使っているのを見たことがない。
  • 基本的には「もっとも挑戦的な放送局」ではないかという認識がある。例えば8Kなどを採算度外視して放送する、サブチャンネルを残すなど。教育をサブチャンネルでサポートできないか。Eテレで講座のサブなら多少画像レベルが落ちてもカバーできるのではないかと思う。
  • CMのない落ち着いた中での放送、報道をNHKに期待して毎日視聴している。視聴率を気にすることなく、堂々と「真実、公平、明快」な公共放送を徹底願いたい。娯楽性は民放に譲ったらどうか。
  • 地域の情報発信、かつてのようなローカル番組などは予算の関係もあり、難しいようだ。高校野球もテレビ中継がなくなった。ひとくくりにせず、ローカルの地方局ごとに、多少でもオリジナルな番組などがあればよいと思う。
  • NHKには他局にない切り口の番組が多いと思う。全国区の放送は東京方面の話題が中心で、北海道で見ていてもどこか他人事の感は否めない。私は「ドキュメント72時間」が好きだが、以前、札幌市内で24時間営業をしているサンドイッチ店を取り上げていたが、地元ということもあり大変興味深く拝見した。全国放送で道内各地のお店などを取り上げていただくことで、よりNHKに興味を持つ人も増えるだろうし、地域経済の活性化にも寄与するのではと思う。
  • 昔はニュースの中で個人の哲学や個性を出してコメントを入れたり、悪いニュース、よいニュースで口調を変えたり、思いやり、同情、感動を表現して大変ニュースがおもしろかったが、最近は原稿の棒読みが多い気がする。もっとアナウンサー一人ひとりの個性を出して、感情豊かなニュースをお願いしたい。
  • 障害者スポーツを総合で放送してほしいという声があったが、私は反対だ。私は障害者スポーツを楽しめない。パラリンピックは福祉目的のイベントなのでがまんして見たが、総合テレビの教養番組をつぶしてまでやられると、情報、娯楽を提供するという大きな目的が損なわれてしまう。見て楽しむ人が限られる障害者スポーツはEテレかネットで放送するので十分だと思う。
  • カムカム英語で主題のラジオ英会話は、私が高校時代大変勉強になったラジオ番組だったが、AM1波にしたとき放送中止になるのか。教養豊かな貴重なNHKが縮小傾向にあることが非常に残念だ。日本の頭脳を支えているという自負を持って、もっと多様で情報、文化の豊富な番組を報道してほしい。
  • 科学報道の力が低下している。一人の学者の意見をうのみにするのではなく、多角的に取材してNHKの職員自身がよく論文を勉強して理解してわかりやすく若い人に教育してほしい。昔は「科学大好き土よう塾」など優れた子ども向け科学番組があった。
  • 批判にあたるので発言を遠慮したが、問い合わせや依頼ごとについて、広報の対応のホスピタリティを高めてほしいと切に願う。視聴者・聴取者の窓口となる広報、私たちが触れる放送の奥のパーソナリティを担う方には理解いただきたい。
  • 受信料に対する意見が無かったが、支払率は一定程度以上は望めないと思う。支払督促にかかるコストも相当であり、その経費を番組制作費やほかの部分に充てる方が効果的だと思う。
  • せっかく高額な受信料を使い制作した放送を地方公共団体に積極的に提供し、NHKを見ていない人にもメリットになるよう心がけてほしい。
  • 小学校の教員をしている。番組をオンタイムで見るより、「NHK for School」のサイトを活用することがほとんどだ。近年、新学習指導要領を意識した番組がたくさん制作されて活用している。今年度より、1人1台タブレットが配付されて教員が見せることから、子どもたちが自分で選択して見ることも重要になってきた。NHKのサイトの使いやすさ、動画クリップのさらなる充実があると、子どもたちの主体的な学びにつながっていくのではないかと思う。地域の学習に使える地元のニュース映像(商店街、スーパーの取り組み、農家の様子、食品工場など)が授業で使えると大変ありがたい。(肖像権や著作権の問題でなかなか難しいとは思うが)
  • NHKに望むこと、「報道」について、NHKは「公正・公平」、「不偏不党」はおおむね維持されていると思う。「NHKは時の政権に忖度している」との意見もあるが、私は、現在のNHKで大丈夫だと思う。民放はその局や親新聞のカラーが出る。経営計画に記載の「民放との二元体制の維持」に賛同する。
  • 教育テレビのアーカイブスを増やしてほしい。特に今は幻となった伝説の料理人や名物先生のお料理を拝見したい。ラジオ第1での深みのある番組が年々少なくなっている。軽く聴き流す民放のラジオとは一線を画す、NHKならではの心豊かになる気骨あるラジオ番組をぜひ復活してほしい。
  • 夕方の地方の情報番組について。番組のなかで、15秒から1分でもよいので、決まった時間に決まった内容が毎日流れてくる小さいコーナーがあれば、メリハリがつくように思う。15秒の音と字幕だけの映像(各地のその日の風景、風物、詩、行事など)や1分間の料理コーナー(郷土の産物、漬物やお菓子)、郷土の文化財、スポット、お花などの紹介など。週替わりで各地、毎日決まった時間に決まった振りの音楽で流してほしい。
  • 減らさないでほしい。質を落とさないでほしい。地域放送は、なじみがありうれしい。何よりもアナウンサーの落ち着きあるトーンがよい。
  • 私は子どものころからNHKと教養色豊かだったアニメをテレビで見て育ってきた。高校時代に見たNHK特集「地球大紀行」などは当時最先端の研究をいく番組で、大学での研究テーマを考えるのにも大変役に立った。NHKには子どもを教養豊かに育てていき、大人にも正しい情報を提供し、考察に役立つ解説番組を提供してほしい。
  • 「NHKスペシャル」は現在でも質が高い優秀な番組が多いと思う。しかし、哲学を持った深い思考ができる、時には政府も批判できる優秀な人材が減ってきている気がする。採用の際や、採用後の教育でも職員個人の能力をもっと高めて個性がもっと輝くNHKとして頑張ってほしい。
  • どんな時代になっても貧しい人や病苦に苦しむ人はなくならないので、こうした人々への理解、共感、同情を自分のこととして捉えられる想像力をNHKアナウンサーには持ってほしい。
  • 今回の「視聴者のみなさまと語る会」に参加して、昔はなぜ受信料を支払わなきゃならないんだと思っていた部分もあったが、NHKがいろいろと考え、さまざまな取り組みを行っていると理解した。これからもすばらしい番組づくり、正確な情報をタイムリーに発信してほしい。
  • 受信料について、安くなるに越したことはないが、電波数や放送の質の維持は大変なこと。全世帯の単価を下げずとも、学生の奨学金ではないが、支払困難者への割引制度の拡充でもよかったような気がする。
  • 五輪についての要望。総合で進行する主となるアナウンサーは期間を通して決まっているようだが、その種目ごと、ある程度の知識のあるアナウンサーが担当したほうがよいと常々思っていた。解説者やゲストコメンテーターの話の受け止めがあいまいだったり、ずれた質問をしていることが多い。場合によってはアナウンサー以外の進行役がいてもよいと思う。この夏のパラリンピックに関しては進行役のお二方が本当に素晴らしかった。
  • 過疎化が進む地方の田舎町でも住民が暮らしやすい取り組みなど、地道に取り組んでいる。これらの情報発信や試みをNHKなどと一緒に情報発信ができるとよいと思う。新聞社に情報を提供しているので、NHKにも情報提供できたらと思う。

 

オンライン開催、運営について

  • オンラインだったので、気軽に参加できたし意見も言いやすかった。チャットを併用することで、意見として言いたいことと、「意見として言う程ではないが伝えたいこと」も言えたので、よかったと思う。
  • もっと参加人数を絞った方がよい。いつもNHKサイトから視聴者の声を投稿して送るより、直接伝えた方が変わってほしい部分は変わるかなと思っているが、すべて伝えきれなかったので残念だ。
  • NHKのこのような会に参加したのは初めてだった。よい意見があったので、活用してください。出た意見を理解し、自分達にもどのように役立てられるか、今後参考にしてみたい。
  • 広い道内では距離を問わない参加可能な形式でよかったと思う。
  • 北海道現地開催では不可能な経営委員の方の話や忙しい橋美鈴アナウンサー、糸井羊司アナウンサーの話も聞けて非常によかった。私は札幌市在住だが、今後もオンライン開催をお願いしたい。
  • 人数多数であるがゆえ、意見を言う回数が1回で残念だった。28組で1時間半という短い時間に十分な意見を言えず、「北海道のNHKを語る会」として意見を集約してはどうかと思う。もっと意見を聞き出せる方法を考え、内容のある開催を望む。
  • 意見についても参加者から事前に提出させて、それについて応答していく方がスムーズに進むのではないかと感じた。オンラインでなければ参加できなかった人もいると思うので、オンラインは今後も活用してほしいが、リアル開催で参加したい方もいると思う。ハイブリッド型(オンラインとリアル開催を併用)を今後検討していただければと思う。
  • 感染を気にせず、行き帰りに時間をかけることなく参加できたので、とてもよいと感じた。オンラインで十分に成り立つ会議だと思う。
  • NHKへの多様な意見が想定されたが参加者は全員初対面なので、参加者側も主催者側も進行中の会の雰囲気がわからず、参加者にとっては「いつ手を挙げたらよいのか」、主催者にとっては「どなたに発言を促したらよいのか」わかりにくく、結果として発言者が一部に限られてしまったと思う。
  • テーマの提示があまりに広すぎて、限られた時間内ではとりあえず、各自がばらばらに要望を伝えるのが精一杯だったのではないか。流れをスムーズにするためにも、あらかじめ投げかける題材をある程度細かく設定し、順次それに沿って進めていくというやり方をとらないと、終始漫然として、有意義な会にはなっていかないと思う。私はNHK経営委員会の存在も知らず、趣旨も把握しないまま参加してしまった。この会を通して経営委員会への関心もさほど深まらなかったというのが率直な感想だ。むしろ、NHKの現場で番組を企画、運営している方、制作に携わっているスタッフや関係者の方たちと直接ことばを交わす機会があればよいという思いを強くした。例えば数人のグループごとにオンライン座談会を行い、その後改めて今回のような全体ミーティングを催すという2段階での開催であれば、あらゆる年齢層や職種の参加者もいくぶん余裕を持って参加できるかもしれない。わずかな時間内にまんべんなく、「挙手のうえ、一人ずつ手短にコンパクトな要望を」という条件下ではハードルが高すぎた。
  • コロナ禍の中では、適切であったと思う。
  • 参加人数の調整についての話題もあったが、私個人としては意見を述べるだけではなく、いろいろな方の思いや考えを聞くことができたので、とても貴重な時間となった。またオンラインだからこそ、気軽に参加できた。
  • できるだけ多くの経営委員、理事に出席してもらい議論できる場になればよいと思う。
  • 年齢・世代別・職業・業態別等の意見を聞かれれば、また違った意見があると思う。
  • 今回、私はこの会を知人の方から教えてもらい初めて知った。NHKがこういった取り組みをしていることについて、もっと広く世間に広める方法もぜひ考えていただければよいと思う。

 

講演会について

  • 糸井アナウンサーの講演「災害報道 信頼される言葉 〜胆振東部地震の経験から〜」は、アナウンサーとして生活者としてその体験から、緊急報道は具体的な言葉や方法で行う「減災報道」であるべき説得力があった。
  • 糸井アナウンサーの勤務形態と災害報道への取り組みは、朝ドラ「おかえりモネ」で使えたのに、と思うと残念だ。
  • 糸井アナウンサーの話し方や内容には伝わってくるものがあった。人柄や意識がとても素晴らしいのだと思う。大ファンなので、糸井アナウンサーの活躍を楽しみにしている。いつの日かまた北海道でいつもお会いできることを楽しみにしている。
  • 胆振東部地震の「放送のことば」について、簡潔で明瞭な要点で、大変参考になった。このような機会がまたあることを期待している。
  • 糸井さんの講演も勉強になった。
  • 糸井さんのお話が心に残った。テレビでのアナウンスだけではなく、人として相手のことを思って伝える大切さについて、学ぶことができた。