NHK INFORMATION
経営委員会議事録

  第969回



 

平成16年5月17日(月)公表


日本放送協会第969回経営委員会議事録
(平成16年4月6日開催分)


第969回 経 営 委 員 会 議 事 録



<会 議 の 名 称>
 第969回経営委員会


<会 議 日 時>
 平成16年4月6日(火)午後3時から午後5時まで


<出  席  者>
  〔委  員〕
  大 下 龍 介   石 原 邦 夫
    宮 崎   満   保   ゆかり   一 力 徳 子
    堀 部 政 男   小 林   緑   佐々木 涼 子
    菅 原 明 子        
 (◎委員長 ○委員長職務代行者)

  〔監  事〕
  成 田 監 事 池 田 監 事 西 尾 監 事

  〔役  員〕
  海老沢 会 長    
  笠 井 副会長 吉 野 技師長 橋 本 理 事
  宮 下 理 事 和 崎 理 事  

< 場   所 >
    放送センター  21階役員会議室

< 議   事 >
 須田委員長から、本日の付議事項および日程について説明があった。
 続いて、第967回経営委員会(平成16年3月9日開催)議事録を承認し、所要の手続きを経て平成16年4月12日に公表することとした。
 これに続き、付議事項の審議に入った。

付議事項
1 報告事項
 (1) テレビジョン、ラジオ中継放送局の開局について
 (2) 平成16年度業務体制の変更について
 (3) 平成16年度春季交渉結果について

2 その他
 (1) 国会関係について
 (2) 新年度を迎えて
 (3) 浜名湖花博開会式について

議事経過
1 報告事項
 (1) テレビジョン、ラジオ中継放送局の開局について
 橋本理事から、概略以下のような説明があった。
 第950回経営委員会(平成15年5月27日開催)で設置計画が議決され、その計画に基づいて建設を取り進めていた、島根県の金城テレビジョン中継放送局が平成16年3月16日に開局した。これにより、950世帯の外国電波混信による受信障害が改善される。また、静岡県の水窪ラジオ中継放送局が平成16年3月31日に、鹿児島県の大口ラジオ中継放送局が平成16年3月24日に開局した。これにより、それぞれ1,500世帯、4,300世帯の夜間における外国電波の混信が改善される。平成16年4月6日現在の放送局数は、平成15年度の廃止分を差し引いて、総合テレビがアナログ3,407局、デジタル3局、教育テレビがアナログ3,332局、デジタル3局、ラジオ第1が223局、ラジオ第2が142局、FMが524局となっている。
 なお、平成15年度のテレビジョン中継放送局の廃止については、平成16年度の中継放送局の新設議案にあわせて報告する予定である。

 (2) 平成16年度業務体制の変更について
 宮下理事から、概略以下のような説明があった。
 平成16年度は、放送文化のさらなる向上に資する高品質の放送サービスを展開・充実するための体制整備、営業業績の確保と地上デジタル時代に対応した効率的・効果的な業務運営を図るための体制整備、地上デジタル放送の開始に伴う局名の変更の3点をポイントに、業務体制の変更を行う。具体的には次の通りである。メディアミックスや国際展開も視野に入れた良質のアニメーション番組の開発・制作を一元的に実施するため、放送総局に「アニメーション室」を設置する。総合的かつ戦略的な海外発信機能を強化し、テレビ、ラジオ、インターネットの良質なコンテンツを総合的・戦略的に制作する体制を整備するため、国際放送局の業務体制を再編成する。営業業績確保に向けた法人営業対策を強化するため、営業局に「法人営業センター」を設置する。地上デジタル時代の新たな放送サービスの開発・推進と制作・中継等の技術力の強化を図るため、放送技術局の業務体制を整備する。新しい技術分野における研究成果を高めるため、放送技術研究所の業務実施グループを再編成する。地上デジタル放送の開始に伴い、ハイビジョン放送は衛星波だけではなくなったことを踏まえ、ハイビジョン番組を協会全体で制作することを明確にするため、「衛星ハイビジョン局」の名称を「衛星放送局」に変更する。
 これら業務体制の変更は、管理職定期異動の発令にあわせて実施する。
 これに関する主な質疑は、次のとおりである。
 ・ 放送総局に設けられる「アニメーション室」の業務内容はどういうものか。
 ・ 営業局に設けられる「法人営業センター」が行う法人営業対策の具体的内容は何か。
 これに対する関係役員の主な発言は、次のとおりである。
 ・ 「アニメーション室」は、アニメーション番組の企画開発と制作管理を行う。制作業務は、アニメ制作のノウハウを持つ外部の制作プロダクションへの委託等により実施していく。
 ・ 「法人営業センター」は、営業業績確保のうえで大きな比重を占める、ケーブルテレビやオートロックマンション対策を中心に、法人との交渉等を推進する組織として位置づけるものである。

 (3) 平成16年度春季交渉結果について
 宮下理事から、概略以下のような説明があった。
 4月1日にベアゼロ(定昇のみ実施)で合意し、春季交渉を終了したとの説明があった。

2 その他

 海老沢会長から、以下の項目について概要の説明があった。

 (1) 国会関係について
 NHKの「平成16年度収支予算、事業計画及び資金計画」は、衆議院で承認されたのに続き、3月30日の参議院総務委員会で約4時間にわたる審議が行われ、全会一致で承認された。あわせて各党共同提案による附帯決議が全会一致で承認された。
 委員会では、14名の委員から、24時間ニュース、新しい放送サービスの展開、国際展開、教育番組の充実、字幕放送の拡充、放送倫理の徹底、有事法制への対応、財政状況、受信料増収に向けた取り組み、非現用不動産の売却などについての質問や意見があった。
 このあと、「平成16年度収支予算、事業計画及び資金計画」は、3月31日に開かれた参議院本会議で全会一致で承認された。

 (2) 新年度を迎えて
 4月1日に平成16年度の入局式を行った。約1か月にわたる研修のあと、放送局等に配属することとなる。イラクでの取材については、依然としてテロが続いている状況下、安全を確保しながら、情勢を的確に報道していく考えである。夏のアテネオリンピックでは、本格的なハイビジョン映像の国際共同制作を実施し、デジタル時代にふさわしい放送を行う。放送開始80周年記念事業である日中共同制作NHKスペシャル「新シルクロード」などの大型企画番組を放送する。来年3月から始まる愛知万博では、NHKが研究開発している走査線4000本級の超高精細映像システムの展示を行うとともに、放送を通じて、「愛・地球博」の意義を伝えていく。今年度も、公共放送として、番組内容の充実と効率的な業務運営に努めていく考えである。

 (3) 浜名湖花博開会式について
 4月8日から10月11日までの間、静岡国際園芸博覧会「浜名湖花博」が浜名湖ガーデンパークで開催される。4月7日には開会式が行われる予定で、私も招待を受け出席する。

 以上で本日の付議事項を終了した。

 この後、和崎理事から、4月5日から開始したデジタル放送におけるコンテンツ保護施策(放送の暗号化とコピー制御信号の付加)の実施状況について、大きな混乱なく実施できている旨の報告があった。
 引き続き、テレビ放送50年の取組みとして実施した、南極ハイビジョン放送センターでの業務について、番組制作局科学・環境番組の池尾エグゼクティブ・プロデューサーから説明を聴取し、あわせて現地で越冬して業務にあたった佐々木チーフ・ディレクターからの帰国報告を聴取した。
 さらに、平成17年に実施される「愛・地球博」へ向けたNHKの準備状況について、宮ア愛知万博事務局長から説明を聴取した。


 上記のとおり確認する。



平成16年5月11日  
   大 下 龍 介