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第1412回
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2022年12月9日(金)公表
※「8 審議事項(2) 日本放送協会放送受信規約の一部変更について」は、2022年12月23日(金)公表
※「8 審議事項(1) NHK経営計画(2021-2023年度)の修正について」、「9 報告事項(2) 2023年度(令和5年度)予算編成の日程について」は、2023年1月27日(金)公表

日本放送協会第1412回経営委員会議事録
(2022年11月22日開催分)

第1412回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1412回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2022年11月22日(火)午後1時30分から午後4時35分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 大 草   透
    尾 崎   裕    原 一 夫 堰 八 義 博
    長谷川 三千子   不 破   泰 水 尾 衣 里
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 林   専務理事
  板 野 専務理事 小 池 専務理事 伊 藤 専務理事
  児 玉 理事・技師長 中 嶋 理 事 熊埜御堂  理事
  山 内 理 事 安 保 理 事 山 名 理 事

 

 

< 場   所 >
○放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

< 議   題 >

 

1 2023年度経営委員会日程(案)について

 

2 NHK経営計画(2021-2023年度)の修正に対する意見募集の結果について

 

3 日本放送協会放送受信規約の一部変更に対する意見募集の結果について

 

4 説明会

 (1) BCP強化等に向けた集中編成と視聴者リレーション活動(大学連携など)について

 

5 議事録確認

 

6 視聴者のみなさまと語る会(富山)開催報告(資料)

 

7 議決事項

 (1) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 

8 審議事項

 (1) NHK経営計画(2021-2023年度)の修正について(資料)

 (2) 日本放送協会放送受信規約の一部変更について(資料)

 

9 報告事項

 (1) 令和4年度中間財務諸表・中間連結財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (2) 2023年度(令和5年度)予算編成の日程について(資料)

 (3) 2022年度第2四半期 視聴者活動の状況(資料)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 

10 今後の経営委員会運営について

 

11 指名部会

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員長が経営委員会の開会を宣言。

 

 (森下委員長)
 本日の経営委員会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、みなさまにはマスクを着用のうえ、出席いただいています。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

 

1 2023年度経営委員会日程(案)について

 2023年度経営委員会の日程(案)を確定した。

 

 

2 NHK経営計画(2021-2023年度)の修正に対する意見募集の結果について

 NHK経営計画(2021-2023年度)の修正に対する意見募集の結果について、意見交換を行った。

 

 

3 日本放送協会放送受信規約の一部変更に対する意見募集の結果について

 日本放送協会放送受信規約の一部変更に対する意見募集の結果について、意見交換を行った。

 

<小池専務理事 入室>

 

 

4 説明会

 (1) BCP強化等に向けた集中編成と視聴者リレーション活動(大学連携など)について

 執行部から、BCP強化等に向けた集中編成と視聴者リレーション活動(大学連携など)について説明を受け、意見交換を行った。

 

<前田会長、正籬副会長、専務理事、理事 入室>

 

 

5 議事録確認

 第1411回(2022年11月8日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2022年11月25日に公表することを決定した。

 

 

6 視聴者のみなさまと語る会(富山)開催報告(資料)

 (経営委員会事務局長)
 2022年度3回目の「視聴者のみなさまと語る会」を、9月17日(土)に富山県にお住まいのみなさまを対象に富山放送局で開催し、18人が参加しました。
 語る会は、コロナ禍でオンライン開催が続いていましたが、今回は3年ぶりに参集での開催となりました。
 経営委員会から森下俊三委員長、尾崎裕委員の2人、執行部から正籬聡副会長、熊埜御堂朋子理事、葛城豪富山放送局長の3人が出席し、尾崎委員から、経営に関する基本方針や経営委員会の役割、受信料、インターネット活用業務、中期経営計画、中期経営計画の修正案などについて説明しました。
 司会は大木浩司アナウンサーが担当し、「全国向け放送・インターネット・イベントなどのサービス、経営全般などについて」「地域放送・サービスについて」をテーマに、NHKの放送・サービス全般について意見を伺いました。
 参加者からは、経営全般については、「NHKは放送局なので、NHKプラスよりも放送にお金を使ってほしい」、「台風情報のニュースで表示される防災アプリのQRコードの使い方をもっと周知すべき。また、見たい地域を端的に見られるようにしてほしい」、「NHKプラスなどの放送や、インターネットを活用した放送番組の情報発信をもっと充実してほしい」といった声や、受信料関連で「スクランブル放送についてのNHKの考えや方向性を聞きたい」などの質問がありました。
 放送については、「今の子どもはEテレをあまり見ないので、YouTubeに負けない番組づくりに励んでほしい」、「『おはよう日本』で途中からアナウンサーではなくAIがニュースを読むことに違和感がある」、「ニュースの字幕などの誤字は無くしてほしい」、「大学生になった今なら、小さい頃よく見た大河ドラマや朝ドラの内容がもっと分かると思うので、アンコール放送を増やしてほしい」等の意見や要望がありました。
 地域放送・サービスについては、「『ニュース富山人』が好きでよく見るが、NHKプラスでも視聴できるようにしてほしい」、「富山放送局は出前授業など小学生との交流はあるが、大学生などもう少し上の世代とも、政治や経済に関して学生同士が話し合う番組などを一緒につくってほしい」「富山放送局のキャラクター「きとっピ」を中心としたイベントやグッズ販売があるとうれしい」などの声が寄せられました。
 ミーティング終了後には、「『きときと!スクールライフ』&気象情報の制作の舞台裏」と題して、富山放送局の大木浩司アナウンサーと気象予報士の芦沢涼氏による講演会を開催しました。

 

 

7 議決事項

 (1) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 (林専務理事)
 中央放送番組審議会委員について、次のとおり委嘱を行いたいと思います。定款第69条第2項の規定により、経営委員会の皆さまの同意を得ることとなっています。
 再委嘱がお一人です。朝日新聞社論説副主幹の小沢秀行さんです。幅広い観点から放送全般についてご意見をいただいていることをふまえ、再委嘱したいと思います。
 委員の選定にあたっては、社会の各分野と男女、年齢等の属性を総合的に勘案し、調和のある構成となるよう努めています。小沢さんは、12月1日からの任期となります。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

8 審議事項

 (1) NHK経営計画(2021-2023年度)の修正について(資料)

 (森下委員長)
 本件については、10月11日の経営委員会において意見募集を実施することを決定し、10月12日から11月10日までの30日間、広く意見を募ったところ、415件のご意見をいただきました。
 経営委員会では、いただいたご意見を確認し、意見交換を重ねました。そして、本日、「みなさまからのご意見一覧」、ならびに「経営委員会から執行部への検討を求める事項」を付して、執行部に提出します。
 今回の経営計画の修正案にあげられた「受信料の値下げによる還元」、および、「保有するメディア(衛星波)の整理・削減」については、賛同のご意見が寄せられている一方、放送・サービスの質の低下を懸念するご意見や、値下げの規模、具体的な経費削減策、衛星波削減による番組の減、4K・8Kに対応した受信機の購入、衛星放送の将来像に関するご意見等をいただいています。
 この他にも、今回の意見募集では、現在のNHK経営計画、および修正案にあげられた内容など、幅広くご意見をいただきましたので、執行部は、意見募集の結果を真摯に受け止めるとともに、修正案について、改めて確認を行い、次回、12月6日の経営委員会で説明してください。次回以降、すでに経営委員会が出した懸念事項等を含めて、検討していきます。
 この点について、考え方や方向性について補足があれば、伊藤専務理事から説明をお願いします。
 (伊藤専務理事)
 承知しました。皆さまからいただいたご意見を拝見した上で、次回12月6日の経営委員会でご説明します。
 (森下委員長)
 それでは、本件は終了し、改めて審議することとします。

 

 (2) 日本放送協会放送受信規約の一部変更について(資料)

 (森下委員長)
 本件については、10月11日の経営委員会において意見募集を実施することを決定し、10月12日から11月10日までの30日間、広く意見を募ったところ、155件のご意見をいただきました。
 経営委員会では、いただいたご意見を確認し、意見交換を重ねました。そして、本日、「みなさまからのご意見一覧」、ならびに「経営委員会から執行部への検討を求める事項」を付して、執行部に提出します。
 今回の日本放送協会放送受信規約の変更素案にあげられた「割増金の導入」については、割増金の水準が高過ぎるというご意見、割増金の適用・運用に関するご意見、根拠、対象期間に関するご意見など、反対や懸念のご意見が数多く寄せられました。
 割増金以外でも変更素案にあげられている、放送受信契約に関するご意見や、双方の意思表示の合致に関するご意見等もいただきました。
 経営委員会としましては、今回の変更は、受信料の適正かつ公平な負担を図るための制度の整備を含む改正放送法の施行を受けたものと認識していますが、いただいたご意見について、執行部の考えを伺うとともに、視聴者・国民にていねいに説明していただきたいと思います。
 今回の意見募集では、日本放送協会放送受信規約の変更素案にあげられている条項だけでなく、幅広くご意見をいただきましたので、執行部は、意見募集の結果を真摯に受け止めるとともに、変更素案について、改めて確認を行い、次回、12月6日の経営委員会で説明してください。
 この点について、考え方や方向性について補足があれば、正籬副会長から説明をお願いします。

 (正籬副会長)
 意見募集の結果ならびに執行部に検討を求める事項について、おまとめいただきありがとうございます。経営委員会から検討を求められた事項については、寄せられた155件のご意見の内容をしっかり確認してお答えします。そして、寄せられたご意見、経営委員会から検討を求められた事項をふまえて、認可申請案の提出に向けて準備を進めたいと思います。次回12月6日にしっかりとお答えします。

 (森下委員長)
 それでは、本件は終了し、改めて審議することとします。

 

 

9 報告事項

 (1) 令和4年度中間財務諸表・中間連結財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (伊藤専務理事)
 令和4年度のNHK単体と連結の中間決算についてご報告します。
 それぞれ「令和4年度中間財務諸表」および「令和4年度中間連結財務諸表」としてまとめるとともに、これらに対する会計監査人の中間監査報告書を受領しています。
 資料は、NHK単体、連結の中間財務諸表および、それらに対する独立監査人の中間監査報告書、そして、こちらで作成した中間決算の概要の5点です。
 それでは、中間決算の内容について、「2022年度 中間決算の概要」に沿ってご説明します。
 まず、NHK単体の中間決算からご説明します。
 1ページは、一般勘定・事業収支の状況です。事業収入は、受信料の減収等により前年度中間期と比べて41億円減の3,480億円となりました。予算に対する進捗率は、事業収入が50.5%、うち受信料は50.4%となっています。
 一方、事業支出は、国内放送費の増などにより前年度中間期に比べて76億円増の3,181億円となりました。予算に対する進捗率は46.2%となっています。
 以上により、事業収支差金は299億円となりました。
 下のグラフは、左が中間決算、右が決算の2018年度からの事業収入と事業収支差金の推移です。中間決算を見ると、2021年度時点での事業収支差金は417億円でした。これに比べて今回は299億円となっています。
 決算段階においては、事業収支差金が2021年度は400億円でした。2022年度も、今の時点では一定程度の差金が出るのではないかと見ています。
 2ページは、受信料収入の状況です。受信料は、受信契約件数の減少に伴い前年度中間期と比べて37億円の減収となりました。支払数は、年間計画26万件減少に対し、実績は32.3万件の減少。衛星契約数は、年間計画4万件の増加に対し、実績は7.7万件の減少となっています。支払率は79.0%となりました。前年度末の実績は79.6%でしたので、0.6ポイント下回ったことになります。
 このように受信契約の状況は計画を下回っていますが、営業の全面的な改革はまだ始まったばかりです。年度後半も各種施策や外部企業との連携強化に取り組み、受信料収入の確保に努めていきます。
 3ページは、事業支出の状況です。前年度中間期と比べて増減した主な費目をご説明すると、国内放送費は、新型コロナウイルス感染症の影響により抑制していた番組制作・取材活動等が今年度は回復しつつあることに加え、前年度は東京オリンピック・パラリンピック関連制作費を引当金で対応したことなどにより、前年度中間期に比べて136億円の増加となっています。予算に対する進捗率は45.8%であり、堅調に推移しています。
 契約収納費は、営業活動の構造改革などによる法人委託等の訪問員削減に伴い手数料が減少していることなどにより、前年度中間期比で43億円の減少となっています。
 減価償却費は、仕様の精査によるコストの削減や、世界的な半導体不足の影響などで設備投資が減少したことなどにより、前年度中間期比で21億円の減少となっています。
 以上が一般勘定・事業収支の概要となります。今後の見通しですが、受信料収入は、予算6,700億円の達成に向けて取り組んでいます。事業支出については、放送設備の補修費など下半期に支出が進む項目もありますが、年度末には、先ほどお話しした一定程度の事業収支差金が発生すると見込んでいます。
 4ページの上段は有料インターネット活用業務勘定の状況です。事業収入は、視聴料収入の増加などにより前年度中間期と比べて5億円増の26億円となりました。
 事業支出は、番組提供のための権利処理や配信経費の増加などにより前年度中間期と比べて3億円増の15億円となりました。
 以上により、事業収支差金は11億円となっています。
 欄外にあるように、この勘定の中間期末での繰越欠損金は18億円となりました。この繰越欠損金については、ここ数年、年々減少しており、2018年度以降、毎年縮小している状況です。
 続いて、資産・負債等の状況です。一般勘定に有料インターネット活用業務勘定と受託業務等勘定を加えた「協会全体」の資産・負債・純資産の状況です。
 純資産の合計は、前年度末に比べて311億円の増加となりました。一般勘定の中間事業収支差金299億円と有料インターネット活用業務勘定の中間事業収支差金11億円を加えたものです。
 この総額について、2023年度以降、受信料の値下げなど繰越金を活用した視聴者のみなさまへの還元により、総資産は徐々に減少していく見通しとなっています。
 5ページは、NHK連結決算の概要になります。
 連結の「損益の状況」をご説明します。NHK連結決算は、NHK本体の規模が比率として非常に大きくなっており、NHK単体の決算がそのまま全体の傾向に反映される傾向となります。
 経常事業収入は3,722億円で、前年度中間期3,746億円に対して、受信契約件数の減少に伴う受信料収入の減などにより23億円の減収となっています。
 中間事業収支差金は、前年度中間期と比べて120億円減の297億円となり、連結ベースでも「減収減益」となっています。
 NHK単体の中間決算と比較すると、経常事業収入における連単倍率は1.06となっており、NHKが占める割合が大変大きくなっています。その結果、損益の状況はNHK単体と同様の傾向となっています。この経常事業収入における連単倍率とは、連結決算の経常事業収入をNHK単体の経常事業収入で除した数値となります。
 6ページは、経常事業収入をNHKと連結子会社に区分したものとなります。
 前年度中間期と比べて23億円減少の3,722億円となっています。その内訳は、NHKが3,483億円、連結子会社が239億円となります。
 NHKは、受信料の減収などにより前年度中間期と比べて39億円の減少となりましたが、一方で、連結子会社は、美術展やイベントの実施などにより前年度中間期と比べて15億円の増加となっています。その下には参考として、連結子会社の状況を記載しています。
 7ページは、資産と負債・純資産の状況を連結でお示ししています。
 中間期末の資産の合計は、1兆4,078億円となっており、その内訳はNHK単体と同様の傾向となっています。
 最後に、「独立監査人の中間監査報告書」をご覧ください。財務諸表に対する会計監査人による監査報告となります。
 「中間監査意見」として、「中間会計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示しているものと認める」という意見が表示されています。
 年次決算の場合には、財務諸表に問題ない場合には「適正に表示しているものと認める」という適正意見が表明されますが、中間決算の場合は、年度の監査手続の途中段階にあることから、問題がない場合には、前年度が適正であることもふまえ、この有用と認めるという意見が表明されます。
 これらの中間財務諸表等については、この後、NHKオンラインで公表する予定です。

 (大草委員)

 事業収支の最終着地予想が一定程度の差金がでるということでしたが、もちろん節約には努めていただくことは必要ですが、予実比が膨らんでいたずらに剰余金がどんどん増えることがないように、投資すべきものにはしっかりと投資するなど、きちんと運用していただければと思います。

 (伊藤専務理事)

 承知しました。予定しているもの、計画しているもの、すべきことはしっかりとやっていきながら、予実の管理をしていきたいと思っています。

 (尾崎委員)

 中間決算で総資産約1兆4,000億円のうち7,000億円が有価証券ということになっていますが、この有価証券で、半期で大体利金はどれぐらいあったのでしょうか。

 (伊藤専務理事)

 ならすと0.1%を下回っており、数億円レベルになっています。

 (尾崎委員)

 7,000億円で7億円ということですか。

 (経理局 部長)

 財務諸表の9ページに、財務収入25.5億円とありまして、このうち配当金は22.9億円ですので、残りが約2.6億円となり、これが受取利息となります。単純に割ると0.07%であり、そのぐらいの割合になっています。

 (尾崎委員)

 もう少し、安全かつ工夫ができるような余地がありそうな気がします。

 (伊藤専務理事)

 はい。昨今、金融状況も動いていますので、いろいろ考えながらやっていかなければいけないという問題意識は持っておりますが、基本的には安全運転でやってきたのがこれまでの経緯です。

 

 (2) 2023年度(令和5年度)予算編成の日程について(資料)

 (伊藤専務理事)
 2023年度(令和5年度)の予算の日程についてご説明します。
 予算については、先ほどご報告しました中間決算もふまえて検討を進め、経営計画の修正案との整合を取りながら、まず、12月6日の経営委員会において、「予算編成方針」として、予算編成にあたっての具体的な考え方や収支の概要をご説明したいと思います。
 その上で、12月20日の経営委員会において、「収支予算編成要綱」をご説明したいと思います。ここでは、事業計画の詳細や予算科目の内訳などをお示しして、そこでの審議をもとに予算書を作成していきたいと思います。
 これらの審議を経て、経営委員会において、放送法施行規則の記載事項に則って作成した「収支予算、事業計画及び資金計画」、いわゆる予算書を年明けに審議、議決していただきたいと考えています。このようなスケジュールを想定しています。

 (森下委員長)

 スケジュール的には例年どおりのスケジュールということですね。

 (伊藤専務理事)

 はい。例年どおりのスケジュールを想定しています。

 

 (3) 2022年度第2四半期 視聴者活動の状況(資料)

 (正籬副会長)
 2022年度第2四半期の視聴者活動の状況についてご報告します。
 目標の達成状況です。こちらは、先月ご報告しました「四半期業務報告」と、さきほど説明があった中間財務諸表と一部重なる点があります。
 受信契約の状況について、契約総数は、年間目標マイナス10万件に対してマイナス19.8万件でした。衛星契約は、プラス4万件の年間目標に対してマイナス7.7万件の減少となりました。9月末時点の現在数は、契約総数が4,135万件、衛星契約が2,195万件となっています。支払率は79.0%で、前年度末からマイナス0.6ポイント、衛星契約割合は53.1%で、前年度末からプラス0.1ポイントとなっています。
 訪問によらない取次について、新規契約は21万件、衛星は18万件となりました。いずれも基準の進捗率を下回っている状況ではありますが、効果が出ている事例としては、ホテルなどの宿泊施設からの新規契約、衛星契約は、計画を上回る実績を確保することができています。
 また、電力・ガス事業者とのAPI連携や、インターネットでの受信料の手続きをご案内する検索連動型の広告などにより、自主申出が促進され一定の効果が出ています。これらの新たな取り組みをしっかりと軌道に乗せていきたいと考えています。
 次に、年度別受信料の収納状況についてです。当年度分と前年度分を合わせた受信料収納額は3,358億円となり、前年度同時期を26億円下回っています。年間計画6,708億円に対する進捗率は50.1%となっています。
 この年間計画を遂行するために、下半期は「特別あて所配達郵便」の発送数の増や、未収のお客様に対する文書やショートメッセージサービス、電話などによる働きかけを増やすことによって、受信料の公平負担に努めていきます。
 今後も「共感・納得の営業活動」の方針のもと、NHKの放送・サービスを通じて公共的価値に共感し、納得して受信料をお支払いいただけるよう、引き続き取り組みを強めていきたいと思います。

 (大草委員)

 監査委員として、地方をいろいろと回っていますが、契約総数の減少が半期で通期予想の2倍、通期ベースに直すと4倍で減少しており、地方や外部からも、今後の行く末を心配する声も寄せられています。訪問によらない営業のベストプラクティスをぜひ見つけ出して、全国横展開していただければと思います。

 (正籬副会長)

 今年度は世帯消滅を理由とした解約が前年度より2万件ほど増えている状況もあり厳しい状況ですが、訪問によらない営業の効果が出ているところを、横展開していくことは非常に大切だと思っています。
 電力・ガス事業者、不動産会社も含めたお手続きが紙からデジタルに大きく変化していく中で、NHKの受信料の住所変更や新規契約もワンストップで完結できるような取り組みをさらに強めて、契約件数の増加に向け努力していきたいと思っています。

 (森下委員長)

 営業部門と制作部門の連携の進捗状況はどうなのでしょうか。どのぐらい各放送局で定着化してきているのでしょうか。

 (正籬副会長)

 現在、各放送局において、これまでの放送部、営業部、企画編成部の3つの部から、2つのセンターに分け、縦を壊して、かなり融合しています。
 営業の視点を持った者がコンテンツセンターに行って、コンテンツを展開し、営業につなげていくというような動きが出始めています。
 それが即座に新規契約につながるかというと、そう簡単にはいかないのですが、営業とコンテンツ部門の連携は、組織改革をした中で徐々に強まってきていますし、放送のコンテンツに携わる人間の意識、リーチを広げて、納得してお支払いいただくことがとても重要だという意識が醸成されてきていると、私も地方を回って感じています。
 あとは、具体的なツールで結果を出していくことだと思います。組織改革がそのような連携の強化に役立っていると受け止めています。

 (森下委員長)

 各放送局に任せっぱなしではなく、全体的にどのようなことになっているかという、横並びの情報提供はされているわけですね。

 (正籬副会長)

 地域改革支援局が定期的に成功事例を各局に知らせていますし、視聴者局も、一定の成果があったものは各局に広げていくという試みを、今まさにやろうとしています。
 しかし、放送と営業の連携が即座に新規契約につながるということではなく、いろいろな施策を積み重ねていくことで契約に結びつくということですので、地道に取り組んでいきたいと思っています。

 (森下委員長)

 職員の意識改革も含めて必要だと思いますので、その点も、よく進めていただきたいと思います。

 (水尾委員)

 受信料の収納のことですが、先ほど世帯消滅がかなり多くなっているということで、もちろんお亡くなりになって消滅する方も大変多いと思いますが、このところ施設にお入りになる方も、ものすごく増えてきていると思います。
 施設でもテレビをご自分の部屋にお持ちのご高齢の方からは、契約の案内をするということもあるかと思いますが、なかなかそこの接続がうまくいっていない例が、地方に行くと多く見られると思います。
 福祉施設や、ご高齢の方の老人ホームと言われるところから受信料を頂くというのは、なかなかうまく契約を進めることが厳しいのかもしれませんが、公平負担の観点からも、これまでになく、そのようなところへも案内をきちんとされたほうがよいかと思います。

 (正籬副会長)

 テレビを持たないでホームに入る方もいらっしゃいますが、まさにそこは大きな課題だと認識しています。
 そのような中で今、全国的に進めている一つの例としては、NHKアーカイブスで昔の芸能や、歌、その地域の風景などの映像を見ていただく「回想法ライブラリー」というものがあります。施設へのDVDの貸し出しも行っていて、見られた方が昔を思い出し語り合うことは脳機能の活性化に有用ということで、非常に喜ばれています。
 このように社会福祉施設や有料老人ホームなどの高齢者向けの施設との連携を強めて、最終的にはご契約も含めて、納得し共感して受信料をお支払いいただくことに努めていきたいと思っています。

 (井伊委員)

 これまで何回も申し上げてきましたが、社会福祉法人の受信料を免除することは適切ではないということを、データを用いて数年前もお示ししました。執行部としては、そのような決断をしたわけですが、再検討をしていいただいても個人的にはよいと思います。

 (森下委員長)

 目標達成に向けて、受信料収入は上半期で50%ぐらいですが、契約数がやはり非常に厳しい状況ですので、下期にどれぐらい回復できるか期待しております。よろしくお願いします。

 

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 (森下委員長)
 報告事項(4)について、特段の質問等がなければ、資料の確認のみで、報告に代えさせていただきます。

 

 (森下委員長)
 執行部からの付議事項は以上となりますが、ここで中嶋理事から発言の申し出があります。
 (中嶋理事)
 関連事業持株会社について、ご報告をさせていただきます。
 10月25日の経営委員会で議決いただいたNHKから関連事業持株会社への出資の認可申請、および関連事業持株会社から傘下子会社への出資の認定申請について、11月21日、総務省の電波監理審議会の答申を経て、総務大臣から正式に認可、認定をされました。これにより、関連事業持株会社をつくることができるようになりました。
 11月21日に総務省がホームページで公表した認可申請の概要ですが、出資の額、方法、NHKグループの子会社の業務の効率化を図るとともにガバナンス強化、経営管理の高度化を推進するという目的も、申請どおり認められています。電波監理審議会の中でも諮問のとおり認可することが適当であるとされました。
 また、10月25日の経営委員会での議決の後、総務省等とのやり取りの中で、こちらから関連事業持株会社への出資の効率化について、具体的な数値などについても示しましたので、それについても併せてご説明させていただきます。
 1つは、関連事業持株会社設立で、スリムで強靱な体制の構築を目的にしていますが、傘下子会社5社に対する既存の業務委託費を、次期経営計画の最終年度の2026年度までに、2020年度の計画値と比べておよそ2割以上、金額にして200億円以上の削減に対応する方向で考えています。
 もう1つは、傘下子会社5社の役員数の削減、管理監査部門の集約等で効率化を進めることも、先般ご説明しましたが、それについては、関連事業持株会社を設立する段階で、2020年度比で年間4億円の削減を見込むという数値も示させていただきました。
 関連事業持株会社はこの後、申請どおり傘下に子会社5社を置き、来月12月1日に設立する方針です。より効率的に高品質なものをつくれる体制を目指していきたいと思っています。

 (明石委員)

 スリムで強靱なNHK、新しいNHKに向けて非常に大きな体制変更なので、ぜひこの関連事業持株会社が大変有効に機能して、関連5社を統括してほしいと思っています。
 企業はトップが非常に重要で、どのような方が務められるかによって、企業の方向性も変わってきますし、パフォーマンスも変わってくると思いますので、社長を務められる春原さんのご経歴をご紹介いただければと思います。

 (中嶋理事)

 昭和63年の入局で、主に報道番組の担当をしてきました。「クローズアップ現代」など、大きな番組の責任者等を務めてきました。長野放送局の局長経験者であり、ローカル放送のサービスや、営業施策等で、当時としてはかなり新しい取り組みをしておりまして、そのようなガバナンス力というものも備えている人物だと思っています。
 現在、グループ経営戦略局の専任局長をしております。すでに7月に準備室を発足しまして、彼に室長になってもらい、傘下子会社5社の社長との会合なども何度も開いて、さまざまな分野別にワーキングをつくってコミュニケーションも図っていますので、適任ではないかと考えています。

 (明石委員)

 子会社の一つというよりも、非常に重要な会社になるので、もし何か機会があれば、お話を伺えればと思います。

 (中嶋理事)

 わかりました。ぜひともよろしくお願いします。

 

 (森下委員長)
 次に山内理事から発言の申し出があります。
 (山内理事)
 Netflixが広告つきのプランを導入した問題について、ご報告させていただきたいと思います。
 Netflixとの話に行く前に、NHKのコンテンツを動画配信事業者に提供するとういうことはどういうことなのかを、お伝えできればと思います。これは、放送法に基づいて定められたNHKインターネット活用業務実施基準に則って行っているものです。その第35条には、次のような条文があります。その3項1号に「協会の性格、使命、ブランドを損なうおそれがあるとき」、4号に「サービスの利用者に、協会が特定の商品やサービスを推奨しているとの誤認や広告収入を目的に行うサービスにあっては当該広告を協会が行うものとの誤認を生じさせるおそれがあるとき」は提供しないという定めが、この第35条になっています。
 この動画配信事業者へのコンテンツ提供ですが、これはNHKから営業活動を図るものではなく、事業者側からNHKに、こういったコンテンツを提供してほしいという働きかけがあって動き出すものです。実施基準を遵守できるかどうかをきちんと見定めた上で、抑制的に提供しているというものです。
 その上で、Netflixとのやり取りに入っていきますが、時系列でご説明したいと思います。そもそもNetflixとの契約は、今から7年前の2015年に締結をしています。この契約を結んだ際には、広告と認識されるようなものが付されるということは全く想定しない上で契約を結んでいます。
 そうした中、11月2日の午後に、Netflixの担当者から1枚の資料がメールで送られてきました。Netflixは月990円の定額ベーシックサービスというのを設けていたのですが、これに広告をつけると200円安くなって790円でお楽しみできますというプランがスタートしますという案内が、この紙1枚で送られてきたというかたちです。日本時間の11月4日金曜日にスタートします、と書いてありました。
 こういった想定はしていなかったので、問い合わせたところ、「これは本国のほうで決めたことで、決定事項です」という説明でした。
 実際のサービスが11月4日に始まったときに、担当者がこのプランに入って、どんな広告が付されているのかチェックしました。NHKインターネット活用業務実施基準第35条の3項、「協会の性格、使命、ブランドを損なうおそれがあるとき」、あるいは、「協会が特定の商品やサービスを推奨しているおそれがあるとき」に抵触するおそれがあるということで、これは看過できないとなりました。
 このためNHKは、Netflixに対して配信の停止を強く求めて、担当責任者どうしが複数回にわたって協議を重ねた結果、Netflix側から回答があったのが11月16日で、NHKが提供している番組については広告の表示を一時取りやめるという連絡を受けたというかたちです。
 今回の件を巡っては、そもそも契約段階で全く想定していなかった広告つきプランの導入という、サービスの根幹に関わるような変更事項を、サービス開始の直前に通知してきたこと、その際、詳細な説明が一切なされなかったことは極めて遺憾であるということで、NHKとしては、Netflixに対して厳重に抗議をしました。
 今回いろいろと教訓とすべきところがありまして、動画配信事業者へのコンテンツ提供については、相手方次第でこちらが想定していなかったようなサービスがいつ導入されるか分からないというリスクが、顕在化したということでもあると考えています。こうしたリスクに柔軟に対応できるようなコンテンツの提供の仕方や契約の在り方について、現在検討を始めています。

 (大草委員)

 先ほどのご説明で、広告の表示を一時取りやめるという話がありましたが、一時取りやめとはどういう意味でしょうか。
 先方の裁量の中での判断ということでしょうか。

 (山内理事)

 Netflix社としては、これは一時的なものであって、NHKとの協議次第では復活したいという思いの中でやっているということだと思います。

 (森下委員長)

 今、執行部で検討していただいているということで、しっかりと対応していただきたいと思います。

 

<前田会長、正籬副会長、専務理事、理事 退室>

 

 

10 今後の経営委員会運営について

 今後の経営委員会運営について、情報共有と意見交換を行った。

 

 

11 指名部会

 会長任命に関する指名部会を開催した。

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2023年1月24日       

森 下  俊 三 

 

 

大 草  透