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第1405回
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2022年9月2日(金)公表
※「6 審議事項(1) インターネット活用業務実施基準の変更について」は2022年9月16日(金)公表

日本放送協会第1405回経営委員会議事録
(2022年7月26日開催分)

第1405回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1405回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2022年7月26日(火)午後1時00分から午後5時35分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 大 草   透
    尾 崎   裕    原 一 夫 堰 八 義 博
    長谷川 三千子   不 破   泰 水 尾 衣 里
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 林   専務理事
  板 野 専務理事 小 池 専務理事 伊 藤 専務理事
  児 玉 理事・技師長 中 嶋 理 事 熊埜御堂  理事
  山 内 理 事 安 保 理 事 山 名 理 事

 

 

< 場   所 >
○放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室
 ニュースセンター  TOC(テクニカル オペレーション センター)

 

< 議   題 >

 

1 インターネット活用業務実施基準の変更に対する意見募集の結果について

 

2 放送センター視察

 

3 議事録確認

 

4 視聴者のみなさまと語る会(東海3県・学生)開催報告(資料)

 

5  監査委員会報告(資料1)(資料2)

 

6 審議事項

 (1) 「インターネット活用業務実施基準の変更」について(資料)

 

7 報告事項

 (1) 2022年度第1四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (2) 視聴者対応報告(2022年4〜6月)について(資料1)(資料2)

 

8 説明会 受信料制度と受信料体系について

 

9 今後の経営委員会運営について

 

10 指名部会

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員長が経営委員会の開会を宣言。

 

 (森下委員長)
 本日の経営委員会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、みなさまにはマスクを着用のうえ、出席いただいています。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

1 インターネット活用業務実施基準の変更に対する意見募集の結果について

 インターネット活用業務実施基準の変更に対する意見募集の結果について、意見交換を行った。

 

 

2 放送センター視察

 ニュースセンターと、番組を送出するTOC(テクニカル オペレーション センター)を視察し、現場の担当者から説明を受けた。

 

<前田会長、正籬副会長、専務理事、理事 入室>

 

 

3 議事録確認

 第1404回(2022年7月12日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2022年7月29日に公表することを決定した。

 

 

4 視聴者のみなさまと語る会(東海3県・学生)開催報告(資料)

 (経営委員会事務局長)
 2022年度2回目の「視聴者のみなさまと語る会」を、6月2日(木)に愛知、三重、岐阜の東海3県にお住まいの学生(大学、大学院、短期大学、高等専門学校等)のみなさまを対象にオンラインで開催し、30人が参加しました。
 経営委員会から井伊雅子委員、尾崎裕委員の2人、執行部から正籬聡副会長、児玉圭司理事・技師長、田辺雅泰名古屋放送局長の3人が出席し、井伊委員から協会の基本方針や重要事項として経営委員会の役割やNHKの役割、「NHK経営計画(2021-2023年度)」の概要などについて説明しました。
 司会は橋美鈴アナウンサーが担当し、「全国向け放送・インターネット・イベントなどのサービス、経営全般などについて」「地域放送・サービスについて」をテーマにNHKの放送・サービス全般について意見を伺いました。
 参加者からは、受信料に関して「受信料と公共性のつながりを捉えられていない人が多い。コンテンツの質を上げることは大事だが、受信料の支払いに納得感を持ってもらう機会づくりが必要ではないか」といった意見や、「訪問によらない営業活動に具体的にどのように切り替えていくのか」「受信料の支払いが不要な“チューナーレステレビ”について、どう受け止めているのか」「NHKオンデマンドで最新から過去の番組まで見られるので、(受信料を支払わずに)切り替えていく人もいると思うが、どう考えているのか」といった質問が寄せられました。
 また、放送については「衛星放送が2波になると番組が減るのではないかと心配だ」「『列島ニュース』のように各地の番組が全国放送で見られるとうれしい」といった意見や、「BSとラジオ放送の2波化で周波数が余ると思うが、NHKの新たな放送形態やBSとラジオの2波化による技術的な変化、周波数の空いた部分の使い道を聞きたい」といった質問がありました。
 地域放送・サービスについては「地域の風土を知るためにも方言を専門的に扱う番組を地方で放送してほしい」「『ウィークエンド中部』のリポートは丁寧に取材され、主観を抑えたナレーションや番組構成になっていて好きだ」といった要望や意見が寄せられました。
 ミーティング終了後には、「まるっと!?地域とつながり みつめる未来?」と題して、名古屋放送局の高山哲哉アナウンサーによる講演会を開催しました。

 

 

5 監査委員会報告(資料1)(資料2)

 (大草監査委員)
 1点目は、2022年度監査委員会監査実施計画について、きのうの監査委員会で決定いたしましたので、ご報告します。
 監査委員会では例年、協会の「業務報告書」および「財務諸表」に添える「意見書」を6月下旬に総務大臣に提出したあと、「意見書」の内容を踏まえて監査実施計画を策定し、経営委員会に報告しています。今回も令和3年度「意見書」の内容を踏まえ、2022年度の監査実施計画を定めました。
 監査委員会による監査には、業務監査と会計監査があります。Ⅰの「業務監査」の重点監査項目は、次に述べる4項目としています。今年度は3か年の経営計画の2年目で、基本的には監査のポイントについても昨年度から継続しています。
 1つ目です。「内部統制の推進及びリスクマネジメントの取り組みの監査」です。今年度変わったところは、小項目の3番目、「改革による制度変更や組織変更に伴い生じうる新たな課題への対応」を加えています。
 2つ目です。「公共メディアとしての放送・サービスの取り組みの監査」です。デジタルを活用した視聴者起点の取り組みや視聴者リレーション活動の取り組みなどを含めています。
 3つ目です。「スリムで強靱な「新しいNHK」に向けた取り組みの監査」です。波の整理・削減や新ERP、受信料の値下げ、訪問によらない営業活動、人事制度改革の取り組みなどをあげています。
 4つ目です。「NHKグループ経営改革の取り組みの監査」です。今年度は、3行目にありますように、中間持株会社の設立や財団の統合に向けた動きを注視しつつ監査を進めていきます。
 以上が重点監査項目ですが、昨年度に続き、すべての重点監査項目を通して新型コロナウイルスの影響などを注視していきます。
 また、今年度も「その他の監査項目」として、「放送センター建替に向けた取り組みの監査」を行っています。マネジメントの継続性、公平性・透明性・客観性確保の取り組み、川口施設を含めた建設計画の見直しなどについて監査していきます。
 それから、今年度は特別監査項目として、次期会長の任命プロセスに関する監査について記しています。
 Ⅱの「会計監査」については、会計監査人の監査の方法および結果の相当性について審議を行い、監査意見を形成します。
 なお、この監査計画の内容は、監査の実施過程で必要に応じて見直されるものであり、重要な修正が必要になった場合には、そのつど報告させていただきます。1点目は以上です。
 続いて2点目です。「選定監査委員に対する子会社管理状況等の報告」についてです。監査委員会はきのう協会による子会社管理の状況等について、グループ経営統括理事から報告を受けました。これは「内部統制関係議決」の中の「会長は、監査委員会が選定する監査委員に対して、定期的に子会社の管理の状況等を報告する」との規定に基づくものです。今年3月中旬からこれまでの主な取り組みについて、3つの視点に沿って報告がありましたので、ポイントを絞ってご報告します。
 赤字に記載された部分を中心に説明がありました。2ページです。まず「ビジョン・価値観の共有促進」について、「グループ会長賞」を例としてあげています。これは、グループのブランド価値向上、複数の会社が連携した展開事業など、業績をあげた関連団体の社員を中心に表彰を行うものですが、日本国際放送による「ウクライナをめぐる公共メディアとしての役割発揮」など、6件が受賞したとのことです。
 3ページです。「グループガバナンス強化」では、NHKアートの社長が新たにNHKの現役の出向者になり、これで11社中9社の社長が出向者になったほか、各社で役員体制のスリム化を進めつつ、4人の出向者を子会社の取締役、理事として配置していること、関連団体への再就職について公募制を取り入れたこと、関連団体の独自採用社員を対象とする「次世代トップマネジメント人材育成プログラム」で会長に最終報告が行われたことなどについて報告がありました。
 4ページです。NHK側が設定したグループ目標を受けて、各団体が立てた事業目標の達成状況についてです。全体的な評価としてはコロナの影響が長期化する中でしたが、業績を回復した団体が多く、おおむね設定した目標を達成したとのことです。
 また、ITセキュリティ強化では、クラウドサービスやリモートワークなど、場所にとらわれない多様な働き方に対応しつつ、NHKグループの各団体で共通のセキュリティポリシー、サービス・機能、運用の統一を進めていくとのことでした。
 5ページです。「グループ全体での業務効率化・管理高度化」についてです。今月1日付でグループ経営戦略局に中間持株会社設立準備室を設置し、傘下に入る予定の子会社5社とプロジェクト体制を組み、新会社の設立準備を進めていくとの報告がありました。
 ここまでが担当理事からの報告でしたが、これについて昨日の監査委員会で何点か指摘がありました。まず、ITセキュリティに関しては、レピュテーションリスクがNHK本体に及ぶことから、NHKグループに対して本体が必要な支援を行い、業務委託先や取引先などとの情報のやり取りも含めてしっかり目配りしてほしいということです。
 2点目としては、今まさに新型コロナウイルスの第7波が拡大していますが、さまざまな危機に対応するBCPについては、会社の規模の大小にかかわらず整備に取り組んでほしいとの意見が出ました。
 監査委員会としては、グループ経営改革やグループガバナンス強化の取り組みについて、引き続き、協会役員の職務執行監査の観点から注視していきます。
 「協会による子会社管理状況等」について、監査委員会は今後もおおむね四半期ごとに協会から報告を受け、経営委員会に報告していきます。報告は以上です。

 

 

6 審議事項

 (1) 「インターネット活用業務実施基準の変更」について(資料)

 (森下委員長)
 インターネット活用業務実施基準の変更について、審議します。
 本件につきましては、6月14日の経営委員会において意見募集を実施することを決定し、翌日6月15日から7月14日までの30日間、広く意見を募ったところ、54件のご意見をいただきました。
 経営委員会では、いただいたご意見を確認し、意見交換を行いました。そして、本日、「みなさまからのご意見一覧」、ならびに「経営委員会から執行部への検討を求める事項」を付して、執行部に提出をします。
 今回のインターネット活用業務実施基準の変更素案にあげられた、在外邦人向けサービスのために一日24時間提供しているNHKの放送番組(「NHKワールド・プレミアム」)を外国の動画配信事業者に提供できるようにすることについては、賛同のご意見が寄せられている一方、受信料財源業務として実施することについて、公平性を保つべきというご意見や、趣旨の説明を求めるご意見等をいただいています。
 また、実施する費用については、費用対効果や、金額変更の根拠について説明を求めるご意見をいただいています。
 経営委員会としては、インターネットで動画配信を行うサービスが増えている状況を考えると、今回の変更案は在外邦人がNHKの番組をご覧いただける機会を広げる趣旨だと認識していますが、これらのいただいたご意見について、執行部の考えを伺いたいと思います。
 今回の意見募集では、インターネット活用業務実施基準の変更素案にあげられた条項以外にも、幅広くご意見をいただきましたので、執行部は、意見募集の結果を真摯に受け止めるとともに、インターネット活用業務実施基準の変更素案について、改めて確認を行い、次回、8月30日の経営委員会で説明してください。
 この点につきまして、考え方や方向性について補足がありましたら、伊藤専務理事から説明をお願いします。

 (伊藤専務理事)
 寄せられたご意見をまとめていただき、ありがとうございます。
 今回、執行部に検討を求められた事項については、寄せられたご意見の内容を確認、検討させていただいたうえで、次回の経営委員会でお答えしたいと思います。
 また、これらを踏まえながら、認可申請案の提出に向けて準備も進めていきたいと考えています。

 (森下委員長)
 それでは、本件は終了し、改めて審議することとします。

 

 

7 報告事項

 (1) 2022年度第1四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (伊藤専務理事)
 2022年度第1四半期の業務報告です。この報告は、放送法第39条第4項の、「会長は3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を経営委員会に報告しなければならない」という規程に基づいて行うものです。
 2ページです。まず今期の概況についてご説明します。
 経営計画2年目の2022年度は、視聴者にNHKは変わったと実感していただけるようコンテンツの強化に取り組んでいます。新年度編成では、地上波で4割以上の番組を入れ替え、地域放送局ではローカルニュースの放送時間を拡大しました。これらにより視聴率が伸びた時間帯もありますが、民放を含めたテレビ全体への接触率低下という流れの中で、NHKでも全体といたしましては接触者率の低落傾向が続いているところです。一方、質の評価ですが、コロナ禍の影響で非常に高かった前期と比べると若干低下はしていますが、コロナ禍前とは同程度の水準を維持しています。第2四半期に向け、見られ方を分析し、多くの皆さまにご覧いただけるよう取り組んでいきます。
 4月からはインターネットの社会実証を実施しました。この中ではNHKがこれまで放送で果たしてきた役割をインターネットで果たすことについて、一定の理解と支持が得られたと受け止めています。秋に予定している第2期に向け準備を進めていきます。
 また、訪問によらない新たな営業活動につきましては、昨年度の決算で営業経費率が初めて10%を切り、9.1%となりました。NHKの価値や存在をご理解いただき、自主的な契約につなげていけるよう努力を続けていきます。
 3ページです。5つの重点事項の進捗について、主な取り組みや課題を記しています。
 1つ目の項目は、「安全・安心を支える」です。ウクライナへの軍事侵攻が長期化する中、NHKは多角的な視点から放送やインターネットを通じて最新の情報を継続して発信しています。5月下旬まで、正午のニュースを拡大してお伝えしたほか、日本のメディアとしては初めてゼレンスキー大統領に首都キーウでインタビューを行いました。
 「水害から命と暮らしを守る」取り組みについては、今年で3年目を迎えました。減災につながる日常的な対策への支援を強化しているところです。
 防災機能の強化として、老朽化した各地の放送局の建て替えを進めていることを記しています。
 重点項目2つ目は、「新世代へのチャレンジ」です。「新しいNHKらしさ」を追求する新年度編成では、総合テレビとEテレの番組の大幅改定を実施しました。夜間の新しいニュース番組として「サタデーウオッチ9」をスタートしたほか、Eテレの「おかあさんといっしょ」は、保育園児の帰宅時間に合わせまして、再放送の時間を午後6時台へと変更しました。
 こうした取り組みで、総合テレビの平日午後10時台、土曜の午後9時台、またEテレの午後6時台などで視聴が伸びた一方、視聴率が低下した時間帯もありました。番組ごとの見られ方をさらに分析し、週や月単位など短いスパンでも改善を図ってまいります。
 8Kの最新の映像技術を教育コンテンツに活用する取り組みについても記載しています。
 5ページです。あまねく伝えるです。読みやすく、見分けやすいユニバーサルデザインの文字を画面表示に導入する取り組みを進めています。今年度からは、ほぼすべてのニュース番組がユニバーサルデザイン対応となっています。
 手話番組についてはオリンピック・パラリンピックを通じて手話への関心が高まったことを受けまして拡充しています。
 子供や若者を取り巻く環境の改善を目指す「君の声が聴きたいプロジェクト」を5月に展開しました。
 6ページです。沖縄本土復帰50年となる5月15日を中心に、沖縄の歴史や文化を改めて伝える試みとして、ドラマやドキュメンタリーなど34本の番組を放送しています。
 7ページです。4つ目の項目、「社会への貢献」です。放送技術研究所では5月に「技研公開2022」を開催し、NHKの知見、技術を社会に提供する取り組みとして16件の研究成果を紹介しました。今回は3年ぶりに会場で展示が行われ、約7,200人の方に来場いただきました。
 人事制度改革についてです。人事制度改革の方針や施策を定着させるフェーズに入っていますが、その取り組みを継続しています。若手職員の管理職層への抜擢、主要ポストへの女性の登用の推進などにつきまして記載しています。
 8ページです。スリムで強靱な「新しいNHK」を目指す構造改革についてまとめております。このうちインターネット活用業務につきましては、社会実証の実施と視聴者からの要望に応えて、4月からテレビ受信機でもご覧いただけるアプリの提供を始めたことなどを記しています。
 「受信料の価値を最大化」するためのマネジメント施策についてですが、効率的な業務体制の確立として、4月に本部・地域で大規模な組織改正を行ったことや、保有設備の削減を進めていること、また営業改革では経費の削減と視聴者リレーションの強化を進めていることを記載しています。
 また、グループ経営では、改正放送法が6月に成立したことを受けまして、中間持株会社の年内設立を目指し、子会社の効率化や管理機能の集約を進めています。
 個人情報につきましては、4月に改正個人情報保護法が施行されたことに合わせまして、個人情報を適正に取り扱う体制の強化と併せて、「プライバシーポリシー」を公表したことなどを記しています。
 9ページです。放送サービスの状況です。波別の質的な指標では、BS1とインターネットでは前期よりやや低くなっていますが、地上波ではおおむね同程度となっています。
 10ページです。量的指標の評価です。接触者率は前期がオミクロン株の感染拡大や北京オリンピック・パラリンピックなどで高かったことの反動もありまして、総合テレビとEテレで前期から4ポイント余りの低下となっています。1年前と比べても若干低下しています。
 個人視聴率を見ましても、総合テレビでは低下、またその下、インターネット全体の接触者率やその他のサービスも前期比では低下しております。今後の動きをさらに見てまいります。
 11ページです。今期の放送サービスについての評価を記載しています。今期は新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きもありました。民放を含め全局的に接触率が低下傾向にあります。その中で総合テレビも低下しましたけれども、下がり幅を見てみますと、民放の全局平均よりは小さくなっています。
 また、特に現役層の視聴を目指して番組改定を行った時間帯、平日午後10時台などでは、59歳以下の視聴率が平日平均で0.6ポイント増加するなど、改善も見られています。視聴状況をさらに分析し、速やかに改善を図ることで接触率の向上に取り組んでいきます。
 インターネットにつきましては全体としては低下している一方で、NHKプラスのID登録者数はおよそ280万と順調に増加しています。また、テレビ向け配信の効果も出てきています。引き続き、新たな視聴者ニーズの掘り起こしを進めています。
 中央放送番組審議会は昨日開催されました。ご意見をまとめたうえで、改めてご報告をします。
 12ページです。受信契約の状況です。契約総数は6月末の時点で8.4万件の減少、衛星契約は3.2万件の減少となっています。支払率は、半期ごとの集計のため、第2四半期でご報告いたします。衛星契約割合は53.0%で、前年度末と増減はありません。
 「訪問によらない取次」の進捗は速報値を掲載しています。総取次数は年間計画に対して19.8%、衛星契約取次数は20.5%となり、標準進捗の25%を下回っています。不動産会社やケーブルテレビ、電力、ガス事業者など外部企業との連携強化など、訪問によらない施策の早期の確立に向け、引き続き取り組みを進めていきます。
 13、14ページです。6月末時点での予算の執行状況です。事業収入は1,752億円で、標準進捗を上回っております。受信料が順調に計理されたことや、雑収入の進捗が進んだことによるものです。
 一方、事業支出は1,555億円で標準進捗を下回っています。
 収支全体では197億円の黒字となっています。国内放送費や契約収納費などを中心に標準進捗率を下回ったことが影響しています。
 今後も受信料収入の推移や新型コロナウイルスによる放送やサービスへの影響を注視していきます。
 15ページです。課題全般に対する今後の取り組みをまとめています。テレビ放送全体で接触者率や視聴率が低下傾向にあることについては、ふだんNHKに接していない新たな視聴層開拓へのチャレンジを進めていきます。NHKプラスの活用や展開センターを中心とした放送以外での新たな視聴者との接点の開発も進めていきます。
 インターネット活用業務については、秋に予定されている社会実証の第2期に向けてUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)など使いやすさの向上を図りつつ、実証項目を検討し、準備を進めていきます。
 営業活動においては、訪問によらない新たな活動への転換をさらに進めています。構造改革は過渡期ですが、さまざまな施策について、スピーディにPDCAを回し、手法を磨き上げ、さらに多くの方に受信料制度をご理解、ご納得いただけるよう構造改革を進めていきます。

 (水尾委員)

 10ページの接触率において地上波は少し下がって、BSはあまり変わらないようです。この理由はどのように考えていますか。

 (熊埜御堂理事)

 特に地上波の総合テレビは、新型コロナウイルスの状況や世の中のいろいろな動静に影響されやすくなっています。BSについては、スポーツであったり国際ドキュメンタリーであったり、プレミアムでは歴史番組、自然番組とパッケージとなったコンテンツが多いので、安定的にロイヤルカスタマーを中心に増減なく見られています。BS1はMLBで大谷選手が活躍すると伸びることはあるのですが、比較的安定的に視聴されているところが地上波とBS波の違いではないかと思っています。

 (明石委員)

 15ページのインターネット活用業務の取り組みの第2弾の社会実証では、UIやUXなど使いやすさの向上を図っていくことを質問項目としていくのでしょうか。

 (伊藤専務理事)

 4月、5月の第1期はコンセプトをお示ししたものでした。今回、秋に向けては、実際に使っていただいてどのように評価していただけるか見ていきたいと思っていますので、UI、UXもしっかりと取り組んでいくことを考えています。

 (明石委員)

 今回のように数値化した形での結果や、使っていただいた方のご意見などもご報告をいただけるのでしょうか。

 (伊藤専務理事)

 前回と同じように対象者を設定して、皆さんに使っていただいて評価をいただくことを考えています。

 (明石委員)

 前回、非常によい結果が出ているので、今回もまた工夫をして、よい評価が得られるようにしていただきたいと思います。

 (尾崎委員)

  14ページの受信料収入についてです。「前年同月」とは、今年度の4月から6月と前年度4月から6月の比較になり、25%の進捗率とは、3か月分の進捗率ですね。四半期どうしの比較でしょうか。

 (伊藤専務理事)

 そのとおりです。

 (尾崎委員)

 「訪問によらない取次」において、3月、4月ぐらいのいちばん転勤が多い時期に、訪問する場合と訪問しない場合において変化が出ると思いますが、あまり変わらない結果ということはいずれの場合でも影響はなかったという判断でよいのでしょうか。

 (伊藤専務理事)

 現時点では総括できるところまで分析が進んでいないのが率直なところです。いずれの手法もまだ試行段階であり、PDCAの途中の状況です。これまでの手法と、今取り組んでいる手法の比較が相対として総括的に語れるところまでは来ていないと思っています。

 (尾崎委員)

 数字を見るかぎり、あまり関係なかったと言えるのでしょうか。

 (伊藤専務理事)

 数字を見ると、やはり前年同月比でマイナス傾向にはなっていますので、理由の分析が必要だと思いますし、ご指摘の点は、非常に大事なところだと思います。しっかりと取り組んでまいります。

 (尾崎委員)

 結果が出ましたら教えてください。

 (伊藤専務理事)

 分かりました。

 (森下委員長)

 2ページに、コンテンツの質の評価が若干下がったが、一定の水準は維持できているとあります。これは番組編成が新しくなって、現役層を中心に切り替えていったから従来の視聴者の評価が落ちたのか、新しいことだからまだ評価はされていないのか、どのように分析されていますか。

 (伊藤専務理事)

 9ページにありますが、質のところで地上波については前期と今期はほぼ維持をしています。変化が大きいのはBS1です。やはり再放送の番組がかなり増えている状況も含めて、原因をしっかり見ていく必要があると思っています。

 

 (2) 視聴者対応報告(2022年4〜6月)について(資料1)(資料2)

 (山名理事)
 2022年4月から6月の視聴者対応報告をします。放送法第27条に定める視聴者対応の状況について取りまとめて、放送法第39条4項に基づき報告します。
 3ページです。はじめに、視聴者から寄せられた意見・要望への対応状況についてです。視聴者からの「意見・要望」、「問い合わせ」、「その他」をあわせた声の総数はおよそ77万件でした。前年の同じ時期に比べておよそ4万件減少しています。そのうち受信料への声が5万件減少しており、放送への声は1万8,000件増加しています。今年度の番組改定の規模が大きかったことが、放送への声が増加したことにつながっていると推察しています。
 放送、営業、受信相談の各ふれあいセンターと本部の各部局、全国の放送局が受け付けた「意見・要望」の数はあわせておよそ11万7,000件でした。このうち、89%はふれあいセンターの「一次窓口」で対応を終え、残りの11%が「二次対応」として当該の部局で回答や説明などを行っています。
 視聴者の声の内訳のグラフについてご説明します。「受信料関係」が最も多く、「放送番組」、「技術・受信相談」、「経営」についての意見、「その他」には放送や番組に直接関係ないものや、内容が分かりにくいものを含めています。
 4ページです。分野別の内訳ごとに概要をご説明します。まず、「放送番組」に寄せられた視聴者の声です。放送内容に関するものが34%、放送予定に関するものが14%などとなっています。番組のジャンルごとではニュース・報道が28%で最も多く、続いてドキュメンタリー・教養と音楽となっています。実はこの傾向は昨年度とほぼ変わりませんが、音楽とドラマの割合が昨年度に比べると増えています。
 インターネット業務に寄せられた声についてです。インターネット業務には4万7,000件余りの問い合わせや意見が寄せられました。このうち85%がNHKプラスに関するもので、4月には新たに始めたテレビ向けサービスについての問い合わせが多く寄せられました。また、4月下旬から、NHKプラスからのお知らせを装ったフィッシングメール関連の問い合わせも寄せられるようになって、これに関してはNHKオンライン上に注意喚起の表示を出したのをはじめ、放送でも繰り返し注意を呼びかけています。
 5ページです。「受信料」に関係する声です。受信料についておよそ40万2,000件の意見や問い合わせが寄せられました。ふれあいセンターの営業担当窓口で受け付けた意見が8,000件余り、内容としては訪問員の対応などスタッフ関係に関するもの、これは昨年同期と比べおよそ半減して949件となっています。
 続いて、「技術・受信相談」に寄せられた意見です。9,300件余りの意見や問い合わせが寄せられました。主な内訳としては、受信不良の申し出や技術相談といった内容です。
 6ページです。「経営」への意見です。NHKの経営について4月から6月の間に寄せられた声は549件でした。主なものでは、「不祥事について」が127件で、国際放送局の管理職による業務用のタクシーチケットの不正使用と関連団体の元社員が逮捕されたことについて厳しい声が多数寄せられました。
 7ページです。今年度の番組改定に伴う新番組や移設番組、終了番組などへの反響をまとめました。受付内容に、「改定」に関連するキーワードを含む反響を昨年度と比べますと、今年度は2倍以上、7,274件の反響が寄せられました。今年度は大幅な改定に伴って放送時間を変更したといった番組についての問い合わせが目立っています。
 全体的な特徴を円グラフに示しています。円グラフの内側が昨年度、外側が今年度になっています。今年度は好評意見、厳しい意見とともに、全体に占める割合が倍増しています。昨年度に比べて単純な問い合わせだけではなくて、ポジティブ、ネガティブ問わず意見を寄せていただいた視聴者の方が多かった結果だと思います。そして昨年度に比べて女性からの意見が割合として10ポイント増えて49%となっています。これはEテレの子供向け番組の放送時間変更に伴う問い合わせなどが多かったことが影響していると考えられます。
 8ページです。次に、視聴者から寄せられた意見や要望を受けての具体的な改善事例について4つご紹介します。
 1つ目は、自宅の大画面テレビでNHKプラスを利用したいという数多く寄せられていた声を受け止めて、NHKプラスをインターネットに接続したテレビなどでも視聴できるサービスを始めたことを紹介しています。利用した方からは評価の声をいただくと同時に、まだ対応できていないテレビへの対応や、さらなる機能改善のご要望などをいただいています。
 ドラマ10「正直不動産」に関する対応についてです。当初、渋谷のNHK放送センターのハートプラザで配布していた主演の山下智久さん演じる主人公の番組広報用ポストカードに関して、4月中旬には1日200件に迫る問い合わせや要望が寄せられました。これを受けまして、大型連休明けの5月からは全国のNHKハートプラザなどで配布を拡大したり、郵送するなどの対応を実施しました。
 節電の取り組みについてです。6月末にニュースなどで節電を求める内容を伝えている中で、視聴者の皆さまからスタジオの照明やアナウンサーの服装などについての意見が寄せられました。このことを踏まえて、スタジオの照明を通常より落としたり、アナウンサーが軽装で出演したりするようにしたという内容です。
 4つ目です。コロナ禍の影響で訪問学習の実現が厳しいという愛知県のろう学校からの要望を受けまして、手話通訳を交えた「バーチャル訪問学習」を行ったことをご紹介しています。
 12ページです。誤記・誤読などの指摘への対応です。視聴者からいただいている指摘を基に放送でのテロップのミス、誤読、事実関係の間違いに対応した件数は227件でした。また、ホームページ上のミスは123件でした。このようなご指摘は番組担当者に連絡し、再放送などで修正したほか、番組の責任者らが出席する各種会議などでも状況を報告し注意を促しています。
 なお、個別の番組に寄せられた意見や傾向の分析は、3か月分の「月刊みなさまの声」にまとめていますのでご参照ください。
 報告は以上です。

 (村田代行)

 誤記・誤読の件ですが、これは従来に比べて増減などあるのでしょうか。

 (山名理事)

 前年に比べると、事実関係の間違いに対応した件数は227件となり13件増えています。ホームページ上のミスは123件となり21件増えている状況です。

 (尾崎委員)

 5ページです。受信料に対する問い合わせが40万件で、そのうちふれあいセンターで8,000件受け付けたということは、残りのおよそ39万件は肯定的な意見でしょうか。傾向やサンプルを取って統計処理などできているのでしょうか。

 (視聴者局 局長)

 40万件いただいているうち問い合わせなどが97%ほどあります。意見、要望がおよそ3%です。受信料の料額や問い合わせがほとんどになりますので、お答えして完了をすることになります。

 (尾崎委員)

 単なる受信料に関しての問い合わせをされたということで、意見ではなく質問ということですね。

 (視聴者局 局長)

 そのとおりです。マニュアルに沿って回答ができるものが97%ぐらいを占めています。

 (尾崎委員)

 苦情などは40万件のうちの8,000件に含まれるということですね。

 (視聴者局 局長)

 そのとおりです。

 (尾崎委員)

 その割合は経年変化しているのでしょうか。苦情などについては増減はないと理解してよいでしょうか。

 (山名理事)

 意見や問い合わせに関するものがおよそ8,000件。多くはわかりやすいご質問で、占める割合は98%前後と変化はありません。

 (尾崎委員)

 視聴者の声で「その他」が10万件ほどあります。「意見・要望」と同じぐらいあるようですが、これはNHKとは全く無関係の内容ですか。

 (山名理事)

 無関係ではなく、内容からして分類できないものも「その他」に含めています。

 (尾崎委員)

 分類上の問題ですね。「その他」に対しては答えなければいけない内容ですか。

 (視聴者局 局長)

 分類としてはこのような分け方になりますが、営業活動や受信料について広範囲な質問や問い合わせにも、丁寧にお答えをさせていただいています。スタッフ関係、受信料制度などに分類できなかったもので、「その他」という分類にしました。

 (尾崎委員)

 「その他」の中にも参考になる意見があり、それに対してきちんと答えているということでしょうか。

 (視聴者局 局長)

 そのとおりです。そこにニーズ、要望や改善のヒントがあるので、漏らさずに聞いています。

 (森下委員長)

 さきほどの営業の8,000件ですが、訪問によらない営業活動に切り替えて、どれぐらい苦情が減ったのでしょうか。

 (山名理事)

 苦情は確実に減っております。昨年は2,019件ありましたが、949件になりました。

 (森下委員長)

 同じ期間で訪問によらない営業活動によって苦情が随分減ったということですね。

 (明石委員)

 問い合わせが減少する中で、営業関係は5万件減少したとお話がありました。これまで営業へのご指摘は、ご不満や苦情に近いものが多いと思っていたのですが、なぜ減ったのでしょうか。

 (山名理事)

 ホームページ上によくある質問集(FAQ)を載せています。こちらをご覧いただいて、簡単な内容は問い合わせをしなかった結果だと思います。

 (視聴者局 局長)

 FAQはもともとありましたが、拡充をしました。電話をしていただかなくてもご自身でパソコンなどで調べて解決できるようにしました。それによって97%あった単純な問い合わせが大幅に減少したということです。

 (明石委員)

 全体の数が減ったということですね。もうひとつ、営業と受信料という表現がありますが、営業と受信料はどちらも絡んでいることもあると思います。私たち経営委員は、NHKに対するご不満やいろいろなご指摘がどのくらいあるのかとても関心があります。そのようなネガティブなご意見や数字をどのように把握していますか。

 (山名理事)

 5ページになりますが、8,000件の分析の中に具体的に受信料制度への不満や、料金体系への不満を分析しています。

 (明石委員)

 「不十分」や「不満」が、ご指摘や苦情ということですね。わかりました。

 (礒山委員)

 苦情とは事業会社の一番大切な情報です。それを分析することによって新たなビジネスも生まれていきます。FAQなどで振り分けている中に入ってこない、いろいろなご意見があると思います。件数は減ったけれども949件のなかにはこういった苦情があることを分析して経営に反映されたらよいと思います。

 (原委員)

 経営への声で、寄せられている件数が313件ですが、不祥事などがなければ、この数が平素はどれぐらいでしょうか。

 (山名理事)

 昨年度と件数は変わっていません。昨年度も同時期に不祥事が発生し、6月の件数が増えています。

 (原委員)

 「放送番組への声」の中で2番目にある「放送予定」とは、具体的にはどのような声でしょうか。

 (山名理事)

 突然、地震が起きて本来放送する時間が変更になった場合や、毎週放送する番組の次回放送についてのご意見や問い合わせになります。

 (堰八委員)

 受信料の声についてです。2023年度中の受信料のさらなる引き下げや放送法の改正について、検討をしていくなかで、全体40万1,770件のうち、ご要望ご不満等が8,294件、このうち「料金体系・料額」への不満は42件しかありません。世の中全体においては、さらなる引き下げへの意見など強くないのではないかと感じました。

 (森下委員長)

 7ページの、番組改定した後、非常に反響が大きく、厳しい意見が多くなったことは、番組編成を変えたことへの反応だと思うのですが、これは今後の番組編成などに反映していく考えでしょうか。

 (山名理事)

 好評意見あるいは厳しい意見も含めて、現場にしっかりフィードバックして、その後判断をしていきます。

 

<前田会長、正籬副会長、専務理事、理事 退室>

 

 

8 説明会 受信料制度と受信料体系について

 執行部から、受信料制度と受信料体系について説明を受け、意見交換を行った。

 

 

9 今後の経営委員会運営について

 今後の経営委員会の運営について、情報共有と意見交換を行った。

 

 

10 指名部会

 会長任命に関する指名部会を開催した。

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2022年8月30日       

森 下  俊 三 

 

 

大 草   透