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第1378回
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2021年6月11日(金)公表
※「11 今後の経営委員会運営について」 は2021年7月23日(金)公表

日本放送協会第1378回経営委員会議事録
(2021年5月25日開催分)

第1378回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1378回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2021年5月25日(火)午後1時30分から午後4時55分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 尾 崎   裕
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 長谷川 三千子
    不 破   泰   水 尾 衣 里 渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 松 崎 理 事
  田 中 理 事 伊 藤 理 事  

 

 

<場   所>
○放送センター  22階経営委員会室
○大阪・名古屋・福岡・札幌 各拠点放送局および長野・福島 各放送局
(※テレビ会議システムにより接続)

 

<議   題>

 

1 議決事項

 (1) 経営委員会事務局職員の同意人事について

 

2 評価・報酬部会

 (1) 2021年度役員業績評価方針について

 

3 議決事項

 (2) 2021年度役員業績評価方針について

 

4 評価・報酬部会

 (2) 2021年度役員目標について

 

5 議事録確認

 

6 委員長報告

 

7 議決事項

 (3) NHK情報公開・個人情報保護審議委員会委員の委嘱について(資料)

 

8 報告事項

 (1) 新津放送会館の建設基本計画について(資料)

 (2) 新高知放送会館の建設基本計画について(資料)

 (3) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (4) 2020年度第4四半期業務報告(データ更新版)(資料)

 

9 視聴者のみなさまと語る会(前橋)開催報告(資料)

 

10 説明会

 (1) 2021年度の営業活動について

 

11 今後の経営委員会運営について

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員長が経営委員会の開会を宣言。

 

 (森下委員長)
 本日の経営委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本部と大阪・名古屋・福岡・札幌の各拠点放送局および長野・福島の各放送局をテレビ会議システムで接続しての開催となります。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

<正籬副会長 入室>

 

 

1 議決事項

 (1) 経営委員会事務局職員の同意人事について

 経営委員会事務局職員の評価と人事について、正籬副会長より説明を受け、同意した。

 

<正籬副会長 退室>

 

 

2 評価・報酬部会

 (1) 2021年度役員業績評価方針について

  2021年度役員業績評価方針について、審議した。

 

 

3 議決事項

 (2) 2021年度役員業績評価方針について

 (高橋委員)
 ただいまの評価・報酬部会での審議を踏まえ、2021年度の役員業績評価の方針について、変更を3点提案します。
 1点目は、3番目(評価方法)です。評価ランクを細分化するために、総合評価の評価区分を「S、A+、A、B+、B、C、D、E」の8区分に増やすものです。
 2点目は、5番目(協会の業績評価)です。中期経営計画の新たな3か年に入りましたので、文言を「協会の業績評価は、NHK経営計画(2021−2023年度)の達成状況を評価して決定する。」と変更するものです。
 3点目は、6番目(処遇への反映)です。業績評価に基づく加減額の変動幅を、現行の「±15%の範囲内」から「±20%の範囲内」に見直すというものです。不祥事を受けて報酬を大幅にカットする前の平成16年度の標準役員報酬額は、4月6日の経営委員会で「据置き」と決定した今年度と比べると2割程度高い水準でしたが、役員の報酬額は引き下げを続けてきました。今年度から始まる「NHK経営計画(2021−2023年度)」には、これまでにない改革が盛り込まれており、経営計画を着実に実行して成果を上げた役員にはその成果に報いるなどメリハリをつけるために、民間企業での業績連動報酬の実態等も参考に考慮したものです。
 評価・報酬部会としての報告は以上です。ご審議のほど、よろしくお願いします。

 

  採決の結果、原案どおり議決。

 

<前田会長 入室>

 

 

4 評価・報酬部会

 (2) 2021年度役員目標について

  各役員が設定した2021年度の年間目標について、前田会長より説明を受けた。

 

 

5 議事録確認

  第1377回(2021年5月11日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2021年5月28日に公表することを決定した。

 

 

6 委員長報告

 (森下委員長)
 本日の経営委員会合同会議の前に開催した経営委員による委員会において、現行の「NHK役員の業績評価制度の概要」の一部を、2021年度から改定することを議決しました。
 変更の1点目は、3番目(評価方法)です。
 評価ランクを細分化するために、総合評価の評価区分を「S、A+、A、B+、B、C、D、E」の8区分に増やします。
 2点目は、5番目(協会の業績評価)です。中期経営計画が新たな3か年に入りましたので、文言を「協会の業績評価は、NHK経営計画(2021−2023年度)の達成状況を評価して決定する。」と変更します。
 3点目は、6番目(処遇への反映)です。業績評価に基づく加減算の変動幅を、現行の「±15%の範囲内」から「±20%の範囲内」に変更します。
 その他の項目については、現行のまま、変更はありません。報告は以上です。

 

<田中理事 入室>

 

 

7 議決事項

 (3) NHK情報公開・個人情報保護審議委員会委員の委嘱について(資料)
 (田中理事)
 NHK情報公開・個人情報保護審議委員会委員の委嘱について、ご審議をお願いします。
 本審議委員会は、NHKに情報開示を求めた視聴者から、規程に基づいてNHKの開示・不開示等の判断に対して再検討の求めがあった時、NHKからの意見の求めに対して審議し意見を述べる第三者による委員会です。委員は規程により経営委員会の同意を得て、会長が委嘱することとなっています。委員は5名以内です。
 新たに、大橋洋一氏に委員をお願いしたいと考えています。大橋氏は、政府の情報公開・個人情報保護審査会や国地方係争処理委員会、行政不服審査会の委員などを歴任された法学者です。また、ことし7月からは政府の公害等調整委員会の委員に就任することが今の国会で同意されるなど、行政機関等が行う決定や処分について客観的に審査する知見や経験が高く評価されている方であると考えています。
 また、6月末で任期が切れる藤原靜雄氏、園マリ氏のお二人については、引き続き委員をお願いしたいと考えています。
 藤原氏は、情報公開と個人情報保護の両分野の研究において主導的なお一人であり、政府の個人情報保護委員会の現委員でもあります。本審議委員会では委員長として、一時は200件を超えていた情報公開の「再検討の求め」への対応に尽力いただきました。現在、「再検討の求め」が再び増えているなかで、高度の専門性や豊富なご経験をあわせて考え、引き続き委員をお願いしたいと考えます。
 園氏は、公認会計士であり、証券取引等監視委員会や政府の情報公開審査会(情報公開・個人情報保護審査会の前身にあたる審査会)の委員を務められました。特に、予算や会計、監査などの分野の審議案件で貴重なご意見をいただいており、引き続き委員をお願いしたいと考えています。
 なお、関葉子氏は、今回任期満了により退任されます。説明は以上です。

 

  採決の結果、原案どおり議決。

 

<田中理事 退室、伊藤理事 入室>

 

 

8 報告事項

 (1) 新津放送会館の建設基本計画について(資料)

 (2) 新高知放送会館の建設基本計画について(資料)
 (伊藤理事)
 放送会館の建て替えに関する考え方を少し修正しました。その初めてのケースにあたりますので、あわせてご説明します。
 地域放送会館のうち築40年を迎えるものは、津、高知をあわせて24局あります。これまで地域放送会館については、標準的な仕様を定め、例えばスタジオは二つで合計250平米というように、ほぼ画一的に建て替えを進めてきました。
 しかし、放送局はその役割や地域性、立地などにより一定の多様性が担保されるべきであると考えています。例えば、今回の津のように、名古屋を中心とする東海3県の放送サービスと連携して位置づけられる放送局もあれば、高知のように、南海トラフ巨大地震が起きれば津波で広い範囲が1か月近く水に浸かり、街全体が孤立した状態になることが予想され、多くの応援者が入る想定が必要な放送局もあります。
 このため、今後の放送会館の建て替えにあたっては、面積や設備を一律とせず、経済合理性を踏まえたうえで地域性や立地などに応じた機能、規模とすることにしました。今回はその最初の取り組みとなります。
 まず、新津放送会館の建設基本計画から説明します。
 津放送会館は竣工から48年経過しています。津放送局は、大型番組の制作時には名古屋放送局の設備を利用することも可能であることから、放送設備はスタジオを一つに絞るなど、コンパクトな放送局を目指して計画を立てました。基本コンセプトとして4点挙げています。
 1点目は、「自然災害に強い放送局」です。
 三重県内は、伊勢湾台風をはじめとした大規模災害に見舞われ、今後は南海トラフ巨大地震も予想されています。そうした非常事態時にも、しっかりと対応ができる設備を設けます。
 2点目は、「創造的・効率的で環境変化にも柔軟に対応できる業務エリアの構築」です。業務改革などにも対応していけるように設計します。
 3点目は、「視聴者とのタッチポイント」です。三重県は中規模の複数の都市に人口が分散しています。このため、放送局にお客さまにおいでいただくというよりは、可搬型8K展示設備など機動性の高い設備を整理し、県内各地にNHKから出向いて視聴者コミュニケーションを推進することを想定しており、そのような設備を設けたいと考えています。
 4点目は、「周辺景観と調和する環境にやさしい会館」です。
 新会館の敷地面積は3,120平米、延床面積は3,850平米程度で、建設方式はNHK単独での建設です。
 整備スケジュールについて、2023年度に建築工事を開始し、2024年度に建物完成を目指しています。
 経費については、現在は旧県立博物館の土地で、土地の取得に約3.1億円、建物の解体に3.5億円、建物の新築に23.3億円、放送設備に16億円程度を見込んでいます。
 以上が、新津放送会館の建設基本計画です。
 続いて、新高知放送会館の建設基本計画についてご説明します。
 高知県は南海トラフ巨大地震の際に、最大30メートルを超える津波などが予想されており、大きな被害が想定されています。このため東日本大震災の直後から建て替えに向けた検討を行ってきました。しかし、街の多くのエリアが浸水域であるうえ、従来の基準を前提に考えると、例えば、土地は3,000平米以上のほぼ四角い形状で、24時間365日中継車が出動できるといった条件の土地はなかなか見つからず、10年近く計画が進まないままとなっていました。
 しかし、建物が築50年を超え、老朽化によるリスクが看過できなくなっていることから、従来の考え方を改め、現在の放送会館に隣接する比較的コンパクトな土地を購入して建て替えを行うこととしました。この土地は浸水域の中にありますが、1階は会議室等を配置することにより、万一浸水しても問題のないようにし、放送機能や電源設備などは2階以上に設置しました。さらに、放送局から徒歩20分ほどの浸水域の外側にコンパクトなサブステーション用地を確保のうえ、小規模のスタジオを設置し、万一の際には、このサブステーションから放送を継続する2拠点方式という新しい考え方で取り組むことにしています。
 次に、基本コンセプトです。
 1点目は、BCPに主眼を置いた「本館とサブステの二元体制による自然災害に強い放送局」です。内容は、先ほどご説明したとおりです。
 2点目は、「視聴者とのタッチポイント」です。津放送局と異なり、高知市は一定規模の人口がありますので、放送会館の屋外スペースに市民が集い、イベント等に活用できる広場を整備し、ここをタッチポイントとしたいと考えています。
 3点目は、「環境にやさしい会館」です。カーボンニュートラルを目指す日本の目標を見据え、積極的に取り組んでいきます。
 土地・建物について、敷地面積は1,079平米で、地上6階程度の建物を想定しています。また、サブステーションの敷地面積は517平米で、地上3階程度の高さを想定しています。いずれもNHK単独で建設します。
 整備スケジュールについて、2022年度には実施設計を行い、2023年度に建築工事を開始し、2024年度にサブステ−ション建物が完成し、2025年度に本館の建物と放送設備の整備を予定しています。
 経費について、本館の土地が約4.9億円、建物に26.5億円程度、放送設備に20億円程度を見込んでいます。サブステーションは、土地が約1.7億円、建物が4.3億円、放送設備に3億円程度を想定しています。
 以上が、新高知放送会館の建設基本計画です。
 先にご説明したとおり、築40年を迎える放送会館はまだ22局残っています。今後も地域性を踏まえ、最適な形とするとともに、コストを抑制しながら早期に建て替えを完了できるように進めてまいります。ご説明は以上です。

 

<伊藤理事 退室>

 

 (3) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (4) 2020年度第4四半期業務報告(データ更新版)(資料)
 (森下委員長)
 報告事項(3)(4)について、特段の質問等がなければ、資料の確認のみで、報告に代えさせていただきます。

 

 

9 視聴者のみなさまと語る会(前橋)開催報告(資料)

 (経営委員会事務局長)
 今年度、初めての実施となる「視聴者のみなさまと語る会(前橋)」を、4月17日土曜日午後1時30分から、群馬県にお住まいの方を対象にオンライン形式で行いました。
 参加申し込みは、ホームページを通じて23組28人の方からいただき、当日は19組23人、30代から70代まで幅広い年代の方にご自宅などから参加していただきました。
 柴田祐規子アナウンサーが司会を行い、経営委員会から井伊雅子委員、高橋正美委員の2人、執行部から松坂千尋専務理事、若泉久朗理事、西村理前橋放送局長の3人が出席し、参加者からの意見を聴き取りました。
 概要や反響等については、報告書の1、2ページに記載しています。
 冒頭、協会の基本方針や重要事項の説明として、井伊委員が、経営委員会の役割やNHKの役割、「NHK経営計画(2021−2023年度)」の概要などについて説明しました。その内容は3、4ページに記載しています。
 意見の聴き取りは、「今のNHKに足りないもの・望むこと」、「地域放送局に求めるもの」をテーマに実施し、「NHK経営計画」、「受信料制度」、「放送・インターネット活用」、「地域放送・サービスのあり方」などについて、多岐にわたる意見や提言が寄せられました。これらは4ページ以降に掲載しています。
 参加者からの事後アンケートの結果と内容は、23ページ以降に記載しています。報告は以上です。

 

<前田会長 退室、松崎理事 入室>

 

 

10 説明会

 (1) 2021年度の営業活動について
  執行部から「2021年度の営業活動」について説明を受けた。

 

<松崎理事 退室>

 

 

11 今後の経営委員会運営について

 (森下委員長)
 今後の経営委員会運営についてです。
 前回に引き続き、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の答申の対応について意見交換を行いたいと思います。
 前回議論して7人の方から一部開示という意見をいただきました。一応多数ということで、その方向で今、整理していますが、最終的には集合形式で皆さんに確認していただきたいと思います。きょうは集合形式でできませんので、前回議論したのをベースに意見を一応まとめましたので、事務局から説明させます。

 

 ※事務局が、一部開示とする場合の経営委員会としての考え方、意見などについて説明した。

 

 (森下委員長)
 監査委員会から後で意見があると思いますが、答申で指摘されたことに対して、経営委員会として今回どういう立場を出していくか。信義則に反することや内部での作成の過程に位置づけられる資料であること、前回までこういう言い方をしていませんでしたので、このポイントを中心に説明していくのがよいのではないかというのが、今のところの整理です。

 (礒山委員)

 いろいろ説明いただき、非常に理路整然と整理されているので、そういった方向でよいのではないかと思います。

 (堰八委員)

 組み立てとしては前回の議論を踏まえて流れとしては非常によいのではないかと思います。先ほど委員長からお話がありましたように、今まで使っていなかった議論の過程で作成した云々、信義則に反するという新しいことばは、われわれの言いたいことを代弁しているようなフレーズだと思います。審議委員会が、要するに全部黒塗りでも一部黒塗りでもよいから出すものは出せということをおっしゃっている中で、結局、例の粗起こしのどこを黒塗りにして出すか、逆に言うとどこを出すかは、今まだ検討しているということですね。

 (森下委員長)

 議事経過を今まで説明してきましたので、議事経過に該当する部分は開示するということです。

 (堰八委員)

 どの部分を黒塗りするかどうかは、今度見たいです。

 (森下委員長)

 先ほどお話したように、現物を見ていただかないといけませんので、最終的に集合型式で見ていただこうと思っています。

 (堰八委員)

 われわれの考え方としては、先ほど説明のあった論旨がよいと思いました。

 (森下委員長)

 いずれにしても、どこが黒くなり、どこが開示されているかは経営委員会の皆さんで確認していただく過程が必要なので、出す前にはやらなければならないと思っています。

 (村田代行)

 内容はわれわれの趣旨を反映してよくまとめていると思うのですが、あえて議論のための反論をすれば、審議委員会がおっしゃっている答申に対してわれわれは反論があるのだけれども、例えばもうすでにわれわれが議事経過を公表してしまっている段階で、非公表という原則は崩れているのではないか。あるいは辞めた人もいるから信義則に反するという議論も、われわれ自身が議事経過を公表した段階でわれわれ自身がある程度信義則を崩してしまっているのではないか。それから、作成の過程に位置づけられる文書であるという議論も、すでにわれわれ自身が部分的に公開していることによって、われわれが反論に挙げる論拠としては成り立たないのではないかという議論に対しては、さらにどういう反論ができるでしょうか。

 (森下委員長)

 議事経過で出しているところは極めて異例だけれども、そこだけは出した。ほかは非公表だから、今回も議事経過で出したところだけを出す。考え方としては、それで通しています。

 (村田代行)

 議事経過をここにいるメンバーで確認して出した段階で、すでに辞めた人に対する信義則に反しているのではないか、という議論が成り立ちませんか。

 (尾崎委員)

 別に今のやり方に反対するわけではありませんが、経営委員会はある意味ではものすごく公式な場所で、その中で公表しないところでの発言でも、いいかげんな発言をする委員はいないだろう、発言したことが後で公開されたら困るような、そんな不見識な人を経営委員に選んでいないだろうという議論に対して、どのようにディフェンスするかは考えておかなければならないというのが一つあります。全部出せという意味で言っているのではないのですが、プライベートな集まりであればそうですが、公的な委員会だから、たとえオフレコであってもきちんと見識のある発言をすべきで、それを公表しないのはいかがなものかと言われたことに対して、どういうふうにこちらの立場を言えるかということ。それと今の話に関係しますが、一回、非公表と委員会で決めても、やはり公表しなさいと言われ、結果として委員会が公表を決めることは、別におかしいことでも何でもなく、委員会で決めて、もう一回再審議して、そして公表することに矛盾はなく、きちんと手続きを踏みました、考えましたと言えばよいと思います。経営委員会というのは当然中身が変わっていくわけですけども、そのときの経営委員会の委員が決めたら、もちろん道義的責任などはいろいろありますが、公表してもかまわないのかなと私は思います。

 (森下委員長)

 前段の話は、答申にも書かれているわけです。要するに非公表でも変な議論をすることはあり得ないだろうというのはそのとおりですが、中身がこうだから出す、出さないではなく、形式論なのです。われわれとしては、訴訟とか人事とかは影響があるので非公表にすると決めているわけです。われわれは中身がどうだということを言っているわけではなく、この項目はこういう性格のものだから非公表にしますという言い方で決めています。だから中身が公表されたら困るという議論よりも、形式論でやっているということです。
 後半の話は、尾崎さんがおっしゃったとおりで、前回はとにかく出さないということで何も出さなかったのです。今回はいろいろ議論した結果、一部開示をしようと方向転換したということです。

 (尾崎委員)

 そうすると議論された中身というのは、ここで言えば訴訟と交渉とかいったものに関するものであるという仕分けをして、非公表になるという説明になるわけですね。

 (森下委員長)

 そうです。ただ答申では、われわれが内規で決めている訴訟や人事といったものは非公表で出せませんと言っていることに対して、それでも事案ごとに開示、不開示を判断すると言っているわけなので、ここでは信義則の話と、内部での作成の過程に位置づけられた資料だという話を今度は新しく主張しているということです。答申は、われわれが言っている内規について否定しているのですが、それに対して、今回はこうですと、少し論点を変えて言っています。

 (長谷川委員)

 まさにそのところですが、先ほど堰八委員がおっしゃったとおり、対象文書は公表する議事録とは異なり、整理・精査されていない内部での作成の過程に位置づけられる資料という言い方が非常にぴったりで中身にも即しているし、だからわれわれはこれを出すことができないという一番の根拠になるところだと思います。
 先ほど尾崎委員がおっしゃった、これは公式の会議であるということにも関わってくると思いますが、だからこそ自分で発言に責任を持つという格好で全員が精査し、議事録として承認するというプロセスを経るわけです。ですから、それを経ていない文書は、ある意味、公的な会議であればあるほど、そういう資料は公開すべきものではないという議論につながるのではないかと思います。

 (村田代行)

 今の皆さんの議論のところで、まさに整理・精査されていないから問題なので、経営委員としての資質を問われるようなレベルの低いことを議論していたのではないということは、審議委員会の答申にもあるわけです。だから、むしろ審議委員会の答申の文言を使ってもよいかもしれないですよね。整理・精査されていないことをわれわれは問題にしているのであって、議論の質が問題ではなかったことは審議委員会の指摘にもあるとおりであるといったように使うこともできますから。

 (高橋委員)

 監査委員会からお話をさせていただきたいのですが、審議委員会の答申はもう出てしまっていますので、NHKが決めた一連のルールに従った議論がなされ、もう結論は出ているという見方をすべきではないかということを言われています。したがって、ここがおかしい、あそこがおかしいというのは、もう答申が出たあとなので、それを覆すのは非常に難しいのです。
 おそれがあるという点について、監査委員会としては申し上げなくてはなりません。読み方によっては、第8条第1項第1号および第2号に基づき不開示とする見解は肯定できないという表現が2回目の答申には入っていますが、それに対して、今までとは違う内容で、先ほど委員長が言われたような内容、最初に経営委員会が言っていたものとは変えて、今回主張を変えて出しています。
 これは読み方ですが、第8条第1項第1号、第2号に基づいて、審議委員会がしっかりこの文書を全部見て、この条項に引っかかることはないという見方を審議委員会がしているとなると、いくら中身を変えても、そもそも経営委員会がこの第1号、第2号に従って反論しても認められない可能性があります。認められないとはどういうことかというと、情報公開規程の中には「審議委員会の出した答申を尊重する」というのがあり、尊重違反になってしまう可能性があるということです。今こういう形で議論が進められていますが、そもそも第8条第1項第1号および第2号に関連して出せないということそのものを審議委員会が否定しているとなると、また別の理由が必要になってきてしまいます。そういう判断をせざるを得ないとなると定款に違反する恐れがあるとなります。この間から申し上げていますが、われわれとしては、そのおそれがあるということになると、皆さまにヒアリングをするなりして、最終的には出た結果を公表しなくてはいけない。
 申し上げているのは、今議論していることが根本からだめだと言っているのではなく、最悪のケースが起こり得ます、それをよくご理解されて議論を進めていただきたいということです。

 (長谷川委員)

 今強調しているのは、これは出せないという議論をわれわれが蒸し返しているのではなく、それはわかりましたということです。なぜこんなに時間かかったかというと、そもそも精査されていない、われわれが責任を持てない文書であるから、こんなに長いこと時間がかかっているということです。それについては、精査されていない、責任を持てないところは黒塗りで処理をさせていただきます、答申は非常によく分かりましたという出し方なら、問題は比較的小さくなるのではないでしょうか。

 (高橋委員)

 当然、監査委員会としては、弁護士との話し合いのうえで動くことになると思います。とても大事な議論をずっとやってきていることは、経営委員として参加していて、よくわかっています。
 ただ先ほどから申し上げているように、どんなものであれ、答申は出ています。その前にいろいろなことは検討されていますし、経営委員会の意図は伝えています。それをしん酌したうえで最終的に結論が出ています。要するに不開示とする見解が第8条第1項第1号、第2号に基づくものは全部だめと言っているのか、そうではないのかは、もう少ししっかり確認していかないとわからないということです。
 監査委員会も調査をすることになれば、そのあたりを全部つまびらかにしていくことになるのですが、あくまでもそういう判断をせざるをえないようなおそれがある議論をしているということについて注意するのが監査委員会としての務めなので、そういうことを申し上げているということです。

 (長谷川委員)

 ややそういう誤解を招き得る部分もあると思いますが、そこをもう一工夫して、今、高橋委員がおっしゃったような懸念を除くような説明をつけることは可能ではないかという気がします。

 (高橋委員)

 あくまで私が申し上げているのは、可能性が非常に高くなるおそれがあり、そうなったときには全く違う論拠が必要になりますということです。
 ただ、違う論拠を出して、例えばマスキングをすることについては、経営委員会として正しい行動であり、どこに出しても論拠が正しければ問題ないということになると思います。

 (森下委員長)

 次回また議論しますが、第8条第1項第1号、第2号で定めていることが全部だめ、基本的に非公表は全部だめということになると少し極端過ぎます。
 いずれにしても、きょうの議論を含めて、次回整理をしていきます。
 ただし、説明や考え方はもちろんですが、現物については、どこを開示し、どこを黒塗りかというのは、全員に確認していただかないといけませんので、集合形式のときにやらざるを得ないのではないかと考えています。そういうことで進めたいと思います。これで経営委員会は終了します。

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2021年7月20日    

森 下  俊 三 

 

 

高 橋  正 美