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第1376回
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2021年5月14日(金)公表
※「9 今後の経営委員会運営について」 は2021年7月23日(金)公表

日本放送協会第1376回経営委員会議事録
(2021年4月20日開催分)

第1376回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1376回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2021年4月20日(火)午後1時から午後5時まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 尾 崎   裕
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 長谷川 三千子
    不 破   泰   水 尾 衣 里 渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 松 坂 専務理事
  板 野 専務理事 児 野 専務理事・技師長 中 田 専務理事
  角   理 事 若 泉 理 事 松 崎 理 事
  田 中 理 事 林   理 事  

 

 

<場   所>
○放送センター  22階経営委員会室
○長野放送局
(※テレビ会議システムにより接続)

 

<議   題>

 

1 視聴者のみなさまと語る会(前橋)登壇者報告

 

2 議決事項

 (1) 2021年度経営委員会委員の報酬について(資料)

 (2) 理事の任命の同意について

 

3 評価・報酬部会

 (1) 2020年度役員目標年間総括ヒアリング

 

4 議事録確認

 

5 委員長報告

 

6 監査委員会報告(資料)

 

7 議決事項

 (3) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

8 報告事項

 (1) 2020年度第4四半期業務報告(資料)

 (2) 視聴者対応報告(2021年1〜3月)について(資料1)(資料2)(資料3)

 (3) NHK情報公開・個人情報保護の実施状況(2020年度)(資料)

 (4) ラジオ中継放送局の開局について(資料)

 (5) 放送センター建替工事 第Ⅰ期工事の契約額変更について(資料)

 (6) 2021年春季交渉の結果について(資料)

 (7) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

9 今後の経営委員会運営について

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員長が経営委員会の開会を宣言。

 

 (森下委員長)
 本日の経営委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本部と長野放送局をテレビ会議システムで接続しての開催となります。なお、皆さまには、マスクを着用のうえ、座席の間隔をとって出席いただいています。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

 

1 視聴者のみなさまと語る会(前橋)登壇者報告

 4月17日にオンライン方式で開催された「視聴者のみなさまと語る会(前橋)」に登壇した井伊委員、高橋委員から報告を受けた。

 

 

2 議決事項

 (1) 2021年度経営委員会委員の報酬について(資料)

 ※議事に先立ち、評価・報酬部会を開催し、2021年度経営委員会委員の報酬について、審議を行った。

 (森下委員長)
 2021年度経営委員会委員の報酬について、高橋評価・報酬部会長から、評価・報酬部会の審議結果を報告いただきます。
 (高橋委員)
 2021年度経営委員会委員の報酬について、お諮りします。
 お手元にあります議案書「2021年度経営委員会委員の報酬について(案)」をご覧ください。表紙に続き、2枚目に「経営委員会委員報酬支給基準」、3枚目に別表として報酬額を記載しています。
 評価・報酬部会としては、昨年度と同じ報酬額で提案します。第1375回経営委員会(2021年4月6日開催)で、役員報酬を前年度と同額で議決しています。経営委員会委員の報酬は、役員報酬と同様に、これまで段階的に減額してまいりましたが、今年度についても、役員報酬と同等の対応をするのが適当だと考えています。
 また、他の公共性の高い企業や法人との比較、昨今の経済状況を踏まえましても、昨年度と同額とすることは妥当であり、十分説明責任を果たすことができると考えています。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

<前田会長 入室>

 

 (2) 理事の任命の同意について

 (前田会長)
 定款第41条第3項の規定により、本年4月25日付けで、板野裕爾を理事に再任し、新たに、児玉圭司、伊藤浩の2名を理事に任命いたしたく存じます。ご同意いただきたく、ご審議をお願いします。
 今回の人事にあたり、私の考え方を申し上げます。
 経営委員会の皆さまに議決いただきました今年度の予算・事業計画は、衆参両院でいずれも賛成多数により承認されました。また、キーコンセプトに「新しいNHKらしさの追求」を掲げた2023年度までの新しい中期経営計画が、この4月からスタートしました。
 こうした中で、今回の執行部人事にあたりましては、新しい中期経営計画のもとで、あらゆる既存業務を抜本的に見直して、「スリムで強靭なNHK」へと生まれ変わるという大改革を成し遂げるために、改革を推進する高い意欲と実行力を兼ね備えた人材を、適材適所で起用したいと考えています。また、改革の実行にあたって、さまざまな意思決定をより迅速に行えるよう、理事と現場の局長を一部兼務させるなど、組織のフラット化も進めたいと考えています。
 それでは、今回、経営委員の皆さまに任命のご同意をいただきたい一人ひとりについて、ご説明をさせていただきます。
 まず、再任となります板野裕爾は、報道局経済部の記者出身で、会長特命プロジェクトの担当役員として、豊富な経験を生かし多岐にわたる改革の提言を昨年度短期間でとりまとめてくれました。今後の業務執行にあたり、各種の改革を着実に実行していくために、さらに再任が必要だと判断しました。板野には、引き続き、新放送センター業務統括として放送センターの建て替えを担当してもらいます。
 新任となります児玉圭司は、技術分野の専門家として技術局専任局長や情報システム局長などを経て、現在は技術局長を務めています。現在建設を進めています新情報棟の設備整備をはじめとした各種建設計画の策定にあたって、経費の削減に十分配慮した内容となるようリーダーシップを発揮してきました。技術統括と情報システム・セキュリティ統括として、「スリムで強靭なNHK」の実現に向けて、その専門知識と能力を一層発揮してもらいたいと考えています。
 同じく新任の伊藤浩は、記者出身で社会部長やテレビニュース部長、報道局編集主幹などを経た後、静岡放送局長や総務局長を歴任し、現在は経営企画局長を務めています。地域放送局長を含む幅広い業務経験に加え、昨年は、会長特命プロジェクトのとりまとめ役として、提言の策定に中心的な立場として深く関わってもらい、私が進める改革の内容を熟知しています。伊藤には、経営企画統括補佐と財務・経理統括補佐を担当させるとともに経営企画局長も兼務させて、一連の改革を中核的立場で推進してもらいたいと考えています。
 以上が、理事としてご同意いただきたい3名の紹介です。いずれも私が取り組む改革の方向性や新しい中期経営計画の内容を十分に理解しており、改革の遂行には必要なメンバーだと思っています。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

 (井伊委員)

 経営委員会でも何度か申し上げていますが、日本のダイバーシティの大きな問題は年齢だと思っています。
 今度新しく加わる2人の方は昭和30年代生まれなのに、板野さんが昭和20年代生まれの方というのは、せっかく若い方たちの登用など積極的な取り組みを会長がされていて盛り上がっているところに、若い方たちの士気を下げてしまうのではないでしょうか。
 あえてなぜ年齢の高い方に、今この時期にあえてセカンドチャンスを与えようとされているのか、少し方向性が見えないなと思いました。

 (前田会長)

 私が76歳で、副会長が60歳です。私と副会長の間が15年ぐらい空いていて、今回任期を迎えた3人の専務理事はその間にいる方々です。年齢構成という観点から、一挙に若返らせるという手もありますが、板野専務理事に関しては、改革の中心のところをずっと請け負ってこられました。そのまま外してしまうと、年代的にも完全に私と次の世代とがものすごく離れて、ここはあまり飛ばし過ぎるのはいけない。しかし、3人を残してしまうと、今度は若返りがうまくいかないという、年齢的な悩みがあり、結果的には中心になって実際やってきた方にもう一回やってもらおうと考えました。

 (森下委員長)

 不破委員、ご意見はありますか。

 (不破委員)

 会長の説明でよく分かりました。なぜ再任と新任がこのような組み合わせになったのか理解できたので、特に意見はございません。

 (森下委員長)
 それでは、ここからは経営委員のみで審議します。前田会長には一度、ご退席をお願いします。

 

<前田会長 退室>

 

 (森下委員長)
 それでは、「理事の任命の同意」について、経営委員のみで審議のうえ、採決を取りたいと思います。あらためてご意見をお伺いします。

 (長谷川委員)

 板野専務理事については、まだ仕事が済んでいないだろうという意味合いを含めての再任ではないかと、私自身はそのように感じました。ご説明を伺って、あらためて納得しました。

 (礒山委員)

 前田会長がこの場で考え方を説明されたので、任命の理由が分かりましたが、株主総会の取締役候補案でも必ず取締役に選任する理由が書いてあります。そのくらいのものは資料として事前に送っていただかないと、なかなか判断がつかない面もあります。

 (尾崎委員)

 前田会長は、いわゆるCEOとしてNHKの経営全般で責任を持って取り組むという思いから、そのCEOとして自分のキャビネットをつくって、そこで自分の責任を果たすために必要な人材を任命するということなので、もちろん絶対だめだという確信があれば反対しますが、そういうのがないのであれば、前田会長の言う体制でやっていただいたらよいと思います。その代わりに、ある意味では責任も取ってもらうことになるのですから、前田会長がおっしゃった体制で特に問題はないと私は思います。

 (明石委員)

 礒山委員がおっしゃったとおりだと思います。人事は透明性も非常に重要だからこそ、経営委員会が同意するという立てつけになっていると思います。

 (森下委員長)

 不破委員、よろしいですか。

 (不破委員)

 異議ございません。

 (森下委員長)
 それでは、「理事の任命の同意」について、経営委員会規程第6条にのっとり、採決を行いたいと思います。採決は、提案があったお一人ごとに行いたいと思います。
 なお、採決の結果については公表します。
 まず、再任の板野裕爾氏について、賛成の方、挙手をお願いします。
 (10名が挙手)
 (森下委員長)
 反対の方は、井伊委員と渡邊委員ですね。
 採決の結果、賛成10票、反対2票となりました。
 経営委員会規程第6条により、出席者の過半数が賛成となりましたので、板野裕爾氏の理事の任命の同意については、賛成多数で議決されました。
 次に、新任の児玉圭司氏について、賛成の方、挙手をお願いします。
 (12名が挙手)
 (森下委員長)
 採決の結果、全員賛成となりました。
 それでは、児玉圭司氏の理事の任命の同意については、全員一致で議決されました。
 次に、新任の伊藤浩氏について、賛成の方、挙手をお願いします。
 (12名が挙手)
 (森下委員長)
 採決の結果、全員賛成となりました。
 それでは、伊藤浩氏の理事の任命の同意については、全員一致で議決されました。

 

 採決の結果、理事の任命について、原案どおり同意することを議決。

 

 (森下委員長)
 それでは、前田会長をお呼びして、採決の結果を伝えたいと思います。

 

<前田会長 入室>

 

 (森下委員長)
 それでは、前田会長にお伝えします。
 先ほど、前田会長から提案のありました「理事の任命の同意について」は、経営委員で審議のうえ、採決しました。
 板野裕爾氏については、賛成10票、反対2票の賛成多数で議決されました。
 児玉圭司氏については、賛成12票の全員一致で議決されました。
 伊藤浩氏については、賛成12票の全員一致で議決されました。
 前田会長から、新しい体制での執行部役員の担務について、報告をお願いします。
 (前田会長)
 ご同意ありがとうございます。
 ここで、専務理事についてご報告します。
 定款第38条第2項の「理事のうち、会長の指名する若干人を専務理事とする」という規定に基づき、引き続きまして松坂と板野を専務理事に、また、新たに大阪駐在の角英夫を専務理事に指名します。
 角専務理事には、引き続き大阪の統括、西日本のBCP強化担当として、大阪拠点放送局長も兼務してもらいます。
 次に、役員の担当ですが、NHKの業務を総理する会長は、全体統括、人事制度改革統括、財務・経理統括、グループ経営改革統括に加えて、協会の屋台骨を支えている「訪問によらない営業活動」を全協会的に推進するために、営業改革統括も担当します。
 次に、正籬副会長には、引き続き会長補佐、秘書業務統括、放送総局長として放送統括、デジタル業務統括、2020東京オリンピック・パラリンピック業務統括を担当してもらいます。また、担当部局に4月1日付けでスタートしました戦略オペレーション室を加えます。
 松坂専務理事には、引き続き経営企画統括、関連事業統括、グループ経営改革統括補佐を担当してもらいます。
 若泉理事には、引き続き放送総局副総局長として番組制作を、また、デジタル業務統括補佐を担当してもらいます。
 松崎理事には、事業統括と営業統括に加えて、視聴者業務統括として視聴者総局長を、また、営業改革統括担当補佐を担当してもらいます。
 小池理事には、引き続き放送総局副総局長として報道と国際放送を、また、デジタル業務統括補佐を担当してもらいます。
 田中理事には、引き続き内部監査業務統括、考査業務統括、コンプライアンス統括を務めてもらうとともに、広報統括、視聴者総局副総局長として視聴者業務を補佐してもらいます。
 林理事には、人事・労務統括、ダイバーシティ推進統括、人事制度改革統括補佐に加えて、今回新たに総務統括を担当してもらいます。
 残る3人につきましては先ほどご説明したとおりで、児玉理事については技師長とします。
 以上の役員構成で全員が一丸となって経営課題に取り組み、視聴者・国民の皆さまの信頼と期待に応えてまいりたいと思います。経営委員会の皆さまには、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 

<前田会長 退室>

 

<正籬副会長、松坂専務理事、角理事、若泉理事、松崎理事 順次入室>

 

 

3 評価・報酬部会

 (1) 2020年度役員目標年間総括ヒアリング

 正籬副会長、松坂専務理事、角理事、若泉理事、松崎理事に対して、2020年度役員目標年間総括ヒアリングを実施した。

 

<正籬副会長、松坂専務理事、角理事、若泉理事、松崎理事 ヒアリング終了後、順次退室>

 

<前田会長 入室>

 

 

4 議事録確認

 第1375回(2021年4月6日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2021年4月23日に公表することを決定した。

 

 

5 委員長報告

 (森下委員長)
 本日、2021年度経営委員会委員の報酬について、評価・報酬部会からの議案を受け、昨年度と同額で議決しました。私からは以上です。

 

 

6 監査委員会報告(資料)

 (高橋監査委員)
 2020年度の「経営委員会委員の服務に関する準則」の遵守についてご報告します。
 「監査委員会活動結果報告書」をご覧ください。
 監査委員会は、4月6日開催の第1375回経営委員会の際に、放送法、定款および監査委員会規程等に基づき、経営委員会委員の皆さまに対して、「経営委員会委員の服務に関する準則」の遵守について、確認書の提出を求めました。
 2020年4月1日から2021年3月31日までの間の経営委員会委員の業務執行について、経営委員会委員全員から、それぞれ当準則に基づき行動したとの確認書を受領しました。
 また、次のページは、「確認書」の書面です。「日本放送協会令和2年度業務報告書」に添える監査委員会の意見書に記載する予定です。報告は以上です。

 

<正籬副会長 入室>

 

 

7 議決事項

 (3) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (正籬副会長)
 中央放送番組審議会委員について、次のとおり委嘱を行いたいと思います。定款第69条第2項の規定により、経営委員会の同意を得ることとなっています。
 新規委嘱が二人です。お一人が30代、もう一人が20代です。
 一人目は、株式会社Blanket代表取締役の秋本可愛氏、30歳です。秋本氏は、大学在学中の曽祖母の介護経験をきっかけに認知症予防のフリーペーパー発行に携わり、大学卒業後に現在の株式会社Blanketを設立され、若者に介護への関心をもってもらうための活動や、介護分野で若者が活躍できる環境づくりに取り組まれています。
 二人目は、株式会社AMF代表取締役社長の椎木里佳氏、23歳です。椎木氏は、中学校3年生のときに、中学生・高校生向けの商品やブランドをプロデュースする株式会社AMFを設立されました。現在、起業家・経営者として幅広く活躍するとともに、若者が夢や希望の持てる社会の実現にむけた提言や情報発信にも尽力されています。
 なお、委員の選定にあたっては、社会の各分野や男女、年令等の属性を総合的に勘案し、調和のある構成となるよう努めています。
 このお二人は、いずれも5月1日からの任期となります。
 なお、今井忠氏は任期満了のため、2021年3月31日付けで退任されました。説明は以上です。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

<正籬副会長 退室、松坂専務理事 入室>

 

 

8 報告事項

 (1) 2020年度第4四半期業務報告(資料)

 (松坂専務理事)
 「2020年度第4四半期業務報告」について、ご報告します。
 これは、放送法第39条第4項の「会長は3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を経営委員会に報告しなければならない」という規定に基づいて行うものです。
 今回は、3月までの3か年経営計画の最終四半期となります。まず、2020年度の取り組みについてご報告した後、3か年の事業運営の総括について、ポイントを絞ってお話しします。お手元の冊子に沿ってご説明します。
 2ページから8ページが、2020年度の概況です。冒頭に全体の総括、続いて5つの重点方針ごとの総括と今後の取り組みについて記しています。
 まず、2ページの下、「重点方針1.“公共メディア”への進化」です。新型コロナウイルスについては、関連するニュース・番組を視聴者のみなさまの関心に応じて多角的に発信したことや、3ページの上に特設サイトが極めて高い関心を集めたこと、東日本大震災10年にあたる3月11日の前後には、さまざまな伝送路を活用して、震災の教訓や復興の課題を伝えたことなどを記載しています。
 4ページの中ほどから下の今後の取り組みでは、新型コロナウイルスのワクチンの接種状況など、視聴者のみなさまの関心にきめ細かく応える情報発信を続けていくことや、幅広い世代に支持されるコンテンツの開発や機動的な編成に取り組んでいくことなどを記しています。
 続いて、「重点方針2.多様な地域社会への貢献」です。
 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、各放送局が地域を応援する番組や企画に積極的に取り組んだことや、地元民放と連携した新型コロナウイルス関連のキャンペーンに取り組んだことを記しています。
 「重点方針3.未来へのチャレンジ」です。
 3月にスタートした聖火リレーについて、特番の放送とともにインターネットのライブストリーミングを開始したことや、6ページに、8Kの技術を駆使して国宝や貴重な文化財を立体CG化する取り組みなどについて記しています。
 6ページ中段から7ページにかけては、「重点方針4.視聴者理解・公平負担を推進」です。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、年度初頭から全国的に訪問活動を停止したことなどにより、支払い数は81.6万件、衛星契約は16.3万件の減少となったこと、10月から2.5%相当の受信料の値下げを行い、視聴者のみなさまへの周知・広報に努めたことなどを記しました。
 続いて、7ページから8ページが、「重点方針5.創造と効率、信頼を追求」です。
 「新しいNHKらしさの追求」をキーコンセプトとし、550億円規模の支出削減や受信料値下げの方針などを盛り込んだ「NHK経営計画(2021−2023年度)」を経営委員会の議決を受けて公表したことや、人事制度改革の全体像をとりまとめ、全職員に周知したことなどを記しています。
 9ページです。2020年度の特筆すべき取り組みとして、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、命を守る行動を呼びかけるキャンペーンを行ったことや、学校の休校措置を踏まえ、インターネットコンテンツを提供したことなどを記しています。
 10ページです。東日本大震災から10年の取り組みとして、3月11日を中心に震災関連の「NHKスペシャル」などを集中編成したこと、民放キー局5社と協力して実施した防災プロジェクトなどについて記しています。
 11ページは、経営計画の進捗などを測る経営14指標についてです。
 半期ごとに世論調査を実施していますが、12ページに、ことし1月の調査結果を掲載しています。今期は、「多角的論点の提示」の期待度と実現度の差に有意な改善がみられました。その他は、去年1月や7月の調査と統計的に有意な変動はありませんでした。
 13ページから20ページは、データを中心に分析した今期の状況です。
 14ページと15ページは、3月に行った放送・サービスについての調査結果です。
 14ページは、質的指標の評価です。国内放送については、いずれのチャンネルでも有意に変動した項目はありませんでしたが、前年同期と比較すると全般に改善傾向にあります。一番直近のものは実線で書かれており、点線で示す前のものより質の評価が全体的に上がっていることがわかります。
 15ページは、量的指標の評価です。総合テレビの接触者率は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がり始め、ニュースなどがよく見られた前年同期には及びませんでした。インターネットサービスは新型コロナウイルス関連などを中心にご利用いただき、NHKプラスは「NHK紅白歌合戦」を初めて常時同時配信したことなどによって、前期よりも利用が増加しました。
 16ページ、中央番組審議会の意見については、5月17日の審議会の後、まとまり次第、あらためてご説明します。
 17ページは、国際放送の放送・サービスの状況です。ロサンゼルスでのリーチ率について、有意な改善が見られます。
 18ページには、国際放送番組審議会での意見を掲載しています。外国人の目から見た日本の暮らしをユーモラスに描いたオリジナルホームドラマなどに評価をいただいています。
 19ページには、放送技術の経営計画への貢献度を示す指標について記載しています。それぞれの重要度と、それに対する評価を示していますが、すべての指標で改善しており、コロナ禍でもリモート制作など技術的な工夫でコンテンツをお届けしたことなどが評価されたものと考えています。
 20ページには受信契約の状況について、まとめて掲載しています。
 以上が、「2020年度第4四半期業務報告」のご報告です。
 23ページ以降は、2018年度からの3か年経営計画についての総括です。
 25ページに「3か年の総括」をまとめ、26ページ以降に5つの重点方針ごとの主な成果を記載しています。
 25ページの総括の記載で、ポイントをご説明します。
 5つの重点方針のうち、「1.“公共メディア”への進化」については、放送、インターネットなど多様な伝送路を活用して、激甚化・広域化する自然災害に対応した防災・減災報道の強化を図ったことや、新型コロナウイルスの感染拡大に関する正確な情報提供、NHKならではのスケール感ある大型番組の制作に取り組んだことなどを記しています。また、2020年4月からサービスを本格的に開始したNHKプラスは、“公共メディア”への進化に向けて大きな一歩になったと考えています。
 「重点方針 2.多様な地域社会への貢献」については、地域放送局を支援する新たな組織を本部に設置し、8つの放送局を拠点放送局と位置づけ、ブロック経営を強化・推進しました。結果として、地域に関する評価指標は3年前と比較してすべての項目で改善がみられています。
 「重点方針 3.未来へのチャレンジ」です。
 東京オリンピック・パラリンピックが延期されたため、最高水準の放送・サービスの提供は、2021年度に持ち越すことになりました。新型コロナウイルスの感染拡大状況などを注視しながら、放送・サービスの内容や制作体制を検討しています。また、最新技術を活用したユニバーサル放送・サービスの開発も進めました。
 「重点方針 4.視聴者理解・公平負担を推進」については、2018年に中長期の見通しを踏まえて経営計画を修正し、負担軽減策に加えて受信料の値下げを行って、視聴者のみなさまへの還元を実施しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、経営計画で掲げた目標は達成できませんでしたが、今後は訪問によらない営業活動へ移行し、公平負担を徹底しつつ営業経費を削減するとともに、視聴者のみなさまの満足度を高める視聴者コミュニケーション改革を進めてまいります。
 続いて、「重点方針 5.創造と効率、信頼を追求」です。
 「NHKグループ働き方宣言」に沿って、業務に関わるすべての人の健康の確保やコンプライアンス強化、ダイバーシティ施策の推進に取り組みました。新放送センターの建設については、基本設計を策定し、設備についてはNHK独自の仕様の見直しなどに取り組んでいます。関連団体については、再編による新たなグループ体制の構築を進め、今後は中間持株会社の導入を視野にさらなるガバナンス強化を図っていきます。
 3か年の成果や課題を踏まえて構造改革の取り組みをさらに具体化し、グループ一体となって「NHKでしかできないこと」に注力し、2021年度からの経営計画に掲げた「新しいNHKらしさの追求」につなげてまいります。
 最後に、経営計画の達成度を測る「経営14指標」の3か年の推移についてご説明します。
 29ページです。3年前との比較では大きな変動はみられませんでしたが、「公平・公正」、「正確・迅速な情報提供」、「世界への情報発信」、「インターネットの活用」について、期待度がやや高まる一方、実現度が横ばいで推移したため、期待・実現差が拡大しました。一方、「多角的論点の提示」については、実現度が高まったことで、期待・実現差が縮小しています。ご説明は以上です。

 

<松坂専務理事 退室、田中理事 入室>

 

 (2) 視聴者対応報告(2021年1〜3月)について(資料1)(資料2)(資料3)

 (田中理事)
 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、2021年1月から3月分をとりまとめました。放送法第39条第4項に基づき報告します。
 資料の3ページです。視聴者のみなさまから寄せられた意見・要望への対応状況です。
 視聴者からの「意見・要望」、「問い合わせ」、「その他」をあわせた、「視聴者の声」の総数は、1月から3月までの3か月間で87万5,418件です。これは、前の年の同じ時期に比べて10%、およそ9万9,000件少なくなっています。
 このうち、図表の左側の黄色い部分は、放送、営業、受信相談の各ふれあいセンターと本部の各部局、全国の放送局が受け付けた「意見・要望」の数で、あわせて12万3,587件でした。このうち、90%にあたる、およそ11万件については、それぞれのふれあいセンターの一次窓口や部局・放送局でお客さまに説明し、ご理解をいただきました。ふれあいセンターで受け付けた、残りの1万2,710件は、二次対応として、放送の該当部局や、担当地域の営業部や受信相談窓口で回答や説明など行いました。
 下のグラフは、「視聴者の声」の分野別の内訳と件数です。
 4ページです。分野別に概要をご説明します。
 まず、放送番組に寄せられた「視聴者の声」の概要です。
 左の円グラフは、放送番組に関して寄せられた意見や問い合わせの内訳です。放送内容に関するものが35%、放送予定に関するものが17%、出演者に関するものが12%などとなっています。
 次に、右の円グラフは、ご意見などをEPGデータ(電子番組表)に基づいて番組のジャンル別に集計したものです。ニュース・報道番組が最も多く32%、ドキュメンタリー・教養番組が14%などとなっています。
 次は、受信料に関係する声の概要と対応です。
 受信料に関しては、全体で48万9,000件あまりの意見や問い合わせが寄せられました。ふれあいセンターの営業担当窓口で受け付けた意見や要望はおよそ7,600件、このうち62%は一次窓口で速やかに対応が完了し、残りは担当地域の営業部・センターが対応しました。
 いただいた声の大半は、受信料の契約や住所変更の手続きなどの問い合わせでした。
 5ページです。技術・受信相談に寄せられた意見の概要と対応です。
 1万329件の意見や問い合わせの内訳は、受信不良の申し出が6,748件、技術相談は3,581件でした。受信不良の申し出については、約半分の51%が一次窓口で対応を完了し、残りは訪問による二次対応で改善の指導や助言などを行いました。
 続いて、経営への意見です。
 NHKの経営に関する意見や問い合わせは、1,170件でした。
 2月に不祥事に関する意見が多く寄せられたことなどもあり、前の年の同じ時期に比べますと、600件あまり増えています。
 一番下は、インターネット活用業務に寄せられた声です。3万4,281件の問い合わせや意見が寄せられました。このうち78%が、去年4月から本格実施した「NHKプラス」に関するものでした。内容は、IDの登録方法などに関する問い合わせが多くありました。
 この登録方法などについては、ご利用案内ページの説明を充実させたり、登録しやすくするための機能を新たに追加したりするなど、随時、改善を重ねています。
 6ページからは、視聴者のみなさまからいただいた意見・要望への具体的な対応事例です。
 一つ目は、新型コロナウイルスへの報道現場の対応です。
 感染拡大に歯止めがかからず、深刻な状況が続く中、NHKは新型コロナウイルスに関するニュースや番組制作に引き続き力を注いできました。
 このうち、「NHKニュース おはよう日本」では、1月に視聴者のみなさまの疑問・質問に答えるコーナーを充実させるため、専門のチームを編成しました。ホームページなどを通じて質問を募ったところ、1,000件を超える質問が寄せられ、随時、専門家などの解説を交えて番組で分かりやすく回答しました。
 7ページです。公共メディアキャンペーン「いま、学びを守ろう。」の取り組みです。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、子どもたちの教育機会の格差が拡大している現実を踏まえ、1月からキャンペーンを展開しました。
 このうち、「ハートネットTV」では、子どもたちの現状を取材し、今後どのような取り組みが必要か、子どもたちの意見も聞きながら議論しました。特別番組「学びたいのに学べない」では、格差の実態と課題をデータで明らかにし、解決策を探りました。
 このほか、多くの関連番組を地域放送局も含めて制作してお届けしました。
 8ページです。バーチャルやオンラインを使った新しい学びを支援する取り組みです。
 NHK放送センターのハートプラザでは、年間およそ1,700人の中学生・高校生のみなさまが放送の現場を体験する形で学習をしてもらう活動を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現在はこの活動ができない状況になっています。そこで3月、オンラインでの「バーチャル訪問学習」の新しい試みを行いました。
 また、小学5・6年生を対象に、インターネットの情報の受信や発信を含めて、子どもたちにメディアについて学んでもらう「メディア・リテラシー教室」を試験的に開催しました。全国4つの小学校とNHK放送博物館をオンラインでつなぎ、「画像や映像の狙いを読み解こう!」というテーマに挑戦してもらいました。
 いずれの取り組みも大変好評で、公共メディアNHKを理解していただくために重要な活動と考えており、今年度から本格的にスタートさせ、子どもたちの学びを支えていきます。
 9ページです。誤記・誤読などの指摘への対応です。
 視聴者のみなさまからいただいたご指摘は、番組担当者に連絡し対応を求めるとともに、再発防止のため、放送関係の各部局で構成する放送倫理連絡会などでも周知し、注意を促しました。
 10ページです。2020年度の意見・問い合わせの総数と内訳です。
 2020年度は、あわせて311万2,400件あまりの意見・問い合わせをいただきました。新型コロナウイルスの感染防止対策で、電話窓口の業務や営業活動を縮小したことなどもあり、前年度に比べますとおよそ65万件、少なくなっています。ご説明は以上です。

 

 (3) NHK情報公開・個人情報保護の実施状況(2020年度)(資料)

 (田中理事)
 2020年度の情報公開と個人情報保護の実施状況について、ご報告します。
 資料の1ページ、「情報公開」です。
 2020年度は43人の方から219件の「開示の求め」を受け付けました。前年度の3倍強の件数です。NHKの情報公開の仕組みが始まって、ことしで20年となりますが、これまでで3番目に多い年となりました。分野ごとでは、「経営」62件、「放送」51件、「営業」68件などとなっています。
 2ページです。2020年度に判断を行った件数は、前年度からの繰り越し分も含めて、217件でした。内訳は、「開示」48件、「一部開示」31件、「不開示」111件、「対象外」27件でした。
 「不開示」111件のうち、「文書不存在」は83件でした。また、「対象外」は、NHKの情報公開制度で番組編集の自由を確保する観点から「開示の求め」の対象外とした「放送番組の編集に係る文書」です。
 3ページには、受け付けた「開示の求め」の中から主なもの、5件の内容と判断結果を記載しています。
 4ページ、「再検討の求め」についてです。
 視聴者から受け付けた「再検討の求め」は44件でした。視聴者からの「再検討の求め」を受けた、第三者機関の情報公開・個人情報保護審議委員会の審議状況です。委員会は21回開催し、新たに20件を諮問しました。前年度からの継続分も含めて、22件の答申を得ています。
 NHKの「当初判断が妥当」とされたのが17件、当初判断の「一部開示ではなく開示が妥当」とされたのが5件です。
 5ページ、答申を得た案件の内容を示しています。
 「2018年4月24日『クローズアップ現代+』や日本郵政グループについて、NHK経営委員会で行われた議論の分かる一切の資料」など2件、6ページの下から5番目からの「2018年4月24日『クローズアップ現代+』や日本郵政グループについて、NHK経営委員会で行われた議論の分かる一切の資料」など3件は、「一部開示ではなく開示が妥当」という答申となりました。それ以外はNHKの「当初判断が妥当」としています。
 答申を受けて、「一部開示ではなく開示が妥当」とされた5件の答申のうち、「*(アスタリスク)」のついた5ページの2件については経営委員会で検討・判断し、その結果をNHKとして請求者に連絡しました。
 「当初判断どおり」とされた17件について、NHKは答申のとおり最終判断を行いました。
 7ページ、「個人情報保護」についてです。
 NHKが保有する「個人情報の漏えい」は、2020年度は1件でした。これは、長野放送局で実施した8K映像の上映会の追加公演のご案内を視聴者あてにメールで送信した際、214人分のメールアドレスが表示された状態、いわゆるCC(カーボンコピー)の状態で送信したという事案です。メールを受信した視聴者からの問い合わせで明らかになりました。関係する視聴者の一人ひとりに、お詫びのメールを送り、当該メールの削除をお願いしました。加えて、追加公演の上演開始前に、会場で直接お詫びしました。あらためて、すべての職員に向けて注意喚起を行うとともに、万一同様の案件が発生した場合に、適切な対応を取ることを各部門のリスクマネジメント推進担当者に求めました。
 この件については、認定個人情報保護団体SARC(一般財団法人放送セキュリティセンター)を通じて総務省へ報告しています。なお、二次被害等は確認されていません。
 「個人情報の滅失・毀損」はありませんでした。
 8ページです。2020年度、NHKが保有する個人情報の「開示等の求め」の受付件数は11件でした。前年度に受け付けた「求め」も含めた判断結果の内訳は、「開示」4件、「内容の追加実施」1件、「一部開示」1件、「不開示」6件です。
 「一部開示」1件と「不開示」5件は、お求めの個人情報が存在しないため開示することができませんでした。また、「不開示」の残る1件は、保存期間の5年を経過したことに伴い、廃棄したため開示することができませんでした。
 個人情報保護に係る「再検討の求め」は5件あり、5件ともNHK情報公開・個人情報保護審議委員会に諮問しました。このうち4件の答申をいただきました。4件とも「当初判断どおり不開示が妥当」という答申です。なお、1件は、審議を2021年度に継続しました。
 答申をいただいた4件について、NHKは答申のとおり最終判断を行いました。ご説明は以上です。

 (不破委員)

 長野放送局で生じたメールの個人情報漏えいについて、今後に向けて、具体的にどのような漏えい防止策を立てているのか、決まったものがあれば報告をお願いします。

 (田中理事)

 すべての放送局や部局で、複数の外部の方にメールを送信する場合には、メーリングリストを作成してメールアドレスの漏えい防止を図っていくことなどを考えています。
 また、イベントの参加募集等においては、事業センターが専用のシステムを整備していますので、このシステムを使って個人情報が漏えいしないような形で応募者にご連絡するという運用を、あらためてそれぞれの放送局に周知をしているところです。
 このような取り組みをしっかりやること、また、心がけていても送信ミスが起こってしまい漏えいした場合には、どのように漏えいしたかや、個人情報の形態も含めて、適切にリスク管理をしていく必要があると考えています。この業務については、リスク管理室が責任を持って相談に乗っていきます。万が一漏えいが起きた場合は、一刻も早く連絡をいただき、まず状況等を確認しながら適切な対応策を取っていくことを、リスクマネジメント推進担当者とあらためて共有を図ったところです。

 (不破委員)

 法人における情報漏えいについて、CSIRT(情報セキュリティにおけるインシデント対応)の体制整備は強く求められています。引き続きの対応をお願いします。

 

<田中理事 退室、児野専務理事・技師長 入室>

 

 (4) ラジオ中継放送局の開局について(資料)

 (児野専務理事・技師長)
 ラジオ中継放送局の開局についてご報告します。
 2020年11月から2021年3月までの間に、ラジオ中継放送局3局を開局しました。3局ともラジオの受信改善を目的としたもので、FM波を利用します。本件については、2019年4月23日の第1328回経営委員会で議決をいただいています。この開局により、約1万200世帯でラジオの受信状況が改善されることになります。スペックや場所等は参考資料をご参照ください。説明は以上です。

 (森下委員長)

 ほかに開局しないといけないところは残っているのですか。

 (児野専務理事・技師長)

 現在、中継局を5局ぐらい検討中です。そのほかに基幹局も5局ほど残っています。現行制度では、中継放送局にFM波を使うことは認められていますが、基幹放送局での使用は認められていません。現行制度の改正を求めていくと同時に、技術的にもほかの方策がないか検討しています。

 (井伊委員)

 場所にもよると思いますが、開局やメンテナンスにはどのぐらいの費用がかかりますか。

 (児野専務理事・技師長)

 今回の3局には2.6億円かかります。放送局の規模によっても違いますが、1局つくるのに数千万円から1億円ぐらいかかります。

 (井伊委員)

 メンテナンス費用はどうですか。

 (児野専務理事・技師長)

 これまでつくった局と同じように、定期的にメンテナンスをしていきますので、同等の費用が必要となります。

 

<児野専務理事・技師長 退室、板野専務理事 入室>

 

 (5) 放送センター建替工事 第Ⅰ期工事の契約額変更について(資料)

 (板野専務理事)
 放送センター建替工事第Ⅰ期工事の契約額の変更についてご報告します。
 基本設計に基づき、防災・減災報道の強化のために、情報棟屋上に緊急時対応のヘリポートを設置することや、詳細な実施設計を行った結果、第Ⅰ期工事の契約額を変更することになりました。今回、20億円あまりの変更となりますので、その内容についてご報告します。
 竹中工務店・久米設計 設計施工共同企業体と、2018年4月に当初契約した際の契約額は573億円でした。今回の変更により、契約額は22億7,000万円増えて、595億7,000万円になります。金額はいずれも税抜きです。
 工事契約額は増えることになりますが、第Ⅰ期工事で想定していた建設費600億円の範囲内におさまっています。
 詳細な設計を行った結果、当初契約時から費用が増えた項目がある一方で、費用を削減できたものもあります。主に3つの項目です。
 一つ目はヘリポートの追加です。
 情報棟は大規模災害時に、情報棟単独でも情報発信の拠点となるよう機能を整備しますので、本来、非常時に利用するヘリポートは情報棟の屋上にあることが望ましいです。しかし、建て替えの基本計画をまとめた時点やJVと当初契約を結んだ時点では、情報棟の屋上にヘリポートを設置できるかどうかはっきりしなかったため、第Ⅱ期以降の工期で建設する制作事務棟の屋上を設置場所の第一候補としていました。
 その後、情報棟の建物の設計ができあがる中で、情報棟の屋上に送信アンテナ用の鉄塔を建てなくても、東京スカイツリーに電波を送信できる高さを確保できること、航空局との協議の結果、ヘリコプターの離着陸の飛行ルートを確保できることがわかったことから、情報棟の屋上の鉄塔の建設をとりやめて、ヘリポートを設置することにしました。
 いわば、第Ⅱ期以降に建設する予定だった部分を、第Ⅰ期に前倒して整備することにしたものです。
 二つ目は、敷地の緑化率を達成するために既存の樹木を保存することになり、そのために増えた費用などです。
 三つ目は、情報棟の詳細な設計の結果などから変更した項目です。情報棟で行う業務を詳細に検討した結果、セキュリティーゲートや、車いすの方が移動しやすいようにエレベーターを追加したり、フロアの仕様を変更したりして費用が増えた分もありますが、延べ床面積を減らしたり、電気や空調の設備を効率化したりすることで費用を削減したものもあります。
 これらを合計しますと、当初の契約額から、あわせて22億7,000万円の増加となります。このため、第Ⅰ期の工事契約額を595億7,0000万円に変更します。
 今回の契約の変更を終えた後、来月から情報棟の新築工事を開始する予定です。第Ⅰ期工事については、今後も、想定建設費600億円におさまるよう努めていきます。報告は以上です。

 (明石委員)

 近年、脱炭素など、環境への配慮の動きが非常に盛んです。今の建物を壊すことや新たな建築は環境に対する負荷が大きいプロジェクトだと思いますが、今回の設計や建築に関して、配慮している点があったら教えていただけますか。

 (放送センター建替本部 副本部長)

 新放送センターでは、二酸化炭素の排出量の削減に取り組もうとしています。数値的な換算はなかなか難しいところがありますが、新放送センターが完成しますとエネルギー消費量を2013年度と比べて26%ほど削減するという目標を立てています。新放送センターの情報棟を含めて、AIを活用して効率的に空調を行うという形で、設備の脱炭素も計画しています。

 (明石委員)

 「NHKスペシャル」では環境問題に対して啓発しているので、NHK自身も積極的に取り組んで実現していただきたいと思います。

 (板野専務理事)

 取り組むべきポイントだと認識しています。

 

<板野専務理事 退室、林理事 入室>

 

 (6) 2021年春季交渉の結果について(資料)

 (林理事)
 日本放送労働組合との春季交渉の結果についてご報告します。
 通常、春季交渉は3月に1回、集中して行われますが、ことしは1月に人事制度改革の具体案を公表しましたので、3月11日に第1次、29日から30日にかけて第2次と、2回に分けて丁寧に交渉を行うという、例年と違った形となりました。
 今回の交渉のポイントは2つで、一つは組織・要員・勤務状況に関する議論、もう一つが人事制度改革に関する議論でした。
 まず、組織・要員・勤務状況に関する議論です。労働組合とは、時間外労働や休日労働など、労働基準法第36条に基づく協定を締結しており、年に一度更新しています。例年の春季交渉では、過重労働になっていないか、休暇を計画的に取得できたかなど、前年度の勤務状況を総括して、翌年度の業務・勤務管理がしっかりと行われるという見通しを議論したうえで、労働組合は締結に応じています。
 今回、協会からはリモートワークなど新しい働き方を推進するとともに、引き続きすべての職員の健康を最優先に考えて、長時間労働に頼らない組織風土づくり、業務改革に取り組んでいくということを説明して、本年度も更新することになりました。
 また、今後、組織改正や要員配置を随時柔軟に行えるよう、説明や議論の場を設けていくこととしました。
 2つ目の人事制度改革については、ことし1月から2月にかけて、すべての職員を対象に説明会を開催するなど、具体施策案や考え方を周知しました。これを受けて、労働組合との交渉では、特に4月以降速やかに実施していく施策と、労働条件やキャリアプランなど職員に大きく影響がある制度の見直しなどについて正式に提案して、議論しました。
 人事制度改革について、労働組合は厳しい経営環境に対する認識を共有しており、その中でモチベーション高く働くことのできる組織風土を目指すという方向性について理解を示しています。そのうえで、4月以降速やかに実施する地域職員制度、ダイバーシティ推進に関する施策、早期退職制度について、いずれも協会が提示した内容で合意しました。
 地域職員制度は、地域で活躍する職員の採用を強化・拡充することを目的として、昇進・昇格のほか、給与についても全国職員と同じにします。
 ダイバーシティ推進施策では、戸籍上同じ性別のパートナーについて、要件を満たした場合、配偶者として認定することにします。
 早期退職制度は、50歳から56歳の職員を対象に、3年間の時限で実施します。4月15日から受付を始めました。あくまで職員のキャリアの選択肢を広げることが目的で、退職勧奨ではありません。対象の層にはすでに丁寧な説明を始めています。
 これに加えて、長時間の日帰り出張に支給していた日当を、働き方の変化を踏まえて廃止しました。多様な働き方を進める中で、選択する働き方や働く場所によって支給の有無が発生しないようにするという考え方です。
 今回の交渉では、職員体系の再編、考課制度、出向、セカンドキャリア支援施策などの見直しについても、考え方や内容を説明しました。これらは、職員個々の労働条件やキャリアプランなどに大きく影響がある抜本的な制度見直しとなりますので、労働組合としては、著しく不利益な制度見直しとならないかといった懸念もあり、継続して丁寧に説明し、議論していくことになりました。
 労働組合から賃金に関して数字を示した形での要求はありませんでしたが、定期昇給は実施します。また、賞与は前期同様とします。
 労働組合とは春と秋の交渉以外にも、随時さまざまな課題について意見交換を行っています。引き続き健全な労使関係の維持に努めてまいりたいと思います。報告は以上です。

 (渡邊委員)

 地域職員の給与を全国職員と同様にするとのことですが、退職金はどうなっていますか。

 (林理事)

 退職金も地域職員と全国職員の差がつくことはなくなります。

 

<林理事 退室>

 

 (7) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (森下委員長)
 報告事項(7)について、特段の質問等がなければ、資料の確認のみで、報告に代えさせていただきます。

 

<児野専務理事・技師長、中田専務理事 入室>

 

 (森下委員長)
 4月24日をもってご退任されますお二人の専務理事からごあいさつをいただきたいと思います。はじめに、児野専務理事・技師長、お願いします。
 (児野専務理事・技師長)
 技師長を務めておりました児野でございます。
 1977年に長崎放送局に入局して、2012年に関連団体に行き、4年前にまた戻ってきて、トータル44年、NHKグループでお世話になりました。今回、初めてNHKグループの外に出ますが、「人生100年時代」というと、まだ30年以上ありますので、もっともっと成長するように頑張りたいと思います。長い間ありがとうございました。
 (森下委員長)
 続いて、中田専務理事、お願いします。
 (中田専務理事)
 私は4年前の10月、経営委員会で地域改革に関して、こういうことをやりたいという思いをお話させていただいたら、当時の経営委員長に、数字が一つもないという厳しいご指摘をいただきました。そのとき、経営とは数字を語るということを教えられました。今は見える化が進んでいますが、当時は本当に数字がなく、1か月かけてとりまとめ、再度ご説明のうえ、ご理解いただいたことをきのうのことのように覚えています。
 この4年間は、高橋委員には地域放送局をまわって、地域の局の声を聞いていただきました。地域改革は非常に難しいことだが、着実に地域はよくなっていると励ましていただき、この場を借りて感謝を申し上げます。ありがとうございました。お世話になりました。

 

<児野専務理事・技師長、中田専務理事 退室>

 

 

9 今後の経営委員会運営について

 (森下委員長)
 次は、今後の経営委員会運営についてです。
 この場では前回に引き続き、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の答申案件について意見交換を行いたいと思います。
 前回は対象文書を開示した場合について、いろいろ議論をしていただきました。きょうは開示しない場合について議論したいと思います。
 前回、いろいろ意見がありましたが、追加で意見がありますでしょうか。

 (礒山委員)

 前回、開示した場合のいろいろな問題点を皆さんと議論しましたが、国会の議論などでは、非公表のものを公表すれば今後の経営委員会の運営に支障があるとしており、しかも非公表を前提にした議論を粗起こししたものが出ただけです。あらためて私も読みましたが、やはり自由な議論がされているわけです。ああいうものがそのまま出ていくということは、非常に大きな問題があると思います。
 審議委員会からの答申ではありますが、やはり一度非公表で議論したものは出さないとした以上、また、これまで国会でも出さないと言ってきたので、国会への軽視にもつながるのではないかという感じもします。
 開示した場合の問題点を、もう一度よく整理して議論する必要があるのではないかと思います。

 (堰八委員)

 開示するかしないかのどちらかを最終的に決めなければならないわけですが、あとで必要性が出てきたら一つ一つ中身を審議して判断するようになると、われわれが非公表を前提に議論しても、のちのち請求があって開示すべきだとなると、歯止めが利かなくなってきます。その問題は非常に大きなことで、すべてが公表される前提で意見交換をしなければならないとなれば、まさに自由かったつな意見交換ができなくなります。
 今回の場合は、あくまでも非公表を前提に議論をしたので、皆さんがいろいろなことを言えました。最初から公表であれば、あのような意見も出なかったはずで、少なくとも今回については、やはり前提が非公表という中で意見交換をしたことが非常に重たいと思います。とにかく歯止めをどうやって利かせるかは非常に重要な問題だと私は思います。

 (長谷川委員)

 私は前回まで、どちらかというと全部開示して、悪いことは何も言っていないとした方がすっきりするという意見を言っていました。ただし条件として、これを絶対に前例にしない、つまみ食いは絶対させないという2つをつけるべきだと思います。
 2週間考えてみました。やはり、われわれが出せば必ず前例になり、誰かにつまみ食いされることは間違いないと思います。やはり開示した場合のデメリットは非常に大きいことにあらためて気がついた次第です。

 (村田代行)

 非公表を前提に議論したものを、あとからいろいろな申し出があって、この委員会で議論して開示しようと決めるにしても、メンバーシップが変わっています。議論したときに委員であったがご退任された方々は、意思決定に参加できないので、自分たちが非公表を前提に議論したのに、自分たちが参加できない別の会議で開示が決められるというのは、フェアネスという観点からどうか、ご退任された方々に対してどうかという気は以前からしています。

 (森下委員長)
 きょうは主に開示しない場合について議論したいと思います。不開示の場合について、いかがですか。

 (明石委員)

 対象文書を拝見しましたが、冒頭では委員長もガバナンスの問題だと明確におっしゃっていて、そこから議論が始まっています。ただ議論の過程の中では、取材姿勢などに言及しているところもあり、あの状態で全部出すと非常につまみ食いもされるでしょうし、まとめられていないので発言の趣旨を理解しようとすること自体もとても大変だと思いますが、例えば一部黒塗りのような出し方はできないのでしょうか。全体を出したら、いろいろな意見が出ていて、皆さんが話し合いをしている雰囲気は伝わると思います。ただ、とてもデリケートな問題のところに関しては黒塗りという表示のしかたで、基本姿勢としては開示するけれども、内容の一部に関しては開示をしないというやり方はできないのでしょうか。

 (森下委員長)

 案としてはあるのでしょうが。

 (長谷川委員)

 それは逆効果ではないですか。黒塗りすると、そこで何か悪いことを言っているのではないかという雰囲気があります。何かわかりやすくということならば、われわれはこういう文書を郵政からもらった、ガバナンスに関係あるのではないかと言われたら、それはやはりガバナンスに関係があるだろうという議論をしました、それ以上でもそれ以下でもありませんという出し方はあり得るかと思います。もちろん開示請求には全然答えることにはならないけれども、どういう出来事かといえば、チーフ・プロデューサーがこんなことを言っていますが、よいのですかという文書に、われわれがどう対処するかという実にシンプルな出来事です。みんなにわかりやすくという意味では、単純に不開示とはせず、あの文書を見せて、こういうのが来たのです。これにわれわれは対処しなくてはならなかったので議論して対処しましたということはあり得るかと思います。

 (森下委員長)

 手紙が来て、一応どういう議論があったか、どういう発言があったかについては、議事経過でもう全部公表しています。どこが違うかというと、誰が発言したかというのがない。ただ、どういう発言があったかは全部出ているわけです。一応どういう議論があって、どういう結論になったかというのは全部もう公表しているという前提です。だから、もともとのスタンスは、粗起こしのものは、こういう性格で出せませんが、説明責任を果たすために議事の経過を整理したものはもう出しています。情報公開規程の第21条の「答申を尊重し」とあるように、われわれは尊重して、きちんと説明責任を果たすために整理したものを出したというスタンスです。そこのところがどれぐらいきちんと理解してもらえるかということだと思います。

 (堰八委員)

 われわれ自身が「これが議事録だ」とここで議決しなければ、議事録とは言えないのではないですか。

 (森下委員長)

 そうです。ただ、審議委員会に対象文書を出せと言われたときに、われわれが「これが対象文書です」と出しています。だから審議委員会としては、議事録を出せと言っているのではなく、審議委員会に出したその資料を出しなさいと言ってきているわけです。

 (堰八委員)

 こちらから出した文書は誰が書き起こしたものですか。

 (森下委員長)

 審議委員会に出したのは、われわれが記録したものです。議事の経過を記録したものという言い方をしています。

 (堰八委員)

 今後も非公表で議論しようということが出てくるわけです。そういう意味で本件にかぎって言うと、会長を当時注意したことは非常に重大な出来事だったというのはあると思います。それをきちんと議事録として即座に残さなかったことをわれわれは反省をして、新たに議事録として正式に追加しているわけですね。だから本件については反省しているのです。

 (森下委員長)

 そうです。

 (堰八委員)

 本来であれば議事録を残すべきだったのだけれども、それをやらなかったのは問題があったとわれわれも思っています。したがって議事録として経緯等も含めて公表しました、ということでよいと思います。非公表を前提で議論をしていたわけですから、そこはやはりどう考えても崩せないのかなと思います。

 (森下委員長)

 われわれのスタンスとしては、前回の答申が出たときに、答申を尊重して整理したものを議事録として確定しました。一応どういう議論があったか、そこに全部出ていますというスタンスです。

 (尾崎委員)

 開示しないときの問題点は、結局、この問題が非常に長い間いろいろなところから言われ続けることです。そこをずっとがまんするという決意がこのメンバーにあれば、皆さんがおっしゃるような理由で開示しない。この会議の結論に妥当性がなければ指弾されますが、どんな会話をしても経営委員会の結論に妥当性があると思います。きちんと適切な結論が出ていることに自信があれば、逐語の文書は開示しなくてよいという12人が団結してやっていければ乗り越えられると思います。ただ、かなり長い間言われることは間違いないので、私は開示してもよいかなと思っていました。ただ、極端に言えば、完全に事実誤認の間違った意見も、一応書き起こしたらあるわけですが、あとで否定していたら、それは健全な議論です。しかし開示してしまうと、事実に反してとんでもないことを言ったということだけが囲まれて、けしからんと言われる可能性が十分にありますので、非常に妥当な話だと私は思います。

 (村田代行)

 書き起こしされたものが正確だという保証もないのです。正しく聞き取れていない、本人が発言したときの趣旨とずれているという可能性は当然あるから、われわれがチェックしたものが初めて公的になるので、チェックしていないものをそのまま出してしまうということは、本来のわれわれ発言者の意図をも損ねることになると思います。

 (尾崎委員)

 会議としての正式なドキュメントではなく、例えばいたずら書きしているものも開示せよと言われてしまうと、それは違うでしょうということなので、開示すべき文書と開示すべきでない文書は、これから先の話ですが、きちんとしゅん別して、開示されるべき文章は正々堂々と開示したらよいと思います。

 (森下委員長)

 そのときに勘違いして間違ったことを言っている場合もありますから、それは議事録を整理するときに間違いを訂正していくので、そういう意味では、粗起こししたものをそのまま開示というのは、やはり少し乱暴なことだと思います。

 (尾崎委員)

 乱暴であり、それを経営委員会の見解ですという形で開示するのは非常に不完全で、誤解を招く種をばらまくことになるので、そこは避けたほうがよいと思います。

 (長谷川委員)

 先ほどの反省点というのは、言ってみれば、いわゆる本当の意味での議事録をわれわれがつくるチャンスを逃してしまっていたということです。本来なら「これでよいですか」と意思表示をして確定して初めて議事録ができるのですが、きちんとした議事録が諸般の事情からできないままになっていた。そこには、われわれもじくじたる思いがあります。

 (不破委員)

 われわれは、入り口に立ったままで議論に入れない状態にあるような気がしてしかたがありません。インカメラ審議で出した資料について、審議委員会は開示が妥当であるという結果を出していて、われわれはそれを尊重する責務があると思います。その資料を出したうえで、その中に勘違いがあるならば修正すればよいし、出さないままで議論していると、いつまでも臆測が臆測を呼んで、中身のある議論にならないような気がしてしかたがありません。出したうえで修正すべき点は修正する、堂々と主張する点は主張するというふうに、入り口を入らないといけないと私は思います。

 (森下委員長)

 前回は開示する場合について、今回は開示しない場合について議論してもらいましたので、次回は両方並べてどう判断していくかという議論をしたいと思います。いま不破委員がおっしゃったことも、そのときに議論するということで、それでは時間になりましたので本件を終了します。

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2021年7月20日    

森 下  俊 三

 

 

高 橋  正 美