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第1373回
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2021年3月26日(金)公表
※「8 今後の経営委員会運営について」 は2021年7月23日(金)公表

日本放送協会第1373回経営委員会議事録
(2021年3月9日開催分)

第1373回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1373回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2021年3月9日(火)午後1時から午後3時25分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 尾 崎   裕
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 長谷川 三千子
    不 破   泰   水 尾 衣 里 渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 松 崎 理 事
  小 池 理 事 田 中 理 事  

 

 

<場   所>
○放送センター  22階経営委員会室
○福島放送局(※テレビ会議システムにより接続)

 

<議   題>

 

1 経営委員会体制について

 

2 評価・報酬部会

 

3 委員長報告

 

4 議事録確認

 

5 会長報告(資料)

 

6 議決事項

 (1) 日本放送協会放送受信規約の一部変更について(資料)

 (2) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

7 報告事項

 (1) 2021年度(令和3年度)各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画について(資料)

 (2) 契約・収納活動の状況(2021年1月末)(資料)

 (3) 新放送会館の用地取得について(資料)

 

8 今後の経営委員会運営について

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員が「経営委員長の職務を行う者」として経営委員会の開会を宣言。

 

 (森下委員)
 本日の経営委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本部と福島放送局をテレビ会議システムで接続しての開催となります。なお、皆さまには、マスクを着用のうえ、座席の間隔をとって出席いただいています。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

 

1 経営委員会体制について

 経営委員会の体制について、経営委員の間で議論をおこなった。冒頭、経営委員長の選出過程には、公平性・透明性が求められることから、先に手順を確認したのち、経営委員長の選出に移った。
 まず、「委員長として特に有するべき要件」として、(1)NHKおよびNHKの関連団体等と特別な利害関係にないこと、(2)合議制である経営委員会にふさわしい議事運営に徹すること、(3)透明性のある運営と視聴者に説明責任を果たせるような運営ができること、(4)執行部と緊張関係を持ちつつ良好な連携を持った運営を行うこと、(5)このようなことに対応する時間と能力を持つことができること、の5項目を確認した。また、常勤委員は監査委員の職務を全うしなければならない立場から、委員長候補者から外すことを確認した。
 次に、合意した要件を踏まえて、用紙により、委員長候補者を自薦または他薦した。その結果、2人の委員が推薦された。
 委員長の選出におけるプロセスの公正性を担保するため、その後の手順は、被推薦者以外の委員が進行した。
 続いて、推薦された委員が委員長候補者となるかどうかの意思を確認した。2人の推薦者のうち、森下委員については候補者となる意思があることを確認し、もう一人の委員については意思がないことを確認した。
 その後、森下委員長候補より、委員長になった場合の所信表明を受け、質疑を行ったうえで、森下委員長候補が座を外して、11人の委員で議論を行った。その結果、全員一致で森下委員を委員長に選出することに合意した。そのうえで、森下委員も含めた12人で結果を再確認し、全員一致で森下委員を経営委員会の委員長として選出した。
 その後は、森下委員長が議事を進行した。委員長職務代行者には、経営委員会の同意を得て、森下委員長が村田委員を指名した。監査委員には、引き続き常勤の高橋委員、水尾委員、渡邊委員とすることを確認した。また、指名部会の部会長は森下委員長、評価・報酬部会の部会長は、高橋委員とすることを確認した。

 

 

2 評価・報酬部会

 役員の業績評価等に関する評価・報酬部会を行った。

 

<会長 入室>

 

 (森下委員長)
 3月1日付けで新たに尾崎委員と不破委員が経営委員に任命されました。また、井伊委員と私が再任されました。任期はいずれも3月1日から3年間です。尾崎委員と不破委員は経営委員会に初めてのご出席となりますので、ごあいさつをいただきたいと思います。

 (尾崎委員)
 尾崎です。会社は大阪ガス、都市ガス事業の会社です。これからの放送に関する状況は非常に大きく変化するものだと考えています。このような機会に経営委員を務めさせていただき、身の引き締まる思いがしています。お役に立てるように精いっぱいやらせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 (不破委員)
 信州大学の不破です。研究テーマは通信技術です。災害発生時の放送の役割など、通信にはない放送の特性をいろいろなところで感じています。そういう意味で、公共放送が果たすべき役割はまだまだ大きく、経営委員としてしっかり務めたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

3 委員長報告

 (森下委員長)
 先ほど決定した経営委員会人事について報告します。経営委員による互選の結果、全員一致で私が経営委員長に選出されました。
 また、委員長職務代行者には、経営委員会の同意を得て、村田委員を指名しました。
 監査委員は、引き続き高橋委員、水尾委員、渡邊委員が務めます。
 指名部会長は私が務め、評価・報酬部会長は高橋委員が務めることになりました。
 経営委員会は執行部と協力しながら、より一層信頼され、評価されるNHKを目指したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

4 議事録確認

 第1373回(2021年2月24日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2021年3月12日に公表することを決定した。

 

<田中理事 入室>

 

 

5 会長報告(資料)

 (前田会長)
 「報道局のチーフ・プロデューサーによる旅費不正請求」と「報道局の職員逮捕」の2件について、田中理事から報告します。

 (田中理事)
 報道局ニュース制作センターでニュース企画の制作などを担当している40代のチーフ・プロデューサーが、去年8月と11月の2回、転勤と出張で航空機を利用した際、マイレージ特典や割安なパッケージプランの航空券を使用したにもかかわらず、正規運賃などを請求して差額分の9万9,480円を不正に受け取っていました。別の出張旅費の請求で不審な点があり、調べたところ今回の2件の不正が見つかりました。
 この職員は航空会社のサイトで正規運賃で予約して不正に使用するための領収書を手に入れ、その後キャンセルして格安の航空券を使用していたことなど事実関係を認め、全額を弁済しています。先月26日に停職1か月の懲戒処分にしました。
 これとは別に、元職員が上司に無断で物品を発注し、受け取っていた事案を公表したばかりであり、公金に関わる不祥事が相次ぐ事態を極めて重く受け止めています。視聴者の皆さまに深くおわびいたします。
 今回の事象は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で審査体制に一時的な変更があり、見落としが生じましたが、体制を元に戻したあとの審査で不正を見つけていますので、審査方法自体に問題はないと考えています。審査の厳格対応に努めるとともに、新たな対策として今後、航空会社のサイトで航空券を購入した場合、精算伝票に添付する領収書は、搭乗日の翌日以降に発行されたものにするなど、再発防止策を確実に行います。あらためてコンプライアンスを徹底し、適正な手続きを確認してルールに則って実施するよう、担当理事から全役職員に周知しました。
 2件目です。報道局映像センターでニュース映像の編集などを担当している30代の職員が先月15日の未明、新宿区の路上で、通りかかったタクシーの運転手に暴行してけがをさせたとして傷害の疑いで警察に逮捕されました。本人は「酔っていて覚えていない」と話しているということです。翌日、釈放されましたが、警察の捜査が続いています。
 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、職場での対策を強化し、事業継続を実践していくために、すべての役職員、スタッフなどに会食を控えるなどの注意喚起を繰り返す中で、これに反する行動があったことは極めて遺憾です。あらためて公共放送に携わる者としての強い自覚をもって行動するよう呼びかけました。
 当該職員に対しては事実関係を確認のうえ、今後の刑事処分の結果も踏まえて厳しく対処してまいります。報告は以上です。

 (森下委員長)
 ただいまの報告を受け、私からひと言申し上げます。
 2月に、職員による不祥事を3件続けて公表する事態となりました。
 本日報告があった事案にも公金に関する不正が含まれており、視聴者・国民の皆さまから「NHKにはコンプライアンスの精神が欠如している」と言われてもしかたのない異常事態です。経営委員会としても深刻に受け止めており、誠に遺憾です。
 先月、経営委員会、監査委員会が指摘しましたように、執行部には、NHKの社会的責任に対する自覚を組織全体に根付かせ、コンプライアンス意識の徹底と再発防止に全力で取り組んでいただくよう、お願いします。

 

 (森下委員長)
 続いて、「次期トップマネジメント人財選抜プログラム」について、報告をお願いします。

 (前田会長)
 NHKの将来を担う経営人財を選抜する「次期トップマネジメント人財選抜プログラム」で、地域放送局を含む経営部門の主要ポストに登用する試験をして、今回、合格者を発表したことを報告します。
 全体について申し上げますと、初めて公募の形で局長に手を挙げてもらいました。応募された方を1次選考、2次選考で絞り、その後3日間の研修プログラムを実施し、さらに選抜したところで、先週の金曜日に会長面接を実施しました。
 率直に申し上げて、とてもよい人がたくさん来てくれました。私が見たかぎり甲乙つけがたいものですから、最終選考の全員を合格にしました。きのう付けで氏名を公表し、局内で周知しています。
 半分の方が自分で手を挙げ、残り半分が所属組織からの推薦でした。
 平均年齢は44歳です。現在の局長の平均年齢が55歳ですから10歳若いです。NHKは少し年齢が高い構成になっていますので、10歳以上若い局長がかなりの数登場するということです。その中で女性が2人います。
 ほぼ全部の職種で合格者が出ました。番組制作、報道、ドラマ制作など、満遍なくいろいろな方に手を挙げていただき、大変意欲があると思いました。私は手を挙げること自体を高く評価をしました。改革のリーダーということで期待もしています。
 それぞれ出身母体のトップの方が、手を挙げることを許してくれたことについても高く評価しました。
 昨年から、異動については年1回という方式を改めて随時異動にしましたので、合格者の方は今後できるだけ早い機会に局長で登場してもらいたいと思います。また、局長でない方にも改革する組織のリーダーとして十分活躍が期待できますので、できるかぎり本人の希望に沿うような形で異動させたいと思います。報告は以上です。

 (堰八委員)

 選考過程では、特に改革意欲を優先したという説明をいただきました。理事や局長が中心に選考されたと思いますが、会長からはどのようなところをよく見るようにという指示をされましたか。

 (前田会長)

 事前にテーマを与えて、それに対する答えを書いていただきました。NHKは何が問題なのか、自分は何をやりたいのかを問題提起して、それに対する自分の意識を書いていただきました。次期中期経営計画を公表していますので、その中で何をやりたいのか、書類選考から始まり、1次選考、2次選考をしました。ある意味でかなりレベルが高かったと思います。

 (尾崎委員)

 NHKでは原則として他社からの中途採用や、セカンドキャリアの人は採用しないのでしょうか。
 また、NHKに入ったあと、例えば数年間は外部の企業で働く人材交流のような制度はないのでしょうか。

 (前田会長)

 デジタル関連の進化は早いものですから、中途採用しており、そういう意味でキャリア採用をたくさんしています。
 それから、NHKの人事制度は古くて年功序列型になっていますので、全面的につくり変える過程の中でこの制度も導入していくということです。

 (明石委員)

 非常にドラスティックで画期的な制度なので、社内改革の大きな力になるのではないかと思います。
 2つ質問があります。まず一つは、このトップマネジメント選抜制度を今後も継続していく考えなのか、それとも今回だけのトピックなのかという点です。
 もう一つは、NHKでは降格というか、役職が下がることはないと聞いていますが、選抜して任につけても、それに値するかどうかもしっかり評価することを検討しなくてはいけないと思います。そのときに、新たに人材を選抜することも考えているのでしょうか。

 (前田会長)

 公募については、すでに局長だけではなくてジョブ公募という形で、ぜひやりたいという人に手を挙げていただくようにしており、去年からかなりのところで公募しています。今後も公募は公募で、人事は人事で指名して動かすように、併用したいと思っています。
 降格については、私が今見ているかぎりでは、年功序列の年次管理で上げるだけで下げないという非常に硬直的な運用です。
 今回、早期退職制度を入れましたが、これも何人が対象ということはなく、何らかのキャリアを自分でも開発していただきたいということで導入しました。全体の年齢構成がいびつなところや、若い人がNHKに魅力を感じなくなった部分があり、これは危機的だと私は思っています。若い人が入りたいという職場でないと長続きしませんので、ここは抜本的に解決したいと思います。

 (井伊委員)

 局長はもっとも早くていつごろ誕生になるのでしょうか。

 (前田会長)

 今すぐでも局長をできる方もいますが、新年度になってからと思っています。ただ、今も局長がおられ、ピンポイントで動かすことはできませんので、全体の中でやらせていただきたいと思います。

 (森下委員長)

 局長候補として多数の方が選抜されたのは非常によいことですが、最終選考に漏れた方もかなり優秀だと思います。今後の人事政策の中でこういった方々を生かしていただくと、ほかの方から見ても、自分たちもやってみようという話が出てくると思います。ぜひ人事対応でお願いしたいと思います。

 (前田会長)

 そのようにさせていただきます。2次選考に残った人については、3日間の研修を修了したという認定をしました。ただ、残念ながら人数の関係で少し待っていただくということです。
 もう一つは、手を挙げた方が落ちたことが表に出るとかえってマイナスになりますので、最大限の配慮をしています。

 (井伊委員)

 若い優秀な人を引きつけたいということですね。大学生の就職活動が始まったところですが、このような改革は、対外的に公表する予定ですか。

 (前田会長)

 これからです。
 今回、今までみたいに東京での一括採用から変えますので、来年度以降は違った形でたくさんの方に入っていただけると思います。

 

<田中理事 退室、松崎理事 入室>

 

 

6 議決事項

 (1) 日本放送協会放送受信規約の一部変更について(資料)

 (松崎理事)
 日本放送協会放送受信規約の一部変更についてご説明します。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ、令和2年5月8日を施行日とした放送受信規約の変更により、令和2年4月から令和3年3月の放送受信料について支払いを猶予する措置を講じているところです。
 今回提出した放送受信規約の変更は、今もなお放送受信料の支払いが困難な受信契約者がいらっしゃるため、当該措置の対象とする期間を3期間延長して、令和2年4月から令和3年9月の受信料については、支払いを延滞した場合であっても延滞利息は発生させないとする内容となっており、施行日は令和3年4月1日としています。
 今回の変更は、受信料制度等検討委員会の答申の内容を踏まえたものとなっています。
 具体的な変更内容については、議案の新旧対照表により説明します。
 2枚目をご覧ください。右側が現行規約、左側が変更案です。変更箇所は付則のみです。
 施行期日は令和3年4月1日です。
 付則第10項について、これまでの規定から3期間延長して、令和2年4月から令和3年9月までの9期間については、放送受信料の支払いを延滞した場合であっても、延滞利息は発生しないとし、また、延滞利息の発生要件である「放送受信料の支払いを3期分以上延滞したとき」の期間に通算しないとしています。
 放送受信規約の変更には、総務大臣の認可が必要となります。本日の経営委員会において議決いただけましたら、総務大臣に認可の申請を行います。説明は以上です。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 (森下委員長)
 本件は、放送法施行規則第18条第2項により、広く一般の意見を求めなければならない事案ですが、意見を求めずに議決したことについて、事務局から説明をお願いします。

 (事務局)
 ただいま議決いただいた放送受信規約の一部変更については、意見公募手続きを実施していません。その理由と公表案について、ご説明します。
 1枚目の資料は令和3年3月8日の官報で、放送法施行規則の一部を改正する省令です。該当するのは、附則3項です。
 「新型コロナウイルス感染症に起因して生じた事態に対応するための特例」として、意見募集を実施せずに議決することが認められる条文ですが、その根拠規定が「新型インフルエンザ等対策特別措置法」から「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に変更されました。下線部が今回の変更点です。読み上げます。
 経営委員会は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第7項第3号に規定する新型コロナウイルス感染症に起因する事情により、法第64条の受信契約の条項及び受信料の免除の基準の変更を議決しようとする場合であって、公益上、緊急に議決する必要があるため、第18条第2項の規定による手続きを実施することが困難であるときには、当該手続きを要しない。この場合において、経営委員会は、当該手続きを実施しないで議決したときには、当該議決と同時期に、次に掲げる事項を公表しなければならない。
 1、2は変更なしのため省略されていますが、1は「議決した事項の題名」、2は「第2項の規定による手続を実施しなかつた旨及びその理由」です。
 この規定に基づき、以下の公表案を本日、経営委員会のホームページに掲載しようと考えています。読み上げます。
 本日開催した第1373回経営委員会において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえて、日本放送協会放送受信規約の一部変更について、放送法施行規則第18条第2項の規定による意見公募手続きを実施せずに議決しました。
 「議決した事項の題名」は、「日本放送協会放送受信規約の一部変更について」です。
 「当該手続を実施しなかつた旨及びその理由」は、さきほどご説明しました、令和3年3月8日に公布・施行されました施行規則第3項に該当するという理由です。
 参考として、議決した議案の内容を載せています。ご説明は以上です。

 

<松崎理事 退室、小池理事 入室>

 

 (2) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (小池理事)
 国際放送番組審議会委員について、次のとおり委嘱を行いたいと思います。4月1日付けで、新規委嘱がお二人です。
 国際放送番組審議会委員の選定にあたっては、国際関係、学術、文化・芸術、経済・産業、社会の5つの分野で、年代や男女比、海外または国際的な場でのご経験など、全体のバランスを考慮し委員をお願いしています。
 新規委嘱の一人目は、歴史学者で、広島市立大学広島平和研究所教授の永井均さんです。
 ご専門は日本近現代史で、第二次世界大戦とその後の日本とフィリピンの関係史を中心に研究されており、2016年より広島市立大学広島平和研究所で教授を務められています。
 新規委嘱の二人目は、デザインスタジオtha ltd.代表の中村勇吾さんです。
 数々のウェブサイトや映像のアートディレクション、デザイン、プログラミングなど、幅広い分野で活動され、国内外で多くの賞を受賞されています。2014年より、多摩美術大学美術学部で教授を務められています。
 なお、東京大学大学院総合文化研究科教授の河合祥一郎さんは3月31日に、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんは4月30日に、任期満了により退任されます。
 今回の新規委嘱は、退任される委員の分野である学術分野と文化・芸術分野をそれぞれ満たす方にお願いしています。
 今回の新規委嘱によって、国際放送番組審議会の委員数は5月1日時点で11人となり、別紙の「委員名簿」のとおりです。
 分野別、年代別、性別については「委員構成」として、最終ページにまとめています。5月1日時点での女性委員は5人で、女性の割合は45%です。説明は以上です。

 (長谷川委員)

 選考にあたって、永井均教授の著書はお読みになったのでしょうか。BC級戦犯裁判については、いろいろな方が研究していますが、バランスを取った公正な客観的な研究は結構難しい分野です。いかがでしょうか。

 (小池理事)

 担当の国際放送局からは非常にバランスの取れた学者だと聞いています。

 (尾崎委員)

 NHKの国際放送は誰に向けて放送しているのですか。

 (小池理事)

 日本の文化、芸術、ニュースなども含めて、日本のあらゆる情報を海外の人たちにより深く理解してもらうために放送しています。新型コロナウイルスの感染拡大や災害などが多発する日本の現状において、在留外国人の方々に安心・安全の情報を発信していますし、海外の在留邦人に対しても安心・安全の情報をお届けする役割も担っています。

 (尾崎委員)

 番組を視聴している人がどのような層かを見て、それを代表する委員を選んだらよいと思います。日本人だけではなく、外国人にも番組を評価してもらうことも考えておかないと、独り善がりの国際化になるのではないかと思います。特に今の日本で国際放送を視聴して助かったという意見は、おそらくこういう方々からは拾えないと思います。そのあたりも番組審議会で議論するのがよいのか、分からないのですが、フィードバックがある程度あったほうがよいと思います。

 (小池理事)

 海外における国際放送の視聴者からの反応やご意見は国際放送局で集めて、国際放送番組審議会に毎回報告しています。

 (村田代行)

 国際放送番組審議会や地方の番組審議会については、日本人であることは要件にはなっていないですね。

 (小池理事)

 日本人という要件は承知していません。

 (村田代行)

 将来的には、日本在住の外国人の有識者の方にお願いするケースもありえるということですか。

 (小池理事)

 ありえると思います。オンライン会議が発達していますので、海外にいる人たちから直接意見を聞く場を設けていくことも検討したいと思います。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

<小池理事 退室、正籬副会長 入室>

 

 

7 報告事項

 (1) 2021年度(令和3年度)各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画について(資料)

 (正籬副会長)
 「2021年度(令和3年度)各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画」について、別冊のとおり定めましたので、ご報告します。
 「各地方向け地域放送番組編集計画」については、放送法第82条に基づき、2月開催の各地方放送番組審議会に諮問し、可とする旨の答申を得て決定したものです。なお、各計画とも1月13日の第1369回経営委員会で議決された「2021年度(令和3年度)国内放送番組編集の基本計画」に基づき、地域にあわせたきめ細かな地域放送を実施するとともに、地域から積極的な全国発信を行うものとなっています。
 各地域の共通要素としては、「防災・減災につながる報道、緊急時に速やかに対応できる体制の確保」、「新型コロナウイルスの感染拡大防止、地域経済の活性化につながる情報発信」、「地域の課題に向き合い解決策を探る」などがあります。
 次に、編成計画ですが、各地域の編集計画に基づいて作成し、2月26日の放送総局編集会議で決定したものです。
 関東甲信越地方の編集計画のポイントです。
 ブロックの基本方針は、「首都直下地震をはじめ、大規模災害に備えて、取材・制作体制の整備」、「視聴者ファーストの広域地域サービス開発に挑戦」などです。
 各地域局の特色ある取り組みをピックアップしてご紹介します。
 東京・首都圏局は「コロナ禍中の東京オリンピック・パラリンピックへの対応」、「南関東エリア向けの放送の充実」、前橋放送局、水戸放送局、宇都宮放送局では、「3放送局が連携し地域共通のテーマを取り上げた北関東向け番組の制作」などについて重点的に取り組みます。
 関東甲信越ブロックの編成計画です。新設する番組を中心にご説明します。
 総合テレビでは、金曜午後7時台に前橋・水戸・宇都宮ブロックで、「キタカン+」を新設します。北関東に共通する課題や魅力をさまざまな角度から掘り下げる番組です。
 また、東京・神奈川・千葉・埼玉向けの放送として、日曜午後1時台に「たっぷり関東NHK」を新設します。各地域放送局番組の傑作選や南関東3県、東京を舞台にした新作番組など、地域に密着した多様な番組をお届けします。
 次に、近畿地方です。
 ブロックの基本方針は、「南海トラフ巨大地震への備え、非常事態における本部代替機能の充実」、「ウィズ・コロナ時代の中で地域社会の未来につながる情報提供」などです。
 各放送局の重点事項では、大阪拠点放送局が「本部代替機能と西日本の拠点機能の充実」、大津放送局が「新会館オープンを契機に県域放送の一層の充実、イベントや受信公開を実施」などを挙げています。
 近畿ブロックの編成計画です。
 総合テレビの土曜午後8時台に月1本程度、「関西“愛”認定バラエティー ちゃうんちゃう?」を新設します。関西にお住まいの方も驚くような、知られざる関西を紹介する地元密着クイズバラエティーです。
 次に、中部地方です。
 ブロックの基本方針は、「多様な地域特性に応じた放送」、「ダイナミックな自然を圧倒的なスケールで描く」などです。
 各放送局の重点事項では、金沢放送局、福井放送局、富山放送局の「北陸3県の連携を深め地域の歴史や食、伝統文化を北陸、全国・世界に発信」などを挙げています。
 中部ブロックの編成計画です。
 ラジオ第1放送で福井放送局が最終金曜日の午後5時台に「Dino★ラジ!」を新設します。恐竜王国・福井の未来を担う「スター恐竜」にスポットライトを当てる番組です。
 次に、中国地方です。
 ブロックの基本方針は、「西日本豪雨災害の教訓を忘れず、防災・減災情報を発信」、「各地に残る文化や芸術、豊かな自然を4K・8Kで記録、未来に伝える」などです。
 各放送局の重点事項では、広島拠点放送局が「被爆76年、デジタルツールなどさまざまな手法を用いた次世代への継承を強化」を挙げています。
 中国ブロックの編成計画です。
 ラジオ第1放送で岡山放送局が最終水曜日の午後5時台に「ラジオdeもぎたて!」を新設します。視聴者からのお便りやリクエストを交えた生放送です。
 次に、九州沖縄地方です。
 ブロックの基本方針は「大規模災害の被災地を継続取材し、復興を支援する」、「アジアと日本の相互理解に繋がる情報を届ける」などです。
 各放送局の重点事項では、熊本放送局が「熊本地震から5年、復旧・復興の進捗状況と残された課題を見つめる」などを挙げています。
 九州・沖縄ブロックの編成計画です。
 総合テレビ、金曜午後7時台に九州・沖縄ブロック向け、福岡向け、長崎向けの番組を新設します。地域の視点で、直面する課題やその土地ならではの魅力を取り上げる内容です。また、日曜午後1時台に沖縄放送局が「ちゅらSunday!〜沖縄セレクション〜」を新設します。反響の多かった沖縄ならではの多様なジャンルの番組をセレクトして放送します。
 次に、東北地方です。
 ブロックの基本方針は、「東日本大震災から10年、第2期に入った再生へ向けた取り組みや課題を発信」、「“復興五輪”の機運を高める」などです。
 各放送局の重点事項では、仙台拠点放送局で「宮城県が舞台の連続テレビ小説『おかえりモネ』をきっかけに地域の活性化に貢献」などを挙げています。
 東北ブロックの編成計画です。
 総合テレビの金曜午後7時台では、盛岡放送局で「いわチャン」を新設します。
 平日午後6時台の「おばんです岩手」と連動し、県民向けの情報に特化、SNSも積極的に活用する予定です。
 次に、北海道地方です。
 ブロックの基本方針は「北海道胆振東部地震から3年、被災者に寄り添う情報発信を継続」などです。
 各放送局の重点事項では、札幌拠点放送局が「新会館移転(2021年6月予定)を契機に地域社会をリードするローカルプレーヤーとの連携を強化、地域に新たな価値を提供」などを挙げています。
 北海道ブロックの編成計画に大きな変更はありません。
 次に、四国地方です。
 ブロックの基本方針は、「南海トラフ巨大地震に備え、西日本豪雨被災地復興の動きを継続して伝える」、「視聴者との“つながり”を重視した放送やイベントを展開」などです。
 各放送局の重点事項としては、徳島放送局が「コロナ禍中の阿波おどりや過疎化など地域の課題を掘り下げる」などを挙げています。
 四国ブロックの編成計画です。
 総合テレビの金曜午後7時台に四国ブロック向けの番組、「前園真聖 しこく絶景たび」を新設します。元サッカー日本代表の前園さんが視聴者から寄せられた、おすすめの絶景を自転車で巡り、絶景写真を撮影。旅の様子は、平日午後6時台の各局県域番組でも伝えるほか、インターネットでも発信します。ご報告は以上です。

 (不破委員)

 平常時には、ここにある多彩な番組も見たいですが、災害時には地元の密着した情報、例えば、どこに行くと食料が手に入るのか、水の配給はどこで行われるのか、停電はいつ復電するのか、そういう情報をNHKを通してもっと知る必要があると思います。地域の情報収集力の強化にも配慮いただければと思います。

 (正籬副会長)

 一人ひとりに届く情報が非常に大切だと思っています。災害時には、どこのコンビニが開いているか、給水所や充電所はどこかなどの情報を自治体別に取り上げています。被災局だけではなくて、全国にネットワークがありますので、遠隔地からの応援もできます。災害の際には、一人ひとりに必要な情報を届けること、命と暮らしを守る報道を最重点に挙げており、不断の努力を重ねていきたいと思います。

 (不破委員)

 長野放送局では、連携協定を結んだ地元のケーブルテレビ局との関係を強化し、NHKの取材力だけではカバーし切れないところについては活用しています。それが全国のモデルになればよいと思います。

 (正籬副会長)

 全国の防災士の方とも協定を結びましたし、先日、日本郵政との協定を結び、災害時に各地域の郵便局と連携します。さまざまな地域の方と連携して、より分厚い情報を伝えていきたいと考えています。

 (礒山委員)

 アフターコロナの面でも、地方からいろいろ発信するなど、各地方にあわせた編成がされていると思います。
 ポストオリパラでは、インバウンドにはしっかりと来てもらわないといけないので、アジア、ロシア、欧米に向けてそれぞれの魅力を発信できるような番組をつくり、国際放送でも紹介するなど、地方の魅力を紹介する編成をしていただけると非常にありがたいと思います。 先日の福井での「視聴者のみなさまと語る会」では、福井の放送ではなくて名古屋の放送が多いという話を伺いました。そのような地域の特色があるようですので、そのあたりも踏まえて、次のステップの中で考えていただきたいと思います。

 (正籬副会長)

 地域情報を全国、世界に発信することを目標にしています。地方放送局のマンパワーによってコンテンツの数に多少の違いはありますが、地域でつくった番組を全国放送したり、英語化してNHKワールドJAPANで放送したりすると、非常に多くのアクセスがあります。ドキュメンタリーなどでもそうですが、地域の情報を世界に向けて発信していくことにも力を入れています。地域発のコンテンツ、世界への発信力を強化していきたいと思います。

 (明石委員)

 魅力ある地方番組の制作は、これから非常に大切なポイントですので、ぜひ力を入れていただきたいと思います。
 一方で、今の説明を聞くと、放送局の数はとても多いと感じました。経費を含めて、いろいろな面で見直しが必要であるのもNHKに与えられている課題です。この編成計画を見ると、北海道はブロックごとの番組制作が進んでいると思いました。ただ、ほかのところでは、単独の局での番組も結構多いと思います。ブロックの中でカバーすることも、制作の面で工夫できるやり方ではないかと思います。制作費の削減を考えると、従来型の制作方法から、いろいろな面を見直すことが必要な時期にきており、ブロックごとの連携も強化したらよいのではないかと思います。

 (水尾委員)

 地域の人はもとより、地域外の人も地域のニュースにアクセスしたい要望はたくさんあると思います。NHKプラスで地域のニュースなどにアクセスしやすくなると、研究にとっても地域の情報を知る人にとっても、非常に多岐にわたる使い方ができると思うので、NHKプラスからアクセスしやすくなることが望まれます。

 (正籬副会長)

 先週からNHKプラスでは、北海道、東北、近畿など、地域別に番組プレイリストが並んでいて、地域の番組を見やすいようにしています。それを見逃し配信で見ていただけるような取り組みをなるべく早く実現したいという思いがあります。インターネット活用業務実施基準の200億円の中で、地域番組の発信を強化していきたいと思います。

 

<正籬副会長 退室、松崎理事 入室>

 

 (2) 契約・収納活動の状況(2021年1月末)(資料)

 (松崎理事)
 2020年度第5期(1月末)の契約・収納活動の状況について報告します。
 新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、第4期10月から訪問・対面する営業活動を再開し、第5期についても引き続き対面時の対応時間を極力短くするなど、感染拡大防止策を徹底して訪問活動をおこないました。営業業績は、廃業・休業による事業所契約の解約が続いていることなどが影響し、契約総数増加、衛星契約増加がマイナスとなるなど前年度を大幅に下回りました。
 営業収納額は、受信料の値下げと負担軽減策の影響などにより、前年同期と比べて減収になりました。
 1ページ、当年度分受信料収納額の状況です。5期の収納額は1,130億4,000万円で、前年度同期を43億4,000万円下回りました。累計では5,718億円となり、前年同時期を151億2,000万円下回っています。
 次に、前年度分受信料回収額は5期が3億9,000万円となり、前年度同期を2,000万円下回りました。累計では40億2,000万円となり、前年同時期を12億2,000万円下回っています。
 前々年度以前分の回収額は5期が5億円となり、前年度同期を1億4,000万円下回りました。累計では25億4,000万円となり、前年同時期を24億5,000万円下回っています。
 2ページ、契約総数の増加状況です。
 5期の取次数は38万1,000件で、前年度同期を11万件下回りました。減少数は41万6,000件で、前年度同期を3万件下回りました。契約総数は3万5,000件の減少となり、前年度同期を8万件下回りました。
 累計では36万件の減少となり前年同時期を77万3,000件下回りました。なお、1月末の受信契約件数は4,176万2,000件となっています。
 次に衛星契約数増加です。
 5期の取次数は19万4,000件で、前年度同期を11万5,000件下回りました。減少数は20万8,000件で、前年度同期を1万1,000件下回りました。増加数は1万4,000件の減少となり、前年度同期を10万4,000件下回りました。
 累計では12万4,000件の減少となり、前年同時期を65万9,000件下回りました。1月末の衛星契約件数は2,211万3,000件となり、衛星契約割合は年度内で0.1ポイント向上して52.9%になりました。
 3ページ、口座・クレジット払等の増加状況です。
 5期の口座・クレジット払等増加は、1万4,000件の減少となり、前年度同期を6万8,000件下回りました。
 累計では52万件5,000件の減少となり、前年同時期を80万7,000件下回りました。口座・クレジット払等の利用率は90.2%でした。
 なお、第4期の業績説明の際、口座・クレジット払等の増加状況について、内訳を教えて欲しいとの質問が委員からございました。第5期末までの口座増加件数はマイナス74万件、クレジットの増加件数はプラス14万3,000件、ケーブル事業者等によるとりまとめ支払件数はプラス7万2,000件となっています。契約数の減少に伴い、口座・クレジット払総体としては、減少となっていますが、クレジット払は口座からの乗り換えが多いことでプラスとなっています。ケーブルとりまとめ支払者も年度当初から増加しています。
 次に、未収数削減の状況です。
 5期の未収数削減は、前年度同期を3万2,000件下回り、1万2,000件となりました。
 累計では38万件となり、前年同時期を39万2,000件下回りました。長期未収現在数は109万9,000件となりました。
 契約総数増加と未収数削減を合わせた支払数増加は、5期は4万7,000件の減少となり、前年度同期を11万2,000件下回りました。
 累計では74万件の減少となり、前年同時期を116万5,000件下回りました。報告は以上です。

 

<松崎理事 退室、田中理事 入室>

 

 (3) 新放送会館の用地取得について(資料)

 (田中理事)
 新・函館放送会館の移転用地の取得について、ご報告します。
 現在の函館放送会館は1966年度に建設され、築54年です。北海道の想定で最大2.0〜3.0mの津波浸水が予想されるエリアにあり、移転用地取得に向け、これまで候補地を探してきましたが、このたび売主と合意に至りましたので、当該用地を取得することをご報告します。
 まず位置図をご覧ください。
 「緑」で示したところが現会館です。「赤」で示したところが新会館の取得予定地で、現会館から北へ約5.3kmの非浸水域に位置し、北海道渡島総合振興局や気象台の近くです。
 次に、取得予定地の概要をご覧ください。
 旧コープさっぽろ赤川店の跡地で、3,275.08平米です。契約先はシーズ協同不動産株式会社です。当該用地には、閉店した店舗建物がありますので、建物付きのまま購入し、NHKで解体撤去工事を行った後、新会館を建設します。契約額は1億6,000万円です。
 売買契約の締結および支払い、所有権移転日は3月22日を予定しています。
 来年度中に基本計画の策定に着手し、設計者選定の後、基本設計で各室のレイアウトやデザインなどを決め、さらに詳細な実施設計を行います。建物工事は、旧コープさっぽろ赤川店の解体撤去を経て、新会館の建築工事に着手し、2025年度の運用開始を目指します。報告は以上です。

 

<田中理事 退室>

 

 

8 今後の経営委員会運営について

 (森下委員長)
 今後の経営委員会運営についてです。
 この場では、前回に引き続き、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の答申について、皆さまのご意見を伺いたいと思います。

 

 ※本答申にかかる情報公開請求者・視聴者Aの代理人弁護士から届いた通知書について内容を共有した。

 

 (森下委員長)

 私どもは従来、非公表のものは原則的に出さないということを死守してきているわけですが、2回目の答申なので、今までと同じ形でいくか、2回目だから出すべきなのかという選択になると思います。
 もし出す場合は、どういう形で出すのかということを事務局に整理させていますが、いずれにしても私どもとしては情報の開示はしています。ただ情報公開・個人情報保護審議委員会から見ると、「情報の開示」というのは「資料の開示」であるということで、ここは見解が少し違うということです。資料として開示する場合に、どういう形で開示するか。
 それから今後のことを考えたときに、非公表というのは内規で決めてやっているわけで、前例にならないようにしていかないといけない。そういうことも含めて整理させている段階です。
 あと通知書は、会長と委員長宛てになっていますが、NHK情報公開規程は会長が定めるということになっていて、そういった意味では会長が対応することになります。経営委員会がどう判断するかを待ってもらっている状況です。これについてご質問等ございましたらどうぞ。

 (高橋委員)

 2回目ということで、われわれがどう対応するかということかと思います。執行部側が取らなくてはいけない対応と、経営委員会として取るべき内容が違う方向になったときに、NHK自体がどう見られるかという話になります。
 もともとは、われわれが悪いことをして隠しているわけでもなく、ある意図の下に資料が使われることになると、正しい判断がなされないおそれがあるということで、一言一句を出すことはやや危険が伴うという判断があったのではないかと思いますが、再度しっかりと議論して態度を決める必要があると思います。

 (森下委員長)

 われわれとしては、内容よりも、非公表のものを出すということが問題であり、今後に禍根を残すことなる。非公表の議論ができなくなってしまうということで、筋を通してきているのですが、そうしたあたりの考え方等を含めて、次回、整理していこうと考えています。よろしいですか。
 (「はい」の声あり)

 (森下委員長)

 それでは本日はこれで終了したいと思います。引き続き、次回以降、慎重な議論をしていく予定です。本日の経営委員会はこれで散会とします。

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2021年7月20日    

森 下 俊 三

 

 

高 橋 正 美