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第1349回
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2020年3月27日(金)公表

日本放送協会第1349回経営委員会議事録
(2020年3月10日開催分)

第1349回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1349回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2020年3月10日(火)午後1時15分から午後5時25分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 槍 田 松 瑩
    佐 藤 友美子   堰 八 義 博 高 橋 正 美
    水 尾 衣 里   渡 邊 博 美  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 木 田 専務理事
  板 野 専務理事 児 野 専務理事・技師長 荒 木 専務理事
  松 原 理 事 黄 木 理 事 中 田 理 事
  鈴 木 理 事 松 坂 理 事  

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室 21階役員会議室

 

<議   題>

 

1 2019年度「視聴者のみなさまと語る会」総括

 

2 評価・報酬部会

 

3 集中討議 今後の経営課題について

 

4 議事録確認

 

5 監査委員会報告(資料)

 

6 会長報告

 (1) 新型コロナウイルスの感染防止に向けた対策について

 (2) NHKプラスの開始後の状況について

 

7 議決事項

 (1) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

8 報告事項

 (1) 2020年度(令和2年度)各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画について

(資料1)(資料2)(資料3)

 (2) 経理規程の改正について(資料)

 

9 意見交換 今後の経営委員会運営について

 

 

<議事経過>

 

 森下委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

1 2019年度「視聴者のみなさまと語る会」総括

 2019年度「視聴者のみなさまと語る会」の総括を行い、若い世代も含め、幅広い層から多様な意見を聴けるよう、今後の開催に向けての意見交換を行った。

 

 

2 評価・報酬部会

 役員の業績評価等に関する評価・報酬部会を行った。

 

 

3 集中討議 今後の経営課題について

 2021年度からの中期経営計画について、意見交換を行った。

 

<会長、副会長、専務理事、理事入室>

 

4 議事録確認

 本日の議題および日程について説明。第1348回(2020年2月25日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、2020年3月13日に公表することを決定した。

 

 

5 監査委員会報告(資料)

 (高橋監査委員)
 監査委員会では、協会による関連団体の管理状況を確認するため、子会社12社の社長および関連公益法人等9団体の理事長へのヒアリングを実施しました。
 実施時期は、子会社については昨年10月から12月にかけて、関連公益法人等9団体については、ことし1月から2月にかけて順次実施しています。
 昨年度も、これらの団体へのヒアリングは実施していますが、今年度は放送法改正を踏まえて、ガバナンス強化の状況に重点を置いて行いました。
 また、NHKグループ内での各団体の位置づけと役割、要員確保、人事施策、その他経営上の課題などの視点からも行いました。
 ヒアリングでは、各団体から、協会のグループ経営についての意見、要望などがさまざまに出されています。それらの概要を大きく4つの論点に整理して報告します。
 なお、各団体の意見、要望の中には、本部各部局で、すでに課題解決のために対応している案件も多く含まれていますが、本報告はヒアリング実施時点で聞いたものをまとめていますので、ご承知おきください。
 論点の1つ目、各団体のガバナンス、特に内部統制の構築状況についてです。
 昨年度ヒアリングを実施した時に比べ、各団体ともガバナンスの重要性について認識が深まっており、それぞれに内部監査機能の強化を図っていました。
 ただし、特に小規模の団体ではその機能の維持、また全国に支社を持つ団体においては、全国津々浦々、隅々まで目の届く体制をどのように強化していくか頭を痛めている、といった声も聞かれました。
 また団体によっては、内部監査組織を作ったものの、専門性を持った人材の確保と育成、ノウハウの継続性を課題に挙げる声もあり、本体・内部監査室とのさらなる人事交流、ノウハウの伝授など、支援を求める声が聞かれました。
 続いて、統合再編や各団体の役割など、グループ経営のあり方についてです。現在進んでいる技術系・制作系の子会社統合については、おおむね順調に進捗しているとの報告を受けています。
 しかしながら、会社によって統合の実務を担う人材が不足していたり、統合前の融和策等、十分進み切っていない部分があるなど、今後の再編に向けての課題も浮き彫りになった印象を受けました。
 また、グループ経営全般についても、さまざまな意見や要望が出されました。例えば、業務分野によっては、複数のタテ管理部局がある場合などに、全体戦略をもっと明確にしてほしい、さらには、各団体が持つ長所や機能をグループの中で戦略的に活かしてほしい、などの声が出ています。
 続いて、要員確保と人事施策についてです。インターネット活用業務など、業務増大に伴う要員不足は多くの団体で聞かれました。特に地方支社を持つ団体では、地域ではそもそも人材が見つからず、確保が困難であるとの声が多く聞かれました。
 また、女性活躍推進を含めた職場環境の整備および人材育成、特にプロパー社員の育成が中長期的な課題として挙げられています。
 その他経営上の課題として、複数の団体からリスク要因として挙げられたのは、外部パワーの活用と情報セキュリティーについてです。
 制作系の子会社では外部パワーの活用が欠かせませんが、偽装請負などに結びつくリスクをどうコントロールするかは、制作系子会社の共通課題とのことです。番組制作業務の性質上難しい課題もありますが、マニュアル等を作成して社員の意識醸成に取り組むなど、各社とも対策を講じていました。
 また、情報セキュリティーを課題として位置づける団体が多く、専門家が不足していることへの不安が述べられています。
 また、次期ERPについては、多くの大きな期待と若干の不安の声が聞かれました。
 以上がヒアリングの概要です。これらのヒアリング結果については、関係役員と部局長にフィードバックを行っています。
 監査委員会は、引き続き協会がいかに効率的、戦略的なグループ経営を行っていくか、またグループガバナンス強化に向けて関連団体の指導・監督および支援をどのように推進していくか、注視してまいります。
 以上、監査委員会から、関連団体の社長・理事長ヒアリングについての報告でした。

 (森下委員長)

 タテ管理部局が複数あるグループ会社の場合に全体戦略を示してほしいとの意見がありましたが、どのような対応になりますか。

 (板野専務理事)

 タテ管理部局がいくつかある会社は少数ですがあります。私ども関連事業局の担当が連携を取り、タテヨコの管理体制をきちんと遺漏がないようにしていくのが、われわれの責任だと思っています。その部分は遺漏がないようしていきたいと思います。

 (森下委員長)

 グループ会社が迷わないようにしていただければと思います。

 (井伊委員)

 関連会社の剰余金の問題が指摘されることがありますが、NHKの場合、資金が足りない時に本体が助けられないという根本的な問題があります。それを所与として知恵を出して頑張るしかないのか、それとも法律を変えるなど踏み込んでいくのか、これからガバナンスが大きなテーマになっている中で、この点をどのようにお考えですか。

 (板野専務理事)

 金融的な支援を本体からはできません。これは受信料の目的外使用に該当し、制度上できないことになっています。その一方で経営的に基盤の弱い株式会社は、場合によって運転資金が不足することも考えられます。最近では、新型コロナウイルスの問題があり、イベントが中止になったり、さまざまな収益事業を先延ばしや休止にしていることがあります。このような状況が長く続くと、運転資金が不足する事態もあり得ると見ております。その場合、本体からの支援が制度上できないとは言いながらも、当然借り入れをしてもらうことが考えられるわけですから、支援策を私ども本体のほうで考えておく必要があると思っています。

 

 

6 会長報告

 (1) 新型コロナウイルスの感染防止に向けた対策について

 (前田会長)
 新型コロナウイルスの放送センター感染防止に向けた対策について、中田理事から報告します。
 (中田理事)
 新型コロナウイルス感染症への対応について、前回2月25日の経営委員会で報告した以降の対応を報告します。まず、先月26日から実施している公開番組の無観客による収録やイベントの中止・延期などの措置を、今月末31日まで継続することを、先週金曜日3月6日に決定し公表しました。感染拡大が収まっておらず、ライブハウスやスポーツジムなど閉鎖された空間で感染が広がっている実態が明らかになる中、公開番組やイベントで会場を貸していただく地元自治体などからイベントの休止の申し入れなどが相次ぎ、事実上実施が困難な実態があるうえ、感染症の専門家も感染防止対策の効果は、もう少し時間がたたないとわからないとしています。政府はさらなる感染拡大に備えた特別措置法の改正を、本日閣議決定、今週中には法改正が行われる見通しです。3月31日までに予定されていた「うたコン」「新・BS日本のうた」「のど自慢チャンピオン大会」は観客を入れずに生放送または収録をいたします。チャンピオン大会以外の「のど自慢」は中止とします。NHKスタジオパーク、放送博物館、NHKプラスクロスSHIBUYAは全面休館とし、全国の放送局でも見学などハートプラザの視聴者対応機能を縮小した状態を継続します。
 また、先週土曜日3月7日の夜に、NHKが事務処理を委託している関連団体、NHK営業サービス株式会社関東支社池袋事業所のパート従業員の50代の女性が、新型コロナウイルスに感染していることがわかりました。NHK営業サービスでは、翌8日の日曜日に池袋事業所のオフィスの消毒を実施、昨日保健所の指示を受けながら、感染者と席が近い人や同じテーブルで昼食をとった人12人を濃厚接触者と認定、2週間の自宅待機をしてもらっています。感染者は事業所内で事務処理を担当しており、濃厚接触者に職員や訪問要員は含まれていません。NHK営業サービス池袋事業所は、本日から業務を再開しています。
 職員の感染防止対策として、NHKではこれまでも、時差出勤や在宅勤務の積極的な活用、手洗いなどの徹底、ウェブを利用した会議、打ち合わせなどの実施、不要不急の出張の取りやめなどを実施してきましたが、今回の事案を受けて、全職員に出勤前の体温測定を要請、37度5分以上の発熱者は原則出勤しないように求めています。また、放送センターの玄関にサーモグラフィーを設置し、職員だけでなく来訪者も含めて発熱者を原則入館禁止にすべく準備を進めています。
 さらに、放送継続上の重要防護エリアで感染者が出た場合、消毒を行いながらどう放送を継続するか、具体的な業務継続の検討を急いでいるところです。
 以上、新型コロナウイルス感染症への対応についてご報告でした。

 

 (2) NHKプラスの開始後の状況について

 (前田会長)
 地上テレビ放送の常時同時・見逃し番組配信「NHKプラス」が、今月1日から予定通り試行的なサービスをスタートしました。公共メディアの実現に向けて、正確な情報や質の高い多彩な番組を「いつでも、どこでも、何度でも」受け取っていただける環境を整え、視聴機会の拡大を図っていきます。サービス開始後の状況や今後の課題について、木田専務理事から報告します。
 (木田専務理事)
 「NHKプラス」は、今月1日午前0時に利用登録の受付を開始し、午前7時からサービスを始めました。
 今月9日までの利用登録の申し込み件数は、およそ20万件です。受信契約の氏名・住所が一致した方から、随時はがきをお送りして、確認コードの入力をお願いしています。
 初日に多くの申し込みがあり、処理が追い付かなかったため、サーバーの容量を増強するなどの設定変更をしました。その際、3時間あまりにわたって、申し込みの受付を停止しましたが、その後は順調に登録手続きを進めています。
 「NHKプラス」では、見逃し番組をジャンルごとにまとめてリスト化して提供しています。新型コロナウイルスをめぐる最新情報を扱った番組や、予防や対策などのほか、視聴者の疑問に答える番組など、新型コロナウイルスに対応した内容となっています。
 学校が休みとなった子どもたちが自宅で学べる番組や、親子で楽しめる番組、運動不足を防ぐ番組などを集めたリストも設けています。
 このほか、あすで発生から9年となる東日本大震災に関する番組もリストにまとめて提供しています。
 権利の都合などで配信できない番組については、いわゆる「フタ」をしています。「フタ」をせずに配信できた時間は、総合テレビでおよそ90%、Eテレでおよそ50%となっています。
 Eテレの配信比率が低い理由は、従来から「NHK for School」などのサイトで教育番組を配信していて、「NHKプラス」であらためて配信する場合は、新たな権利の取得が必要になるためです。「NHKプラス」からは、「NHK for School」のサイトへの案内も積極的に行っています。
 「NHKプラス」に対し、お客様からは、「とても使いやすい」「役に立つ」といった好意的な意見をたくさんいただいています。その一方で、特に高齢の方からは、「登録や操作の仕方が分からない」という問い合わせもいただいています。
 このため、登録画面をより分かりやすく改修するほか、放送のスポットやホームページで、登録の方法を動画でお伝えしていくことにしています。
 新しいサービスの開始にあたって、私たちが常に注意しなければいけないのが、「NHKプラスをかたる詐欺」です。
 今月2日の「首都圏ネットワーク」の「ストップ詐欺被害!私はだまされない」というコーナーで注意を呼びかけ、このVTRをすべての地域放送局に送りました。ローカル番組で活用してもらうことで、地域の高齢者の詐欺被害を未然に防ぐことにしています。
 今月末までの試行的なサービスの期間中に課題を洗い出し、利用された方々のご意見にもしっかりと耳を傾け、来月1日からの本格的なスタートに向けて、万全を期したいと考えています。

 (井伊委員)

 「フタ」をかぶせずに配信した割合が総合テレビで約90%、Eテレ約50%というのは、予想したよりも高いように思います。特に総合テレビは高いと判断してよいのでしょうか。実際に4月からの本格スタート時に同様の数字が期待できるのでしょうか。権利交渉など難しいという話を以前に聞いていましたので、進捗状況を教えていただけますか。

 (木田専務理事)

 現場で権利交渉の努力を、全力を挙げてやりましたので、これだけの番組の権利を獲得することになりました。残り10%は例えばスポーツにまつわるものや、権利交渉が困難なものであるなど、そのような理由がありますので、この後4月からどれだけ積み重ねられるかはまだ不透明ですが、おおむね予定していた番組はほぼ配信できたと考えています。

 (森下委員長)

 順調にスタートできたと思いますが、今後も状況をフォローしていただければと思います。

 

 

7 議決事項

 (1) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (正籬副会長)
 国際放送番組審議会委員について、次のとおり委嘱したいと思います。
 4月1日付で、新規委嘱が二人、再委嘱が二人です。
 国際放送番組審議会は国際関係、学術、文化芸術、経済産業、社会の5つの分野で年代や男女比、さらに海外または国際的な場でのご経験など、全体のバランスを考慮して、委員をお願いしています。
 新規委嘱の一人目は、神田外語大学外国語学部教授の阪田恭代さんです。2月29日に任期満了で退任された国際関係分野の木山啓子委員の後任としてお願いしました。
 ご専門は国際政治学で韓国、アメリカなどで研究員として研究活動に従事され、2008年より神田外語大学外国語学部教授を務められています。
 新規委嘱の二人目は、経済協力開発機構(OECD)東京センター所長の村上由美子さんです。3月31日付で任期満了により退任される社会分野の神馬征峰委員の後任となります。
 国連で開発計画の援助プログラムやカンボジア暫定統治機構の人権擁護オフィサーとしての経験があり、2013年より経済協力開発機構(OECD)東京センター所長を務められています。
 再委嘱の一人目は、日本国政府代表で中東和平担当特使の河野雅治さん。
 再委嘱の二人目は、全日本空輸株式会社代表取締役社長の平子裕志さんです。
 今回の新規委嘱・再委嘱によって、国際放送番組審議会の委員数は11人となります。
 11人の委員の顔ぶれは、別紙の委員名簿のとおりです。また分野別、年代別、性別については、委員構成として最終ページにまとめてあります。

 (明石委員)

 今回、委員構成について資料にまとめて説明もいただき、ありがとうございます。全体的な印象として分野を分けて、委嘱をしているのがよく分かりました。少し残念であるのは、30代や20代の若い方への委嘱がないことで、帰国子女の方などを含め、若い方にも委嘱をするようにし、国際放送にも若いターゲットの方たちの意見も取り入れてはどうかとの感想を持ちました。

 (正籬副会長)

 年代別の構成も非常に重要だと思います。ご指摘も踏まえ、今後の参考にさせていただきたいと思います。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

8 報告事項

 (1) 2020年度(令和2年度)各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画について

(資料1)(資料2)(資料3)

 (木田専務理事)
 「2020年度各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画」について、ご報告いたします。
 「各地方向け地域放送番組編集計画」につきましては、放送法第82条に基づき、2月開催の各地方放送番組審議会に諮問し、可とする旨の答申を得て決定したものです。なお、各計画とも、1月15日の第1345回経営委員会で議決された「2020年度国内放送番組編集の基本計画」に基づき、地域に合わせたきめ細かな地域放送を実施するとともに、地域から積極的な全国発信を行うものとなっています。
 各地域で共通する要素としては、「防災・減災報道に日頃から取り組むとともに、今回の新型コロナウイルスのような緊急事態への対応とこうした事態に備えた体制の確保」のほか、「東京オリンピック・パラリンピックの盛り上げに寄与」「東日本大震災から10年の節目を迎え、復興に向けた課題の解決と被災体験の伝承」などがあります。また、「地域の課題に向き合い解決策を探る」とともに、「地域の魅力を広く発信し、活性化に貢献する」ことも共通する要素です。
 続いて、「各地方向け地域放送番組編成計画」は、それぞれの地域編集計画に基づいて作成し、2月28日の放送総局編集会議で決定したものです。
 関東甲信越地方の編集計画のポイントです。ブロックの基本方針は、「巨大台風・首都直下地震に備えて、取材・制作体制の整備を着実に進める」、「聖火リレーの生放送やオリンピックに向け変貌する首都圏の姿や課題を掘り下げる」などです。
 各地域局の特色ある取り組みを「重点事項」として挙げております。いくつかピックアップしてご紹介いたします。東京・首都圏放送センターは「東京オリンピック・パラリンピック」や「東京都知事選挙」への対応、「南関東エリア向けの放送の充実」、前橋局と宇都宮局では「総合テレビ・平日午後6時台のニュース・情報番組の拡充」、長野局では「台風19号災害からの復興支援」などについて、重点的に取り組みます。
 関東甲信越ブロックの編成計画は、新設する番組を中心に説明します。宇都宮局が、FM放送・最終金曜日の午後6時台に「夕暮れ とちのき堂」を新設します。栃木県内の旬の話題や週末の天気、行楽情報など地域に密着した情報を伝えます。また、千葉局がFM放送で、木曜日と金曜日の午前11時台に「花ラジちば」を新設します。千葉の豊かな自然や歴史、活躍する人々を紹介し、地域を元気にする番組です。
 近畿地方のブロックの基本方針は、「非常事態における本部代替機能の充実」、「地域の文化の豊かさや価値観の多様性を発信」などです。
 各局の重点事項では、神戸局は「国宝・姫路城を8Kで番組化」する、奈良局、大津局は「新会館移転に向けて、番組の刷新やイベント展開」などを挙げています。
 近畿ブロックの編成計画では、ラジオ第1の月曜から土曜で放送している「関西ホットライン」を改題し、「マイあさ!関西」とします。
 中部地方のブロックの基本方針は、「多様な地域特性を踏まえた放送やサービスを充実させる」、「中部地方の多彩な魅力を描く番組の制作に取り組む」などです。各局の重点事項では、金沢局が開局90年、津局と岐阜局が開局80年を迎え、それぞれが特集番組やイベント展開で地域の視聴者との結び付きを強め、地域活性化に貢献するなどを挙げています。
 中部ブロックの編成計画は、大きな変更はありませんが、総合テレビ・金曜午後7時台の番組の制作本数が、金沢局、福井局、富山局で増加しています。
 中国地方のブロックの基本方針は、「西日本豪雨災害の教訓を生かし、防災・減災につながる情報発信に尽力する」、「被爆75年の節目、核兵器廃絶と平和への祈りを発信する」などです。各局の重点事項では、広島局が「被爆75年の節目、被爆体験の継承に取り組む」、岡山局が「開局90年、特集番組やイベントを実施」などを挙げています。
 中国ブロックの編成計画は、大きな変更はありません。
 九州沖縄地方のブロックの基本方針は、「戦後75年長崎・沖縄の戦争体験の記録と次世代への継承」などです。各局の重点事項では、福岡局が「開局90年、地域ドラマや4K・8Kなどで幅広い世代が楽しめる番組を制作」、長崎局が「被爆75年、核兵器廃絶を願う動きを伝え、被爆地の放送局としての責務を果たす」、沖縄局が「首里城再建に向けともに歩む」「戦後75年、沖縄戦の記憶を継承し平和への願いを伝え続ける」などを挙げています。
 九州沖縄ブロックの編成計画です。2つの番組を新設します。福岡局がFM放送・金曜午後11時台に、九州沖縄ブロックで「六本松サテライト」を新設するほか、北九州局がラジオ第1・最終金曜午後0時台に、「きたきゅーラジオ」を新設します。
 東北地方のブロックの基本方針は、「東日本大震災から10年“東日本大震災の記憶の伝承”につながる取り組みを加速」、「東京オリンピック・パラリンピックに向けて情報発信し、“復興五輪”の機運を高める」などです。各局の重点事項では、仙台局と秋田局が「地域発ドラマを制作し地域を盛り上げる」、福島局は「原発事故や台風19号災害の復興を後押しする」「連続テレビ小説『エール』を盛り上げ、地域活性化に貢献」などを挙げています。
 東北ブロックの編成計画は、総合テレビ・金曜午後7時台では、東北ブロックで、オリンピックと東北地方の意外なつながりを紹介する「みちのく 頂をめざして」を新設します。
 北海道地方のブロックの基本方針は、「北海道胆振東部地震の教訓を生かし、多様な情報伝達手段を確保する」、「多様な存在・価値観を尊重する“共生・共存社会”の実現に貢献」などです。各局の重点事項では、札幌局が「新会館移転を契機に地域の個人・団体と連携しオープンジャーナリズムを推進」、函館局が「北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産登録への動向を伝える」、室蘭局が「民族共生象徴空間『ウポポイ』のオープンを契機に地域に受け継がれているアイヌ文化を広く伝える」などを挙げています。
 北海道ブロックの編成計画では、総合テレビ・金曜午後7時台に、「北海道道」を新設し、「北海道の今って“どう”?」に応える地域密着番組です。このほか、帯広局がラジオ第1・木曜午後4時台に「十勝の話題と音楽」を新設し、年12回程度放送します。
 四国地方のブロックの基本方針は、「四国を活気づける放送局を目指し、視聴者ニーズにあったサービスを効果的に組み合わせる」、「四国応援プロジェクト『ハッとホッとずっと』キャンペーンを継続」などです。各局の重点事項としては、松山局が「東京オリンピック・パラリンピックを聖火リレーや特集番組で盛り上げる」、高松局が「総合テレビ・平日午後6時台のニュース・情報番組を刷新し、岡山局との連携を継続」などを挙げています。
 四国ブロックの編成計画では、総合テレビ・土曜午前7時台に、地域のトレンドや新しい週末の楽しみ方などを伝える「ギュッと!四国」を新設します。ラジオ第1・平日午後5時台には、四国ブロックで毎週金曜日に「ホッと!四国」を新設します。総合テレビ・平日午前11時台に、月曜から木曜に四国ブロックで「ひるどき四国」を、毎週金曜日には、四国各局でそれぞれの番組を新設します。

 (佐藤委員)

 函館局と青森局、高松局と岡山局など、地域の連携は、地域のニーズや意識に合っていると思いますので、今年もやっていただくのはとてもすばらしいと思いました。

 (木田専務理事)

 各局が地域の特性を生かし、オリジナルの地域放送サービスを推進するように考えたうえでと思います。成果を楽しみにしたいと思います。

 (明石委員)

 編成計画に直接関わらないのですが、2019年度の会長賞を受賞された番組の一覧を見ました。記憶に残るよい番組がたくさん入っていました。会長賞を取られた番組の発表は局内だけで、外部に対しては優秀な番組としてPRはしていないのですか。

 (松坂理事)

 通常ですと、放送記念日記念式典のときに、外部の方もいらして表彰をしていますが、今年度はNHKホールの表彰式は新型コロナウイルス対策のため、できません。

 (明石委員)

 会長賞を取った番組の再放送はしないのでしょうか。

 (木田専務理事)

 そのような形の取り組みはしていないですが、芸術祭賞など外部の賞をいただくと再放送することもあります。

 (明石委員)

 よいコンテンツなので、ぜひ流用できたらと思いました。

 

 (2) 経理規程の改正について(資料)

 (森下委員長)
 報告事項(2)について、特段の質問等がなければ資料確認のみで、報告に代えさせていただきます。

 

<会長、副会長、専務理事、理事退室>

 

9 意見交換 今後の経営委員会運営について

 (森下委員長)
 今後の経営委員会運営について意見交換を行います。
 本日3月10日の野党共同会派総務部会において、私から、新聞報道についてと議事録を非公表としたことについて、説明をしました。その内容について、非公表としたものを公表すべきではないか、あるいは、全部公表できないのであれば議事経過的なものを出すべきではないかという議論がありました。
 皆さんに、従来非公表としていたことについて見直すかどうか、ご議論をいただきたいと思います。

 (村田代行)

 一昨年10月のことで、当時の委員は非公表を前提に議論し、今までもそのように国会にも説明しているということです。これをあらためて方針を変えて公表するとなると、今後もそうした事例が出てきた時にどうするのか。非公表を前提に議論したものは、非公表の原則を貫くというのがやはり筋ではないかと私は思います。

 (佐藤委員)

 委員会としてはとても重要なことを決めているわけです。だから、どの部分を非公表にするかをもう少し確認しておいたらよかったのかもしれません。

 (森下委員長)

 昨年9月にマスコミに取り上げられ、それからいろいろと議論がありましたので、会長を注意したことの重大性と透明性からみて、あの時にきちんと会長を注意したということであれば、その部分は公表すべきだった、議事録に書くべきだったと、われわれは反省しました。それであらためて、ガバナンスの部分については議事録に載せました。
 重要なことを決める時には、議論は非公表でも、結論は議事録に載せておくべきだったということは、あの時の反省だと思います。

 (佐藤委員)

 会長に注意した文章も公表していますか。

 (森下委員長)

 公表した議事経過の中に入っています。

 (堰八委員)

 番組に経営委員が口出しできないというのは、われわれ経営委員に就任した時の一丁目一番地で、みんなそれは頭にあってあの議論があった記憶があります。ガバナンスというのは、一般の会社でもそうですが、実際に社長は現場にいろいろ指示を出さなくても、最終的に責任は誰かと言われたら経営のトップ、というのは、立てつけの問題だと思うのです。その判断をするための背景としてわれわれは意見交換をした。その中に具体的に番組の中身についても、話の中で出てきたということだと私は認識していました。

 (高橋委員)

 そもそもは、「厳しく伝え、」で読点を打って、「注意した」と続けた。だからわれわれとしては、「厳重注意」ではなくて、あくまでも「注意」だという認識でした。

 (渡邊委員)

 これは非公表ということだったので、結構自由なことを言っていたのです。それを出すとなると、これからの経営委員会で自由なことが非常に言いにくくなります。

 (槍田委員)

 取締役会でも、そこできちっと議論すること以外は懇談会として分けていろいろな話をして、そこでは本当に自由にああしろ、こうしろ、どうなんだということをやるので、もし経営委員会の場でもそういう仕切りができないのだったら、これはそのこと自体が問題です。議事録は公開しないというベースで議論しているものは、何を言われても公開はしないと、そういうルールで議論しているのです。

 (堰八委員)

 要するに「何に対して注意したか」ということがはっきりしていればよい。われわれ経営委員は、一切番組の中身について、内輪だけでも話してはいけないかといったら、それではいろんな議論ができない。やはり番組の中身に触れることもあると思います。

 (村田代行)

 私も全く同感です。相手が誰かというより、最初のチーフ・プロデューサーの発言が、問われてしまっている以上はそれに対応せざるを得なかったということです。

 (森下委員長)

 郵政3社から来たからといって特別扱いはしていない、というのは、私は今までも説明してきています。経営委員会にはいろいろな意見が来ており、番組に関して来たものは全部執行部に渡し、回答しないといけないものについては、必要なものは回答していますと説明しています。

 (佐藤委員)

 私は、議論が正しいのであれば出してもよいと思うのです。

 (村田代行)

 私は反対です。

 (高橋委員)

 基本は「出し得ない」というのが、今の状況ではないかという話だと思うのです。

 (森下委員長)

 今までの意見で、佐藤委員からは出してもよいのではないかという意見があったのですが。

 (佐藤委員)

 私も別に、積極的にこれを公開したら何かいいことが起こるということを思っているわけではありません。

 (堰八委員)

 われわれが番組の放送の中身についてこの場で話を出して、いろいろ言ったか言わないかというところが、ポイントになってくるのです。でも、ガバナンスの問題を判断するのにあたっての背景情報としていろいろ、番組もみんな見たわけですから、感想も言うということについて、それまで言ってはだめだということもあるのか。

 (佐藤委員)

 それは大丈夫じゃないですか。

 (森下委員長)

 要するに状況とか経緯を理解するために意見交換したということです。

 (村田代行)

 もう何人もの委員の方が、内容に干渉してはいけないということは分かっていると、了解の下でと言っているわけで、それがコンセンサスとして議論が進んでいるわけですから。

 (佐藤委員)

 逆にそれが見えたほうがいいのではないかと思いました。

 (森下委員長)

 いろいろと議論をしていただきましたが、従来の方針を変えてこれを出すか、出さないかですが、いかがでしょうか。

 (高橋委員)

 従来どおり。

 (槍田委員)

 はい。

 (村田代行)

 私は出すべきじゃないと思います。

 (堰八委員)

 私もそう思います。

 (佐藤委員)

 基本的に、出さないつもりで作っているからですよね。
 そこが前提だから出さないっていうことは、ええ。

 (森下委員長)

 それでは、非公表という前提で議論されているので、方針変更は難しいということで、皆さんと意識合わせをさせていただきました。
 ただ、この件につきましては、経営委員会として、これまでの内容を総括して、全体の経緯が分かるようなものを作って出してはどうかと思っています。
 内容については、これから整理し、あらためて皆さんにお諮りすることになると思います。24日の次回の経営委員会で確認したいと思います。

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2020年3月24日    

森 下 俊 三 

 

 

高 橋 正 美