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第1328回
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2019年5月17日(金)公表

日本放送協会第1328回経営委員会議事録
(2019年4月23日開催分)

第1328回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1328回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2019年4月23日(火)午後1時00分から午後4時30分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 井 伊 雅 子
    槍 田 松 瑩   小 林 いずみ 佐 藤 友美子
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 中 島 尚 正
    長谷川 三千子   渡 邊 博 美  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  坂 本 専務理事 児 野 技師長 松 原 理 事
  荒 木 理 事 黄 木 理 事 菅   理 事
  中 田 理 事 鈴 木 理 事 松 坂 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(広島)登壇者報告

 

1 議決事項

 (1) 2019年度経営委員会委員の報酬について(資料)

 

2 委員長報告

 

3 監査委員会報告(資料)

 

4 会長報告

 

5 議決事項

 (1) ラジオ中継放送局の設置計画について(資料)

 (2) 「職員の給与等の支給の基準」の改正について(資料1)(資料2)

 (3) NHK情報公開・個人情報保護審議委員会委員の委嘱について(資料)

 

6 報告事項

 (1) 2018年度第4四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (2) 視聴者対応報告(2019年1〜3月)について(資料1)(資料2)(資料3)

 (3) テレビジョン中継放送局の廃局について(資料)

 (4) ラジオ中継放送局の開局について(資料)

 (5) NHK情報公開・個人情報保護の実施状況(2018年度)(資料)

 (6) 2018年度契約・収納活動結果(資料)

 (7) 「東京オリンピック・パラリンピック推進委員会」について

 (8) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

○ 平成30年度役員目標年間総括ヒアリング

 

 

<議事経過>

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(広島)登壇者報告
 4月13日土曜日に広島放送局で開催された「視聴者のみなさまと語る会(広島)」に登壇した森下代行、井伊委員、槍田委員から感想の報告を受けた。

 

 

1 議決事項

 (1) 2019年度経営委員会委員の報酬について(資料)
 ※ 議事に先立ち、評価・報酬部会を開催し、2019年度経営委員会委員の報酬について審議を行った。
 (石原委員長)
 2019年度経営委員会委員の報酬について、高橋評価・報酬部会長から、評価・報酬部会の審議結果を報告いただきます。
 (高橋委員)
 2019年度経営委員会委員の報酬についてお諮りします。
 お手元にあります議案書「2019年度経営委員会委員の報酬について (案)」をご覧ください。表紙に続き、2枚目に「経営委員会委員報酬支給基準」、3枚目に別表として報酬額を記載しています。
 評価・報酬部会としては、昨年度と同じ報酬額で提案します。前回の経営委員会で役員報酬を前年度と同額で議決しています。経営委員会委員の報酬は、役員報酬と同様に、これまで段階的に減額してまいりましたが、今年度についても役員報酬と同等の対応をするのが適当だと考えています。
 また、他の公共性の高い企業や法人との比較、昨今の経済状況を踏まえましても、昨年度と同額とすることは妥当であり、十分説明責任を果たすことができると考えています。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1327回(2019年4月9日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、2019年4月26日に公表することを決定した。

 

 

2 委員長報告

 (石原委員長)
 本日、2019年度経営委員会委員の報酬について、評価・報酬部会からの議案を受け、昨年度と同額で議決しました。

 

 

3 監査委員会報告(資料)

 (高橋委員)
 平成30年度の経営委員会委員の服務に関する準則の遵守についてご報告します。席上に、経営委員会への報告表紙「監査委員会活動結果報告について」と、報告内容「監査委員会活動結果報告書」を資料として配付しています。
 「監査委員会活動結果報告書」をご覧ください。監査委員会は、4月9日開催の第1327回経営委員会の際に、放送法、定款および監査委員会規程等に基づき、経営委員会委員に対して、服務に関する準則の遵守について、確認書の提出を依頼しました。平成30年4月1日から平成31年3月31日までの間の経営委員会委員の業務執行について、経営委員会委員12人全員から、それぞれ当準則に基づき行動したとの確認書を受領しています。

 

 

4 会長報告

 (上田会長)
 海外出張についてご報告します。私はABU・アジア太平洋放送連合の理事会に出席するため、4月14日から16日までマカオに出張しました。
 ABUはアジア太平洋地域の放送局の親善と相互発展を目指して設立された組織で、73の国と地域から280機関が加盟しています。私は昨年10月のトルクメニスタン総会でABUの会長に就任し、今回初めて理事会の議長を務めました。
 理事会にはNHKをはじめ、韓国KBS、中国ラジオテレビ総局、トルコTRT、インドDDIなど11機関からおよそ40人が出席し、昨年秋の総会以降の活動報告や昨年度の決算、今後の活動方針などについて協議しました。理事会には、今月25日付で国際放送などを統括する理事に就任する正籬広報局長も出席し、NHKがホスト放送局を務める今年度の東京総会について、準備が順調に進んでいることを説明しました。
 東京総会は“Building Trust: Enriching  Audience Experience”(多様な視聴体験への挑戦〜信頼されるメディアを目指して)というテーマを掲げ、11月17日から22日までの6日間、新宿のホテルをメイン会場に開催されます。

 

 

5 議決事項

 (1) ラジオ中継放送局の設置計画について(資料)
 (児野技師長)
 ラジオ中継放送局の設置計画について、ご審議をお願いいたします。
 設置に向けた技術検討などが完了し、放送局免許の申請を行う段階となりました3局の設置を提案いたします。いずれもラジオの受信改善を目的としており、FM波を利用したラジオ中継放送局開設の制度を活用します。地区名等はお手元の表のとおりです。2020年度の開局を予定しています。
 今回の設置により、石川県輪島市門前町の一部地区の約2,000世帯、岡山県高梁市の一部地区の約5,400世帯、島根県浜田市と益田市の一部地区の約2,800世帯、合わせて約1万200世帯の受信状況が改善されます。参考資料の地図をご覧ください。設置するラジオ中継放送局の位置を記載しています。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 (2) 「職員の給与等の支給の基準」の改正について(資料1)(資料2)
 (松坂理事)
 「職員の給与等の支給の基準」は、放送法第61条において、支給の基準を定め、これを公表しなければならないとされており、その改正については、定款第13条第1項第1号タの定めにより、経営委員会で議決いただくことになっています。
 このたび、給与制度の見直しに伴い、改正案を別冊のとおり提出します。改正箇所は別冊の資料の赤字の部分です。
 具体的な内容について説明します。まず、手当関連です。家族手当の中の(d)寒冷地補助については、これまで北海道の各放送局に所属する職員に対し、11月からの5か月分を10月に一括で支給していました。これをほかの手当と同様、各月ごとの支給にします。このため、支給の基準の「10月に」という文言を削除しています。
 それから、同じページの(ウ)のところにあります、育児休職社会保険手当、介護休職社会保険手当については、休職中に社会保険料の本人負担が発生した場合にのみ支給する、実費補填(ほてん)的な性格のものであり、支給対象者も極めて限定されます。通常支給されるほかの手当とは異なることから整理することとします。なお、いずれの手当も支給対象等の変更はありません。
 育児休職社会保険手当について若干補足して説明しますと、国の制度が拡充されて、子どもが3歳になるまで育児休職中の社会保険料が免除されていますので、現在この手当の支給対象者の職員はおりません。恒常的に支給されるほかの手当と比べると、非常に限定的な手当であることから、手当の項目から外して整理することとしています。
 次に、職員制度の見直しの一環として、モチベーション向上の観点から、一般職のSグレードを現行の2区分から4区分にしました。これに伴う変更となります。改正点は以上です。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 (3) NHK情報公開・個人情報保護審議委員会委員の委嘱について(資料)
 (鈴木理事)
 NHK情報公開・個人情報保護審議委員会委員の委嘱について、審議をお願いします。
 この審議委員会は、NHKに情報開示を求めた視聴者がNHKの開示・不開示の判断に対し不服を申し立てた場合、客観的かつ中立的な立場から意見を述べていただく、会長の諮問機関である第三者委員会です。委員は5人で、このうち椿愼美氏、関葉子氏、委員長の藤原靜雄氏の3人が、6月末で任期切れを迎えます。このうち、現在2期目の関氏と、1期目の藤原氏には、再委嘱をお願いしたいと考えています。
 また、2期目を終える椿氏については、後任として、新たに園マリ氏に委嘱をお願いしたいと考えています。園氏は、政府の情報公開・個人情報保護審査会委員と証券取引等監視委員会委員の両方を務めた、ただ一人の公認会計士です。
 審議委員会委員の委嘱は定款第13条第1項第1号ノの規定により、経営委員会の議決事項になっています。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

6 報告事項

 (1) 2018年度第4四半期業務報告(資料1)(資料2)
 (坂本専務理事)
 四半期業務報告は放送法第39条第3項の、「会長は3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を経営委員会に報告しなければならない」という規定に基づいて行うものです。今回は第4四半期を含む2018年度1年間について報告します。
 3ページから8ページが、2018年度の概況です。3ページ冒頭の総括には、受信料の値下げを盛り込んだ現3か年経営計画の修正を実施し、それを踏まえた2019年度予算は国会で全会一致で承認されたこと、NHKグループ一体で業務改革に取り組むこと、自然災害が相次ぐ中、放送やインターネットを通じて正確・迅速な情報提供を行うとともに、ローカルファーストの考え方で防災・減災報道に取り組んだこと、外国人への災害情報発信を強化したこと、総合テレビの接触者率が増加に転じ、番組改定で目指してきた幅広い世代の接触の向上に成果をあげたこと、12月に本放送を開始したBS4K・BS8Kのコンテンツ拡充や普及促進に努めたこと、テレビ番組のインターネット常時同時配信を可能にする放送法改正案が国会に提出されたこと、“公共メディア”の実現に向けて業務改革を推し進め、視聴者の理解を得ながら準備を進めていくこと、などを記しています。
 続いて、5つの重点方針ごとに、取り組みと成果、それぞれの「今後の取り組み」について記述しています。
 「重点方針1.“公共メディア”への進化」です。より多くの視聴者層に届けるための改善に努めた結果、総合テレビの週間総合リーチの年度平均が、前年に比べて増加し、特に59歳以下での増加が大きかったこと、常時同時配信に向け「放送を巡る諸課題に関する検討会」でNHKの考え方を説明し、放送法の改正案が国会に提出されたこと、民放との二元体制を強化する立場から連携のあり方を具体的に検討したこと、その一環として民放ラジオが参加する「radiko」を通じたNHK番組の実験的配信を全国にエリアを拡大して実施し、2019年度から正式に配信することを決めたこと、などを記しています。
 「今後の取り組み」としては、テレビ放送のインターネットによる常時同時配信について、放送法改正の対応に万全を期すこと、視聴者・国民の理解を得られるよう、サービスの具体化と課題の解決に向けた準備を加速させること、などを記しています。
 続いて5ページです。「重点方針2. 多様な地域社会への貢献」です。全国の放送局で平日の18時台など、地域に寄り添う放送・サービスの充実を図り、視聴者のニーズに応えたこと、地域改革のトライアルとして、6か所の放送局で県域放送サービスの拡充、5か所の放送局で総務業務などの委託の試行をそれぞれ開始したこと、などを記しています。
 「今後の取り組み」としては、放送部門・事務部門のパイロット放送局での試行を検証・総括し、PDCAサイクルを回しながら、地域改革の定着と進化を図ること、などを記しています。
 「重点方針3. 未来へのチャレンジ」です。2018年度は、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、パラスポーツの認知度向上などに積極的に取り組みました。このほか、気象情報の原稿を自動生成して読み上げるAIアナウンサーを開発し、3月に甲府放送局で、ラジオで2週間の試行放送を実施したこと、などを記しています。
 「今後の取り組み」には、AIアナウンサーの活用の拡大を目指し、発話生成と音声合成の高品質化の研究開発を進めること、などを記しております。
 「重点方針4. 視聴者理解・公平負担を推進」です。受信料の値下げを盛り込んだ現3か年経営計画の修正について、11月27日の経営委員会で議決を得たこと、値下げを盛り込んだ2019年度予算・事業計画が衆参両院ともに全会一致で承認されたこと、公平負担の徹底の取り組みに加え、最高裁判決以降、自主的に契約を申し出る方が増えたことなどにより、受信料収入・契約増加が計画を上回って堅調に推移したこと、3か年経営計画で掲げた4つの負担軽減策のうち、2つの施策を始めたこと、などを記しています。
 「今後の取り組み」として、受信料の値下げと負担軽減策の円滑な実施に向けて、事前準備や周知活動を進めていくこと、などを記しています。
 「重点方針5. 創造と効率、信頼を追求」です。4月に設置した「業務改革推進会議」では、全役員が参加して、放送や視聴者の理解促進、管理部門の高度化などについての課題を洗い出し、改革の方向性を定めたこと、「NHKグループ働き方改革宣言」の実現に向けて、「働き方改革推進委員会」で、進捗状況を確認し、全局体制で取り組みを進めたこと、改正労働基準法施行を見据え、新しい働き方のルールを周知・共有し、関連団体でもフォローアップを行うなど、グループ全体の管理体制を整えたこと、グループ経営改革として、技術部門の2つの子会社の合併による新会社の設立を円滑に実現させたこと、などを記しています。
 「今後の取り組み」には、創造と効率を追求する業務体制の構築をグループ一体で進め、限りある経営資源の最適配置に向けた検討を重ねることで改善を図っていくこと、などを記しております。
 続きまして9ページです。「2018年度の取り組みから」としまして、受信料の値下げと業務改革の推進など、特筆すべき取り組みを紹介しています。
 次に11ページです。1月に実施した、経営計画の進捗を測る「経営14指標」の世論調査結果を載せています。この中では「12 放送技術の発展」が前期および前年同期と比べて、期待度と実現度の差が統計的に改善しました。
 13ページからは、放送・サービスにかかわる質的・量的指標の評価などの今期の状況を、参考として載せています。16ページの「中央放送番組審議会の意見」は、来月の審議会を踏まえて記述し、改めてご報告します。
 17ページは、1月から2月にかけてインターネットを利用して5つの重点地域で行われた国際戦略調査の結果です。「日本についての理解度」は、「NHKワールド JAPAN」のテレビ国際放送に、四半期のうちに接触したことのある人(リーチ者)と接触したことのない人(非リーチ者)に分けて見たところ、リーチ者の理解度の水準が引き続き高くなっています。また、「NHKワールド JAPAN」を知っている認知率に関して、インドネシアでは、前期と比較して統計的に増加しました。
 19ページは、今の経営計画で新たに設定した「技術5指標」の1月の世論調査の結果です。重要度、評価とも全体傾向は前期と同様で、「防災・減災、緊急報道」は8割を超える評価を維持しています。
 20ページは、受信契約の状況を改めてまとめて掲載しました。

 (森下代行)

 5ページの「重点方針2. 多様な地域社会への貢献」について、この中に北海道内6局が民放と一緒に生放送したということがありますが、これは非常によいことだと思います。先日、広島での「視聴者のみなさまと語る会」で広島放送局に行ったのですが、広島放送局は、地域の視聴者の方に、各民放がつくった原爆関係の番組をまとめてイベント的に見せる場をつくるということをしていました。こうした取り組みは、非常に重要だと思います。このように合同で番組をつくったり、イベントをしたり、地域民放と共同で取り組むと、民放を見る若い人たちが、NHKはこんな番組をやっていたのかと気づくということにもなるので、NHKにとってもよいでしょうし、地元にとっても非常によいことだと思います。ぜひこれは推し進めていただきたいと思います。

 (坂本専務理事)

 これまでもいろいろと取り組んできていますが、これからも地域特性を生かしながら、それぞれの地域の中で民放との連携・協力をより具体的に描いて、よい形で番組を出していければと思います。それから、大型連休最後の5月6日になりますが、NHKと民放ラジオ各社が一体となって、ラジオキャンペーンを、全国的にやっていきます。特に地域ラジオというのは、非常に大事になってきているので、そこは力を入れて、いろいろなチャレンジをしていきたいと思います。

 (森下代行)

 先日の広島での「視聴者のみなさまと語る会」でも、地元目線で放送をしてほしいという意見がありました。東京目線での放送ではなく、こうした地元目線を求める声もありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

 (2) 視聴者対応報告(2019年1〜3月)について(資料1)(資料2)(資料3)
 (鈴木理事)
 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、2019年1月から3月の3か月間を取りまとめました。
 では、まず3ページをご覧ください。はじめに視聴者から寄せられた苦情を含めた意見・要望への対応の全体状況について報告します。
 視聴者の声の総数は、水色で囲ったところですが、3か月間で95万5,790件でした。続いて左の黄色で囲った部分ですが、放送、営業、受信相談の各ふれあいセンター、そして本部各部局、全国各放送局が受け付けた苦情を含めた意見・要望の総数は、12万5,268件でした。右側の矢印で示した部分ですが、意見・要望総数の87%にあたる10万9,300件あまりは、各ふれあいセンターで対応する一次窓口でお客さまに説明し、理解を得ました。残りは、放送の該当部局や担当地域の営業部や受信相談窓口で回答や説明などの二次対応を行いました。本部各部局や全国放送局に直接届く意見・要望については、原則一次窓口で対応しています。なお、問い合わせについては、ふれあいセンターや該当部局、全国各放送局で速やかに回答するなどの対応をとりました。
 下のグラフは、視聴者の声の分野別の内訳と件数です。オレンジ色の「受信料」関係が最も多く、訪問員の応対に関する苦情や意見が含まれます。黄緑色が「放送番組」、黄色は「技術・受信相談」で、テレビやラジオの受信不良に対することが多くを占めます。赤は「経営」についてで、不祥事や職員制度などへの意見です。灰色の「その他」には、放送や番組に直接関係ない話や、内容が分かりにくいものも含まれています。
 次のページですが、放送番組に寄せられた視聴者の声と概要です。1月から3月に寄せられた視聴者の声は、およそ26万5,600件でした。左の円グラフですが、放送日、再放送の予定などの問い合わせが58%で最も多く、好評意見が6%、厳しい意見が20%でした。
 また年代別にまとめた右のグラフでは、50代以上の方が81%を占めています。苦情を含む意見や問い合わせには、事前に送付した説明資料や必要に応じて新たに作成した資料などをもとに、ふれあいセンターや該当部局、全国各放送局で丁寧に対応するとともに、寄せられた意見や要望は今後の放送に生かしてもらうため、番組担当者や該当部局に伝えています。
 下の表は再放送の希望が多かった番組トップ10です。大みそかの「NHK紅白歌合戦」やフィギュアスケートの羽生結弦選手を取り上げた「アナザーストーリーズ」、「ガッテン!」などに多くの再放送希望が寄せられました。右のオレンジ色で囲っているのは、再放送をした日付です。
 続いて、5ページをご覧ください。受信料関係に寄せられた意見の概要です。1月から3月には、およそ55万2,100件の意見や問い合わせが寄せられました。大半は問い合わせで、速やかに回答などの対応をしました。ふれあいセンター(営業)で受け付けた苦情を含む意見や要望は、1万3,100件あまりでした。内容は、訪問員の応対、訪問日時などへのご意見が最も多くなっています。訪問員への苦情削減の取り組みを進めた結果、昨年の10月以降、この3月まで6か月連続で月あたりの苦情件数は3,000件を下回っております。受信料関係で寄せられたご意見の53%は一次窓口で対応が完了し、残りにつきましては担当地域の営業センターが二次対応いたしました。
 続いて、技術・受信相談に寄せられた意見の概要と対応です。1万2,500件あまりの意見や問い合わせが寄せられました。内訳は、受信不良の申し出が7,060件あまり、技術相談は5,500件あまりでした。受信不良の申し出については、一次窓口で対応が完了したのは48%で、残る52%は訪問による二次対応で改善の指導や助言を行い、技術相談については、ふれあいセンターや各放送局の受信窓口で対応しました。
 一番下は経営への意見です。NHKの経営に関して、1月から3月は、756件の意見や問い合わせが寄せられ、このうちふれあいセンター(放送)に寄せられた意見は536件でした。主な内訳は、「不祥事」関係が59件、「経営計画」関連と「公共放送」関連がそれぞれ41件、などとなっています。音声や映像データの誤送信の問題や単身赴任手当の不正受給など、不祥事が相次いだ昨年10月から12月の3か月に比べて、経営への意見は840件減少しました。丁寧にご意見をお聞きするとともに、問い合わせについては対応資料などをもとに対応しました。
 6ページ目以降は、視聴者から寄せられた意見・要望への具体的な対応についてです。はじめは、外国人に向けた国際放送局の新たな取り組みについてです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、訪日される外国人観光客が増えています。観光庁の発表では、その半数が中国や台湾など中国語圏からの人たちで、中国語のニュースや交通情報はあるのかという問い合わせも寄せられるようになってきました。「NHKワールド JAPAN」では、こうした中国語圏の方々に向けて、インターネットで配信する新たなサービスを1月15日に開始しました。平日の夜に中国語でニュースをライブで配信するほか、日本の文化や地域、さらに旅やビジネスなど、多彩な番組を編成して配信しています。また、地震や大雨などの災害時には、安全・安心に役立つ情報源であることを目指しています。配信開始後には、「すばらしい取り組みで、日本からの視点は役に立つと思う」とか、「毎日見ている。内容が客観的で気に入っている」などの声が届いています。
 次のページは、金沢・福井・富山の3局が合同で行った大雪の際のアナウンスのあり方についての研究会と、北陸向けにラジオで放送した災害特番について紹介します。この研究会を開いたきっかけは、昨年2月の記録的な大雪で、福井県内で12人が亡くなるなど、大きな被害が出たことです。大雪による事故を減らして、住民の命を救うためには、どのような呼びかけをすればよいのか考えようと、アナウンサーが集まりまして、屋根の雪かき、立ち往生した車の対処法などを実際に体験し、住民がどのような情報や伝え方を求めているのか、意見や情報を集めました。その結果、例えば「不要不急の外出は控えてください」など、災害時によく使うことばがあいまいで分かりにくいというご意見があったことから、「なるべく外出は控えてください」と言いかえることにしました。また、「吹雪で道路と用水路などの見分けがつかなくなることがあり危険です」という呼びかけについては、足元に注意が向きやすい表現のほうがよいという意見を受けまして、「足元や周りの状況が確認しにくく危険です」と改めることにしました。そして、2月9日には、北陸3県向けにラジオの公開生放送番組を福井放送局から放送し、番組には、「雪下ろしの方法が、具体的で分かりやすくてよかった」とか、「アナウンサーや気象予報士も試行錯誤しながら伝えていることが分かり、今後の災害放送が期待できると感じた」などの声が寄せられました。
 次のページは、「アポ電」です。特殊詐欺や強盗の被害を伝えるニュースなどで最近よく耳にすることばですが、高齢の視聴者を中心に、「アポ電」の意味が分からないという指摘や意見がございました。NHKは当初から、「事前に家に現金がいくらあるかを尋ねる不審な電話」と原稿やテロップで説明をして対応しているのですが、首都圏ネットワークの「ストップ詐欺被害!私はだまされない」のコーナーで、「アポ電」の手口を詳しく紹介しています。詐欺をめぐっては、NHKをかたる不審な電話があったという視聴者からの通報も増えております。3月までの2018年度の件数は3,400件あまりで、前の年度よりも3倍増になっています。詐欺撲滅に向けて、番組やホームページなどで注意を呼びかけてまいります。
 9ページは、誤記・誤読などへの指摘への対応です。放送でのテロップや誤読などのミス、事実関係の間違いの件数は、この3か月間で合わせて235件で、前の四半期と比べて20件減少しました。一方で、ホームページ上のミスは3か月で107件あり、17件増えました。視聴者からの指摘は、ふれあいセンターや広報局視聴者部から番組担当者に連絡し、対応に努めました。また、再発防止のため、放送関係の各部局で構成している放送倫理連絡会などで周知し、意見交換、注意を促しました。

 (森下代行)

 視聴者のみなさまからの声に対する対応の報告ですが、出てきたご意見に対して、どのように改善したかということを随時確認していただいて、分かりやすくなりました。この前の「視聴者のみなさまと語る会」では、視聴者の皆さまからは、「いろいろと意見を言うのだけれども、それはどう改善されたか分からない」という意見がありましたので、「いろいろな取り組みをやっていますから、ホームページを見てください」とお伝えしています。いろいろ分かりやすくなったと思いますが、1点、受信料については、もう少し解説したほうがよいのではないかと思います。受信料については、いろいろと努力していただいた結果、ずいぶん苦情が減っています。この大元のところの「何を行ったのか」ということが、簡単にしか書かれていません。番組のほうはかなりしっかりと書いてあるので、受信料のところも、苦情の多そうな項目については、こういう努力をしていますと、取り組んだことをもう少し書いたほうが、視聴者の皆さまも理解しやすいのではないかと思います。そのあたりを工夫していただければと思います。

 (鈴木理事)

 ありがとうございます。

 

 (3) テレビジョン中継放送局の廃局について(資料)
 (児野技師長)
 テレビジョン中継放送局の廃局について報告します。
 岡山県の大原テレビジョン中継放送局は、地元自治体が運営するケーブルテレビに放送エリア内の全世帯が加入したことにより、受信者が皆無となりました。このたび、地元自治体および自治会、双方から廃局の同意が得られ、総務大臣による認可が下りたことから、2019年5月31日付で大原テレビジョン中継放送局を廃局します。
 今回の廃局によって、地上デジタルテレビジョン放送は、総合が2,214局、Eテレが2,185局で放送することになります。

 

 (4) ラジオ中継放送局の開局について(資料)
 (児野技師長)
 ラジオ中継放送局の開局について報告します。
 2018年10月から2019年3月までの間にラジオ中継放送局7局を開局しました。7局とも、FM波を利用したラジオ中継放送局となっています。
 このうち、6局はラジオの受信改善を目的としたもので、秋田県の皆瀬、岩手県の岩泉小本、島根県の日原、高知県の仁淀、蟠蛇ヶ森、東津野です。これによって、約2,800世帯でラジオが聞こえづらい状況を改善しました。
 残る1局は、津波対策を目的としたもので、和歌山県のすさみです。自治体のハザードマップにおいて、既存のラジオ中継放送局への津波浸水被害が想定されているために設置しました。送信出力や周波数、申請世帯数、開局年月日などはそれぞれお手元にお配りした資料のとおりです。
 また、ラジオ中継放送局の位置と名称は参考資料をご覧ください。
 今回の開局によって、3月末現在において、ラジオ第1放送は265局、ラジオ第2放送は146局で放送しております。

 

 (5) NHK情報公開・個人情報保護の実施状況(2018年度)(資料)
 (鈴木理事)
 2018年度の情報公開と個人情報保護の実施状況について報告します。資料の1ページをご覧ください。2018年度は8人から45件の開示の求めがありました。棒グラフは月別の受付件数で、折れ線グラフは、受付件数の年度内の累計の推移を示しています。「開示の求め」の受付件数は、2013年度に824件とピークに達しましたが、2014年度から1件300円の手数料を導入して以降、減少しています。2018年度は、求めた人の数が過去最少8人となったものの、件数は前年度の32件より増加して45件でした。
 2ページです。「開示の求め」を分野ごとに分けますと、「放送」が39件と突出して多く、うち34件は、お一人の方による過去のオリンピック等放送権料に関わるものです。(3)「開示の求め」に対するNHKの判断結果ですが、開示が1件、一部開示3件、不開示18件のほか、対象外が23件あり、これはNHKの情報公開の仕組みにおいては「放送番組の編集に係る文書」を、番組編集の自由を確保する観点から開示の求めの対象外としているものです。先に申し上げたオリンピック等放送権料に関わる求めにおいて、対象外18件、文書不存在や業務支障による不開示が16件の判断をしたため、全体の開示率は18.2%となっています。不開示と対象外の41件のうち、19件については、情報提供を行いました。
 3ページでは、2018年度下半期に受け付けた「開示の求め」の中から、5件の内容とNHKの判断結果を載せています。
 4ページ目からは「再検討の求め」についてです。NHKが行った不開示等の判断を不服とする視聴者から再検討の求めがあれば、第三者機関であるNHK情報公開・個人情報保護審議委員会に客観的・中立的な立場から審議していただき、答申をいただく仕組みです。2018年5月、委員5人のうち、委員長と委員長代行が揃って交代し、新たな体制でスタートしました。ページ右上にある通り、再検討の求めは前年度の6件から2件に減りました。2件しか寄せられなかったのは、2009年度以来、9年ぶりです。 折れ線グラフの実線部分をご覧ください。再検討の求めの滞留件数は、昨年1月、5年10か月ぶりにゼロとなり、2018年度は4、5、6月と1件でしたが、7月から先々月までは、連続8か月ゼロ件でした。滞留件数の推移は、2014年度末に211件、2015年度末に63件、16年度末に20件、17年度末1件と激減し、18年度末も1件でした。
 下半期は新規案件がゼロでしたので、5ページ6ページは、昨年6月と7月に答申を受け、10月23日にこの席でご報告した上半期の2件をそのまま記載しています。
 7ページからは個人情報保護です。2018年度のNHKが保有する個人情報の漏えい事案は5件でした。5件のうち、2件は受信料の帳票紛失等営業分野、2件は放送分野、1件はイベント観覧者に関わるものです。NHKは連絡がついたお客さまにお詫びと説明を行い、ご理解を得ています。いずれもNHKオンラインで公表しました。
 8ページですが、NHKが保有する個人情報についての「開示の求め」は13件で、うち12件が放送受信契約書や対応履歴など営業活動に関わるもの、残る1件は報道・著述に関する適用外の事案でした。
 開示9件、一部開示2件、不開示1件、適用外1件の判断となり、うち不開示1件と前年度に受け付けた一部開示1件の合計2件につきましては「再検討の求め」が出され、審議委員会に諮問し、いずれも「当初判断どおり一部開示・不開示が妥当」の答申となっています。

 

 (6) 2018年度契約・収納活動結果(資料)
 (松原理事)
 平成30年度の契約・収納活動の結果について報告します。平成30年度は、受信料の負担軽減策である「社会福祉施設への免除拡大」と「奨学金受給対象などの学生の免除」の影響を見込んで、営業目標に対する進捗状況を、これまで経営委員会には説明してきました。平成30年度の年間業績が確定しましたので、今回は予算・事業計画に対する結果を説明します。
 NHK経営計画(2018-2020年度)初年度の平成30年度は、有史以来初めて、全国62のすべての局・センターで全営業目標を達成することができました。また、平成30年度末の支払率は、計画を1ポイント上回る2ポイントアップの82%を上回る見込みです。また、衛星契約割合については、計画どおり0.9ポイントアップの51.9%を確保することができました。加えて、訪問活動を契機としたお客さまの声の発生件数の削減も進むなど、年間を通じて訪問要員育成など体制の強化に取り組んだことが成果につながったと考えています。
 1ページをご覧ください。当年度分受信料収納額の状況です。年間累計では7,064億円となり、前年度と比較して200億4千万円上回っています。
 次に、前年度分の受信料回収額は、年間累計で59億2千万円、前年度を6億6千万円上回り、年間計画53億1千万円を6億1千万円上回りました。
 また、前々年度以前分の回収額については、46億1千万円となり、前年度を13億1千万円下回りましたが、年間計画17億円を29億1千万円上回っています。
 続いて、2ページをご覧ください。契約総数増加は、年間累計で63万件となりました。前年度を13万6千件下回りましたが、年間計画20万件を43万件上回っています。
 次に、衛星契約数増加です。年間累計で66万8千件となり、前年度を10万3千件下回りましたが、年間計画46万件を20万8千件上回っています。
 3ページをご覧ください。口座・クレジット払等の増加数は、年間累計で61万3千件となり、年間計画21万件を40万3千件上回りました。なお、口座・クレジット払等の利用率は90.8%になり、前年から0.1ポイントアップして過去最高の数値となっています。
 次に、未収数削減です。年間累計で7万8千件の削減となり、前年度を7万4千件下回りましたが、年間計画4万件を3万8千件上回る削減となりました。これにより、未収の現在数は75万9千件となりました。
 支払数増加の年間累計では、70万8千件となり、前年度を21万件下回りましたが、年間計画24万件を46万8千件上回っています。

 (長谷川委員)

 このグラフを拝見すると、全体としては非常によい成績なのですが、どれも共通して、5期、6期でカーブが鈍ったり下向きになっています。これはどういう要因によるものなのでしょうか。

 (松原理事)

 原因ははっきりしていまして、昨年の6期は、その前年の12月に最高裁の判決が出て、みずから契約を申し込まれる人が相当増えました。また長期間お支払いのないお客さまへの文書請求に関しても、非常に多くの振り込みがありました。通常にないような高業績でした。通常6期は、移動が始まり、プラスマイナスゼロという時期なのですが、昨年は例年に比べてはるかに伸びています。そうしたことから考えると、ことしはその影響が徐々に小さくなっていますので、それが一番の原因になっていると思います。口座・クレジット払等は、全体の総数の伸びの数に比例して伸びますので、全体がこうなると、口座・クレジット払等も同じ傾向になるというわけです。

 (長谷川委員)

 そうすると、ちょうど1年間たったところで、その高い影響力に陰りが出てきたということですか。

 (松原理事)

 昨年に比べるとそうですね。

 (長谷川委員)

 昨年がむしろ高すぎたので、そこと比較するとカーブの減少が出ているということですね。

 (松原理事)

 はい。例えば2月、3月のみずから契約を申し出てくださるお客さまの数は、最高裁が出る前の年と比べると、やはり今でも1.5倍ぐらいはあります。昨年は前の年と比べて約3倍でした。その差の分と考えていただければよいと思います。
 また、ことし2月から奨学金受給等の学生の免除が開始されていますので、有料契約であった学生が免除に該当して、約7万件マイナスになっています。このことも一つの大きな要因ということです。

 (長谷川委員)

 分かりました。

 (佐藤委員)

 法人委託は、マナー講習などいろいろやっていると聞いていますが、結構問題だという話もあると思います。いろいろな法人がありますので、なかなか教育が行き渡らないなど、その辺のご苦労などを教えていただければと思います。

 (松原理事)

 個人で受託している地域スタッフの平均年齢は50歳以上で、経験年数も長いのですが、法人委託では結構社員の入れ代わりが多くあり、平均年齢が若いのです。このため、営業の訪問マナーなどの講習を拡充してきました。それに加え、NHKで働くということをしっかり教えようということで、法人委託先の社員向けに、4K・8Kの勉強会を実施したり、番組づくりの現場を視察してもらったり、アナウンサーの話し方の講習を受けてもらったりと、全局体制で育成に取り組んだということが、効いてきていると思います。ただそれでも、現状では、法人委託は採算が合わなければ撤退していきますので、入れ代わりが多くあります。今年度については、その構造改革に新たに取り組んでいきたいと思っています。

 (佐藤委員)

 ぜひよろしくお願いします。

 

 (7) 「東京オリンピック・パラリンピック推進委員会」について
 (木田専務理事)
 「東京オリンピック・パラリンピック推進委員会」の設置について報告します。開始まで間もなく1年前、正確にはきょうの時点でオリンピック開会式まで、458日ですが、聖火リレーまであと338日しかないという状況の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、放送を適切に実施するとともに、国際的な文化発信、社会貢献等の公共的役割をしっかり果たし、“公共メディア”への進化を確かなものにするため、「東京オリンピック・パラリンピック推進委員会」を設置します。
 委員会では、全役員と関係部局長が、東京オリンピック・パラリンピックに全局体制で取り組み、推進していくための情報の共有および検討を行います。事務局は、2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部と経営企画局が担います。
 体制は、会長が委員長、2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部長である私が副委員長となり、全局体制で東京オリンピック・パラリンピックへの対応を推進していきます。
 委員会は月1回のペースで開催し、第1回は5月8日水曜日に開催いたします。

 (森下代行)

 オリンピック実施本部と、東京オリンピック・パラリンピック推進委員会がありますが、この二つの組織の位置づけをもう少しご説明願いたいのですが。

 (木田専務理事)

 実際の業務推進のための活動は、オリンピック実施本部で行っています。これは臨時職制で、契約や交渉をすべてやっています。それから大きな重要な事柄については、理事会や役員会で普通に審議して、会長が決するということになると思います。この東京オリンピック・パラリンピック推進委員会は、全局的にオリンピック・パラリンピック全体にかかわる情報の共有がまず一番大きなことでありまして、さらにその中で、ここはもう少しこうできるのではないかといった意見があれば、そうした検討もあわせて行うと考えています。何といっても全部局にかかわることではあるのですが、全体を一遍に見る機会がなかなかありませんでしたので、今回これを設置して、情報の共有をぜひとも進めたいという考えです。

 (森下代行)

 オリンピックの放送にかかわることは、オリンピック実施本部が中心になって全部調整するということですね。

 (木田専務理事)

 そうです。そこでプランを立てて、編成局や制作局、関係部局と詰めて実際にはやります。

 (森下代行)

 各地域放送局は、その地域に関連した選手についての番組をつくったりするときなどにはかかわるのですか。

 (木田専務理事)

 地域放送局、関連団体などとも、このオリンピック実施本部で定期的に連絡を取り合っていますので、何をどうつくるか等々についても、すべてこの実施本部で行います。

 (森下代行)

 東京オリンピック・パラリンピック推進委員会については、情報交換、意思疎通を図るというのがメインだということですか。

 (木田専務理事)

 そうです。東京オリンピック・パラリンピック推進委員会については、そのことをまず徹底したいと思っています。

 (石原委員長)

 何か非常に分かりにくいですね。実施本部長は木田専務理事がなられているということですね。

 (木田専務理事)

 そうです。

 (石原委員長)

 この委員会では会長が委員長になられたとすると、この委員会のほうが実施本部より上になるのではないですか。そこで実際に情報を共有して大事なことは決めていくのではないのですか。決められたことを実行するのが、オリンピック実施本部だということではないのですか。

 (木田専務理事)

 準備については昨年来から取りかかっておりまして、大きな方針はおおむね昨年の間に決めて、それに基づいて今細かい計画を立てています。しかし、その細かい計画の情報、例えばおおむねどのような編成計画になるかとか、JCの中で民放との兼ね合いがどのようになっているかといったことなどについても、全部局的に情報共有しておくほうがよいのではないかということです。オリンピック実施本部が、それをこれから細かく詰めていくのですが、まとまった段階で、どのくらいの規模を今計画しているかということについては、全部局が知っておいたほうが、あるいは全役員が共通に理解しておくほうがよいのではないかということで、この推進委員会をつくったということです。

 (石原委員長)

 分かりました。

 (経営企画局長)

 例えばオリンピック期間は、全国の放送局から応援をもらって進めていかなくてはいけなくなるのですが、全体の組織から応援体制も含めてきちんと組んでいくということになりますから、まずプランは実施本部のほうで立てますけれども、それを関連する部局や地域の放送局がきちんと心を合わせてやっていくという意味での全局体制をきちんとつくっていきたいというものです。

 (石原委員長)

 今回のオリンピックは、「公共メディアへの進化」ということが一つの大きな目標になっているわけですね。4年に1回オリンピックはありますが、特にこれまでは推進委員会というものをつくらなかったのですか。今回、特別に、実施委員会をつくってやっていくわけですね。これは非常に意味があることだと思います。

 (経営企画局長)

 これまで開催地は海外でしたが、今回は東京で開催されるということですので、規模も展開もスケールが全然違います。先ほども話がありましたように、聖火リレーが始まったときに、どう盛り上げていくかということも、全局体制できちんと情報共有しながら進んでいきたいということです。

 

 (8) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)
 (石原委員長)
 報告事項(8) については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきます。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 (石原委員長)
 本日の議題は以上ですが、荒木理事より報告したいことがあると伺っています。荒木理事、お願いします。
 (荒木理事)(資料)
 先月26日に開催されました第1326回経営委員会で、「中国語でのインターネット番組について視聴者から寄せられた意見を教えてほしい」との要望をいただきましたので、報告します。
 ことし1月15日に始まった中国語ネットチャンネル「華語視界」と、その中で配信しているニュース、「東京網播間」は、サービス開始から3か月あまりがたちました。その間に寄せられた意見、要望について、3月末時点でのまとめをご紹介いたします。
 資料をご覧ください。寄せられた視聴者の声は、3月末時点で、メールや手紙、SNSへの書き込みなどを合わせると、およそ200件となっています。いただいた好評意見の中には、「伝統的な放送メディアが動画番組をはじめるという勇気とチャレンジ精神は称賛に値する」など、NHKが新たな中国語のネットサービスを始めたことを評価する声や、ニュースを担当する鎌倉、天願キャスターの中国語のうまさを評価する声が目立ったほか、新サービスが日中友好に資することに期待をする意見もありました。
 次に、要望や問い合わせについてです。ニュース番組「東京網播間」では、インタビューの場面などで中国語の吹き替えをつけていますが、字幕が欲しいという声が目立ちました。そのほか、ビデオ・オン・デマンド(VOD)の充実を希望する声などが多く寄せられています。いただいた要望のうち、ホームページでVODの所在が分かりづらいというご指摘については、ページのレイアウトを変更して、情報を見つけやすくするなどの対応を行いました。また、VODの公開期間が短いという声に応えて、従来は1日限りだった動画の公開期間を延長して、1週間視聴できるように改善するなどの対応を行いました。
 今後とも視聴者からの意見、要望に丁寧に対応して、中国語による国際情報発信の一層の充実に努めてまいりたいと思います。

 

 (石原委員長)
 ほかに何かありますか。
 (長谷川委員)
 ことしのはじめに、たしか国内放送番組編集の基本計画にある、編集の重点事項の中での文言だったと思いますが、多様性ということばの意味がよく分からないという質問を申し上げたかと思います。しかし前回の経営委員会で、会長が理事の任命についてのご説明をされる中で、この多様性について非常に明快なご説明をいただきました。いろいろな多様性がある組織が強いということがまず自分の信念であると。いろいろな多様性というのは、男女の比率というようなことももちろんなのだけれども、それに限らず、例えば各人の経歴や経験など、そういう幅広い多様性というものを考えているのだという説明があり、非常によく分かりました。誰が聞いても納得という説明だと思います。以前は、意味が分からないとご質問したのですが、得心のいくご説明をいただきましたので、この場を借りて申し上げます。

 

 (石原委員長)
 それでは、最後になりますが、明日をもって退任されますお二人の役員からごあいさつをいただきたいと思います。
 はじめに、坂本専務理事、お願いします。
 (坂本専務理事)
 NHKに入りまして、ちょうど40年。最初の10年が昭和で、その後30年あまりが平成ですが、平成の最後の4年間、理事および専務理事として、石原委員長をはじめ経営委員の皆さまには大変お世話になりました。
 上田会長のもとでの2年3か月、3か年の経営計画を議決をしていただきましたし、翌年には、値下げを含む還元策ということで、経営計画の修正議決をお願いしました。NHK予算は、国会では3年連続、全会一致で承認いただき、非常によかったと思っています。
 放送の高度化ということでは、4K・8K本放送が昨年12月に開始し、今後は普及が課題になると思いますが、ことしの秋のラグビーワールドカップ、あるいは、来年の東京オリンピック・パラリンピックに強く期待しているところであります。
 また、放送と通信の融合ということで、常時同時配信を柱とする放送法の改正は、民放連の協力も得ながら、3月に改正案を国会に出していただき、きょう、衆議院の総務委員会で趣旨説明が行われました。今国会中の成立をお願いしているところであります。
 平成から令和に変わりますけれども、特別主幹として、引き続きよろしくお願いしたいと思います。4年間、大変お世話になりました。ありがとうございました。
 (石原委員長)
 それでは続きまして、菅理事、ごあいさつをお願いします。
 (菅理事)
 2年間、大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
 以上です。

 (石原委員長)

 また引き続き坂本特別主幹、よろしくお願いします。大変どうもご苦労さまでした。ありがとうございました。それから菅理事におかれましても、引き続きよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。ご苦労さまでした。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 2019年5月14日    

石 原  進 

 

 

高 橋 正 美