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第1326回
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平成31年4月12日(金)公表
※2 議決事項(1)「平成31年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について」 は
2020年4月17日(金)公表


日本放送協会第1326回経営委員会議事録
(平成31年3月26日開催分)

第1326回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1326回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成31年3月26日(火)午後1時30分から午後4時05分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 井 伊 雅 子
    槍 田 松 瑩   佐 藤 友美子 堰 八 義 博
    高 橋 正 美   中 島 尚 正 長谷川 三千子
    村 田 晃 嗣   渡 邊 博 美  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  坂 本 専務理事 児 野 技師長 松 原 理 事
  荒 木 理 事 黄 木 理 事 菅   理 事
  中 田 理 事 鈴 木 理 事 松 坂 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

1 監査委員会報告(資料1)(資料2)

 

2 議決事項

 (1) 平成31年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について

 (2) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (3) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料)

 

3 報告事項

 (1) 平成31年度国際放送等実施要請への回答について(資料)

 (2) 平成31年度営業目標値・営業経費計画値について(資料)

 (3) 2019年度radiko経由のNHKラジオの配信について(資料)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (5) 契約・収納活動の状況(平成31年2月末)(資料)

 

 

<議事経過>

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1325回(平成31年3月12日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成31年3月29日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

 

1 監査委員会報告(資料1)(資料2)

 (高橋委員)
 監査委員会から、放送法第39条第5項に基づきまして、監査委員会の活動結果につきまして報告します。
 報告の対象期間は、平成30年12月25日から平成31年3月24日までです。この期間中に出されました四半期業務報告に記載された業務、および期間中に生じた事象で、監査委員が必要と認めた業務を対象に監査を行いました。
 報告書は、監査委員会監査実施計画に従い、「Ⅰ 業務監査」、「Ⅱ 会計監査」、そして「Ⅲ 監査委員会の活動」の3つのパートで構成しています。本日は、「Ⅰ 業務監査」のうち、重点監査項目における監査委員会の認識を中心に説明します。業務執行状況および会長・副会長・理事の認識につきましては、報告書をご覧ください。
 2ページをご覧ください。重点監査項目の1つ目は「内部統制の推進およびリスクマネジメントの取り組み」です。今期の業務執行状況を2ページに記載し、それに対する監査委員会の認識を3ページに記載しています。放送素材の誤送信や単身赴任手当の不正受給などの不祥事に対し、再発防止策が迅速に講じられていますが、監査委員会は、今後もさらに実効性を高めることが重要であると考えています。
 一方、チケットレスでタクシーが利用できる新しいアプリの開発など、過去の不祥事に対する再発防止をさらに強化するための取り組みが進められていると認識しています。
 また、営業訪問要員に向けてマナーアップ講習会を開くなど、営業の品質向上に取り組んだ結果、2月の全国のお客さま面接数、約177万件に対するクレームの発生率が0.13%程度にとどまるなど、顕著な成果が出ていると認識しています。ガバナンス強化は終わりのない取り組みです。人的管理には限界があるため、今後は業務の自動化・システム化を積極的に推進することが欠かせません。監査委員会は、協会が不祥事の真因を掘り下げ、技術の革新や社会の変化に的確に対応しつつ、コンプライアンス徹底に不断の努力を重ねていくことを強く期待します。
 重点監査項目の2つ目は「新たなメディア環境への対応状況」です。4ページをご覧ください。監査委員会は、協会が4K・8K放送の普及に向けて、視聴動向の調査や評価基準の検討を速やかに実施するとともに、周知活動を計画的・継続的に行っていく必要があると考えています。また、常時同時配信の実現に向けて、経費の透明性を確保した上で、引き続き視聴者・国民への理解促進に努め、万全の体制を整えることが必要です。監査委員会は、協会は限られた経営資源の中で、4K・8K放送の充実や、インターネット活用業務をどのように推進し、情報の社会的基盤としての役割をいかに果たしていくのか注視してまいります。
 3つ目は「働き方改革の取り組み」です。6ページをご覧ください。NHKグループ一丸となって取り組んでいる働き方改革は、確実に進捗していると監査委員会は認識しています。今後さらに、業務の改革やスクラップを加速度的に推進し、各施策の点検・検証を継続的に行うことが重要だと考えます。監査委員会は、協会が新たなシステムなども導入し、NHKグループで働く人たちの納得感とモチベーション維持・向上につながる働き方改革を、どう実行し成果につなげていくか注視してまいります。
 4つ目は「NHKグループ経営改革の取り組み」です。7ページをご覧ください。監査委員会は、協会が今年度設置した業務改革推進会議を軸に、グループ全体の視点で要員体制の見直しや組織改正を進めたことを評価します。今後は会議運営のPDCAを回すことが必要であり、協会が公共メディアへの進化を目指し、いかにグループ全体の最適な資源配分を図るか、監査委員会は強い関心を持って見てまいります。関連団体の統合・再編については、目的を明確にし、社員・職員のモチベーションを維持することが何よりも重要です。中でも、NHKテクノロジーズについては、合併後も地域支社を含めた社員の融和や、システムの統合、ガバナンス体制の構築など、多岐にわたる課題にどう取り組んでいくか注視してまいります。
 5つ目は「地域改革の取り組み」です。8ページをご覧ください。全国の放送局での地域放送サービス充実の取り組みは、この1年間で着実に進んでおり、インターネット調査の結果からも、地域改革の方向性が各地の人たちに支持されていることがよく分かります。協会が2018年度に行ってきたパイロット局の取り組みは、おおむね順調に成果をあげており、今後も課題の検証を続け、働き方改革や人材育成などと両立しながら、地域改革を進める必要があると考えます。地域で望まれるサービスを、ブロックごとに地域拠点局長が検討し、実行する体制が整う中、協会が限られた経営資源を生かし、さらなるサービスの向上をどう実現していくか、監査委員会は大きな関心を持って見てまいります。
 6つ目は「国際発信力の強化に向けた取り組み」です。9ページをご覧ください。中国語でのインターネット番組の開始、多言語による情報発信の強化などにより、「NHKワールド JAPAN」の内容の充実や、訪日・在日外国人への安全・安心情報の提供は着実に進んでいると認識しています。2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、海外の人たちに日本を正しく理解してもらうことは重要であり、協会の使命は大きいと考えます。監査委員会は、今後も国際放送の認知度向上や情報発信力の強化に、協会がどう取り組んでいくのか注視してまいります。
 7つ目は「放送センター建替に向けた取り組み」です。10ページをご覧ください。監査委員会は、さいたま新産業拠点「SKIPシティ」の具体的な活用方法の検討など、建て替え期間中の放送・事業継続にかかわる諸課題への対応について適時報告を求め、適正に進められているか確認してまいります。また、基本設計や事前工事の検討を行うにあたり、センター建て替えに関する一連の業務が、高い公平性や透明性、客観性を確保し、確実に説明責任を果たして進められていることを、引き続き注視してまいります。
 11ページ以降の、「Ⅱ 会計監査」、「Ⅲ 監査委員会の活動」についても、報告書をご覧ください。

 (村田委員)

 中国語でのインターネット番組について、以前制作スタジオを見学させていただいたのですが、これについて視聴者の方がどういう感想や印象を持っていらっしゃるのでしょうか。フィードバックは定期的にどういう形でやっていかれるのでしょうか。

 (荒木理事)

 番組全般において、放送やラジオを聴いた人からたくさんのご意見が寄せられていますが、この番組については、中国本土からも意見が寄せられています。その多くが評価している意見でありまして、中には、中国の高速鉄道の中で見たという意見も来ています。実際に今、中国ネットチャンネルを見ている方は、数の順で言うと、日本に住んでいらっしゃる中国人、それから中国に住んでいらっしゃる方、そしてアメリカに住んでいらっしゃる方、という順です。今、リピートも含めて約5時間の午後の配信ですが、実験的に午前中の配信も試みています。こうして寄せられている意見や、ネットということでアクセス数も分かりますので、その辺をきちんと把握しながら、さらに普及させていきたいと思っています。

 (村田委員)

 ある段階で、寄せられた意見を私どもに教えていただけるとありがたいと思います。

 (荒木理事)

 承知しました。

 (高橋委員)
 次に、平成31年度監査委員会監査実施方針について報告します。この実施方針は、来年度の監査委員会監査の基本的な方針を示したもので、昨日3月25日の監査委員会で決定しました。
 内容は大きく4項目あり、重点監査項目、実施内容、意見書の作成および活動結果報告、年間監査計画です。中身は平成30年度と変わりません。このうち、重点監査項目と年間監査計画については、別途定めることとしています。平成30年度の監査活動全体のまとめは本年6月の意見書に集約されますので、この2項目は、それを踏まえて7月に報告したいと考えています。
 (高橋委員)
 続いて、選定監査委員に対する子会社管理状況の報告について説明します。監査委員会は昨日、協会による子会社管理の状況について、関連事業統括の黄木理事から報告を受けています。報告は、内部統制関係議決の中の、「会長は、監査委員会が選定する監査委員に対して、定期的に子会社の管理の状況を報告する」という規定に基づき報告を受けています。
 2019年3月までの主な取り組みについて、前回と同様、「ビジョン・価値観の共有促進」、「グループガバナンス強化」、「グループ全体での業務効率化・管理高度化」の3つの項目に分けて報告がありました。ポイントを絞って報告します。
 まず1つ目、「ビジョン・価値観の共有促進」についてです。
 コミュニケーションの強化については、2月と3月に総務担当部長会議を2回開催し、改正労働基準法への対応状況を確認するとともに、協力会社への業務委託について適切な運用・管理の徹底などを求めたとのことです。
 人材育成の強化につきましては、2月に関連団体の管理職研修を2回開催し、このうち2月27日の研修では、グループ経営改革を意識したマネジメント力をつけてもらうという狙いで「NHKグループ経営とマネジメント」というテーマで初めて実施し、14団体から61人が参加したとのことです。
 また、事業運営制度の強化につきましては、関連団体がそれぞれの所管部局と協議し、新しい経営目標制度を念頭に、2019年度の事業計画や経営目標の策定を進めているとのことです。この中で4つの一般財団法人は、現在ある正味財産を新規事業への投資やガバナンスの強化などに有効活用する方針を確認し、このうち3つの法人が、早速事業計画に関係する事業を盛り込んだとの報告も受けています。
 続いて、2つ目のグループガバナンスの強化です。
 最初に執行・監督機能の強化についてです。まず、改正労働基準法に備えたハイリスク層の見える化を行ってきましたが、その中で、長時間の時間外労働が見つかった9団体を対象に、フォローアップの再点検を実施したとの報告がありました。その結果、ドラマ制作にかかわる部門で、所管部局などと連携した取り組みが成果をあげましたが、さらにそれぞれの団体で改善の取り組みを進めていくとのことです。
 また、1月末時点の休暇の取得状況についても調査したところ、一般職では5日以上の取得率が9割程度にのぼった一方、全体ではまだ未取得の者も見られ、団体によって取得率の進捗にばらつきがあるため、今後も計画的な休暇の取得を促していくとのことです。
 また、2月28日にNHKの役員と部局長、関連団体のトップが集まり、働き方改革推進委員会の第3回拡大委員会が開かれ、4月からの改正労働基準法への対応を確認し、NHKグループの働き方チャレンジ目標を決めたとの報告もありました。関連団体では2019年度も働き方改革を共通の経営目標としており、グループ一丸となって長時間労働の抑制などに取り組んでいくとのことです。
 続いて、内部統制についてです。2018年度から2巡目に入ったNHK内部監査室による関連団体調査は、子会社8か所の調査を終えましたが、調査の指摘を踏まえ、より一層ガバナンスの強化を進めていくとのことです。
 続いて、ITセキュリティーの強化について、システムリスク解消に向けた構成管理の実施について説明がありました。NHKグループは、今年度、ウイルス感染やサイバー攻撃を防ぐため集中管理体制を構築しましたが、2019年度はさらに、これを強化する計画だとのことです。
 また、NHKグループ全体で初めて実施した働き方改革アンケートの結果についての話がありました。これによると70%の人が「取り組みが進んでいると感じている」と回答した一方、さらなる業務の棚卸しやスクラップを希望する回答なども多く見られたとのことでした。アンケートの結果を団体ごとに取りまとめてフィードバックし、各団体の働き方改革に生かしていくとのことです。
 続いて3つ目、グループ全体での業務効率化と管理高度化です。
 技術分野では、NHKメディアテクノロジーとNHKアイテックが2月6日に開いた株主総会で合併を承認し、番組制作分野では、NHKエンタープライズとNHKプラネットが経営統合に向けて作業部会での検討を本格化させているとのことです。
 また、報道分野では、グローバルメディアサービスが、4月から福岡、7月からは松山で、受託業務を拡大する予定だとのことです。
 イベント分野では、NHKサービスセンターがNHKから受託している業務の一部を来年度から段階的にNHKプロモーションに移行する予定だということです。
 以上が執行部から監査委員会への報告の概要です。協会による子会社管理の状況につきましては、監査委員会は、今後もおおむね四半期ごとに報告を受けたいと考えています。

 

 

2 議決事項

 (1) 平成31年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について
 (松坂理事)
 NHKの平成31年度予算が、事業年度の開始日までに国会の承認を得ることができない場合に、事業運営に支障を来さないよう、放送法第71条の規定に基づいて、暫定予算を総務大臣に認可申請します。ただし、本日議決をいただきましても申請するかどうかを含め、会長が判断の上、決定いたします。この議案の決定には本予算の国会承認を解除条件として付し、本予算が国会で承認されれば効力を失うこととします。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 ※「平成31年度収支予算、事業計画及び資金計画」が、3月19日衆議院、3月29日参議院にて承認されたため、本議決は失効した。

 

 (2) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)
 (木田専務理事)
 中央放送番組審議会委員について、次のように委嘱を行うこととしたいと思います。つきましては、定款第66条第2項の規定により、経営委員会の同意をお願いしたいと思います。
 再委嘱がお一人です。2019年4月1日付で、今井忠氏、NPO法人東京都自閉症協会理事長に、2期目のお願いをしたいと思います。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 (3) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料)
 (荒木理事)
 国際放送番組審議会委員につきまして、次のとおり委嘱を行いたいと思います。委嘱につきましては、定款第67条第2項の規定により、経営委員会の同意を得ることとなっていますので、議決をお願いします。
 4月1日付でお一人、5月1日付でお一人、あわせてお二人への再委嘱です。
 4月1日付の委嘱は、東京大学大学院総合文化研究科教授の河合祥一郎さんです。別紙1の略歴のとおり、ケンブリッジ大学で博士号を取得された、シェイクスピアをはじめとする英文学・演劇の専門家です。
 5月1日付の委嘱は、クリエイティブディレクターで、株式会社サムライ代表取締役の佐藤可士和さんです。別紙2の略歴のとおり、国立新美術館のロゴ・デザインのほか、さまざまなブランディングプロジェクトを手がけられています。
 今回の再委嘱によって、国際放送番組審議会の人数は11人のままで、変更はありません。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

3 報告事項

 (1) 平成31年度国際放送等実施要請への回答について(資料)
 (荒木理事)
 国からの要請放送についての議案です。放送法には、総務大臣がNHKに対して、放送する区域や事項を指定して、テレビとラジオの国際放送を行うよう要請できる規定があり、毎年この時期に要請が行われています。要請にあたって、総務大臣はNHK放送番組の編集の自由に配慮しなければならない、とされています。NHKは、要請に応じる努力義務がありますが、番組編集の自由に抵触するおそれがある場合には、要請に応じないこともあります。
 平成31年度のラジオ国際放送とテレビ国際放送の実施要請については、3月14日付で、総務大臣からNHK会長に通知がありました。4月1日付で正式な要請がある予定で、同日付で要請への回答を文書で提出するよう求められています。このため、要請への諾否の検討を進めてきました。検討の結果、実施要請について応諾することにしましたので、報告させていただきます。
 次のページをご覧ください。要請の内容と諾否の判断理由について説明します。まず、ラジオ国際放送です。下線を引いた「広報」と「放送と連携したインターネットの適切な活用を図るなど、」という文言が加えられています。また、これまで同様「1 放送事項」の(2)に、「北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意すること」という文言が加えられています。
 次のページをご覧ください。テレビ国際放送です。下線を引いた「(調査を)行い、その結果も踏まえ、これらの取組の改善に努めること」と「G20大阪サミット、」という文言が加えられています。
 次のページをご覧ください。諾否の判断理由について説明します。
 ラジオ国際放送についてです。ラジオ国際放送では、放送と連携したインターネットの適切な活用に従来から取り組んできています。周知広報についても、すでに取り組んでおり、かつテレビ国際放送にかかる用語との整合性をとるための修正であると、総務省より説明を受けています。これらのことから、要請を応諾した場合でも、NHKの番組編集の自由を確保できると判断されると考えています。
 また、今までと同様、「北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意すること」という文言が含まれていますが、拉致問題については、NHKは報道機関としてこれまでも自主的な編集判断を行った上で、一貫して必要な国際放送を適宜適切に実施してきたこと、このNHKの基本方針は今後も変わらないことから、今回の要請を応諾した場合でも、NHKの番組編集の自由を確保できると判断されると考えています。
 次に、テレビ国際放送です。G20大阪サミットは、NHKでも認知度の向上や受信者の増加に向けた好機と捉えて、関連の取り組みを進めていくことを予定しています。また、「国際放送における取り組みの改善に向けた努力」については、NHKはこれまでも自律的に実施しています。今回の要請はそれを追認するものであり、新たな取り組みを求めるものではないと理解していることから、要請を応諾した場合でもNHKの番組編集の自由を確保できると判断され、応諾することとします。
 最初のページに戻ります。総務大臣から正式な要請があれば、次のとおり回答することにしたいと思います。議案のうち、点線の四角で囲んでいるのが総務大臣への回答文の案です。
 「平成31年度におけるラジオ国際放送およびテレビ国際放送の実施要請については、応諾します。」

 

 (2) 平成31年度営業目標値・営業経費計画値について(資料)
 (松原理事)
 平成31年度の営業目標値および営業経費の計画値について、報告します。まず、1ページをご覧ください。営業目標値について説明します。営業目標値は、「平成31年度の予算・事業計画」で策定した「契約総数増加43万件、未収削減4万件、衛星契約増加58万件」を達成するために、全国の各放送局・営業センターに配分する目標値です。
 次の営業経費計画値は、その目標を達成するために必要となる、法人委託や地域スタッフなどの訪問要員の経費を、全国の各放送局・営業センターに配分した計画値です。
 2ページは、営業目標値の配分の考え方です。平成31年度に営業目標値として設定した契約総数増加の43万件と、同じく1年間で削減する未収数4万件の合計47万件が、支払数の増加目標となります。
 配分の考え方として、まず1点目は、すべての都道府県で推計世帯支払率が向上するよう配分しています。現在、支払率が高いところも含め、すべてアップするよう配分しています。
 2点目は、平成30年度末の推計世帯支払率が全国値を下回る見込みの7つの都道府県に対して、全国の向上値である0.9ポイントを最低でも0.1ポイント以上は上回るよう、配分しています。
 下段の衛星契約増加目標58万件ですが、これも同様に、すべての都道府県で、契約総数に占める衛星契約の割合が向上するよう配分しています。
 3ページをご覧ください。全国の向上値を上回る目標値を配分した7つの都道府県となります。平成31年度末の見通しをご覧いただくと、すべての都道府県で全国の向上値0.9ポイントよりも、0.1ポイント以上高い向上値となるようになっています。
 今後は、この営業目標値と営業経費計画値をもとにして、各局・センターでさらに詳細な計画を作成した上で、平成31年度の活動に取り組んでいきたいと考えています。

 

 (3) 2019年度radiko経由のNHKラジオの配信について(資料)
 (坂本専務理事)
 お手元の資料をもとに説明します。まず、1ページをご覧ください。「radiko」経由の配信について、その概要です。民放連とNHKの共同ラジオキャンペーンの一環として、2017年10月から、民放ラジオ局が参加しているインターネット配信サービス「radiko」を経由したNHKのラジオ番組の配信実験を行ってきました。2ページには、その概要を載せています。こうした実験の検証を踏まえて、2019年度からは、正式なサービスとして、ラジオ第1とFMの「radiko」での配信を行うこととしました。ラジオ第1は、今年度の実験配信と同様、全国を8つのブロックに分け、本部と各地域拠点局から、放送と同時に配信を行います。地域放送部分は、拠点局の地域放送番組を配信することにします。それから、FMにつきましては、東京で放送している番組を全国に同時配信をします。
 「radiko」を通じてNHKのラジオ番組を同時配信する理由は、より多くのリスナーの皆さまに公共性の高い情報・コンテンツをお届けすること、とりわけ災害時などに命を守る安全・安心にかかわる情報を、多様な伝送路を使ってお届けすることが重要であると考えたためです。民放ラジオ各社が参加します「radiko」を通じてNHKのラジオ番組を配信することにより、これまでNHKのラジオを聴く習慣のなかった方にも届く機会が増えるのではないかと考えているところです。
 それから、NHKが実施している、インターネットでのラジオ番組の同時配信サービス「らじる★らじる」は、これまでどおり行います。なお、「radiko」での実験として行っていました、ラジオ第2の配信については、3月29日で終了となります。これについては、引き続き「らじる★らじる」でお聴きいただければと考えています。これまで「radiko」で聴いていた方にはご不便がないように、丁寧にご案内をしたいと考えているところです。
 続きまして、3ページです。「radiko」を通じた同時配信は、インターネット実施基準にある2号受信料財源業務として、受信料収入の2.4%にあたる168億円の予算内で実施します。
 民放ラジオ局が参加する「radiko」にNHKが参加することで、放送の二元体制を踏まえて、適切に協調し、互いにメリットをもたらすことができると考えているところです。リスナーの皆さまにもメリットがあるよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 (堰八委員)

 「らじる★らじる」が残っている意味についてお尋ねします。今、試験的に「radiko」でラジオ第1とラジオ第2、FMが聴ける状況になっている中で、考え方によっては、「radiko」に乗っかってしまって、「らじる★らじる」はやめてもよいのではないかという考え方もなくはないと思います。このままですと、「らじる★らじる」を維持する経費がかかっている上に、また一方で「radiko」に参加する経費も払うということになるのですが、「らじる★らじる」を残すことについては、どういう意味があるのでしょうか。

 (坂本専務理事)

 「らじる★らじる」は、NHKが独自にやっているインターネットラジオです。これは常時配信という形になっておりますので、公共放送としての基幹放送の基準として、番組はすべて同等のものを流すということになっております。一方、「radiko」を通じたNHKラジオ番組の提供については、NHKの編集の基準や判断にのっとって参加することにしており、例えば、聴き逃しについては、提供しません。よって、「らじる★らじる」はNHKのインターネットラジオとしてサービスを続け、その一方で、新たなリスナーを増やすという意味で民放ラジオ各社が参加する「radiko」のほうにも、より裾野を広げるという形で取り組んでいきます。

 (堰八委員)

 「らじる★らじる」はNHKの独自の配信だから、そこにいけば、基本的にはNHKの番組をすべて聴けるということですね。

 (坂本専務理事)

 はい。

 (堰八委員)

 しかし、これから「radiko」で聴けるようになった場合、「らじる★らじる」でなくても「radiko」でNHKのラジオ第1とFMは聴けるということが浸透すると、もっと聴取率が高まるということですね。

 (坂本専務理事)

 「らじる★らじる」も今、一定のリスナーは確保しておりますが、「radiko」でも新たにリスナーを確保できるということになります。

 (堰八委員)

 私が言いたいのは、両方維持するためには、両方の経費がかかるということです。今の坂本専務理事のご説明によると、聴き逃しの部分は確かに「radiko」ではカバーできないので、それは残しておくという意味があることは分かりましたが、それ以外の理由はないですか。

 (木田専務理事)

 2年間の実験の成果を分析しましたところ、「らじる★らじる」のリスナーと、「radiko」のリスナーでは、一部は重なりもあると思いますけれども、年齢層が異なると思われます。「らじる★らじる」のほうは、NHKの放送全体もそうですが、年配の方が多く、「radiko」のほうはやはり若い世代のリスナーが多いという違いが割と鮮明にありますので、この実験を通じて、さらにこの先、もうしばらくは並行して行う意味があるのではないかと考えています。

 (堰八委員)

 それは周知の問題なのではないですか。「radiko」でも聴けるということが浸透してくると、変わってくるのではないでしょうか。それでも、やはり年代の違いということがあるのでしょうか。

 (木田専務理事)

 両方を行き来している方もいらっしゃるので、そうした周知は一応伝わっているとは思うのですが、「radiko」のユーザーの方々は、全体として若い方が多いという分析はあります。

 (坂本専務理事)

 スマホ画面で見ますと、民放のラジオとNHKのラジオが、スタート画面に同じように出てきますので、非常にアクセスがしやすいですし、若い人はどちらかというと民放のラジオを聴いてしまいますが、ここでNHKのラジオも聴けるということがわかるようになり、非常に便利になっているところはあります。「らじる★らじる」は従来、ラジオ放送の難聴解消などの目的で放送を補完するものとして、NHKラジオを聴いていただく方へのインターネットを活用したデジタルサービスという考え方でスタートしたものです。実験結果でも裾野が広がる方向で出てきていますので、こういう形でやってみようと思っています。

 (松坂理事)

 地域制御という問題もあります。「radiko」は基本的に地域制御がされています。ですので、北海道で何か災害があった時に、有料サービスの登録をしないと、北海道の放送を九州の人が聴くということはできないのです。「らじる★らじる」の場合は、九州の人も北海道のラジオ第1のところを押せば聴けるという形になっているように、少し仕組みが違います。また、災害時には「らじる★らじる」ですと、例えば熊本で何か起きた場合、NHKの編集判断でラジオ第1の特設ページのようなものをつくり、全国どこからでも聴けるようなサービスもしている点にも違いがあります。

 (堰八委員)

 それは大きいですね。分かりました。

 

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (5) 契約・収納活動の状況(平成31年2月末)(資料)

 (石原委員長)
 報告事項(4)、(5)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2020年4月14日    

森 下 俊 三 

 

 

佐 藤 友美子