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第1246回
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平成27年10月30日(金)公表

日本放送協会第1246回経営委員会議事録
(平成27年10月13日開催分)

第1246回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1246回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成27年10月13日(火)午後1時30分から午後4時35分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  浜 田 健一郎 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    石 原  進   上 田 良 一 佐 藤 友美子
    中 島 尚 正   長谷川 三千子 美 馬 のゆり
    宮 田 亮 平   室 伏 きみ子 森 下 俊 三
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  籾 井 会 長 堂 元 副会長 塚 田 専務理事
  吉 国 専務理事 板 野 専務理事 福 井 専務理事
  森 永 理 事 井 上 理 事 浜 田 技師長
  今 井 理 事 坂 本 理 事 安 齋 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

○ 「視聴者のみなさまと語る会(沖縄)」の開催について

 

○ 「視聴者のみなさまと語る会(仙台)」報告

 

付議事項

 

1 報告事項

 (1) 新佐賀放送会館の整備方針・概要について(資料)

 (2) 新大津放送会館の整備方針・概要について(資料)

 

○ 説明会「NHKの財政」「英BBCの動向」について

 

 

議事経過

 

 浜田委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

○ 「視聴者のみなさまと語る会(沖縄)」の開催について

 平成27年度の「視聴者のみなさまと語る会」の第6回目は、平成27年12月12日(土)に沖縄放送局で開催することを決定した。

 

○ 「視聴者のみなさまと語る会(仙台)」報告

 10月3日(土)に仙台放送局で開催された「視聴者のみなさまと語る 会」に出席した本田代行、美馬委員から報告をうけた。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1245回(平成27年9月29日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成27年10月16日に公表することを決定した。

 

1 報告事項

 (1) 新佐賀放送会館の整備方針・概要について(資料)

 (2) 新大津放送会館の整備方針・概要について(資料)

 (福井専務理事)
 新佐賀および新大津放送会館の整備方針と概要についてご報告します。
 まず、新佐賀放送会館についてです。現在の佐賀放送会館は、昭和42年度に建設され、47年が経過しております。
 新佐賀放送会館の用地取得については、平成27年3月に経営決定をいただきました。それ以降、佐賀放送局と本部で具体的な検討を重ね、この度、整備方針・概要がまとまりましたので、会館建設に向けて進めてまいります。
 資料の2ページ目、「基本コンセプト」をご覧ください。
 新佐賀放送会館の整備にあたっては、4つの項目を柱にしております。
 1点目は「市民の交流拠点」として役割を果たし、地域社会の期待に応えていきます。
 2点目は「災害に強い放送局」としてあらゆる事態のもとでも、安全・安心情報を的確に発信し続けます。
 3点目は「風通しのよいオール・ワンフロアの職場」で放送局機能の強化とより良い職場環境づくりを行ってまいります。
 4点目は「周辺景観と調和する環境にやさしい会館」を建設することとしています。
 3ページ目は、「新会館の概要」です。新会館の敷地面積は、3,715平方メートルで、延床面積は5,120平方メートルとしています。階数は、地上3階程度を想定しております。建設費は、建物が28億円、放送設備は21億円程度を見込んでおり、建物の建設費については、最近の建築コストの高騰を考慮し、約10%の経費増を見込んでおります。用地については、4.8億円をかけて今年3月に取得済みであり、建設方式は単独建設とします。 
 移転用地の位置を資料に示しております。この地図にもありますように、佐賀市の市街地に位置し、500メートル圏内には、県庁や県警本部、地方裁判所などの主要施設があり、佐賀駅からも1.6キロメートル程度の利便性がすぐれた商業地域にあります。
 4ページ目をご覧ください。「会館の主要機能」を記載しています。
 建物は免震構造を採用します。万が一の浸水被害を回避するため、電源設備等は上階に設置するほか、2系統受電、100時間運転可能な自家発オイルタンクも整備します。また、中継車両2台分の5日分にあたる軽油1,000リットルを備蓄できる設備も設置します。
 放送センター機能とともに、局長室や放送管理事務室などの管理機能についても2階に一元的に配置し、スムーズな意思伝達を可能とします。
 ニューススタジオは、一層100平方メートルで放送センターに隣接させ、定時ニュースやスポット番組の円滑な制作に対応します。
 汎用スタジオは、150平方メートルとし、ハートプラザなどに隣接した1階に2層の吹き抜けで配置します。このスタジオでは、情報番組や公開番組、選挙開票速報などに利用するほか、視聴者のスタジオ見学にも対応することにしております。
 また、ハートプラザは1階に配置し、8K対応の大型ディスプレイやイベント・展示スペースなどを設置し、市民の交流拠点として、NHKに親しみを感じてもらう場として活用してまいります。
 鉄塔については、放送会館と各放送所をつなぐ無線回線などの構築をするため、地上70m程度の高さとします。
 その他の事項としまして、当該敷地は、70センチ未満の浸水が想定されるため、1階のフロアレベルを調整して、水害時にも大きな影響を受けないように設計することや、太陽光発電など自然エネルギーの活用や電力消費の少ないシステムを導入して、環境にやさしい会館を目指すことにしています。
 5ページをご覧ください。「主な機能と面積」を記載しております。
 新会館と現会館の機能別の面積を記載しています。全体の面積は、新会館が5,120平方メートルとなっており、この面積は、放送局の標準面積の考え方に基づき、算出しています。
 最後に、6ページ目の「スケジュール」をご覧ください。
 27年度中に、設計者を選定したのち、基本設計に着手し、各室のレイアウトやデザインなどを決め、28年度にさらに詳細な実施設計を行います。
 その後、工事の入札手続きを経て、29年度に建築工事を着工します。建物の完成は30年度とし、31年度に放送設備を完成させて、同年度に運用開始を予定しています。
 以上が、新佐賀放送会館の整備概要です。
 続きまして、新大津放送会館をご説明します。
 新大津放送会館の用地取得については、平成25年9月に経営決定を受けて以降、大津放送局と本部で具体的な検討をおこない、整備方針・概要を策定しました。
 2ページ目の「基本コンセプト」をご覧ください。
 新大津放送会館についても、4つのコンセプトを立てています。「災害に強い放送局」「地域に開かれた放送局」「環境にやさしい放送局」「機能的・効率的な放送局」としており、表現は異なりますが、基本的には佐賀と同じ内容になっています。
 3ページ目は、「新会館の概要」です。
 新会館の敷地面積は、4,231平方メートル、延床面積は4,410平方メートルとしています。階数は、地上3階程度を予定しています。
 建設費は、建物が24億円、放送設備は13億円程度を見込んでいます。新大津放送会館についても、建物の建設費については、約10%の経費増を見込んでおります。
 用地は、約11億円で27年度内に取得予定であり、建設方式は単独建設とします。
 移転用地の位置につきましては、下の地図のとおり、滋賀県庁のすぐ北側に位置しており、国の出先機関も集中しているところで大津駅まで徒歩7分程度と良い環境にあります。
 4ページ目の「会館の主要機能」をご覧ください。
 (1)の防災・機能強化から(4)の鉄塔までは、佐賀と同じような機能を整備します。建物は免震構造であり、緊急時を想定した電源・燃料設備は佐賀と同様です。また、放送センター機能についても、報道・制作などの放送センターと同じフロアに管理部門を置くことなども同様の考えとなっています。
 5ページ目の「主な機能と面積」をご覧ください。
 新大津放送会館の全体面積は、4,410平方メートルとなっています。この面積は広域局の標準面積の考え方に基づいて算出しています。広域局は、汎用スタジオを整備しないなど一般の放送局に比べコンパクトな仕様になっているため、先ほどご説明した佐賀より小さい規模になっています。
 次に、6ページ目の「スケジュール」です。
 佐賀同様に、27年度に設計者選定に着手し、28年度に基本設計と実施設計を行います。29年度に建築工事を着工、30年度にこれが完成して、31年度に放送設備の完成と運用開始を予定しています。
 以上が、新大津放送会館の整備概要です。

 (森下委員)

 佐賀の新会館は100時間運転可能な自家発電用オイルタンクを整備するということですが、大津にも整備するのでしょうか。

 (福井専務理事)

 大津にも同様に整備いたします。

 (森下委員)

 100時間というのはどのような基準ですか。

 (浜田技師長)

 基本的に、停電等があった際は、放送会館の場合は4日程度は自家発電タンクの燃料で持ちこたえることができるように整備を進めております。

 (森下委員)

 新しい会館はすべて100時間運転可能となっていますが、既存の会館はどうなっていますか。

 (浜田技師長)

 古い会館も燃料タンクの増設を行って対応しております。一部、まだ土地等の問題で100時間化対応が完了していない会館もございますが、基本的には、原則100時間にしたいと思っております。

 (中島委員)

 資料では、佐賀と大津の新会館の基本コンセプトの見出しが少し違っているように見えますが、基本的なところは共通しているのですね。

 (福井専務理事)

 基本的な考え方は同じです。各局がコンセプトを作成していることと、地域特性があるために、表現が若干異なりますが、基本的には4つの基本コンセプトがベースになっております。

 (中島委員)

 この4つの基本コンセプトは異なる地域にも等しく貫かれるということですね。

 (福井専務理事)

 そうです。

 (佐藤委員)

 滋賀県の大津放送会館は、便利のよいところへ移転することで、これまでの機能と違ってくるのではないかと思います。滋賀は、京都にいつも引っ張られていて、なかなか文化の発信がしにくいところなので、せっかく視聴者公開スペースも300平方メートルに増床されますので、いろいろなソフトも入れていただけるように、ぜひ応援していただきたいと思います。

 (福井専務理事)

 大津については1階のハートプラザに8Kも入りますので、いろいろな面で活用できると思います。

 (佐藤委員)

 そういう意味では会館機能の基本コンセプトの1番であってもよかったのではないかと思いました。

 (井伊委員)

 移転先は大変便利な場所ですが、現在は空き地になっているのですか。その前はどのような施設だったのでしょうか。

 (福井専務理事)

 大津に関しては、「滋賀会館」という会館を撤去した跡地です。佐賀については、現在の「佐賀放送会館」は佐賀城に隣接しています。今回、佐賀城公園整備事業の関係で、佐賀商工会館跡地へ移転することになりました。こちらも非常に利便性の高い場所です。

 (井伊委員)

 滋賀県の、県の会館ですか。

 (福井専務理事)

 県の滋賀会館です。

 (室伏委員)

 この2つの会館は、規模感等においても余り大きな違いはないと思うのですが、放送設備の費用がかなり違うのは、何か基本的な違いがあるのでしょうか。

 (福井専務理事)

 関東、中京、近畿の3つの広域圏の局は「広域局」といいまして、大津局もその1つですが、例えば汎用スタジオがないなど、放送機能が若干縮小されています。佐賀については通常の標準的な放送局なので、その差が放送設備や面積等にございます。

 (室伏委員)

 そうすると、設備がかなり簡略化されているということですか。

 (福井専務理事)

 スタジオ設備が相当縮小されます。

 (室伏委員)

 わかりました。ありがとうございます。

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 (浜田委員長)
 本日の議題は以上ですが、全体をとおして発言等ございますか。
 (坂本理事)(資料)
 前回の委員会で美馬委員にご質問をいただきました「NHKワールドに対する海外視聴者からの反応や要望について」簡単に概要をお伝えします。
 資料にまとめておりますが、NHKワールドのホームページの“Contact Us”に寄せられた、今年の4月から9月までの上半期に寄せられたメールの数は2,111件になります。
 その意見の内容ですが、「好評」の意見が39%、それから「要望」が46%、その他となっています。
 国別ではアメリカからが過半数の54%、続いてイギリスが9%、インド5%、その他となっています。
 プロフィールをみますと、性別では、男性が57%、女性が24%、外国人と日本人の割合は93%と圧倒的に外国人が多くなっています。
 資料の2ページ目に「主な意見」として多くの方々から寄せられた言葉をピックアップしました。
 ニュースについては、日本とアジアのニュースへの期待の声が多く寄せられています。バランスの取れた取材・フェアな内容で報道する点に評価をいただいています。
 一般番組については、日本の魅力的な地域、先端の科学技術・食文化・伝統などについて、丁寧で行き届いた番組制作など質の高さが評価されています。
 その他の意見の中には、ビデオオンデマンドへの関心が非常に高く、もう少しビデオオンデマンドで番組が見ることができるようにして欲しいというご意見が増えてきています。
 ご批判については、「キャスターやリポーターの英語が気になる」というご指摘を多くいただいていますので、この点については研修や勉強会などでスキルアップを引き続きはかっています。
 それから、ソーシャルメディアの件についてです。フェイスブックの「NHKワールド」公式ページで、約50の国と地域のおよそ50万人に対して国際放送ニュース・番組広報、イベント情報など発信をしています。
 ツイッターについては、10年ほど続いている「J−MELO」という音楽番組は利用しておりますが、ほかのところは、まだそこまで至っていないので、新年度に向けてニュース番組等にも、SNSなどを積極的に活用できるように検討を進めているところです。

 (美馬委員)

 データのご報告をありがとうございます。資料の「意見内容」のところに「要望46%(977)」と書いてありますが、どのような要望があるのか、また、それに対してNHKが応えていけるようなものなのでしょうか。幾つか具体的に教えていただけますか。

 (坂本理事)

 一番最近では、やはりビデオオンデマンドで見せてほしいという要望が、いろいろな意味で多くなっていますので、新年度についても番組を増やしていこうとしているところです。それから、指摘を受け改善できるところはスタジオの中でいろいろと伝えることをやっておりますが、具体的に設備整備等々に関することは、まだ時間をかけていくこととしております。

 (美馬委員)

 こんな番組が欲しい、また、増やして欲しいといった要望もあるのですか。

 (坂本理事)

 国別では、やはり、それぞれの地域の番組をもう少し取り上げて欲しいという要望をいただいている番組がアジアの各国を含めてかなりあります。それから、番組内で紹介した製品などについて、もう少し積極的に情報を教えて欲しいというご意見がありますので、お伝えできるところについては、お答えしております。

 (美馬委員)

 ありがとうございました。

 (森下委員)

 資料の「主な意見」のニュースのところで、「アメリカでアジアのニュースが流れるのはまれ。NEWSLINEは貴重な存在」という意見があげられていますが、これは、むしろこういった番組の時間を増やして欲しいという要望ではないのでしょうか。どちらに分類されるのですか。

 (坂本理事)

 時間を増やして欲しいというよりも、非常に客観的に取材をしてニュースとして伝えているというご意見だと思います。

 (森下委員)

 要望としては、どんなご意見があがっていますか。

 (坂本理事)

 見やすい時間帯で編成してもらえないかといった要望があります。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事退室>

 

○ 説明会「NHKの財政」「英BBCの動向」について

 それぞれについて、執行部より説明を受け、質疑応答を行った。

 

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成27年10月27日    

浜 田 健一郎

 

上 田 良 一