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第1240回
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平成27年7月17日(金)公表

日本放送協会第1240回経営委員会議事録
(平成27年6月23日開催分)

第1240回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1240回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成27年6月23日(火)午後1時00分から午後4時20分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  浜 田 健一郎 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    上 田 良 一   中 島 尚 正 長谷川 三千子
    美 馬 のゆり   宮 田 亮 平 森 下 俊 三
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  籾 井 会 長 堂 元 副会長 塚 田 専務理事
  吉 国 専務理事 板 野 専務理事 福 井 専務理事
  森 永 理 事 井 上 理 事 浜 田 技師長
  今 井 理 事 坂 本 理 事 安 齋 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

1 視聴者のみなさまと語る会(宇都宮)開催報告(資料)

 

2 日本放送協会平成26年度業務に関する監査委員会の活動結果(資料)

 

3 議決事項

 (1) 日本放送協会平成26年度業務報告書について(資料1)(資料2)

 

4 その他事項

 (1) 日本放送協会平成26年度業務報告書に添える監査委員会の意見について(資料)

 

5 議決事項

 (2) 日本放送協会平成26年度財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 

6 その他事項

 (2) 日本放送協会平成26年度財務諸表に添える監査委員会の意見について(資料)

 

7 議決事項

 (3) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (4) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

8 報告事項

 (1) 平成26年度NHK連結決算について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (2) 平成26年度年金基金の状況

 (3) 予算の執行状況(平成27年度5月末)(資料)

 (4) 契約・収納活動の状況(平成27年5月末)(資料)

 (5) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

○ 平成27年度役員業績報酬評価方針について

 

 

議事経過

 

 浜田委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1239回(平成27年6月9日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成27年6月26日に公表することを決定した。

 

 

1 視聴者のみなさまと語る会(宇都宮)開催報告(資料)

 (鈴木経営委員会事務局長)

 平成27年度、2回目の開催となりました「語る会」は、5月23日(土)、宇都宮放送局で開催しました。時間は午後2時から4時までの2時間です。
 登壇は、経営委員会から、上田委員、中島委員の2名。執行部から板野専務理事、福井専務理事、宇都宮放送局の田野辺局長の3名を加えた合計5名で、司会は、伊藤 博英アナウンサーでした。
 公募の結果、はがき、ホームページなどを通じて61名から参加の申込みがあり、会場のスペースの関係から抽選を行い、49名に参加案内をお送りしました。当日は、25名が「語る会」に参加されました。
 「語る会」終了後には、「ブラタモリの歩き方」と題して、制作局の中村 貴志チーフ・プロデューサーによる講演会を開催しました。
 概要や反響等については、報告書の1〜2ページに記載しています。
 冒頭、協会の基本方針や重要事項の説明として、中島委員から経営委員会の役割、平成27年〜29年度NHK経営計画、27年度の収支予算、事業計画について説明しました。その内容は3〜5ページに記載しています。
 意見聴取は「経営全般」と「放送」の2つのテーマで実施し、「受信料」「経営委員会の役割」「番組出演者のことばづかい」「地域放送の拡充」など、多岐にわたる意見や提言が寄せられました。これらは6ページ以降に掲載しています。
 終了後の参加者当日アンケートの結果とアンケートに記された具体的内容は23ページ以降に記載しています。

 

 

2 日本放送協会平成26年度業務に関する監査委員会の活動結果(資料)

 (上田監査委員)

 監査委員会の職務の執行の状況を、放送法第39条第5項の規定に基づいて報告させていただきます。
 今回の活動結果報告は、協会の26年度業務に関する監査委員会の活動についてまとめ、報告するものです。大きく2つにまとめています。
 報告書の最初のページの項目1をご覧ください。今回の活動結果報告は、協会の26年度業務に関する監査委員会の、いわば総まとめといえる「平成26年度業務報告書に添える監査委員会の意見書」ならびに「平成26年度財務諸表に添える監査委員会の意見書」を作成したことです。意見書の内容については、後ほどご説明いたします。
 項目2は、その意見書に至る監査委員会の活動結果報告です。経営委員会にいつ、どのような内容の「活動結果報告」を行ったかを記しております。
 また、参考までに資料の2ページ以下18ページまで、「平成26年度中の監査委員会の開催状況」や、役員・部局長などに行ったヒアリング、業務視察などを列記しております。

 

 

3 議決事項

 (1) 日本放送協会平成26年度業務報告書について(資料1)(資料2)

 (井上理事)

 平成26年度業務報告書の案を取りまとめましたので、その内容についてご説明します。
 26年度の実施結果を、NHK自身の主観的な評価を加えることなく、正確に書きとめるべきものとして、放送法施行規則で定められている記載事項に沿った章立てで記述しています。
 資料、別冊の目次をご覧ください。例年と同様に、全体で11章と資料で構成されています。このうち、第1章は全体の要約になっていますので、主な内容をこの章に沿って、かいつまんでご説明します。
 1ページ目が第1章「事業の概況」についてです。冒頭は、事業活動全体についての総論部分です。
 NHKの基本的な法的位置づけや、3か年経営計画を踏まえて事業を実施したことを記述しています。
 26年度については、新たな3か年経営計画を策定したことを記しています。本編では、59ページからの第11章「その他」で詳しく記述し、2020年を見据えたNHKビジョンと新経営計画の5つの重点方針を記載しています。
 1ページにお戻りください。(1)国内放送では、第2章「放送番組の概況」のうち、国内放送について、各波の編集方針や番組改定の概要などについてまとめています。サマリーでの記述はこの程度にとどめておりますが、8ページからの本編では、放送時間数や個別の番組名、重要ニュース項目などを挙げて、国内放送の実施状況について詳しく記述しています。あわせて番組審議会、番組制作委託や番組の受賞、インターネット提供、認可を得て実施した業務等についても詳しく記述しています。
 2ページの(2)は、同じく第2章のうち国際放送に関する事項をまとめています。テレビ、ラジオ、インターネットによるサービスのほか、外国人向け国際放送を国内のケーブルテレビなどの放送事業者に提供する業務などについて記述しています。20ページからの本編では、海外でのプロモーション活動を積極的に展開したことなど、国際放送の周知の取り組みなどにも触れています。
 3ページの(3)は、番組の海外提供や国際共同制作などに関する項目です。
 (4)は、総務大臣の認可を受けて、インターネット実施基準を定めるなど、改正放送法の施行に向けて、インターネットサービスの展開に向けた準備を取り進めたことを記しています。本編では、27ページに詳しく記載しています。この部分は、26年度の新しい記述です。
 4ページの(5)は、調査研究についての概要です。「放送番組に関する世論調査及び研究」については第3章で、「放送技術の研究」については第7章で、それぞれ具体的な内容を記述しています。3章では、各種世論調査や、デジタル時代のメディア利用に関する研究等、7章では、スーパーハイビジョンや8Kハイブリッドキャストの研究などについて記載しています。
 (6)は、営業及び受信関係業務に関する項目です。
 営業関係では、法人委託を推進したことや受信契約件数などについて記述しています。32ページからの第4章の本編では、年度末の受信契約の詳細な状況や支払率などを記載しています。
 (7)は、「視聴者関係業務の概況」です。広報活動や情報公開、視聴者対応業務、イベントの実施などについてまとめています。本編は第5章、35ページになります。
 5ページの(8)は、第6章の放送設備の建設や運用について記述しています。中継局の開設や、設備の更新、会館の建設について記述しています。39ページからの本編では、災害に備えた機能強化の施策についても触れています。
 (9)は、「業務組織の概要及び職員の状況」を記述している第8章の要約です。経営委員会、監査委員会、理事会、内部統制の推進や要員効率化などについて記述しています。
 経営委員会、監査委員会については、本編では46ページ以降で、委員の構成や活動状況全般を記述しています。
 6ページの(10)は、「財政の状況」です。本編では、53ページからの第9章で、26年度の決算について詳しく記述しています。
 (11)は、「子会社等の概要」に関する事項で、子会社等の数や、子会社等からの配当や副次収入、子会社等の管理について記述しています。本編は第10章、57ページになります。NHK関連団体ガバナンス調査委員会が提言をまとめたことや子会社等のガバナンス向上に向けたプロジェクトの活動などについて記しています。
 6ページから7ページにかけて、27年度の事業計画の重点事項を記述し、協会が対処すべき課題を具体的に示しています。
 以上が本文の概要です。本文の後には、関連する資料を添付しております。62ページと63ページが資料編の目次です。添付した資料は、最終的に51点となりました。これらの資料も含めて、放送法施行規則に定められている記載すべき事項は、もれなく記しております。
 以上、業務報告書案についてご説明いたしました。
 議決いただけましたら、財務諸表とあわせて、すみやかに総務大臣に提出します。よろしくご審議のほど、お願いいたします。

 

 

4 その他事項

 (1) 日本放送協会平成26年度業務報告書に添える監査委員会の意見について(資料)

 (上田監査委員)

 ただいまご説明いただきました日本放送協会平成26年度業務報告書に添える「監査委員会の意見書」について、ご説明します。本意見書は、放送法第72条第1項に基づくものです。
 まず、資料の目次をご覧ください。意見書の全体構成は、「序文」に続き、「Ⅰ 監査意見」、続いて「Ⅱ 付記事項」を冒頭に説明し、その後に「Ⅲ 監査方法」、「Ⅳ 監査内容」を説明しています。
 「監査内容」のまとめ方としては、まず、重点監査項目について記載し、続いて個別調査、特に会長のハイヤーの私的利用をめぐる経理処理事案について記載しております。その上で、その他の重要項目を記載しております。
 放送法で「監査委員会は役員の職務の執行を監査する」と定められていることから、「4 会長、副会長、理事の職務執行の状況」に、その執行を経営計画に基づき監査した内容を記載しています。
 平成20年4月から施行の放送法改正に伴い、監査委員会制度が導入され、この意見書が作成されるようになっています。そのあり方、様式については種々協議・検討を加え、今回はこのような形になっていますが、今後さらに検討を重ね、監査委員会の職責を果たしてまいりたいと思っています。
 なお、「監査内容」に多くのページを割いていますが、これは説明責任を果たすためとご理解ください。
 以下、構成に沿って、簡単にポイントを説明します。
 まず、「監査意見」です。2ページをご覧ください。後で述べます「監査方法」や「監査内容」に基づいた結果、監査委員会としての監査意見は以下のとおりとなりました。すなわち、「1、事業の実施報告を記した業務報告書と協会の状況との間に重大な齟齬(そご)は認められない」、「2、役員の職務執行に関する不正行為、または法令もしくは定款に著しく違反する事実は認められない」さらに、「3、内部統制に関する経営委員会の議決の内容および当該議決に基づき整備されている体制、ならびに執行について特に指摘すべき事項は認められない」。
 3ページと4ページに「付記事項」を記載しています。この「付記事項」は、監査結果に影響するものではありませんが、協会の健全な事業運営の徹底のために監査委員会として付記するもので、4点あります。
 1点目は、「内部統制の推進について」です。監査委員会は、協会内のリスクマネジメントは一定の水準に達していると認識していますが、管理レベルのさらなる向上が必要だと考えます。また、協会だけでなく関連団体も含めたNHKグループ全体としてコンプライアンスを徹底していくことが求められていると考えています。IT機器の普及などによる新しいリスクも増える中、リスクマネジメントの一層の徹底を図る協会の取り組みを注視していきたいと考えています。 
 2点目は、「新たなメディア環境への対応について」です。監査委員会は、協会が放送と通信の融合時代にどのようなサービスを開発していくか、また、インターネット業務の拡大に伴うさまざまなリスクにどのような体制で対応していくか、引き続き注視してまいります。さらに、8Kの技術開発や普及が、計画・想定のとおりに進んでいくかどうかも、あわせて注視してまいります。
 3点目は「『外国人向けテレビ国際放送』の強化について」です。監査委員会は、海外の視聴者のニーズに合わせ、番組やニュースをさらに充実強化するとともに、プロモーション活動などにより視聴者拡大を図ることが重要だと考えております。その際、関連団体も含めた「オールNHK」体制をどのように構築するのか、また視聴者の動向をどのように把握し、それに応えていくのか、注視していきたいと考えています。
 4点目は「透明で戦略的なグループ経営について」です。監査委員会は、関連団体も含めたNHKグループ全体でガバナンスの向上を図り、コンプライアンス意識を徹底していくことが重要であると認識しています。また、協会が将来にわたって安定的に公共放送の役割を果たすためには、NHKグループ全体で限られた経営資源をどう有効に活用していくか、グループ経営の視点に立った議論が必要であると考えています。新時代のNHKグループを築きあげていけるか、注視してまいります。
 「Ⅲ 監査方法」は、5ページから6ページに、監査委員会がどのような方法で調査を行ったかを説明しています。
 7ページから32ページまでが「Ⅳ 監査内容」です。監査委員会としては、説明責任を果たすために多くのページを割いています。その中で、7ページから12ページまでは、監査委員会の平成26年度の重点監査項目4つに関して、それぞれに関する協会の取り組み状況と、会長・理事の認識をまとめております。
 続いて13ページでは、監査委員会が3月に行った、会長のハイヤーの私的利用をめぐる経理処理事案に関する調査の要点をまとめています。
 15ページは「その他の重要項目」、17ページ以降は、「会長・副会長・理事の職務執行の状況」として、「3か年の基本方針」などに関する職務の執行状況と、必要に応じて副会長・理事の認識について記載し、最後の 32ページに、経営委員会委員の職務執行の状況について記載しております。
 採決の結果、議決事項(1)について原案どおり議決。

 

 

5 議決事項

 (2) 日本放送協会平成26年度財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (福井専務理事)
 それでは、NHKの平成26年度財務諸表についてご説明いたします。
 本日ご審議していただくにあたり、資料を全部で5点お配りしております。
 資料の1点目は、「平成26年度財務諸表」です。これは、放送法および放送法施行規則の定めに従って作成した正式な決算書です。
 2点目は、「独立監査人の監査報告書」です。報告書の最後から4行目にあるとおり、監査法人からは、監査の結果、「すべての重要な点において適正に表示しているものと認める」との意見が表明されています。
 3点目は、「平成26年度決算の要約」です。これは、単体決算のポイントについて科目別の内訳や業務別決算なども盛り込んでまとめたものです。
 4点目は、「平成26年度決算概要」です。収支決算や財務の状況のほか、受信料や国内放送費など、主要な科目の決算状況を取りまとめた資料です。
 5点目は、「平成26年度決算説明資料」です。決算の内訳に加え、事業運営計画の実施状況を記載した詳細な資料です。
 それでは、1つ目の「平成26年度財務諸表」をご覧ください。
 この財務諸表につきましては、本日、経営委員会で議決していただいたうえで、放送法第74条の規定に基づき、監査委員会および会計監査人の意見書を添えて、総務大臣に提出いたします。その後、内閣を経由し、さらに会計検査院の検査を経て、国会に提出されます。
 表紙を開いていただきますと、「目次」がございます。協会は、放送法及び放送法施行規則に基づき、財務諸表として、「財産目録」「貸借対照表」「損益計算書」「資本等変動計算書」「キャッシュ・フロー計算書」および「これらに関する説明書」の6つの書類を作成しています。
 次に、財務諸表の主なポイントについてご説明します。
 30ページをご覧ください。30ページから32ページにかけて、財務諸表の作成に関する重要な会計方針を記載しています。
 31ページの2の4に、(1)から(5)まで、5つの引当金の計上基準を記載しています。 このうち、(3)に「退職給付引当金」がありますが、後ほど改めてご説明します。(5)に「国際催事放送権料引当金」があります。これは、オリンピックとワールドカップサッカーの放送権料の支払いに備えるため、合理的な見積額を計上しているものです。26年6月に平成30年実施のピョンチャン冬季大会以降4大会のオリンピック放送権料を合意したため、すでに開催地が決定しているピョンチャンと東京大会の引当金計上額を見直しています。
 次に、48ページをご覧ください。退職給付に関する会計基準に従い、その情報を開示しています。具体的には、退職給付債務や年金資産の期首残高と期末残高の調整表や、退職給付に関連する損益などについて記載しています。48ページの「注2」の確定給付制度のアの項目に記載しているとおり、期末における退職給付債務は5,933億円です。それに対して、イの項目の期末における年金資産は3,494億円、ウの項目の退職給付引当金は26年度末で774億円ございます。これらを差し引いた積立不足額は1,664億円となり、昨年度末より513億円減少しました。
 49ページをご覧ください。オには、債券、株式などの年金資産の主な構成を記載しております。また、キには割引率など退職給付の主な基礎率を記載しています。
 次に、65ページをご覧ください。(9)共通管理費の欄外の注3に役員交際費について記載しております。これまで見込額を報告しておりましたが、確定額は1,357万円となっております。
 次に、73ページをご覧ください。ページ下の(3)にNHKが保有する有価証券の状況を記載しています。有価証券については、原則、信用度の高い債券を満期保有することとしています。
 次の74ページの一番上の表をご覧ください。満期保有目的の債券の26年度末貸借対照表の計上額は2,764億円ですが、時価で評価すると2,826億円となっており、62億円の含み益となっています。
 次に、76ページをご覧ください。協会の資金の流れを表す、キャッシュ・フロー計算書です。事業活動では、当期事業収支差金398億円および減価償却費678億円などにより、26年度は合計1,142億円の資金が増加する一方、投資活動では、有価証券および固定資産の取得等により1,495億円の資金が減少しました。これらにより、26年度は、現金および現金同等物が359億円減少し、現金及び現金同等物の期末残高は、1,127億円となっております。以上が、財務諸表のポイントです。
 次に、資料「平成26年度 決算の要約」で26年度決算のポイントをご説明します。1ページ上段に、26年度の業務の実施状況と収支決算の状況をまとめています。また、収支決算の状況については、ページ下段の収支決算表と合わせてご覧ください。
 一般勘定の事業収入は6,871億円となり、受信料の増収や固定資産売却益の増等により、前年度に対して256億円の増収となりました。このうち、受信料は148億円の増収となり、過去最高となる6,493億円を確保しました。
 事業支出は6,475億円となり、給与や退職手当・厚生費を抑制した一方、国内・国際放送の充実や、スーパーハイビジョンの推進等により、43億円の増となりました。
 以上により、事業収支差金は前年度に対して、213億円増の396億円となり、このうち、386億円を渋谷の放送センターの建替え等に備えて建設積立資産に繰り入れ、10億円を翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越すこととします。
 この結果、一番下の表にありますとおり、26年度末の建設積立資産は、1,348億円、財政安定のための繰越金は876億円となりました。
 ページをめくって2ページをご覧ください。
 ページ上段左側は受信料の状況です。受信契約件数については、26年度はいずれも計画を上回り、3年連続で全営業目標を達成しました。
 右側の円グラフは業務別決算で、業務別に、物件費と人件費、減価償却費を配分しています。青色で示した「国内放送番組の制作と送出」の比率が76%となり、事業支出全体の約4分の3を占めています。
 その下のチャンネル別決算は、業務別決算のうち、「国内放送番組の制作と送出」と「国際放送番組の制作と送出」をチャンネル別に区分したものです。総合テレビに全体の約半分となる52%の経営資源を配分しています。
 ページ中段の番組アーカイブ業務勘定につきましては、事業収支差金は2億円となり、2年連続で黒字を確保しました。
 ページ下段は、収支決算を予算と比較したものです。
 事業収入は予算に対して235億円の増収、このうち受信料は65億円の増収となりました。事業支出は71億円の予算残となり、事業収支差金は予算に対して306億円の収支改善となりました。
 3ページは、協会全体の資産・負債及び純資産の状況についてです。26年度末の資産合計は9,900億円となり、現金預金・有価証券の増等により、630億円の増となりました。自己資本比率は66.6%となり、引き続き高い水準で、健全な財務状況を維持しています。
 ページをめくって4ページ上段は、損益の状況についてです。26年度の経常事業収入は、受信料の増収等により25年度に対して178億円の増収、純利益にあたる当期事業収支差金では214億円の増益となり、増収増益の決算となりました。
 ページ下段にはキャッシュ・フロー計算書を掲載しています。
 説明は以上です。よろしくご審議くださいますようお願いいたします。

 

6 その他事項

 (2) 日本放送協会平成26年度財務諸表に添える監査委員会の意見について(資料)

 (上田監査委員)

 それでは、ただいまご説明いただきました日本放送協会平成26年度財務諸表に添える「監査委員会の意見」についてご説明します。本意見書は放送法第74条第1項に基づくものです。意見書の構成は、基本的には監査方法と内容、およびその結果としての監査意見です。監査委員会の意見は、放送法で会計監査人の監査が合わせて法定されていることから、いわゆる相当性監査となっています。その結果は2ページに記載のとおり、会計監査人の監査意見は相当と認めるということです。

 (井伊委員)

 「平成26年度決算の要約」では「退職手当・厚生費」が25年度から26年度で減っています。先ほど財務諸表の48ページで詳細をご説明いただきましたがよくわかりません。NHK職員の方の高齢化、つまり退職される方は増えている傾向にあると思いましたが、退職給付引当、退職手当に関しては、25年度に比べて26年は減っているという理解でよいでしょうか。

 (福井専務理事)

 この退職手当・厚生費が減額となった理由は、年金資産の運用が25年度好調だったことが一番大きな要素です。

 (井伊委員)

 株価が上がったということですか。

 (福井専務理事)

 運用利回りが増えて給付費が減ったということです。

 (井伊委員)

 確定拠出年金制度に移行しているということですが、これは各職員が選べる仕組みになっているのでしょうか。

 (福井専務理事)

 40%部分を確定拠出年金に移行しております。移行は平成22年度に行ったのですが、たとえば満50歳未満などの一定の条件のもとで移行しております。

 (井伊委員)

 よい時期にあたったということですね。

 採決の結果、議決事項(2)について原案どおり議決。

 

 (浜田委員長)
 それでは、ただ今の議決にあわせ、経営委員会として行った議論も踏まえて、私からひとこと申しあげます。
 平成26年度決算は、昨年度に引き続き、計画を大幅に上回る収支差金を確保できる内容となりました。前3か年経営計画として振り返ってみても、NHKが公共放送の原点に立って掲げた4つの重点事項を、おおむね達成し、また、事実上初めての、受信料の値下げによる減収という課題を克服されました。経営委員会としては、このことを高く評価し、現場の第一線で業務にあたられている職員の皆さまをはじめ、執行部各位の努力に、あらためて敬意を表したいと思います。
 さて、昨年も申しあげましたが、財政状況が健全な時は、今後の課題に取り組むチャンスの時でもあります。日本の放送界は、いま大変重要な時期にあります。「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた8Kの普及」、「国際放送・国際発信の強化」、「放送と通信の融合にともなう新しいサービスの創造」などに取り組んでいくことが大切です。また現有地での建て替えが決まった新放送センターは、これから一年かけて建設基本計画を策定しなければなりません。さらにネット時代への対応や今後の世帯数の見通しなどを踏まえれば、受信料制度についての研究も、鋭意進めていただく必要があります。
 これらの課題に対して、執行部の皆さまには新しい3か年経営計画に基づき、議決に際して申しあげた経営委員長見解も踏まえて、しっかりと対応していただきたいと思います。そして、放送の質の向上、地域の重視、コストの削減なども進め、NHKが公共放送として引きつづき視聴者・国民のみなさまから支持を得られるよう、一丸となって努力することを期待しています。
 私ども経営委員会も、皆さまと共に、職責を遂行してまいります。

 

 

7 議決事項

 (3) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (坂本理事)

 資料をご覧ください。中央放送番組審議会委員について次のとおり委嘱を行いたいと思います。
 委嘱につきましては、定款第66条第2項の規定により経営委員会の同意を得ることとなっております。新規委嘱の方は、読売新聞東京本社取締役論説委員長の増田 雅己氏です。略歴は別紙のとおりです。なお、現在、中央放送番組審議会委員を務めておられます読売新聞東京本社専務取締役論説担当の小田 尚氏については、6月30日、任期満了により退任という形になります。
 採決の結果、原案どおり議決 。

 

 (4) 国際放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (坂本理事)
 国際放送番組審議会委員につきまして次のとおり委嘱を行いたいと思います。
 委嘱につきましては、定款第67条第2項の規定により経営委員会に同意を得ることとなっておりますので、議決をよろしくお願いします。
 7月1日付で2人の新規委嘱となります。1人は、株式会社三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員の大西 洋氏です。略歴は別紙のとおりです。もう一人は、東京大学大学院理学系研究科教授の塩見 美喜子氏です。別紙の略歴にありますとおりゲノム遺伝子の専門家の方で、すぐれた女性科学者に贈られる猿橋賞を2009年に受賞されております。
 それから7月1日付の再委嘱の2人です。1人は内永 ゆか子氏、企業における女性幹部の活用を促進する特定非営利活動法人の理事長です。もう1人は平林 国彦氏、ユニセフ東京事務所の代表をお務めです。今回の新規委嘱、再委嘱によりまして国際放送番組審議会委員の数は、12人となります。なお、これまで審議会委員を務めてこられました岩瀬 大輔氏は任期満了により4月30日付で退任、内海 善雄氏は任期満了により6月30日付で退任されます。
 採決の結果、原案どおり議決 。

 

 

8 報告事項

 (1) 平成26年度 NHK連結決算について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (福井専務理事)

 連結決算の概要につきましては、5月26日の経営委員会でご報告しましたが、今回、正式な連結財務諸表としてまとまり、それに対する会計監査人の監査報告を受領しましたので、あらためてご報告します。
 なお、金額につきましては、前回の報告からの変更はありません。
 お配りしている資料は全部で3点です。資料の1点目は「平成26年度連結財務諸表」で、これが正式な連結決算の決算書です。2点目は「独立監査人の監査報告書」です。報告書の最後から4行目にありますとおり、「すべての重要な点において適正に表示しているものと認める」とされており、連結決算についても監査人から適正意見をいただいています。3点目は「平成26年度連結決算概要」の冊子で、連結決算の概況や、連結損益の状況、連結事業区分別実績などをとりまとめたもので、きょうはこの資料で説明させていただきます。
 1ページをご覧ください。連結の範囲ですが、一番下の表に記載しておりますとおり、子会社13社と持分法適用会社1社の、計14社が連結対象会社で、25年度と変更はありません。
 続きまして、「連結決算の概況」についてご説明します。「経常事業収入(売上高)と当期事業収支差金(純利益)」の状況ですが、26年度の経常事業収入(売上高)は、NHKの受信料増収等により、25年度に対して100億円の増収となる7,463億円となりました。その結果、経常事業収支差金(営業利益)は106億円増の261億円となり、固定資産売却益の増等を加えた当期事業収支差金(純利益)は206億円増の433億円となり、増収増益の決算となりました。
 次に「総資産と自己資本比率」ですが、26年度末の総資産は1兆1,198億円となり、前度比で668億円増加しました。
 自己資本比率は65.6%となり、引き続き健全な状態を維持しています。
 2ページをご覧ください。「連結損益の状況」についてご説明します。
 上段の表は、NHKと子会社の経常事業収入の内訳を記載しております。
 NHKの26年度経常事業収入は6,696億円で受信料増収等により、25年度に対して178億円の増収となりました。一方、子会社の売り上げは766億円となり、東京スカイツリーの受信対策業務の売上減少などにより、25年度に対して78億円の減収となりました。
 中段の表は、当期事業収支差金(純利益)を記載しています。26年度の当期事業収支差金(純利益)は206億円増の433億円となり、増益となりました。
 なお、参考として記載しておりますが、26年度のNHK単体の事業収支差金は398億円で、連結決算の当期事業収支差金(純利益)である433億円との差額である35億円が子会社の連結上の利益に相当します。
 連結決算上、NHKと子会社を分けてみると、NHKは増収増益ですが、子会社では減収減益となっています。
 下段の表は、経常事業収入(売上高)及び当期事業収支差金(純利益)の過去5年間の推移を表したものです。
 3ページをご覧ください。26年度から新設した連結事業区分別実績を記載しています。一般企業のセグメント情報の考え方に基づき、事業区分別に売上高および営業利益を集計しております。
 事業区分は4つに分類し、放送事業、NOD事業、放送展開事業、その他事業としました。放送事業はNHK単体および子会社の番組制作、美術・デザイン業務等であり、放送に直接かかわるものであります。また、NOD事業はNHKの番組アーカイブ業務です。放送展開事業は、映像ソフト販売、イベント企画実施、出版事業などです。その他事業は 通信ネットワーク設備構築やテナント事業、システム開発等です。
 売上高の構成比率を記載しておりますが、放送事業が全体の86.3%を占めています。また、26年度は4つの全ての事業で黒字となっております。
 4ページをご覧ください。過去5年間の「資産合計の推移」と「自己資本比率の推移」を記載しております。資産合計は着実に増加するとともに、自己資本比率は健全な状態を維持しております。
 5ページには連結財務諸表の概要として「比較連結損益計算書」と「比較連結貸借対照表」を記載しております。
 6ページの上の表には「比較連結キャッシュ・フロー計算書」を記載しており、下の表は、NHK及び連結子会社13社で保有している設備の状況について記載しています。
 NHK及び連結子会社の保有設備は合計で4,254億円であり、このうちNHKは4,099億円で、全体の96.4%を保有しており、子会社は13社合計で155億円となり、全体の3.6%の保有となっています。
 7ページは、連結子会社等の状況を記載しております。

 

 (2) 平成26年度年金基金の状況

 (福井専務理事)

 26年度の年金基金の状況について説明いたします。
 基金規模については、25年度末の時価総額3,143.4億円から、26年度の基金繰入が351.1億円のプラスとなり、26年度末は3,494.5億円となりました。351.1 億円の内訳は、総合収益の342.8 億円と、拠出と給付の差8.2 億円によるものです。

 

 (3) 予算の執行状況(平成27年度5月末)(資料)

 (4) 契約・収納活動の状況(平成27年5月末)(資料)

 (5) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (浜田委員長)

 報告事項(3)、(4)、(5)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事退室>

 

 

○ 平成27年度役員業績報酬評価方針について

 評価・報酬部会を開催し、「平成27年度の役員業績評価方針」について意見交換を行った。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成27年7月14日    

浜 田 健一郎

 

上 田 良 一