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石川・野々市市の米問屋の挑戦 塩むすびで米の魅力発信 

  • 2023年09月01日

食生活の多様化でコメの消費が減る中、コメのおいしさを追求し、お客さんと顔の見える関係を作ることで、消費の拡大を目指す取り組みを取材しました。

米問屋の原点に

野々市市で米問屋を営む魚住雅通さん。
150年続く老舗です。

父親から経営を引き継ぎ、全国に販路を広げようと考えていた3年前。
新型コロナの感染が広がり、取引先からのコメの注文が激減しました。

魚住さん

「われわれの会社自体も非常に危機的な状況になって、米屋としての改めてどうあるべきかっていう立ち位置みたいなのを気づかせてもらった」

コメの新たな楽しみを提案

これを機に原点に立ち返ったという魚住さん。
地元の消費者にコメの魅力を知ってもらおうと、事務所を改装しコメの対面販売を始めました。

店内には、常時15種類以上のコメに加えて、ごはんのお供や、食器なども販売しています。
食生活が多様化し、コメ離れが進むなか、お客さんと顔の見える関係を作ることで裾野を広げ、消費拡大につなげようと考えたのです。

訪れた人

「いろんなものを試してみたいなと、少量だし買いやすいし、とてもいいと思います」

魚住さんが、コメの新たな楽しみ方として売り出しているのが、ブレンド米」です。
培った目利き力を生かし複数のコメを1パーセント単位で組み合わせて、1つの品種にはない味わいや食感を実現しました。

独自でコメの食感チャートを作成、甘みを抑えしっかりとした粒感の「寿司米」など、それぞれの料理に合ったブレンド米を提供しています。

「ブレンドっていうのも、お客様にお応えする1つの手段であると考えています」

そのブレンド米で生まれた人気商品が「塩むすび」です。

先代の父とともに 改良を重ねてきた「塩むすび」はコメだけで勝負する商品です。
山形県産のコメと、能登の「コシヒカリ」を7対3で配合しました。
ふっくらと粒がたち、口に入れるとほろりとほどける。
コメの甘みを感じるおむすびを実現しました。

地元の少年野球の子どもたちも、練習のあとに食べる塩むすびを楽しみにしています。

少年

「軟らかさとか、おにぎり食べていつも元気が出ています」

魚住さん

「もうちょっとこっちの方がいいんじゃないみたいな、こういう感じの方が好きやったわみたいな、いろいろな意見を直接聞くことができるのはすごくうれしい、思いがつながるというかお米の魅力で食べた人とつながるということです」

きめ細かなサービスを

 

魚住さんはさらに、取引先の要望に合わせた コメを1つ1つ オーダーメイドで提供しています。 この日準備したのは、カレーと相性がいい 粘りがなく粒が硬めの「ハナエチゼン」。

ルーがご飯にしみこみすぎないよう精米を8分づきにしました。
ワークショップを通じて地元の人たちにも味わってもらうことで、コメの奥深さを知ってほしいと考えています。

参加者

「お米とも相性がよくておいしかったです」

参加者

「(食べたときの)感じ方が全然違って、もっともっとお米を食べたいな」

 魚住さんはこれからも地域に密着した米問屋として、コメの魅力を伝え続けます。

魚住さん
「お客さまの好みに合わせて提供できるということも、やっぱり卸しをやっていたからこそなのかなと思っています。
お米って工夫しだいではもっとおいしくなるよとか、お米の最大限のおいしさを引き出すみたいな、そういうことを伝えていきたいと思っています」

✅取材後記

魚住さんは、県内の大学生と一緒に 米粉のシフォンケーキを商品化するなど、 コメを使った商品開発も積極的に進めています。 消費者の意見を取り入れながら コメの多様な楽しみ方を提案することで、新たな可能性を探っていきたいと話していました。

  • 中本恵子

    NHK金沢 ニュースディレクター

    中本恵子

     人の温かさやひたむきな情熱、石川の風土によって育まれた素敵なモノ&コトたちを、たくさんお伝えしていきたいです。

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