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水に強い水引開発 用途広がりアクセサリーにも【石川 かほく】

  • 2023年08月03日

結納品や祝儀袋を飾る水引細工。
 一般的な水引は、芯の部分が和紙のため、水に弱く、保管状態にも気を遣わなければなりませんでした。
 しかし、水引が アクセサリーなど さまざまな用途に使われるようになり、それに合わせて 新しい素材の水引が生み出されています。かほく市での取り組みを取材しました

新たな素材の開発

新たな素材の水引を 開発したのは、かほく市にある繊維会社。

商品化を進める 専務の北川遼典さんです。
 医療用のゴムひもなどを生産するかたわら、その技術を応用して新素材の水引を開発しました。

北川遼典さん 
「自分らで何か売れるものを作ろうと、もともと繊維業が盛んな地域だったので、そこから何か違うものが できればなって」

一般的な水引は 和紙をこより状にして糸にしますが、新素材は太さ1ミリ以下の 「樹脂」に細い糸を巻き付けて作ります。

新しい水引は、 糸のように巻きつけることができます。
ひと巻き10メートル。必要な長さに切って使えるのです。
そして、樹脂製なので液体につけることも可能になりました。

北川遼典さん
「糸もいろんな種類がありますし、全部一緒な糸ではないので、糸によって温度の管理だったり巻くスピードだったりとか、こちらで全部調整してなるべく均一にできるように作ってます」

ツルツルした樹脂に ずれないよう繊維を巻き付ける技術は、ゴムひもを作る技術が生かされました。

広がる活用の場

 結納品を扱う水引細工のお店でも 新たな素材の水引に関心を寄せています。
林谷恵美子さんは、この新しい水引を積極的に使っています。

林谷恵美子さん
「お気に入りの色は、パステル系ですね。
水にぬれても大丈夫ということであったり、日常に使えるものがあったり。
あと水引にないような色や素材があるのはおもしろい」

神奈川県の水族館では水に強い特徴を生かし、水槽の中に水引細工を入れて 魚に見立てる演出を取り入れました。

最近、林谷さんが注目しているのが暗いところでも光る水引です。

林谷恵美子さん
「暗くなるとぼやーっと、水引にはこういう蓄光っていう暗闇で光る素材ってないので、その良さを利用しました」

ワークショップも

 

会社では、新しい素材を 知ってもらいたいと、ワークショップを行っています。
この日は かほく市の中学校を 妻の萌子さんが訪れ、ドイツからの留学生に 日本の文化を 体験してもらうことになりました。
なじみのない素材も、さまざまな使い方ができることを体感してもらいます。

1時間ほどでストラップが完成しました。

留学生
「今までやったことがなかったけど、作るのは楽しかった」 
「とてもすてき、日本のいいお土産になった」

水引の可能性を求めて

 北川さんは 触れて、使ってもらうことで、これまでの水引の枠を超えた 新しい可能性が 広がるのではないかと考えています。

北川遼典さん
「世界でうちだけしか作っていないっていうのがありますので、広げるのはそう簡単ではないですけど、少しでも自分らの作ったものをいろんな方に触っていただいて自分の感覚をもっといろんなふうに広がっていただければ いいかなと思います」

町工場の技術力が 伝統工芸の分野に新しい風を吹き込みます。

✅取材後記

かほく市の小中学校では、生徒たちが今回紹介した水引を使ってストラップを作って高齢者施設にプレゼントしたり、卒業式につけるコサージュを自分たちで作ったりと、地元の産業に触れる機会を設けています。
取材した会社では、新たな素材の強みを生かしてこれまでにない使い方を提案していきたいと話していました。

  • 中本恵子

    NHK金沢 ニュースディレクター

    中本恵子

     人の温かさやひたむきな情熱、石川の風土によって育まれた素敵なモノ&コトたちを、たくさんお伝えしていきたいです。

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