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難病ALS メカニズム解明へ 金沢大早期診断で研究成果

  • 2022年11月16日

全身の筋肉が徐々に動かなくなるALSという進行性の難病。 根本的な治療法はまだなく、病気を早期に見つけて症状を遅らせることが大切になりますが、初期の診断が難しく進行してしまってから病気がわかるケースも多いということです。金沢大学などの研究チームが病気の早期診断やメカニズムの解明につながることが期待される最新の成果を発表しました。

金沢大学 西川裕一 助教

今回研究チームが発表したのは、ALSの患者の肌の表面に電極を貼り付けて、筋肉を流れる微少な電流の異常を測定し、診断につなげるというもの。アスリートのトレーニング効果の測定など運動生理学の分野で用いられてきた方法を応用するということです。

これまでの診断では、筋肉に直接針を刺して測定する方法が取られてきましたが、患者の体への負担が大きく、簡単に行えるものではなかったといいます。針を直接体に刺さなくても十分な精度のデータが得られることが確認でき、検査のハードルが低くなる分、早期診断につながることが期待できるということです。


長年、臨床でALSの患者の治療にあたってきた医療関係者からも今回の研究成果に期待が寄せられています。

徳島大学 脳神経内科 和泉唯信 教授

早期に診断するということが、神経難病の領域で最も注目されている点です。例えば、最近開発しつつある薬は、ALSの発症1年以内では有効性は認められましたが、発症3年以内で検討すると有効性は確認出来ませんでした。

また今回の研究では、ALSの患者と一般の人の神経細胞の活動頻度の違いなども確認できていて、こうした成果が将来、病気のメカニズム解明や新たな治療法の確立にもつながるかもしれないと和泉教授は期待しています。


今回の研究成果について、闘病を続ける患者にもお話を聞いてきました。

髙橋利子さん

ALSと診断されている金沢市の髙橋利子さんです。うまく歩けないなど日常生活に支障が出るようになっても、医師からは運動不足だと指摘され、病名がわかったのは、かなり病気が進行してからでした。眼球の動きを感知して、音声に変換する装置を使い取材に答えてくれました。

(髙橋利子さん)
早めに診断や処置をしないと治療の効果が表れないと聞いて、悔しくなりました。 病気に関する情報収集を早くから始められれば、回避できることが増えていたはず。 病気の進行も防げていたと思います。 今後新たな治療法が見つかることに期待しています。ALSの研究が少しずつ進んでいることにとても感謝しています

  • 松葉翼

    NHK金沢 記者

    松葉翼

    2020年入局。
    金沢放送局で交通の取材を担当。地図アプリを駆使して東南アジアで路線バスの旅を経験。

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