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金沢市 クマが人里に定着か!?市街地周辺で活動

  • 2022年06月10日

2022年6月8日放送

クマの目撃件数 過去最多

6月1日から2日にかけて、金沢市の住宅街でクマの目撃が相次ぎ、市や警察が巡回して市民に注意を呼びかけました。
ことし県内のクマの目撃件数は、6日までにあわせて88件で、去年の同じ時期を大きく上回り過去最多となっています。

人里にクマ“定着化”進む

クマの生態を研究している石川県立大学の大井徹教授は、クマの出没が相次ぐ背景には、
市街地周辺の山林にクマが定着し、繁殖していることがあると話します。

大井教授は金沢市の委託を受け、おととしから金沢市周辺の山林で調査を行っています。
去年は人里から離れた山間部と金沢市の市街地周辺の山林に合わせて35台の定点カメラを設置し、カメラがとらえたクマの数などから「生息密度」推定しました。

浮かび上がった意外な結果

その結果、7月から8月にかけてのクマの1平方キロメートルあたりの「生息密度」は、

山間部では      0.036頭
市街地周辺の山林では 0.37頭

市街地周辺のほうが約10倍高い結果となりました。

また、9月から10月にかけても市街地周辺の山林のほうが2倍程度の生息密度になっていました。

夏場のクマの生息密度を場所ごとに推定して地図上にあらわしてみると…

(大井徹 教授)
(青)色の濃淡っていうのは生息密度の濃淡を反映していまして、
濃い部分が高いということになります。
このすごく濃くなっている部分ですが本当に市街地(オレンジ色)のすぐそばです。
この下のほうの山間地よりもずっと高い密度の場所がこの夏の時期に局所的に出現したということが推定されました」。

さらに、おととし市街地周辺の山林で撮影された子グマを連れたメスと、同じ個体とみられるクマが去年も撮影されました。
大井教授は金沢市では市街地周辺でクマが「定着」し、繁殖が進んでいるとみられるとしています。

クマとのトラブル 避けるためには

大井教授は、人口減少や耕作放棄地の拡大によって
クマの生息に適した環境が人里にせまってきたことが背景あると考えています。

(大井徹 教授)
「森がなかったところ、そこが放棄されて森が戻ってきた。
クマを含めたいろんな野生動物の生活の場所として適した場所になって分布を広げてきたクマたちが居心地がよくなったので定着し始めた

(大井徹 教授)
「クマを引き寄せるようなエサになるようなものを来ては困るところから取り除く
人間が出す残飯、家畜とかペットの飼料、これを外に放置しておくとクマが寄ってくるので、それらの管理をしっかりすることが大切だと思います」。

✅取材後記 城之内記者

 ことしの秋はクマのエサとなる木の実の凶作が予想されていて、石川県は初めて「ツキノワグマ出没警戒準備情報」を出して、早めの警戒を呼びかけています。
 大井教授はほかにも、市街地と山林の境目にある 「やぶ」を刈り払うことも、クマが隠れる場所がなくなり、市街地への侵入防止対策として有効だと話していました。
 金沢市などはこうした取り組みに助成制度を設けています。
 クマの出没しにくい環境の整備に、地域をあげて継続的に取り組む必要があると思いました。

  • 城之内緋依呂

    NHK金沢 記者

    城之内緋依呂

    金沢局が初任地の6年目記者。 
    市民目線を大切に取材しています!

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