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朝ドラ『らんまん』牧野富太郎博士を受け継ぐ!金大1期生92歳

県内唯一の牧野標本を持つ植物愛好家
  • 2023年06月14日

連続テレビ小説『らんまん』の主人公のモデルとなった牧野富太郎博士に魅せられ、
植物学に人生を捧げた人が金沢市にいます。
92歳になった今も、植物採集に没頭するその姿に密着しました。
(NHK金沢放送局 編集 貝原和紘)

「これ茹でて食べるんですよ」。

道端の草を引っこ抜き、そう言ったのは金沢市に住む濱野一郎さん、92歳です。

実は濱野さん、金沢大学1期生!
大学に入ったばかりの頃、友人が道端の植物ひとつひとつの名前を教えてくれたことに感動し、
植物学の門をたたきました。
卒業後は中学校で、理科の先生として30年以上勤めました。

大学時代の濱野さん(昭和27年・1952年)

植物の研究にたずさわって70年以上。
おもに石川県の絶滅危惧種の保全活動に力を注いできました。
「昔の牧野図鑑ですよ」

濱野さんは牧野博士の著書『牧野日本植物図鑑』をいまも肌身離さず持ち歩いています。

植物に興味ある人だったら必須ですね

こちらは県内に唯一残る牧野博士の植物標本です。
15年ほど前、牧野博士の教え子から譲り受けた濱野さんが大切に保管してきました。

先進的な学者の手に触れた物は大変貴重で大事に持っています。
牧野博士は植物が大好きで最後まで徹底的に貫いた人で大変尊敬しています。

白山をたびたび訪れていたという牧野博士。
こちらは植物採集で登山した際に泊まった『永井旅館』です。

白山の自然をこよなく愛した牧野博士が、その思いをつづった掛け軸が残されていました。

掛け軸には「雨の白山、嶺から峰と雲を帯びた花を採る」と書かれ、
生涯で4回も登った白山への愛が込められています。

道路も整備されていなかった時代に自らの足で全国を旅した牧野博士。
94年の人生を終えるまで、その熱意と行動力が失われることはありませんでした。

ことし8月で93歳になる濱野さん。
牧野博士の「雑草という草はない」を座右の銘にいまも自らの足で植物採集に赴きます。

地域に自生する植物を長年観察してきた濱野さん。近年、外来の植物の存在感が増していることに危機感を抱いています。

このタンポポも外来植物。日本のタンポポと違って年中、花を咲かせる。
風が吹くとどんどん増えてしまって、他の植物がこのためにやられてしまう。

そして雑草と見なされている植物それぞれが、人の暮らしに役立つ存在だということも伝えています。

「雑草という草はない」を胸に、後世に身近な植物を伝え残す。
濱野さんの地道な取り組みは生涯続きます。

植物ひとつひとつに意味がある。
道ばたの草だと思っていたのが大変役に立つ『日本の宝』ですから、
これからどれだけ出来るか分からないけど
こういう環境をできるだけ守っていきたいです。

  • 貝原和紘

    NHK金沢 編集

    貝原和紘

    入局5年目 
    『らんまん』大好きです。

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