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老若男女が避難訓練に集結!「防災力が高いまち」どうできた?

執筆者のアイコン画像ことじろう
2022年06月13日 (月)

防災意識が高いまち 能登町小木地区

能登町小木
石川県能登町小木地区。豊かな海に面していて、イカ漁が盛んです。

能登半島沖で大きな地震が起こると、最悪の場合

およそ10mの津波が押し寄せると想定されています。

地区に住む人たちに避難について聞いてみると・・・・

住民
地震が起こったら第一に避難よ。(避難場所は)小木中学校と小学校、高いところにあってね。

(どこに逃げるかって皆さん把握されてるんですね)

みんな訓練あるからね

住民

この辺は避難場所はまず中学校。この山のうえにあるんだけど。

住民

(みなさんどこに避難すればいいかご存じなんですか?)

はいはい、みんな知っとる

この辺の人はよう訓練してるさかい。

中学校が一生懸命になっとるさかいね。学校で。

多くの住民が避難場所を把握。日頃の防災訓練にも参加していて、高い防災への意識を持っていました。


どうやって防災への意識を高めたのか。

カギを握っていたのは、住民のみなさんが口にしていた小木中学校でした。


小木中学校の避難訓練


中学校でこの日行われていたのは大きな津波を想定した避難訓練。

生徒は大声で「逃げろ!」「津波だ!」などと叫びながら高台へ駆け上がります。

生徒たちに、どんな気持ちで訓練をしていたか聞くと。

生徒

津波がくるなと思って、途中走ってるときもまわりの方々が逃げるかちょっと見てたんでそういうところも意識しました。
周りの人とかも大事な命なので、
そういったのも助けなきゃいけないなと思って。 

生徒

自分以外にもいろんな人を助けないといけないし、でも津波って速いので、

声をかけるのっていうのも大事ですけど、手を出したりしてあげて、一緒に行きたいです。

 地域の人と一緒に避難することを考えていました。

 

生徒の防災意識を変えた住民聞き取り調査

防災授業

東日本大震災をきっかけに防災教育に力を入れはじめた小木中学校。

活動の一環で、地区に住むお年寄りに聞き取り調査をしました。

そこで聞いたのは「どこに逃げればいいか分からないからこのままでいい」

「車で逃げるし大丈夫やろ」ということば。

震災で自動車で逃げた人たちが津波に巻き込まれたことも知っていた生徒たちは

大きな衝撃を受けたと言います。

廣澤孝俊 元小木中学校教諭

先生、このままじゃダメです。なにかしないとこのままじゃ絶対ダメです。
っていうことを帰ってくる子供がみんな口々に言うんですね。
それでより一層、防災に対する自分たちがやらないといけないという意識が
高まったんだなと思っています。

 

地域の避難訓練

震災の翌年から、中学校では地域と一緒に行う避難訓練をはじめました。

回覧板などで参加を呼びかけ、一緒に実際に歩いて避難場所を確認するのです。

県内の大学と一緒に防災の歌を制作し住民の前で披露したこともありました。

中学生の「地元愛」が高い防災力につながった

小木中学校の防災プログラム抜粋

小木中学校が防災教育と同時に力を入れたのが「老人会とのゴルフ交流会」や「地元のイカ料理体験」「保育園との交流」などです。
一見、防災とは関係ありませんが、これらの取り組みが結果的に防災力アップにつながったといいます。

地域を知り、住民と交流を深めることで、
生徒たちには「誰かを助けたい」という気持ちが大きくなりました。

また、地域の人たちも、そういう地元を愛する中学生が企画するからこそ、
防災訓練に参加したくなったというのです。

防災訓練に参加する地域の人は年々増え、多い年には800人が参加するまでになったのです。

生徒

地元が好きやから被害が少しでも小さくおさまるように

日々私達も声かけするので、防災意識を高めて欲しいなって思います。

 

小木地区は中学生が防災の中心を担うことで「防災力の高い地域」へ変わっていきました。

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