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4コマチャレンジ 使ったら必ず読んで!専門家の解説&注意点
ことじろう
2022年06月13日 (月)

4コマチャレンジ 使ったら必ず読んで!
矢守克也教授(京都大学防災研究所)の解説 & 注意点
(上は回答例)
まず、「いつ」について考えましょう。
チャレンジでは、自治体が発表する「避難指示」を避難のきっかけにしています。
これは適切なことですが、だからと言って「避難指示」が出るまで
避難してなくてもよいというわけではありません。
避難が難しい高齢者が家族にいるとか、自宅の周囲で災害発生の兆候を感じたとか、
状況によっては、「避難指示」を待たずに早めに避難することも大切です。
また、実際の災害現場では、近所の人の「一緒に逃げましょう」という言葉が
避難のきっかけになったという話をよく聞きます。
チャレンジでは家族で声をかけあっていますが、
近所の人たちとも声をかけあって「みんなで助かる」ことを考えましょう。
(上は回答例)
次に、「どこへ」に関する注意点です。
上の回答例では、「避難所」の人数制限が話題になっています。
ただし、避難イコール避難所に行くことではありません。
周辺がすでに浸水しているとか、夜間で周辺状況がわかりにくいとか
場合によっては自宅の2階や近所のより安全な建物に逃げるといった避難もありえます。
さらに、逃げようと心に決めていた「避難所」への経路が浸水している、
通行止めになっているといった事態も想定されます。
ふだんから、「どこへ」について、1つだけではなく2つ以上の選択肢を考えておくことが大切です。
3コマ目にどのような言葉を入れるのがいいか
「それなら避難しよう!」「今すぐ逃げよう!」と、
聞いた人の心をぐっと動かす言葉やフレーズを考えてみようというのがここでの課題です。
このとき、正攻法としては、災害の危険を伝えるという方法が考えられます。
「避難指示が出た」「大雨警報が発表された」などです。
ただこういった情報だけでは、人間の重たい腰は上がらず避難が遅れがちなのも事実です。
そこで求められるのが、「間接的に、それでいて強力に誘導する」ための工夫、です。
硬軟織り交ぜながら、「こう言えば、心が揺らぐのでは」という変化球を考えてみることも大切です。
変化球にも、いくつかのパターンがあります。
まず、損得に訴える、というアプローチがあります。
回答例に登場した「早く行かないと避難所に入れなくなる」は「損」するの例でしたが、
「先着順でいい場所がもらえるらしい」とすると「得」になります。
次に、他人に迷惑をかける、という迫り方もあります。
4コマ漫画で紹介している「みんなが死んじゃう」が典型例です。
「避難なんてしなくていい」と言う父親に、
「このあたり、もう誰もいないよ…さよならお父さん」と言う。
こんなアイデアを子どもたちから聞いたことがあります。
我が子からのこの一言は、お父さんにはたしかにキツイですね。
でも、裏を返せば、一人一人の言葉で守ることのできる命がある、ということでもあります。
「みんなで助かる」ための一言を互いにかけ合えるよう心がけたいものです。