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MOVIE 2022.10.02

第38回より 実衣役・宮澤エマさん

りく、政子、実衣の3人のシーンは、演じられていかがでしたか。

3人とももちろん複雑な感情を持っているのですが、その中でもちゃんと「ありがとうございました」と「さようなら」はお互いに言いましょうということだけは共通して持っているからこそ、相容れなかったり、つっこんだり。りくさんの少しいじけた感じとか、この期に及んで自分のことなのかい…みたいなところもいいし、姉上は姉上でちゃんと律儀にやろうとはするんだけど一瞬カチンときたり、実衣実衣で最初からちょっとふてぶてしい感じで、「なんで私はここにいるんだろう」とか思いながらも、ちゃんと長くお付き合いした義母上でもあるという意味で、複雑ながらも3人の女性の一本筋が通っているところというのが見えたのかなと思いました。

父・時政が鎌倉を去ることになってしまいましたが、どのような気持ちで受け止めていましたか。

この夫婦は相当いろいろやらかしてきて、特に全成殿を失う経緯の中で「今度ばかりは許せません」と父上に言ったりもしているんです。なので父上がりくさんから影響を受けていろいろなことをやらかしていることも知っているので、「ここまできてしまったか」と。初めてではないですし、「またか」という積み重ねの結果がこうなってしまったというのは、どこかしかたがないのかなと思っていると思います。ホッとするというのもおかしいけれど、これがベストな形だったんじゃないかなというのは全員思うことなのかなと。もしかしたらそういう器じゃなかった人をりくのおかげで…りくのせいともいえるけれど、りくのおかげでここまできた人が、最後に最初の場所に行くというのは、ある意味一番よかった結論なのかなと。親子の関係で考えると、もう一生会えるか会えないかの距離感になってしまうというのは、なかなか現代の人からは想像しづらいなとは思いますけど、義時は父上との別れのシーン、私たちはりくさんとの別れのシーンが別に描がかれるという、その表現のされ方がまたいいなと思いました。

父・時政の魅力をどのようなところに感じていましたか。

楽天家というか、楽観主義者なところはずっとあって、りくに対して一途な人でもあるんですよね。すごく白黒がハッキリしているタイプの人なので、自分のルーツを忘れずに…もちろんりくのためにもっと権力が欲しいというのはあったけれど、ブレてるようでまったくブレてない人だったのかなと。もう少し頭良く立ち回ってよと思うこともあるし、自分の意見を持ってりくに立ち向かえばよかったんじゃないかななんて娘的には冷静に見てしまうところがあると思うんですけれど、りくさんがいなければここまでこられなかっただろうと思うと、そういう一貫した情に深い人間像というのは魅力的だったなとずっと思っていました。
第37回の久々に北条家が集まって大姫の呪文を思い出そうとするシーンは、ふとした瞬間に家族の形に戻れるというのが家族だなとすごく思いました。父上はきっとかなり偉い立場になっているだろうに、畑仕事みたいなことを「こんなんじゃねぇよ」なんて言いながら自ら進んでやっている姿が彼のもともとのルーツだし、何かを教えることでお別れを言うのが時政っぽいな、父上っぽいなと思いました。

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