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INTERVIEW 2022.07.31

安達盛長役・野添義弘さんインタビュー

~すてきな作品の一員になれて良かったです~

「鎌倉殿の13人」で描かれた安達盛長はどのような人物だと思いましたか。

「どんなことがあっても頼朝様を支えていこう」という思いをずっと持っていた人だと思っています。徐々に頼朝様の立場が変わっていくことでいろんな厳しい出来事が起きたり意見がぶつかったりすることも覚悟のうえでそばにいたと思うし、意見がぶつかったとしても盛長のやることは頼朝様を支えることであり、いつしかそれが生きがいみたいになっていたんじゃないかとも思うんですよ。当時は誰がいつ誰に殺されてもおかしくない時代なので、頼朝様が決めたことならそれに従って、じゃあ自分はどう動けばいいのかっていうことを考えていた人だったと思います。正直、大江広元が京から鎌倉に来てからだんだん頼朝様が極悪非道な人間になりはじめたので、「大江広元め!」という思いはちょっとあるんですけど…(笑)。でも取り巻く人たちが変わっていくことで頼朝様が変化していくことも盛長は理解していたと思いますね。

支え続けた源頼朝が亡くなり、菩提を弔って過ごそうと思っていた盛長ですが、13人の宿老による政治のメンバーに誘われてしまいました。どう感じましたか。

比企能員に無理矢理引きずり込まれた感じはあったと思います。お坊さんになってからの最初のセリフが「なぜ私が」ですからね(笑)。史実がどうかはわかりませんが、今回のドラマでは比企が北条と争ったときに自分の味方につく人間を1人でも多く入れたいという思いから誘われて。盛長は比企の娘を奥さんにもらっているので、どちらかといったら比企側だろうってことなんだと思います。まぁでも盛長としては結構悩ましくて、北条家には頼朝様が伊豆でかくまわれているときからお世話になっているので思い入れはあるわけで、「比企に言われたので一応こちらに座ってます」みたいな感じなのかなと。宿老による政治のようなかしこまった場は苦手だし、自分が成り上がっていきたいという意思もないし、比企能員に「何かあったら比企の味方をして、あとは寝てていいから」と言われたので本当に寝てたりしましたから。「よし、やるぞ!」みたいなやる気はあんまりなく、比企と北条の板挟みになっているような感じがしました。

若くして2代目鎌倉殿となった頼家のことはどう見えていましたか。

大げさなことを言ってしまえば、「どうでもいいや」っていう(笑)、感じではありましたけどね。頼朝様が亡くなったことで「私の出番は終わりました」的な感じはちょっとあったんじゃないかなと思いますし、しかも頼家は息子(景盛)の奥さんを「わしにくれ!」って言ってくるじゃないですか。それも、「わざわざ頭を下げてるんだ」みたいに言ってきて、もちろん息子は嫌がっているし、父親としては「いやいやそういうことじゃないでしょ」と。それで「藤九郎、息子になんとか言ってやれ」なんて言われたらそりゃ怒りますよね。「お父上を悲しませるようなことをしてはなりません」と忠告するけど響かず、結局は政子さんたちがおさめてくださいましたが、どうしたものかと思っていたと思います。13人の宿老による政治を始めたときも頼家は自分の気に入った若者を選んで「お前らとも話し合うけど、俺はこいつらとやるから」みたいなことを言ったりするし、「あの人で大丈夫かな…」とは思いますね。

盛長と景盛の親子関係についてはどのような印象でしたか。

息子と何かをするシーンはそこまでなかったですが、印象的だったのは、弥九郎(景盛)が金剛(泰時)とケンカをしたときに義時が安達の館に謝りにきてくれたんですよ。それで「すみませんでした」と物もいただいて、義時が帰っていくところで台本は終わっていたのですが、そのあとに弥九郎がもらったものに手を出そうとするのを「こら、やめなさい!」って止めるという芝居を現場で演出に提案して採用していただいたんです。そういうところで親子の関係はちょっと見せられたのかなと思っています。あとは、先程お話しした頼家とのシーンくらいしかないんですけど、小さいころと大人になったときの弥九郎がそっくりなんですよ。2人もちょっとプクっとしてて可愛かわいくて、ルックスからして絶対悪い子じゃないなっていう感じで、盛長の育て方が出ているような気がしました。シーンは少なくても、僕の中ではすごく良好な親子関係を築けていたんじゃないかなと解釈しています。

義時も盛長と共に頼朝を支えてきた人物のひとりですが、彼の変化はどう受け止めていましたか。

基本的に義時とは意見が結構合う気がしていて、北条家の中でも一番仲良しだったんじゃないかなって思うんですよ。義時盛長に相談していたり、盛長義時に相談していたりするシーンも何回かあったし。そういう意味でいうと鎌倉に御所ができるまでは特に盛長義時の2人で一生懸命奔走していたイメージがあるし、頼朝様を見ながら義時がいろんなことを覚えていっている感じは受け取っていました。彼は本当は政治的なことに関わるつもりは一切なく、米の勘定をしてのんびり暮らしたいと思っていた人じゃないですか。それが頼朝と出会うことでどんどん影響を受けて変わっていく。若かったときは未熟さもあったし頼朝様に意見を訴えたりもしていたけど、どんどん化けていくわけですよね。盛長としてはそういう姿も見つつ、気の合う仲間という思いは変わらなかったんじゃないかなと思います。

ドラマも終盤にさしかかってきましたが、これまでの放送をご覧になった感想はいかがですか。

毎週ワクワクしながら見ています。関係者にはオンエアより先に映像を見せてもらえるのですが、僕は視聴者の方と同じ感覚で見たいのであえてオンエアまで待っているんです。なので、家で驚きの声を出しちゃったりするんですよね(笑)。台本では読んでいてもどんな映像になっているかは知らないので、毎週ドキドキです。
今回は以前から三谷さんが言われているように、本当に「今まで見たことのない大河ドラマ」だなと感じています。ハラハラドキドキして、コメディー要素も入っている大河ドラマは今まであんまりなかったじゃないですか。しかもセリフも現代用語がいっぱい出てくるし、すごく今の視聴者の皆さんにも理解しやすい作品になっているなと思います。僕はSNSをやっているのですが、「来週が待ち遠しくてしょうがない」とか「大河ドラマを初めてこんなに夢中で見てます」というコメントをいただいたりするので、うれしくなります。とてもチームワークもすばらしい現場でしたし、すてきな作品の一員になれて本当に良かったなと思っています。

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