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INTERVIEW 2022.07.31

北条時連役・瀬戸康史さんインタビュー

~殺伐とした中でも柔らかく~

今回のオファーを受けたときの感想をお聞かせください。

オファーをいただく前に三谷さんが作・演出の舞台に2度出演していて、そのメンバーがたくさん「鎌倉殿の13人」に出演されていたので、「もう僕にお話はこないだろう」と思っていたんです。なのでびっくりしましたが、とてもうれしかったです。
ドラマの中でも「顔が若い」と言われたりしますが、三谷さんからは、「顔の印象と声のギャップや、どんどん大人になっていく時連の姿を演じてください」というアドバイスをいただきました。出演者発表のときに出した公式Twitterの動画に対しては、「声がおじさんっぽくておもしろかった」「政治家っぽかった」とメールをいただきました(笑)。自分としては若々しく、誰だかわからないようにやったつもりなんですけど、周りの反応がおもしろかったです。

「鎌倉殿の13人」における北条時連はどのような人物だと思いますか。

父上のちょっと抜けた感じというか、調子の良さを受け継いでいたいなと思いながら演じています。これからどんどんピリピリしたムードが強まっていくと思いますが、その中でも柔らかく、ほかとは少し違う空気をまとっていたいです。三谷さんが描く時連という人はとても一生懸命な人で、思ったことをダイレクトにリアクションしてしまうところが良いところでもあり、悪いところでもある。そんなチャーミングさを大事に演じていきたいです。

初登場は、第21回にあった北条家大集合の場面でしたが、家族の印象はいかがですか。

クランクインがあの北条家大集合のシーンだったんです。そこに途中からドタバタ入っていく感じだったので、緊張しました(笑)。でも、やっぱり初登場シーンは印象付けたいなと思って、大姫に頼まれて持ってきたイワシを見た政子さんが「何それ、食べるの?」と言ったのに対して、「そんなことも知らないのかよ」みたいな顔をしてみたり(笑)。初日からそういうことができたのは、これまでも共演させていただいたことのある(小池)栄子さんが相手だったからできた気がします。栄子さんには、そのとき使用したイワシがリアルに匂いのきついものだったのですが、「そのイワシを見るよりも、ひどい顔で私を見てましたね」と言われました(笑)。そういう感じで現場では、栄子さんをはじめ、新納(慎也)さんや(宮澤)エマちゃんなどにいじられつつ、楽しく北条家の一員として撮影に臨んでいます。

時連にとって兄・義時はどのような存在ですか。また、小栗旬さんと現場でお話しされたことは何かありますか。

本当に尊敬している存在だと思います。小さいころから兄の姿は見ているだろうし、いろんな人と関わっていくにつれて兄の中間管理職的な役目を時連も担うことになるんじゃないかなとも感じています。少なからず、いろいろと迷いながらも立派になっていく兄を慕っているんだと思いますね。そして、殺伐としたシーンが多い中でも、兄のストレスを解消してあげられる存在になりたいなと僕としては思っています(笑)。
小栗さんにかかわらず、僕はあまり現場で芝居のことを話していないのですが、今回、小栗さんがマスクにみんなが元気になるような文字を書いているんですよね。僕がクランクインしたときも「Hey!」のあとに「五郎」だったか「時連」だったか「時房」だったか名前が書いてあって、「なんで“Hey!”なんだろう」と思ったんですけど(笑)。そうやって現場を和ませるようなことをしてくださるので、さすが座長だなと思います。セリフも出番もたくさんあって忙しいだろうに、そういう気配りができるのはとてもすごいことですよね。

若くして2代目鎌倉殿を継いだ頼家のことはどう思っていますか。演じる金子大地さんの印象も教えてください。

「調子に乗ってるな」と思っているのではないでしょうか(笑)。「大丈夫かな…」とも思いますよね。言うことがすごく力強いじゃないですか。だからいろいろ思っていることはあるでしょうけど、「かしこまりました」と言って飲み込むことも多々あり、でもその裏で思っていることもちゃんと台本に書いてあるので、おもしろいなと思います。
金子くんは今回大河ドラマ初出演みたいですが、セリフの量も多く、いつも堂々としていないといけないし、いろんな大人たちと絡むのですごく緊張しているだろうなと思って、「大変そうだね」と話しかけたら、「いつも震えながらやってます」と言ってました。僕は知っている人が多い現場なので今は緊張するとかはないですけど、できあがっているチームに途中から入るということで、ひとつ構えないといけない部分があるのかもしれないですね。

三谷作品のおもしろさをどのようなところに感じますか。

やっぱり登場人物たちが生き生きしているっていうところじゃないですかね。「この人はこういう役割!」と完全に決まっている感じではなくて、遊びたくなるような余白があるというか、台本を読んでいる段階では、嫌がっているようにも、喜んでいるようにも、なんとでも取れるような描写が結構あって、その自由度の高さが魅力かなと感じます。僕の場面だと、第27回で政子さんたちに「顔が若いから大丈夫。頼家を支えてあげて」と言われて、若手六人衆に選ばれるんですけど、そのモチベーションは最初から「頑張ります!」という感じなのか、「大丈夫かな…」と思っているのか、そのニュアンスの違いを考えていたんです。僕としては前向きじゃないだろうと思っていたんですけど、台本にはビックリマークをつけて「やらせていただきます!」と書いてあったので、どういう心情なのだろうと。そういうのを演出に相談させていただくことはよくあります。

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