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INTERVIEW 2022.05.29

八重役・新垣結衣さんインタビュー

~「八重さんとして、幸せになれた」と実感できました~

放送された映像をご覧になった感想を教えてください。

やっぱりおもしろいですね。最後のシーンから次につなげていく盛り上げ方が毎回すごいので、「早く次週が見たい!」という気持ちで見ています。音楽は、有名なクラシックが豪快にアレンジされて日本の時代劇にマッチするというのが驚きでしたし、長澤まさみさんのナレーションも今までになかったような演出のされ方をしていてすてきだなぁと。昔から長澤さんの声が大好きなのですが、聞いていて心地がよいですよね。

「鎌倉殿の13人」で描かれる八重はどのような人物だったと思いますか。

物語の初めのころは八重さんは結構コロコロ意見が変わるというか、どういう意図があってこの行動をとっているのかというのが私自身理解しきれていなかった部分があったのですが、監督と相談をしたら、「八重さんは、何か裏があるというわけではなく、今自分にとってこれが一番大事ということのために行動している」と。なので私もそれを信じて演じていたんですけど、オンエアで見るとやっぱりぶっ飛んでいましたよね(笑)。八重さんとしてはいつも真剣で、まっすぐに、その時々で自分にとって大事なものを本気で守ろうとしているけど、客観的に見ると「振り回される義時さんがかわいそうだな」って思ったり(笑)、八重もなかなか個性の強い女性だなと思います。そういう意思の強さも含めて義時さんは魅力的に思ってくれたのかもしれませんけど。

いろいろと義時さんを困らせてしまった自覚はありますが、義時さんのおかげで生きながらえて、最終的に北条家のみなさんともいい関係を築くことができたし、史実に残っているよりもこのドラマの八重さんの人生は非常に豊かなものになったような気もしています。

ずっと頼朝のことをおもっていた八重が義時のことを受け入れる背景には、どのような心情の変化があったのでしょうか。

最初は、頼朝さんを想い続けてきた気持ちを簡単に切り替えられなかったり、おそらく八重にとって義時さんはただの幼なじみで恋愛対象ではなく、その好意を素直に受け止められないところがありました。しかし、義時さんが自分の想いを押し付けてくるというよりは、「八重さんに心から幸せになってほしい」と常に思ってくれていることを感じて、ちょっとずつ素直になれたのかなと思いますね。

義時と結婚したことで北条家のことをどのように感じられましたか。

私は、第21回にあった北条家のみなさんが大集合したシーンがクランクアップだったのですが、「家族」をすごく感じました。りくさんの子どものお披露目会でもあったのでおめでたかったですし、不思議な動きをする大姫が大人たちを翻弄していたり、八重さんは時政さんを「義父上」と呼ぶことができたりと、本当に盛りだくさんで。少々不穏な空気もあったかもしれないけど、私としては和やかでうれしいシーンでしたね。

伊東の父上に対しては、当時の状況が殺伐としていたということもありましたが、お互いに大事に思っているはずなのにぶつかり合うことしかできず、もどかしく感じることがほとんどで、穏やかに過ごせたのは永遠の別れの前のほんのわずかな時間だけでしたし、そのまま父上も兄弟も失ってしまった。だからこそ、その愛情を取り戻す感覚もありましたし、「こんなに恵まれていいのかな」とも思いながら、北条家の皆さんが広い心で受け入れてくださって、また家族を感じることができて「八重さんとして、幸せになれた」と実感できました。

息子・金剛はどのような存在ですか。

「守るべきものができた」っていう感覚なんですけど、ちょっと申し訳ない気持ちがあって…。本来であれば金剛はまだ幼かったですし、本当は母親の愛情を独り占めしたかっただろうと思うんですけど、多くの子どもたちを預かることで我慢させてしまって。金剛が寂しさを訴えてくるシーンもあったんですけど、聞き分けのよい金剛八重さんのほうが頼り切ってしまっていたところもあったのかなと。しかも急な別れになってしまったので、「金剛に何を残せたのだろう」っていうのは演じていた私としては考えてしまうところです。

恵まれない子どもたちを預かるのは、かつて若くして亡くした千鶴丸をずっと思い続けていたからなのでしょうか。

千鶴丸のことは大きいと思います。残酷なことが続く中で時代が変わっていくことをひしひしと感じていたからこそ、「せめて子どもたちのことは守っていきたい」と願っていたのではないでしょうか。撮影現場自体もとてもにぎやかで、子どもたちの笑顔を見るのが八重さん自身の生きがいにもなっていたような、そんな気もしました。
だからたぶん、“鶴丸”という子を助けての最期になりましたが、八重さんの中では、あのときの千鶴丸を助けることができたような感覚になったんだと思います。先ほども話したように金剛への後悔はありますが、納得のできる最期だったようにも感じます。

初めての大河ドラマの現場は、新垣さんにとってどのような時間になりましたか。

今までNHKでの単発のお仕事はありましたが連続で出演することはなかったので、撮影のシステムや、着物を着て動く感覚、今とは違う時代の価値観とか、とても多くのことを吸収できたなと思います。本当に豪華な出演者のみなさんと同じ物語の中で生きることができたというのがすごく貴重で幸福な時間だったなと思うと同時に、今オンエアを見ていると、「本当にこのドラマの中に自分がいたのかな」というちょっとした浮遊感がありますね。

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