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INTERVIEW 2022.05.08

北条義時役・小栗旬さんインタビュー<後編>

~北条義時役 小栗旬さんが語る壇ノ浦の戦い~

壇ノ浦の戦いでようやく成し遂げた平家討伐ですが、義時としてはどのように感じていたのでしょうか。

もともとは「平家を倒す」という大いなる野望を果たしたくて立ち上がったはずなのですが、とうとう壇ノ浦で平家を倒したときに義時が感じたのは、「こういうことじゃなかったはずなんだけどな…」っていうことなんですよね。「海辺に殺された平氏たちの亡骸なきがら死屍しし累々るいるいとしているのを見たときに義時が何を思うのか」ということは、ずっとチーフ演出の吉田照幸さんと話してきたことではありました。平家の滅亡は本当はうれしい出来事のはずなんだけど、そのためにこんなに多くの血を流し、死ななくてもいい人たちを殺したという現実に自分がガッツリ関与しているという状況は、やっぱりなかなか受け入れがたいものだったと思うんですよ。そんな複雑な感情が、第18回でうまく伝わっていたらいいなと思っています。
最高に喜べるはずのところまでたどりついたのに、たどりついてみたらむなしさしかなかった、という感覚が彼の中に押し寄せてきたのを非常に感じました。

そんな義時に、戦場で意気揚々と戦う源義経はどう映っていたと思いますか。

義経さんとは感じていること、考えていることの方向性は違うのですが、彼もやっぱり壇ノ浦が終わって平家を倒した瞬間に、「もう自分の役目は終わってしまった」ってなるんですよね。義経さんは「戦がなければ輝けない」と思っているから「この先いったいどうしていけばいいんだ」と悩み、対して義時は、「目指してきた場所にたどりついたけど、こんなはずじゃなかった」と思って足が止まってしまう。だから、義経さんの悩みには共感できるところが非常にあるのですが、義時としては、「戦がすべてじゃない。これからも押し寄せてくる頼朝の敵になりうる人物を義経さんが何らかの形で牽制けんせいし、頼朝を支えてくれたなら、鎌倉幕府は安泰である」と思っているんですよね。そこにすれ違いが生じて、うまく伝わらないことがのちのちの悲劇にもつながってしまうのですが。

壇ノ浦の撮影で印象に残っていることはありますか。

「最近、“砂場で戦う”みたいなことをやっていないかもしれないね」って話を現場でしていたんですけど、それができたことは印象的だったなぁと思いますね。砂場で思いっきり戦えたということが。

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