INTERVIEW 2022.03.27
亀役・江口のりこさんインタビュー

出演者発表のときに「初めての三谷作品を楽しみたい」というコメントをされていましたが、実際に三谷さんの台本をお読みになった感想はいかがでしたか。
おもしろいなと思いましたし、何より現場でみなさんが楽しんで芝居をしていらっしゃるのを見て自分も楽しくなってきて、本を読んでいたときよりも世界が広がりました。家で本を読むと自分の想像の範囲内でしかありませんが、現場に行くと役者さんがいて、それぞれが生き生きとしていらっしゃるので。
「鎌倉殿の13人」における亀はどんな人物だと思われましたか。

そんなに描かれていないので、各シーンの中で自分ができることをやっています。ドラマとしてつながったときに彼女の人間性が見えたらいいなという感じで、最初から「こういう人だから」って決めつけるようなやり方はしていないです。まあでも、たくましい女性だなとは感じますね。その状況ごとにすっとなじんでいく強さがあると思います。亀という人物は歴史上に一応残ってはいるけれど、そんなに具体的ではないので、今回参加するにあたっては三谷さんのオリジナルストーリーをやるくらいの勢いで挑んでいます。
今回は平安末期から鎌倉初期を描くドラマですが、所作などで気をつかっていることは何かありますか。
前回「花燃ゆ」(2015年)に出演したときは大奥の侍女役でしたので、それなりのふるまいが必要だったんですけれども、今回は漁師の娘として生まれてのちに侍女になる役です。所作の先生にどうしたらいいかお聞きしたら、「自分の思うように動いてくれたらいい」とおっしゃってくださったんですね。つまり、亀は作法とかそういうものはなくて自由に動ける身分だと。なので、自分の思うようにやらせていただいています。

ほかの女性たちと頼朝を奪い合うとき、亀として「ここだけは負けないぞ」という部分はありますか。
しつこさですかね。消えたと思ったらまだいたかっていうくらいのしつこさがあるなと思います。それが愛なのか、自分が生きていくためなのかはわかりませんけど。
亀の衣装で気に入っているところはありますか。
衣装、すごく気に入っていて大好きです。亀という名前にちなんで、亀らしい部分がたくさんあるんですね。ぜひ映像で発見していただけたらなと思うのですが、衣装さんや美術さんがすごく考えてくださって、かつらも含めほかの女性とは違う感じになっているので、着用していてうれしくなります。頼朝の侍女になってからも漁師のときも、どっちも好きです。時代劇は美術などがふだんとはまったく違うものになるし、衣装やかつらを身につけられるし、楽しいです。
