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INTERVIEW 2022.03.20

伊東祐清役・竹財輝之助さんインタビュー

~戦いを好まない、異質な武将~

伊東祐清役をオファーされたときの感想をお聞かせください。

ずっと大河ドラマで武将をやることが目標のひとつだったので、鳥肌が立ちました。自分で言うのもなんですけどきれいな顔をしているので(笑)、武将とは離れた役でしか出られないのかなと諦めていたところもあったんです。なので、マネージャーから連絡がきたときは飛び上がるほど喜びました。

撮影を振り返って、印象に残っていることはありますか。

伊豆の国市で行われたロケに参加させていただいて、セットの豪華さに驚きました。「村1個できてるじゃん!」と思って。あんなに壮大なセットの中でお芝居をさせてもらったのは初めてだったので、役者としてはありがたいし、贅沢ぜいたくだなと思いました。雰囲気もすごく良かったですし、エキストラさんが入ってお祭りの準備をされているところの活気もすごかったですね。

三谷さんの作品に出演させていただくのは今回が初めてですが、これまでの作品はいくつか拝見していまして、「結構現場で生まれているものが多いんだろうな」と思っていたんです。ですが、いただいた台本を読んだら、笑えるし泣けるしヒヤッとする部分もあるし、「すでに完成してるけど、これを生身でやる必要ってあるのかな」って思ってしまって(笑)。すごくプレッシャーを感じましたね。「僕がこの中に入ってどこまで爪痕を残せるんだろう…」とも考えましたし、すごいキャストのみなさんの中に入る緊張感とワクワクと、いろんな方々のお芝居を近くで見られるんだという高揚感と、いろんな感情がごちゃ混ぜで、不思議な撮影期間でした。

「鎌倉殿の13人」における伊東祐清はどのような人物だと思われましたか。

台本を読んだときは、ちょっと異質な存在だなと思いました。武将ですが、どこか迷いがあるというか、そこまで上昇志向がないのかなっていう感じはしました。実際に演じていても、苦悩している顔が多かった気がします。伊東家に生まれた次男として武士らしく生きていかないといけないわけですが、平気で「孫を殺せ」とか言えてしまう父上(祐親)を見ながら、「僕には合わないな…」という感覚になりましたし、ほかの家や時代に生まれていたら、もう少し平穏に暮らせていた人なのかなとは思いますね。実際には、坂東武者みたいな荒々しい人たちばかりではなくて、祐清のように戦を好まない人もいたんじゃないでしょうか。そういう異質な部分を、見てくださる方に楽しんでいただけていたならうれしく思います。

父である祐親は、どのような存在でしたか。

浅野和之さん、そして、辻󠄀萬長さん()という二人の父上を一番近くで見ながらお芝居ができたことは貴重な経験でした。とても贅沢だったなと思います。父親というのは絶対的な存在なので、正直お二人とも刺すような冷たい視線が怖かったのですが、目の奥に温かさがあるようにも感じていたので、そこにすがっていたような部分はあります。父上はたぶん、本来はあんなに怖い人ではないと思うんですよ。身内には優しいけど、坂東武者として対外的に威厳のある感じにならざるを得なかったのかなと。なので、武士としてとてもカッコいいと思います。父上の息子として、僕ももう少し荒々しくいたかったな(笑)。

祐清として妹・八重のことはどのように感じていらっしゃいましたか。

ちょっと失礼かもしれませんが、今まで八重役の新垣結衣さんはもう少しふわりとした方なのかなと思っていたんです。でも実際にふん装された新垣さんにお会いしたら、女性としての強さを前面に表し、すごくりんとされていてびっくりしました。
たぶんですけど、祐清八重に対して肉親に向ける愛情とは違う、恋心に近いような感情を抱いていたのかなと思います。今回の作品における祐清の行動はすべて八重ありきの行動で、ちょっと優しすぎるんですよ。妹がかわいくてかわいくてしかたがなかったんでしょうね。祐清は伊東家の中で生きづらさを感じていたような気がするので、それを妹に感じさせたくないという思いが、行動につながったのかもしれません。ときに祐清の優しさが弱さに見えてしまうこともあったかもしれませんが、それでいいかなと思っています。

善児に斬られて命を落とすことになりましたが、最期をどのように迎えましたか。

祐清は、殺される寸前まですごく幸せだったと思うんですよ。「ここ、締めてくれるか」と父上に話しかけてもらえただけでうれしかったと思います。義時が面会に来たろう屋のシーンで父上が「お前(祐清)や八重と暮らす日々が待ち遠しい」と言ったとき、僕、泣きそうになっちゃったんです。「やっと理想の親子関係になれた」と思って、すごくうれしかったのに…善児に殺されてしまいました。善児については「死ねばいいのに!」と思っていますけど、逆にここまできたらとことん貫いてほしいですね(笑)。

【※辻󠄀萬長さんは、病気療養のため伊東祐親役での出演を辞退されました。】

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