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INTERVIEW 2022.02.27

畠山重忠役・中川大志さんインタビュー

~武士道をしっかり持っている男~

畠山重忠役をオファーされたときの感想をお聞かせください。

うれしかったです。「真田丸」(2016年)に出演させていただいて撮影が終わったあとに三谷さんと、「またいつかご一緒したいです」というお話をしていたので、それがかなったことがすごくうれしくて。「真田丸」は自分にとって本当に大きな経験で、たくさんの先輩方に囲まれながら大河ドラマならではの緊張感のある中で、毎週ワクワクしながら三谷さんの台本を待っていました。またそんな経験が新しいチームでできるんだなと思うと本当に楽しみでしかたがなかったですし、あれから6年たって、また違う役どころで、ほかの現場で経験してきたことを出していけたらいいなと。以前とは別の緊張感もありますが、成長した姿をお見せしたいと思っています。

台本をお読みになって、どのような印象を持ちましたか。

ひとりひとりのキャラクターの色が濃いですよね。小栗旬さんも「このドラマ、誰が主役かわからないよね」とおっしゃっていたのですが、前半戦は本当に義時さんがいろんな人に翻弄されていくなと感じました。「これ本当に大河ドラマなんだよね?」と思うようなポップさで描かれている部分も多いので、やっぱり三谷さんの脚本は歴史にあまり詳しくない人や、これまで大河ドラマを見たことがない人でも楽しめるものだと思います。

大きな歴史の流れだけじゃなくて、人と人との何気ないエピソードも楽しいんですよ。また、それが思いもよらないところに広がっていく感じも楽しいですし。僕は物語の展開をわかってはいるけれど、いち視聴者としても毎週新しいお話を見られることが楽しみです。

「鎌倉殿の13人」における畠山重忠はどんな人物だと思って演じていますか。

重忠は“武士のかがみ”と呼ばれた男であり、知勇兼備であったともいわれています。そのうえで今回の脚本を読ませていただいて、僕は、“武士としての生きざま”を大事にしている男にしたいなと思っています。重忠が生きたのは、「誰についていったらいいんだろう」とか、「ここにいったらこいつは裏切るだろうな」とか、何世代にもわたってさまざまな思惑が渦巻いていた時代です。その中で重忠は、忖度そんたくみたいなもので物事を判断しないというか、武士道をしっかり持っている男なのではないかと。だからこそ、対人間同士でちゃんとコミュニケーションが取れる男にしたいなと思っていますし、常に自分がどこで生きてどこで死ぬのかという意志が一本しっかりと通っている男になればいいなと思っています。本当に濃いメンバーばかりだし、いろんなものが渦巻いてもいますが、周りの出来事にあまり足を突っ込まない重忠独自のペースみたいなものが、義時さんや周りの人に影響を与えていくようになったらいいなと勝手に想像しています。

そんな畠山重忠の一本筋の通った感じは、ご自身にも共通していますか。

武士を演じるというのはすごく難しくて。今の時代の僕たちの生き方とはまったく違うので…本当に孤独なんですよ、武士って。最終的に信じられるものは自分の中にしかないし、鍛錬を重ね、孤独に耐えないといけない。いつでも死ねるように準備ができている人たちだとも思うので、まったく生きている時代が違う自分と通じるものがあるかどうかはわかりません。ただ僕も重忠みたいに、意志をしっかり通す人でありたいなという気持ちはあります。あまり人を立場や地位で見ることはしたくないですし、自分もそういうふうに見られたくない。自分の目で見て、自分が感じたものを大切にしていきたいと思っていますし、外側だけで物事を判断しない重忠の考え方はすごく好きですね。

キャスト発表のときに、「ようやく戦えるのか!とワクワクしている」というコメントをされていましたが、いざ戦に出ると決まって何か準備などはされましたか。

重忠はかなりいろんな武器を使い、振り回していたという史実もあるので、馬や殺陣たてだけではなく、薙刀なぎなたや弓なども少し稽古しました。やっぱり知勇兼備の重忠ですので、武道もしっかり鍛錬しているという説得力を立ち回りのシーンで出せたらいいなと思っています。馬については、重忠はかなり精通していたと伺っています。彼の生まれである埼玉県深谷市あたりは馬の産地だったそうなんですよ。馬との接し方には慣れていただろうし、そういう感じが一瞬でもお見せできたらいいなと思います。重忠の銅像が馬を担いでいるくらいですし! 丁寧に説得力を出せるようにと思って準備しています。

主人公の北条義時はどのような人物だと感じていますか。

すごく受け止めてくれる感じがします。あれだけのくせ者たちをどうまとめたらうまく事が進むんだろうということを常に考えながら走り回っていて、きっとキャパオーバーにもなっているんだろうけど、「なんとかするから任せてくれ」って言っちゃう人の善さがあるのが義時さんだと思うんです。そんな人物が、今後どんどん話がディープになるにつれてどのように変化していくのか楽しみです。
あと僕は今回、義時さんと同世代の役なので、同じ世代として義時さんと重忠の関係性がどのように積み重なっていくのか、今後の展開をすごく楽しみにしています。

「鎌倉殿の13人」では、若手世代とお父さんたちの世代、それぞれの視点で物語が動いていくのも特徴的ですよね。

“世代感”もわかりやすく描かれていて、おもしろいですよね。第一世代、第二世代、第三世代…と、時代が移り変わっていくにつれて若手世代の人たちが先頭に立っていくことも多いですし。重忠も若いんだけれども、いきなり先陣を任されたりするようなキャラクターなので、頼朝勢みんなで馬に乗って鎌倉入りするシーンでは先陣が僕だったんですよ。ふと後ろを振り向いたら、とんでもないメンバーが自分の後ろに並んでいたので、震えました。気持ちはよかったですけどね(笑)。

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