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INTERVIEW 2022.02.20

安達盛長役・野添義弘さんインタビュー

~信頼関係を大切に、頼朝を支える~

伊豆の修善寺にある安達盛長のお墓を訪問されたと伺いました。ご挨拶に行かれて何か感じたことはありましたか。

お墓に行く手前に駐車場があって、その先に参道みたいな道がずっとつながっていたんです。なので、その道を上って上に行こうとしたら伊豆の国市のスタッフの方に、「どこに行かれるんですか? お墓、ここです」って言われて驚きました。駐車場のすぐ横にポツンとあったんですよ。見た感じのイメージでは、坂を上った先にお墓がありそうだったんですけど…(笑)。想像とちょっと違ってびっくりはしましたが、「今度、盛長様を演じさせていただきます」と、手を合わせてご挨拶をしっかりさせていただきました。ロケで伊豆に行くならぜひ伺いたいと思っていたので、実現できてとてもうれしかったです。

三谷さんの台本をお読みになって、安達盛長はどのような人物だと思われましたか。また、演じるうえで心がけていることがあればお聞かせください。

安達盛長は「愛すべき従者」だとキャスト発表のときに紹介していただきましたが、頼朝のために淡々と動き回って仕事をすることから、とても真面目な人だと思うんです。のちのち13人の中に入るときには強硬派になったりとか、ちょっと怖い部分が見えてきたりもしますけどね。
実は三谷さんから、安達盛長という役についてメールをいただいたんです。「草燃える」(1979年)で盛長を演じられた武田鉄矢さんを例に出して、「当時は若い盛長で書かれていたけど、最近の研究ではもう少しとしを取っていたらしいので、今回は老練な安達盛長を演じてほしい。野添さんがやるのだから、荒々しい坂東武者の中でも異彩を放つ、寡黙ながらもすっとぼけたユーモアのある盛長を演じてもらいたい」と。そうなれるように、一生懸命やっております。三谷さんのイメージは、“かしこまった場が苦手な現場主任”らしいです(笑)。

仕えている頼朝はそれなりの年齢になっても意外とわがままというか、自分勝手な人ですが、盛長はその辺をうまくフォローしつつ、気を使いながらもなんとかお世話をしているという感じです。言葉遣いは丁寧ですが、頼朝が小さいころから一緒にいるので、気持ちのうえではお兄さん的なニュアンスが出せたらなと思っています。

盛長から見た頼朝の魅力はどんなところにあると思われますか。

頼朝はなぜか戦になっても誰かが助けてくれたり、運よく助かったりするんですよね。盛長はずっとそばで見てきて、そういう頂点に立つ人の決められた運命というか、生き残って世の中を動かすというところに魅力を感じているのだと思います。
でも正直幼いころから彼を見ている身としては、「もう少し他人の意見は聞いてほしいな」とは思いますけど(笑)。盛長のアドバイスや意見は結構素直に聞いてくれるのですが、基本的にはわがままで自分のやりたいように突き進んでいくところがありますから、そこはもうちょっとどうにかしたほうがいいかなって。あとは女ぐせですよね(笑)。若いときからそうだったんだと思いますけど、ちょっと女性にほれすぎるというか、すぐ手を出すというか。そういうのを全部盛長は横で見ているじゃないですか。一応、「いけません!」って言いたいけど、どんどん偉くなっていく頼朝に言いづらくなっているところもあって、そこが盛長のかわいそうな部分でもあるかなと(笑)。立場のある人ですので、わがままと女性関係はもう少し周りを気にしながら行動していただけるとありがたいかなと思います。

頼朝役は大泉洋さんが演じられていますが、大泉さんの印象はいかがでしょうか。

基本的に大泉洋さんは、ただただおもしろい人です(笑)。でも、ふだんはふざけたりしながらも、締めるシーンでは表情がグッと変わったりするので、そういうところは頼朝と似ているのかなと感じます。緊張感ある芝居のときの集中力がすごいんです。大泉さんも何かに守られているようなすばらしい演技をされるので、頼朝が降りてきているのかもしれないですね。

今回の主人公である義時は、どのような青年だと思いますか。また、義時を演じる小栗旬さんの印象を教えてください。

義時はとにかく真面目で家族思いですよね。お兄さんの宗時に強引に頼朝のところに連れていかれて紹介されて、戸惑っている間に家来になっちゃったみたいな(笑)。北条家の中でもお姉さん(政子)や妹さん(実衣)からいろんな仕打ちを受けたりとか、ちょっと肩身の狭い思いをしながらも、お兄さんやお父さん(時政)の言うことを聞いて、真面目に純粋に頼朝に尽くしている印象です。
義時役の小栗旬さんは本当にすてきですね。本当にいろんなところに目を配っていらっしゃるので、僕のほうが年上ですが、「兄さん!」って言いたくなるような、しっかりしたすばらしい人間性の方だと思います。今回は三谷さんの台本ということで、本当に大河ドラマなのかっていうくらいおもしろいシーンがたくさんあるので、小栗さんのファンの方は、いつものドラマでは見たことのない姿を見ることができるのではないでしょうか。

最初にお話がありましたが、今後はもちろん「すっとぼけた」だけではない盛長の姿も見えてくると思います。どう演じたいとお考えでしょうか。

戦や、人が傷つくシーンではもちろんすっとぼけた部分やユーモアはなく、しっかりと締まったお芝居をしないといけないと思っています。盛長は、史実ではなかなかの剣の腕前だったらしいですし、「やるときはやる」というところを出していけたらいいなと。おもしろく砕けた空気もつくりつつ、ちゃんと筋も通った立派な側近というベースは崩さないようにしたいです。盛長頼朝との間に信頼関係があるからこそ、2人は真面目にやっているのに第三者から見たら滑稽に見えたりもするのかなと思うので。

台本を読んでいると、想像するだけで笑っちゃうようなシーンがたくさんあるんです。今回の「鎌倉殿の13人」のキャストには、真面目なのに滑稽に見えておかしい、というお芝居が得意な方がいっぱいいらっしゃるんですよ。すごい方たちが集まっているなと思います。三谷さんが、「新しい大河ドラマを、集大成としてつくりたい」みたいなことを言われていたので、そういうふうな作品になってほしいなと思いますし、僕らもそれに協力できるように真面目に取り組んでいきたいと思っています。

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