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INTERVIEW 2022.02.13

比企能員役・佐藤二朗さんインタビュー

~どんな人物か、いろんな想像ができるように~

比企能員役をオファーされたときの感想をお聞かせください。

たぶん三谷さんの配信ドラマに出させていただいたときだったと思うんですけど、急に「大河ドラマで佐藤さんにやってほしい役がある」と言われたんです。僕は、舞台はライブで見るのに勝ることはないと思っていますが、唯一テレビで放送された舞台を録画して何度も見ている作品が「笑いの大学」です。そのくらい三谷さんの作品に対して、信頼というか「好きだ」という気持ちがありますから、「佐藤さんにやってほしいんだ」って言われて、それならとお受けしました。

現時点で「鎌倉殿の13人」における比企能員をどんな人物だと思って演じていますか。

三谷さんからは、「源頼朝の死後に野望をあらわにするようになっていくので、最初は母上(比企尼)と奥さん()との間で板挟みになっている弱々しい旦那みたいに受け取ってしまうかもしれないけど、わかりやすいマスオさんみたいな役作りはしないでくれ」と言われました。今のところ野望をむき出しにするような感じではないので能員がこの先どのようになるかはわかりませんが、聡明ではあるけれどちょっとつかみどころがないという感じで、見る方がいろんなふうにとれるように演じています。後半に向けて、ギャップのある人物になればいいなとは思いますけどね。

またキャスト発表のときに「普通だったらあまり焦点の当たらないような敗者や闇の部分を精いっぱい輝かせたい」というコメントを出させていただいたのですが、そうしたいと思っています。教科書に出てくる人物でも出てこない人物でも、平等に精いっぱいやらなきゃいけないなと。

主人公・北条義時を演じる小栗旬さんの座長ぶりはどのように感じていますか。

いろんな状況で座長をやっている方ですから、大河ドラマのようにいろんな年齢層の人がいる座組でも、みんながのびのびできる空気をさりげなくつくってくれている感じがしますね。僕からしたら非常に信頼のおける座長です。

「平清盛」(2012年)に出演された際は藤原家成という貴族を演じられました。今回も時代背景は同じでも、坂東武者の役ということで立場がだいぶ違いますが、演じながら感じていることは何かありますか。

「平清盛」のころによく、「時代劇は身分が低い役のほうが楽だよね」って話をしていたんですよ。なぜなら、貴族は服が暑いし、お歯黒しなきゃいけないしで大変だったんです。そのときと比べると「鎌倉殿の13人」のほうが楽ですね(笑)。どちらも似たような時代ですが、「時代劇においては、身分が低い役のほうが楽」という僕が唱えた定説は合っていたと改めて思いました。よろいとかを着るのは大変でしょうし、そのときは覚悟を決めますけど、なるべく楽なままがいいですね(笑)。

比企家の印象はいかがですか。比企尼役の草笛光子さん、道役の堀内敬子さんとお芝居をされた感想も教えてください。

比企家は和気あいあいといいますか、みんなわりと同じ方向を見ているような気がします。

草笛さんは、一言で言うならば「生まれ持っての品格がある」という感じですよ。ご本人は謙遜して「年取っちゃって」っておっしゃるんですが、お若い。大泉洋くんとも話をしたのですが、88歳でまだお芝居ができる、現役でいられるというのは、僕らにとっては本当に憧れです。言葉として変かもしれないけれど、羨ましいなと。もちろん健康でないといけないし、いつまでも第一線にいなきゃいけないんですけど、僕も目標にしたいですね。

堀内さんは、一緒にお芝居をするのは初めてなんですけど、とても声がきれいな方だなと感じています。もちろん堀内さんご自身もチャーミングな方なんですけど、声がまたチャーミングでね。でもこれはご本人には話していません、恥ずかしいから(笑)。

比企能員を演じるうえで比企家の「品格」を意識していたりはするのでしょうか。

品格というのが私はなかなか苦手でして…ウソです、ウソです(笑)。まあ関係性の中で生まれてくるものがあると言いますか、義理ではあるけれども母上が品格のある比企尼ですので、周りに合わせて自然にそうなっている感じですかね。会話をしていて自分だけ品のないようなお芝居にはならないと思うので、特に意識はしておりません。

大河ドラマの魅力はどんなところに感じていますか。

登場人物が多く、それぞれに地元があるわけですよね。なので、いろんなところからの視点でさまざまな見方ができるというところかな。そういう意味でも老若男女幅広い世代の人が見ることができる大河ドラマはやっぱりいいなって思います。ちょっと守りに入った答えになっちゃったかな(笑)。

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