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INTERVIEW 2022.02.06

伊東祐親役・浅野和之さんインタビュー

~プライドのためなら何でもする男~

今回は代役でのご出演ですが、オファーが来たときのお気持ちはいかがでしたか。

(辻)萬長さんは何度かご一緒したことがある大先輩ですが、僕とはキャラクターが全然違いますから、そこにはちょっと戸惑いました。台本を読んでも、「これは萬長さんのために書かれているし、萬長さんでしかないな」と。さてどうしたらいいものかと。でも僕がやらせていただくことになったからには、“僕の祐親”を創るしかないわけです。それが果たして完成しているかは、ご覧になる皆さんに評価してもらうつもりで挑んでいます。

伊東祐親は、どのような人物だと思いますか。

“プライドの塊”を感じました。自分のプライドのためなら孫をも殺すし、娘にも容赦がないですからね。「こんな人、いるのかな?」とは思いますが、この時代はそれが普通だったのでしょうか、鬼のようなプライドのすごさをこの人には感じます。
娘・八重への愛情は、ある意味行き過ぎた溺愛です。あそこまでいくと、娘を人というより所有物として見ているように思います。当時は今みたいな人権の意識なんてもちろんないでしょうし、きっと僕らには考えられないような時代だったんだと思います。だから平気で自分の名誉や利益のために身内を殺したりできるのでしょう。でも、一族をまとめている爺様じさまですから、人格者として慕われているでしょうし、温かい面もあると思いますよ。

演じながら意識されていることは何かありますか。

お話をいただいたときに三谷さんからメールが来て、「老いても矍鑠かくしゃくとした老武士。眼光鋭く。自分の中にある人格者の要素を総動員させてください。大事なのは威厳です」と書かれていました。すべて僕の中にはないものなので、総動員させたいけど、させようがなくて(笑)。そういう意味では今まで演じたことのないような役なので、台本を読んでイメージを膨らませ、「三谷さんからの言葉をとにかく体現しなくては!」と思いながら演じています。伊東祐親という役に出合ったんですから、祐親のことを知り好きになりたいですね。

伊東祐親は源頼朝と激しく対立する人物ですが、このドラマにおける源頼朝はどんな人物だと思われますか。

女性に手は早いし、政子にコロリとやられたり意外に大将としての威厳はないけど、そこに等身大の頼朝を感じます(笑)。義時に言われるがままに動いたりすることもあるし、ちょっと頼りなさも感じるけど恐ろしい男です。運があるというか、ピンチのときには誰かに助けられ運良く生き延びていくんですよね。ちょっとズッコケた所もあったりして、三谷さんが(大泉)洋ちゃんのために書いた、洋ちゃんらしい頼朝ではないでしょうか。

孫にあたる義時と宗時については、同じ武将としてどう感じますか。

義時の言葉はあまり堅苦しくないセリフなので、義時という人物に親しみやすさを感じます。それが三谷さんらしいテイストで、幅広く視聴者の方に楽しんでいただけるんじゃないでしょうか。あまり、“時代劇!”という型にハマらない感じが見やすいのだと思います。それに対して、宗時はやっかいな孫ですよね(笑)。余計なことをしてくれたというか、身内なのに憎き頼朝かくまったりして。これに激怒した祐親は「闇討ちにせよ!」なんて発想になってしまったんでしょう。義時は今どきっぽい青年、宗時は武将らしい男。この兄弟のタイプの違いもおもしろいですね。

大河ドラマのおもしろさはどのようなところに感じていますか。

昔は歴史劇、時代物というと堅苦しい印象もありましたが、最近は描かれる時代にもバリエーションがあり、よりおもしろくなってきたと思います。特に三谷さんのような脚本家が大河ドラマを描かれるようになって、堅い感じが抜け笑いもあり親しみやすくなりました。そしてなんと言っても、一年を通して一人の人物とその生きた時代を描くことができるのが、大河ドラマの醍醐味だいごみでありおもしろさではないでしょうか。

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