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INTERVIEW 2022.01.10

3DCG地図監修 シブサワ・コウさんインタビュー

~3Dマップで、位置関係をわかりやすく~

「鎌倉殿の13人」の3DCG地図監修としてオファーを受けたときの感想を教えてください。

まずは感謝の気持ちですね。「真田丸」(2016年)で好評だった3Dマップをまた使っていただけるということで、非常にありがたいなという気持ちになりました。そして今回使っていただくマップデータは「真田丸」のときからバージョンアップしていまして、非常に高精細化しています。日本列島の山や渓谷、河川などがとてもハッキリと表現されていますから、そういったところも楽しんでいただけたらいいなという期待感もありました。「信長の野望」というゲームで使用しているマップは非常に鮮明なコンピューターグラフィックスとして表現されていて、全体的には地形を表すポリゴンのメッシュの数を増やすことで地形をよりリアルに再現しているのですが、そういった点をご評価いただけたのかなと想像します。

それともう一つ、1994年に「源平合戦」というシミュレーションゲームを出していまして、源平の戦いをゲームファンの方々に楽しんでいただいた時期がありました。それを思い出して「懐かしいなぁ」と振り返っていました。

三谷作品についてはどのような印象をお持ちですか。

視聴者の方々を飽きさせない意外な展開がたくさんありますので、すごくおもしろいですね。3Dマップをまた扱っていただいているということで非常に感謝をしていますし、三谷さんは新しいことに取り組んでいくチャレンジスピリッツをお持ちの方なんだなと思います。
実は「真田丸」のときには、ゲームの業界の方々から「大河ドラマのスタッフの一員としてシブサワ・コウの名前が出てくることは、ゲームの業界人として非常に頼もしいし、心躍ることであった」というお言葉をいただきました。今回もまた「鎌倉殿の13人」のオープニングでスタッフの一員としてシブサワ・コウと出てくれば、ゲーム業界のみなさんに喜んでいただけるのではと思っています。私がシブサワ・コウとしてゲーム開発をして40年たちます。その節目にこのような形で「鎌倉殿の13人」にスタッフとして加わることができたというのは名誉なことですし、ゲーム業界の人間からすると、ゲームとテレビという2つのエンターテインメントの接点がだんだん増えてくるんじゃないかと心強く感じるのではと思います。そういうことも含めて「真田丸」のときはゲーム業界からもだいぶ反響がありましたので、「鎌倉殿の13人」でもそうなるのではないかと思っています。

ドラマにおける3DCG地図はどのような効果をもたらすと思いますか。

「真田丸」でもそうでしたが、まずは各武将たちの位置関係がどのようになっているのかが一目瞭然で理解できることです。誰がどこで何をしていたかという地理的なシチュエーションは、言葉で聞くよりも目で見たほうがわかりやすいと思うので、その視認性の高さが一つの特徴だと思います。それから移動する際に平地を移動しているのか山を越えているのか、それがどのくらい困難なのか容易なのか、そういったことも地図をつくることによって非常に簡単に理解できるところです。「ここをたった1日で越えたのか!」とか「平地で移動しているわりにはずいぶん時間がかかっているな…何かトラブルがあったのか?」など、それぞれの事情を言葉で表現するよりも簡単に把握できるところが3Dのマップの有効なところだと思います。

シブサワさんが感じる平安末期から鎌倉初期の魅力はどのようなところにあるでしょうか。

この時代には英雄が活躍するストーリーが非常にたくさんちりばめられていますので、ただ勝った負けただけではなく、武将や女性たちそれぞれにドラマや魅力的な活躍というのがあるところがおもしろさではないかと思います。たくさんの英傑たちが登場し、それぞれみんな夢や志を持って活躍していくという、その多彩な生き方を楽しめるのがいいなと。例えば江戸時代は文化の面で活躍された方がたくさんいますが、躍動感があって、読んだり見たり聞いたりしてより楽しいのは、今回の源平の時代や「真田丸」で描かれた戦国時代、あとは幕末から明治の動乱期かなと思っています。

平安末期から鎌倉初期で気になっている人物はいますか。

やはり志半ばで散っていった武将や英雄、英傑の生きざまは心に響きますし、なんとかしたいという気持ちになりますね。判官はんがん贔屓びいきといいますが、そういうところからすると源義経がまず浮かびます。もし「源平合戦」のゲームをもう一度つくるとしたら、義経の武力はたぶん100ですね。ただ、知力では頼朝に負けるでしょう。だから、そばにいる武蔵坊弁慶は武力100のところを上限を超えて120くらいに設定するかもしれません(笑)。
源頼朝には知力の高かった人物というイメージがあります。源氏の一族を含めて関東の武士団を強固にまとめあげるというのは武力だけでは難しいでしょう。それは北条一族の助けも得ながら知恵を出し合った結果だと思います。こういうふうに各武将をパラメーターで表現するのは39年前に「信長の野望」で初めて行ったのですが、これは楽しいお仕事で、ウキウキしながら設定しています。

ちなみに「鎌倉殿の13人」で主人公となる北条義時ですが、彼もやっぱり知力が高いでしょうね。とにかくまとめあげる力が強くて、最終的には13人の中でトップになるわけですから。義時がトップにあがっていくところを三谷さんは楽しみながら表現されると思うので、大いに期待しています。

大河ドラマにはどのような印象をお持ちでしょうか。

毎回楽しみにしています。2021年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公であった渋沢栄一を私は非常に尊敬していまして、ゲームのプロデューサー名を考えたときに「仕事をするんだったら渋沢栄一のようなことをやりたい」という目標をたてて、“シブサワ”という名前を拝借しました。渋沢栄一の“ビジネスでお金もうけするだけではなくて社会に貢献する”という生き方を見て、「私もゲームファンの方々が喜んでくださるゲームをつくることを生きがいにしたい」という発想を持つようになりました。そういうこともあって毎週ウキウキしながら見ていましたし、「鎌倉殿の13人」で描かれるのはゲームにもしたことのある源平の時代ですので、非常に楽しみです。基本的に大河ドラマはずっと大好きで、毎週日曜日の夜8時は何がなんでも家のテレビの前にいるようにしているほど楽しみにしている番組です。

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