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INTERVIEW 2022.01.08

北条義時役・小栗旬さんインタビュー<前編>

~楽しいチャレンジだなと思っています~

「鎌倉殿の13人」に主演としてオファーを受けたときの感想をお聞かせください。

オファーを受けたのは2019年の中ごろですが、返答するのに結構時間がかかりました。およそ1年半、自分自身が飽きずにできるかどうかが一番の課題ではあって。今までは、一番長くても半年くらいしか一つの役を演じたことがなかったんです。その倍以上の時間の中でモチベーションをどこまで保ち続けることができるんだろうというのは、一番悩んだところでもあります。だけど逆に、そんなに長い期間一人の人物のことを考えながら生きていく時間は、大河ドラマくらいしかないというのも感じていて。結局そちらに対する好奇心が勝ったというのが、決断の一つになりました。最終的に、母親の「大河をやるなら、大河が終わるまでは死なない」という一言も結構大きくて、「よし、やるぞ」という決め手になりました。

過去に大河ドラマで主演をされた方々に相談させてもらったりもしたんですが、「あんなに恵まれた現場はない。ほかの作品ではなかなか感じられないスケールの中で生きていけるのは、すばらしいことだと思う」と。中には「役者としてというより、人間力を試される場所になるんじゃないか」という話をされる方もいて。それはそれで、おもしろそうだなと思ったりもしました。

北条義時役と聞いて、どう感じましたか。

北条義時という人物をあまり知らなくて、オファーをもらったときは「どういう人物なんだろう」という思いが先行しました。ただ、そのときにいただいた三谷さんが書かれたドラマのプロットが、ものすごくおもしろくて。

鎌倉時代を好きな方にとって北条義時は身近なキャラクターかもしれないですけど、そうではない視聴者の皆さまにとっての北条義時は、自分がつくっていく「北条義時」になっていく。それは演じる側として非常に楽しいチャレンジだなと思っていて。結局、先入観や持っているイメージが少ないほうが、どんどんオリジナリティーを持ってつくっていけると思うので、そこはすごく楽しそうだなと思いました。「鎌倉殿の13人」というタイトルがついているくらいなので、“主演”という立ち位置にいるかもしれないけれど、あくまで義時が“主役”の物語ではないと感じていて。そこはすごくいいなと思いました。

最初に三谷さんの脚本を読んで、どのような感想をお持ちになりましたか。

本当にすごくおもしろいなと思ったし、三谷さんなりの思いがちりばめられていて、この作品で三谷さんがやりたかったことが端々に感じられる脚本で、とても楽しく読ませていただいています。これがになったらどうなるのかなって自分も思いながら作品に参加させてもらっている感じです。

この先どんどん話が進んでいって、激しい争いだったり、策略渦巻くような世界をどういう方向性に持っていくのか。その中にもどこかコミカルな部分だったり、ユニークな部分を入れていく脚本にしていくのか。まだ自分もよくわからないので、それはどうなっていくのかなって思っています。前半はホームドラマみたいな部分があるので、あんなに仲が良かった家族の関係性がちょっとしたボタンの掛け違いで崩れていくことを楽しんでもらうための布石なのかな、なんて思ってもいるんですけどね。でも、そればっかりは「三谷さんのみぞ知る」みたいな感じなので、わからないですが。

撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか。

撮影はとても楽しくさせてもらっています。それぞれの人となりがわかったうえで書かれている脚本なので、宗時は(片岡)愛之助さんにすごく合っているし、時政も(坂東)彌十郎さんにすごく合っているし。出演者が口をそろえて「彌十郎さんの時政って役、いい役だよなぁ」って言っているので。(大泉)洋ちゃんは、みんなから「これでお前の好感度は下がるぞ」って言われてたりするんですけど、「鎌倉殿の13人」の頼朝を体現できる人は大泉洋さんしかいないんだろうなとも感じるので、一緒にやっていてとても刺激をもらっています。

ここまで半年ほど撮影している中で、関係性だったり信頼が徐々に積み上がって、現場がどんどん良くなっている感覚はあります。状況的になかなかコミュニケーションを取ることは難しいですが、特に北条家は家族としての結束が強くなっていて、2021年の父の日には北条のみんなで彌十郎さんにプレゼントを渡しました。それを彌十郎さんがとても喜んでくださっていたのは印象に残っていますね。

演出の吉田照幸についてはどのように感じていますか。

本当に最高です。吉田さんは、ドラマ以外の番組も数多く手がけてこられたということで、今まで出会ってきた監督さんたちとはまたちょっと違う感じで。大河ドラマに参加するのは初めてということで、吉田さんの中でもいろいろな迷いや葛藤があると思うんですけど、意外とそれを僕に話してくれたりするんです。「僕、今こういうことで結構悩んでいるんだけど、小栗さんはどうですか?」みたいな感じで。僕、意外とそういう監督さんにあまり会ったことがなくて、それはすごく信頼できるし、そこで見つけた形みたいなものがふに落ちることが非常に多いので、一緒にやっていてワクワクさせてくれる監督さんだなと思っていますね。

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